Tier 2 ソ連 軽戦車(プレミアム)
スペック
車体装甲厚(mm) | 25/15/25 | 本体価格(ゴールド) | 1 | ||
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最高速度(km/h) | 前進 | 41 | マッチング範囲(戦闘Tier) | 2~3 | |
後退 | 15 | シルバーボーナス(%) | 25 | ||
隠蔽率 | 静止時 | 0.30 | 経験値ボーナス(%) | 70 | |
移動時 | 0.22 | 搭乗員経験値ボーナス(%) | 無し |
パッケージ
Morozko 1G |
詳細
パッケージ名 | エンジン | 主砲 | 履帯 | 砲塔 | HP | 通信機 | |
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出力 | 下記参照 | 車体旋回速度 | 砲塔装甲 | 通信範囲 | |||
出力重量比 | 地形抵抗 | 旋回速度 | 視認範囲 | ||||
Morozko | ZiS-16 | 45 mm 20KL | Morozko T-45 | Morozko T-45 | 140 | 71-TK-3 | |
85 | 52 / [47.67] | 35/35/35 | 300 | ||||
12.50 | 1.1/1.2/2.1 | 52 | 270 |
※車体旋回速度の実質値は通常地形、操縦手熟練度100%で計算。スキル及び超信地旋回の可否は考慮していません。
主砲性能 | |||||||||||
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名称 | 弾種 | 弾代 | 貫通 | ダメージ | 発射速度 | AP弾 DPM | 照準時間 | 精度 | 総弾数 | 最高角 最伏角 | |
45 mm 20KL | AP APCR HE | 14 2G 14 | 51 84 23 | 47 47 62 | 16.67 | 783 | 2.40 | 0.40 4.92 2.37 | 66 | +20 -6 |
※先頭のセルの色は対応するパッケージの色となります。
解説
- 概要
Tier2ソ連プレミアム軽戦車。
外観と車体スペックは同Tierの通常軽戦車T-60によく似ているが、性質はやや異なる。
2019クリスマス時にログインしマスチプレイヤー戦で一戦したプレイヤーに配布された。
- 火力
- 45mm 20KL
45mm口径の戦車砲はこのTierにしては比較的優秀な貫通力・単発火力を持つ。
貫通力はT-60の37mm砲やCruiser Mk. IIIのQF 2-pdr Mk. IXなどには劣るものの、実際のマッチングにおいて不足する敵はごく稀。
と、扱いやすいと思えばそうもいかない。
発射速度は遅く、装甲をたやすく抜かれてしまう相手には殆どDPMに負けて不利となる。
また、移動時の照準拡散が酷いという痛い欠点があり、照準時間の長さも相まって発射速度を補える飛び出し撃ちに向かないという矛盾を抱えてしまっている。
- 45mm 20KL
- 装甲
Tier2としてはトップクラスの正面装甲を持つ。
ただし、HP140とTier2軽戦車としては非常に低い数値になっている。DPMの低さ・照準の遅さと合わせて、こちらを貫通可能な敵との正面戦闘は不利。
また、車体は側背面が薄いので、迂闊に晒し続けたりしないように。
同じ防御力に優れた軽戦車でも、フランスのHotchkiss H35やRenault R35とは全く違う立ち回りが要求される。- 砲塔
全周35mmとこのTier帯では非常に分厚い。
とくに砲塔前面の大きな防盾は50mmの厚さがあり、被弾径始を考慮した丸みが付けられている。正面に限れば多少貫通力のある砲でも弾くことは多く非常に頼りになる。
側背面も硬く、しかも緩いとはいえ傾斜があるので、機関砲なら完璧に防いでくれる。 - 車体
正面上部の大半は約66°もの傾斜がついた25mm装甲となっており、真正面からでも実装甲厚60mm前後、飛び出し撃ちなどで車体を傾けていれば容易に実装甲厚70mmオーバー*1とかなり硬い。
操縦手視察口や車体下面は傾斜こそ少ないものの35mm厚であり、貫通力40mm程度は必要になる。
反面、車体側面はわずか15mmで傾斜も無いので、機関砲にも斜めから簡単に抜かれてしまう弱点。*2
背面はなぜか側面より厚く、上下共に傾斜込みで28mm程度。だが機関砲も防げるかは微妙な水準であり、側面よりは安心できるかといった程度。
正面からなら機関砲車両はほぼ完封できるが、側背面を取られると瞬殺されることも多く、敵に対して車体は真正面を向け続けたい。
- 砲塔
- 機動性
T-60の最終状態とほぼ同じ。
砲塔が重い分出力重量比はわずかに劣る。
極端に困るほどではないが、走り出しの加速や登攀能力はいま一つ。
迂回ルートを使っての側面取りや開けた場所での走り偵察にはあまり向かない。
- その他
その他明確な弱点として270mしかない視界が挙げられる。
T2 Light Tankとは違って隠蔽はそこそこ高いが、視界のスペックはTier1よりも劣る。
また、飾り付けられた装飾に迷彩効果は無く、通常車輌と同じく迷彩を施すことができる。
- 総論
固い砲塔と正面装甲、発射速度以外は優秀な砲に対して、
明確な装甲の弱点、HPとDPMの低さ、乗員が2名しかおらず負傷で全滅しやすい、と脆さも併せ持つ車両である。
基本的には最前線で重戦車に近いポジションを担いつつ、弱点を突かれない位置取りと戦況の変化に対応できる柔軟性が重要になる。
史実
1942年3月、第37工場および第38工場に対して、「T-60の生産を速やかに終了し、T-70の製造を開始せよ」という指示が下された。
しかし第37工場はこの一連の作業に対する準備が全くできておらず、速やかな生産ラインの切り替えは不可能であると確信していた。
また、GAZからのエンジン供給量が明らかに足りておらず、これがボトルネックになってT-60の生産遅延を引き起こしていたことも、第37工場の悩みの種であった。
こうした状況下で
「生産ライン切り替えの手間を節約し、GAZからのエンジン供給に頼らず生産することのできる新型車両。すなわち、装甲と武装を改善し、エンジンを換装したT-60を開発/製造することは、T-70を製造するより優れた選択肢である」
という考えが第37工場から出てくるのは当然といえば当然のことであった。
新型エンジンにはZiS-16バスに積まれているZiS-5/ZiS-16エンジンが選ばれ、1942年5月にこれをT-60へ搭載した試験車両が完成し、試験が行われた。
試験の結果は上々で、ZiS-16搭載車両はGAZ-202よりストレスなく動き、静かで、メンテナンスもしやすく、計算より1km/h最高速度が高いというオマケまでついてくるほどであった。
エンジン冷却に問題はあったが、これはGAZ-202搭載車両にもついて回った問題だったので、あまり気にしないことにしたようだ。
これと平行して「主砲を45mmに、装甲を35mmに引き上げたT-60」の設計もまとめられ、工場側が独自に「T-45」と命名したこの設計案が軍側へ提案されるころにはすっかり全ての手筈が整っており、試作一号車がほぼ完成しかけているという状態であった。よほどT-70への生産ライン転換作業が嫌だったのだろう。
準備万端で提案したにもかかわらず、軍側の反応はひどく悪いものであった。
武装と装甲の強化はエンジンと足回りへの負荷に悪影響を及ぼすことは自明であり、そのような戦車の製造は不経済であると、そう考えられたのである。
ともあれ試作車両がある以上一応試験だけは行われることとなり、射撃試験と走行試験が行われ、どちらも成功であると認識された。
そして、T-45(と、ZiS-16エンジン搭載T-60)の試験結果は装甲車両総局へと送付されたものの、T-70に比べれば時代遅れであると一刀両断されてしまったようだ。
とはいえ試作車両はちゃんと動く代物であったので、1942年9月に西部戦線へと送られて実戦投入されたようである。
その後の行方はようとして知れない。
製造側にとってメリットだらけの選択肢であっても、それが使う側にとってのメリットとなるかどうかは全く別の話という、世の中にはよくある話であると言えるだろう。