ヒーロー/ソル=バッドガイ

世界各地で戦争が絶えない時代にソルは生まれた。

人間はより強力な武器を求め開発を行い、生体兵器『ギア』
を生み出した。『ギア』は改良を重ねられ、ついに強力な意志
と力を持った『ジャスティス』という『ギア』を完成させる。
しかし『ジャスティス』は『ギア』たちを率いて人間に叛乱
を起こし、100年以上に渡って人間と『ギア』は戦い続けていた。　
　
『ギア』の試験体にされたソルは長い時を生き、賞金稼ぎ
として生活を送りながら『ギア』を生み出した「あの男」
を探すために旅をしていた。
旅の中、「あの男」の傑作ともいえる『ジャスティス』を激戦

「あの男」を捜すため、ソルは行動範囲をひろげようと
飛空挺に乗っていた。暴風吹き荒れる甲板で考え事を
していると背後から急襲を受ける。襲撃者は赤い唇に
不適な笑みを浮かべた女。彼女はソルに告げる。
「あの男」の邪魔になる存在には消えて貰う、と。
素早い動きで襲いかかり、ソルは身構えるより早く攻撃を受け、
衝撃で甲板から放り出された。飛空挺から落ちていく中
ソルが見たのは、甲板から満足そうに見下ろして笑う女の顔。
「まだ死ねない。「あの男」を倒すまでは！」
そう強く思った時、ソルの体は光に包まれその場から消えた。

ゆっくり体を起こし、ぼぉっとしている頭を軽く振って
感覚を呼び覚ます。
だが、ここはどこなのか、自分は何者なのか、全く覚えて
いないことに愕然とした。
近くでアフロの男が心配そうにソルを見ていたが、気がついた
ことを確認すると、安堵の溜息をもらし話しかけてきた。
「ここは様々な時空がつながった世界です。」
話によると、どうやって来るのか、どうやって帰るのか
アフロの男はこの世界と自分の役割について語りだす。
「ここではいろんな人がそれぞれの思いを抱いて
戦っています。私はこの世界に来た人に、戦い方を

よろしければ力になりますよ。」
　
ならばと、ソルはアフロの男に向かって剣を振った。
剣から放たれた炎に燃えるアフロ。
ソルは剣の技だけでなく、躰が覚えている他の技も容赦なく
かけていく。
　
一通り試し、アフロの男がボロボロになった頃、
ソルが自分が戦って生きてきたのだと実感した。
自分が何者であるか、戦いを通して思い出す可能性
かけていく。

自分が何者であるか、戦いを通して思い出す可能性
に賭け、この世界で様々な人間と戦うソル。
戦えば戦うほど体になじむ剣は、剣のみが特殊な訳
ではなく、自身の力に反応していることがわかった。
なぜ、この剣を持っているのか。
この剣で一体何を成そうとしていたのか。
その考えに至ったとき、強い感情が脳裏をよぎる。
「まだ死ねない。「あの男」を倒すまでは！」
感情と共にあの時の記憶が蘇る。
　
一通り試し、アフロの男がボロボロになった頃、
ソルが自分が戦って生きてきたのだと実感した。
自分が何者であるか、戦いを通して思い出す可能性
を締め上げ、「あの男」との決着をつけなければ！

ソルはようやく思い出した。
生体兵器を作り、自分の体『ギア』の試験体にした
「あの男」を倒し、自身の身に起きた悲劇と戦争を
二度と繰り返さないため旅をしていたのだと。

この世界で戦いを挑んでくる人々を蹴散らしながら、
元の世界に帰る方法を探す。
そんなソルにアフロの男は情報を持ってきた。
「元の世界と深く関係があるものがあれば、帰ることが
できるかもしれません。」
元の世界と深く関係があるもの。ソルが真っ先に思いついた
のは、手にしていた『封炎剣』だった。