概要
コンピュータ用語のdefault(初期設定)からの派生語で、プレイヤーが設定できるキャラクター名につき、初期値として与えられている名前のこと。デフォルト名。
DQの場合、ナンバリング作には基本的に存在しないが、外伝作の一部には存在する。
一般には、名前入力画面で最初からその名前が入っていて、それをプレイヤーが自由に変更できる状態になっているか、あるいは、入力画面は空白だが何も入力せず進めた場合に自動的にこの名前になる処理が行われるものを指す。
なお、そもそもプレイヤーが自由に変更することができない名前は公式名であって、それをデフォルトネームと呼ぶことはない。
プレイヤーから公式設定に近い感覚を持たれやすいという意味では【小説ネーム】とも似ているが、デフォルトネームは開発由来、小説ネームは(発売されたゲームを元に作家の責任で執筆された)小説内の設定であって、出自も概念としてもまったく別物。ちなみにDQ7のみ、両者とも「アルス」で一致するが、それ以外の作品では一致しない。
主人公の名前
「【主人公】=自分」であるドラクエにおいて、主人公のデフォルトネームは基本的に存在せず、本編シリーズでこのような処理が行われたことはない(DQ6のみ後述の特殊事例あり) 。
ただし広告や【公式ガイドブック】等の攻略本では、ゲーム画面上では必ず何らかの名前が入力されている必要があるため、特定の名前が使用された。
これらは当Wiki内各頁をはじめ「デフォルトネーム」として扱っている場合があるが、実際のプレイ時に初期値として与えられているわけではない。このため本来の意味でのデフォルトネームではなく、あくまでも資料としての設定上存在する広義のデフォルトネームである点に注意。むしろ開発名と呼んでも良い場合が多いだろう。
DQ6までは社名 【エニックス】から「ッ」を取ってひらがなにした【えにくす】(エニクス)が使われていた。オールドファンは「主人公の名前と言えばえにくす」というイメージを持つ人も多いのではないだろうか。
なお、これはファミコン時代には業界的に普通のことであり、他のメーカーでも「すくうぇあ」「にんてん」「なむこ」等、社名から取った名前が使われることが多かった。
なおDQ6では、電源を入れたあとに放置していると始まるオープニングデモにて【プロローグ】が始まる演出があり、ここでは上述の「エニクス」が主人公の名前になっている。ゲーム内において実際に「エニクス」の名前が登場するのはこれが唯一の事例である。
一方、当時の雑誌ではそれぞれの編集部にて誌名やマスコット、キャッチコピーなどから採った名前が使われることもあった。
例えば『ファミコン通信』ではマスコットの「ネッキー」から採った「ねっきい」やキャッチコピーの「ウッドボール(=木鞠=決まり)」から採った「ウッボー」、『ファミリーコンピュータMagazine』では略称の「ファミマガ」から「ふみまか」、『マルカツファミコン』では「まるかつ」、『ファミコン必勝本』では出版社の「JICC」から「し゛っく」、など。
リメイク版DQ3以降の作品では、そこまで大きく扱われないもののきちんとした公式名が設定され、各媒体のスチール写真でも原則としてこれが使わるようになった。
リメイク版DQ3の男勇者とDQ7の主人公には共に【アルス】の公式名が設定された。特にDQ7の主人公は【取扱説明書】にまで「主人公(アルス)」と名前が明記され、普段はオリジナル名の小説にも「アルス」が採用されるなど、 かなり明確に公式名として扱われている。
「アルス」はGBC版DQ3でも引き続き使用されたが、PS版DQ4では男勇者が【ソロ】、女勇者が【ソフィア】に変わった。また2003年に新たな画面が公開されたDQ8ではナンバリングから採った「エイト」となり、PS2版DQ5では【アベル】と作品ごとに異なる公式名が設定された。
以降、これらの名前がガラケー版を除き機種を問わず使用されるようになり、DQ6もDS版、DQ1とDQ2もWii版『DQ1・2・3』発表時に公式名が制定されている。ただしDQ1は「そろ/ソロ」というDQ4の男勇者と重複する名前になった。
そもそもが【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】の主人公だった「アルス」をはじめ、【ドラゴンクエスト~勇者アベル伝説~】の主人公の名を流用したDQ5、【ドラゴンクエストモンスターズ+】に登場したDQ2の主人公の名称「ロラン」をそのまま逆輸入したDQ2と、リメイク版で設定されたデフォルトネームは漫画やアニメなどの派生作品を元ネタにしていると思われるものが結構多い。
一方、2000年代後期以降に制作されたナンバリングタイトルでは「ナイン」「エックス」「イレブン」と、作品のナンバーそのまま、あるいはローマ数字から採った名前が使用されている。
なお主人公の性別を選べる作品においては、男女別に公式名が設定されているのはDQ4のみである。
PS2版DQ5以降は合併後の【スクウェア・エニックス】から発売されているが、「すくえに/スクエニ」はガラケー版のDQ1~DQ3で用いられているに留まっている。
外伝作品では、変更はできるものの最初から名前のついたキャラクターが主人公となる場合がある。上述の通りこれが本来の意味でのデフォルトネームである。
モンスターズシリーズの【テリー】【ルカ】【イル】などがその例である。なお、テリーはタイジュの国などで主人公の付けた名前で呼ばれ、それを知ったミレーユも国内でのみその名前で呼ぶ。
一覧
主に説明書、公式ガイドブック・広告等で確認できたものを抜粋。
太字はメインと思われるもの。「※」のあるものは使用数が少ないもの。
作品 | オリジナル版 | リメイク版 |
---|---|---|
DQ1 | えにくす ましりと※ ゆうしゃ※ そろ ◆ ろと ※◇ | えにくす(SFC) エニクス(SFC/GB) アルス(GB) ゆうしゃ※(SFC) ソロ すくえに(携帯) |
DQ2 | えにくす ゆうてい※ りはうす※ ろらん◆◇ | えにくす(SFC) エニクス(SFC/GB) ゆうしゃ※(SFC) ロラン すくえあ(携帯) スクエニ(スマホ) |
DQ3 | えにくす まなふ゛※ あるす◆◇ …他多数 | アルス アイリン※(SFC) スクエニ(携帯) |
DQ4 | えにくす かわむら※ おやし゛※ けろけろ※ そろ◆◇ | ソロ(♂) ソフィア(♀) ジーク※(PS・♂?) |
DQ5 | えにくす エニクス はかせ※ アベル◆◇ | アベル |
DQ6 | エニクス えにくす レック◆ | レック |
作品 | 名前 |
---|---|
DQ7 | アルス◆ セブン※◇ |
DQ8 | エイト◆◇ |
DQ9 | ナイン◆◇ |
DQ10 | エックス(男) テン(女) ◆ |
DQ11 | イレブン |
ビルダーズ1 ビルダーズ2 | ビルド(男) クリエ(女) |
星ドラ | アース(男) テラ(女) |
ウォーク | ウォーク |
【ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書】では◆の名前を使用
DQ11のスタッフロールでは◇の名前を使用(DQ6とDQ10は表記されず)
主人公以外
主人公以外のキャラクターで最初から名前が与えられている場合は原則的に変更不可な公式名であることが多いが、DQ2のように変更コマンドが存在したり、DQ6などで【命名神マリナン】で公式名が変更できる場合もある。
これらも、変更可能な初期設定の名前という意味ではデフォルトネームに含められるだろう。
DQ2の【サマルトリアの王子】と【ムーンブルクの王女】には主人公の名前によって数種類の候補の中から選ばれるデフォルトネームが存在する。
これらはデフォルトネームではあるが、厳密な公式名というわけではない。
また、FC版DQ2で変更コマンドを行った場合は「ふたり」「さんにん」という名前が入力されている。これは狭義のデフォルトネームに該当するが、さすがにこのままプレイするプレイヤーは普通はいない(まれにはいるだろうが)ため、一般にはデフォルトネームとして扱われることはない。
DQ5の【仲間モンスター】はオリジナル版では名前固定だったが、リメイク版で【キラーパンサー】以外はデフォルトネームから変更可能になった。
【男の子】と【女の子】に関してはSFC版のときから内部データに初期設定の名前が与えられていたが、ゲーム中でデフォルトネームとして確認することはできなかった。
リメイク版になって、全く別の名前でデフォルトネームが与えられるようになった。
一覧
ゲーム設定上のデフォルトネームと、その他の書籍(小説除く)による公式・準公式名を併記する。
作品 | オリジナル版 | リメイク版 | |
---|---|---|---|
DQ2 【サマルトリアの王子】 | ゲーム | 【アーサー】 クッキー コナン 【すけさん】 【トンヌラ】 パウロ 【ランド】 カイン | |
書籍等 | コナン クッキー | ||
DQ2 【ムーンブルクの王女】 | ゲーム | 【ナナ】 【マリア】 プリン 【リンダ】 まいこ 【サマンサ】 【アイリン】 あきな | |
書籍等 | ナナ プリン | ||
DQ5 男の子 | ゲーム | ※クーパー | レックス |
書籍等 | 【ガイア】 ペペル ドラお エニボウ | ||
DQ5 女の子 | ゲーム | ※アニー | タバサ |
書籍等 | レイア ポポカ クエこ エニリン | ||
星ドラ 1人目の兄弟姉妹 | サンド | ||
星ドラ 2人目の兄弟姉妹 | アクア |
※DQ2は2作以上の関連作品で使われていた例を挙げた。詳細は各キャラクターの項目参照。
※SFC版DQ5の「クーパー」「アニー」は内部データ上のデフォルト名だが通常プレイでは確認できない。リメイク版では本来の意味でのデフォルトネームとなったので太字で示した。
外伝ネーム
2006年からのバトルロードシリーズを皮切りに、歴代シリーズのキャラが登場する外伝作品が増加してきており、それらのゲームには歴代主人公も何らかの形で現れている。
当然作品内でこれらをメタ的に「ドラゴンクエスト◯の主人公」と呼ぶわけには行かないため、各主人公ごとに呼び方が決められた。
ただし上述のデフォルトネームでは「アルス」が重複していることもあり(後に「ソロ」も重複となった)、ロトシリーズの主人公に関しては名前を使わない独自の呼称が定められた。DQ5の主人公についても、イメージの違うアニメの主人公と重複する「アベル」ではなく(折りしもバトルロードの稼働当時はアベル伝説のDVDソフトが発売された頃)「伝説の魔物使い」が用いられた。
それ以外の主人公については上記のデフォルトネームにそれぞれの肩書きを組み合わせたものが用意されている。
バトルロードで使われたこれらの外伝ネームは、後のシアトリズムやライバルズ、ドラけし!、クロスブレイド、DQM3でもそのまま使われ続けている。そしてこの間に新たに発売されたDQ10以降の主人公にも、同様の外伝ネームが設定されている。
主人公の外伝ネーム一覧については【主人公】の頁を参照。
一方仲間キャラのうち名前が固定ではないキャラについては、DQ2はそのまま【サマルトリアの王子】【ムーンブルクの王女】である。
DQ3の仲間キャラについてはバトルロードなどには未登場であったが、ライバルズエースにおいて登場し「歴戦の(職業名)」という外伝ネームが与えられ、その後ドラけし!にも引き継がれている。
DQ5の【男の子】【女の子】は、バトルロードシリーズではプレイヤーキャラになっている関係でカードとしての登場が無かったが、ライバルズにおいてデフォルトネームと同じ「レックス」「タバサ」が用いられている。
DQ10オンライン、モンスターズシリーズ
これらのような【モンスター】を仲間に出来るシリーズでは、モンスターの名前を付ける時に最初に表示される数文字をデフォルトネームと呼ぶこともある。
ただ大抵の場合、種族名の最初の数文字(【ドラゴンキッズ】だと「ドラゴンキッ」になってしまう)だったりする。ジョーカー2以降はモンスター名に漢字が使われるようになったが、名前入力で漢字が使えないためか「魔王の使い」→「**の*い」などになってしまう。
テリワン3D以降は名前に漢字が使える為、幾分かは修正されたが、文字数は8文字までしか付けられないので、【ゴールデンスライム】が「ゴールデンスライ」になるなど、種族名を付けられない種族も相変わらず存在する。
また、種族名に使われている漢字なのに、入力できない字もちらほら見られる。テリワン3Dやイルルカだと名前を付ける時に空欄にすれば種族名が自動的に入力されるが、ジョーカー3だと最後に入力した名前が表示されてしまうので、一度名前を付けると配合するまで元の種族名に戻せなくなってしまう種族もいる(【ようかい魚】などがその例)。
DQM1では旅の扉の主が仲間になった際、名前入力画面で最初から名前が入力されており、【ホイミン】や【ゴレムス】、【ドランゴ】等のお馴染みの名前も見られる。実は、仲間にならない主もデフォルトネームだけは設定されている。
せめて主力だけでもしっかり名前を付けてあげたいところ。
実際DQ10オンラインでも【スラリン】や【ピエール】といった過去作の【仲間モンスター】の名前をつけるプレイヤーは少なくない。
これを受けてかVer.4.5前期で各モンスターごとに上記のようなデフォルトネームが設定された。
トルネコ3、少年ヤンガス
こちらも仲間にしたモンスターに名前が付いているが、
モンスター名を省略した物や入れ替えた物から、由来がわかりにくい物まで様々である。
また、♂と♀で違う場合もあり、モンスターズより名前としてきちんとしている。