概要
【モンスター】の思考パターンの一種。狙いを一人に集中させ、そのキャラが死ぬまで攻撃し続ける。要するにリンチ。
攻撃対象選択の概念が生まれたDQ2から登場し続けている。
作品やモンスターによってシステムが異なるので存在がわかりづらい場合も多い。
基本的には通常攻撃だけでなく、単体対象の攻撃手段はすべて集中攻撃が適用される。
FC版作品では比較的見分けやすく、【公式ガイドブック】にもわりと記載されていたが、SFC作品以降はDQ6のボーンファイター、DQ11のフロッガー系統と試練その1・試練その2くらいしか言及されていない。
【HP】や【守備力】の低いキャラが狙われると危険だが、知っていれば比較的対処しやすい特性でもある。
狙われたキャラが重点的に攻撃されることを逆手に取り、狙われたキャラに【防御】させたり、他のキャラに回復や【スカラ】等で支援させたりすることで戦闘を有利に進められる。
ただし、作品によってはターゲットの【死亡】だけでなく、【呪文】等の行動を挟んだ際にもターゲットが再抽選されることがあるので過信は禁物。
DQ9では【怒り狂う】、DQ10では【怒り】システムが登場し、これに置き換わる形で削除された。
DQ11では上記システムがなくなり、復活。とはいえ後述するように仕様が大幅に弱体化しており、使い手も過去作で集中攻撃をしてきたモンスターぐらいなので影が薄い。
DQ2
初登場。【ゾンビ系】を中心に多くのモンスターが所持しており、【ラリホーアント】や【バーサーカー】など、意外なモンスターが所持していることもある。
本作のみ行動パターンの1つに割り当てられており、この行動を持っているモンスターは対象者をランダムで選ぶとずっとそのキャラを狙うシステム。しかも【グループ】内の敵全員が一斉に同じメンバーをターゲットにしてくるので怖い。
所持しているだけで発揮されるため、特性とほぼ同義である。
異なる点は、これ自体を選択できるかどうか(DQ2では選択できる)。ちなみにその場合、通常攻撃が発動する。
後ろ2人のどちらかがターゲットになると、死亡率が急増してしまう。
特に厄介なのが【キラータイガー】と【アトラス】で、特にアトラスは迷いのない2回攻撃ほぼオンリーの戦法と、行動順にランダム性が多い今作の仕様がかみ合い、「後攻→先攻で続けて4回同一キャラを殴ってくる」という現象がちょくちょく発生するため、これに耐えられないと回復が間に合わずに撲殺される(特にローレシアの王子が撲殺されるとほぼ詰む)。
リメイク版
実際にこの行動を選択して、はじめて集中特性が発揮されるように変更された。しかも同グループ内の他の敵のターゲッティングには影響しない。つまり、皆で袋叩きにするのではなく、個人が目標を定め続けるだけである。そのため、集中攻撃が発動する確率自体も基本的に1/8と低く、ほとんど意味がなくなってしまった。
ただし、この行動を一度選択すれば集中特性が発揮されることから、一部の敵はそのスイッチが入りやすいように8つのスロットのうち複数にこの行動を入れてある。該当者は、【マミー】(2/8)、【ミイラおとこ】および【アンデッドマン】(3/8)。これらの敵は1人を狙い続けやすいと言える。
ちなみにオリジナル版と違い、通常攻撃以外を用いて集中攻撃してくることはないため、一度これが選択されると以後は通常攻撃しか使わなくなる。
これを使って以後の毒攻撃を自ら封じるバブルスライムなど、これが向かい風になっている敵キャラクターまでいる。2回攻撃&痛恨の一撃というラインナップを全て使えなくなる【しにがみ】などは向かい風の極致と言える。
ちなみに、「集中攻撃」という行動自体は普通の通常攻撃とは若干性質が異なり、ダメージこそ通常攻撃と同じだが、【回避率】や【みかわしのふく】の効果による回避が不可能となっている。
例外的に【マヌーサ】による影響だけは受け、50%の確率で攻撃を外す。
なお、本来の行動選択が防御であった場合、防御フラグが消えないまま行動が通常攻撃に切り替わるため、防御と集中攻撃を両方持つ【リビングデッド】は、これらを用いた【防御攻撃】をしてくることがある。
DQ3
本作以降は行動パターンからは外れて、特性になった。
基本的な仕様はDQ2とほぼ同じであるが、特性になったことで、通常攻撃を行わない敵が集中攻撃を実装できるようになっている(本作にはいないが、DQ5の【ビヒーモス】などが該当)。
同一グループのモンスター全員がひたすら一人を集中攻撃してくるため、見分けやすい。
【おばけありくい】【どくどくゾンビ】【マドハンド】が所持する。
データ上は、【ミイラおとこ】【くさったしたい】にも集中攻撃フラグが設定されているが、なぜか全く集中攻撃はしてこない。
おそらく、この2種は【判断力】が最低になっていることが関係していると思われる。
詳しくは「判断力」に載っているが、どうやら判断力0の場合「優先的に○○を狙う(「前衛を狙う」というほぼ全モンスター共通仕様も含む)」システムが働かずに均等ランダムで攻撃が定められるようなのだ。
これも前作とは異なる点である。
リメイク版では、【キャットフライ】が集中攻撃を行うようになった他、追加モンスターの【デーモンソード】も所持している。
DQ4
【キラースコップ】【ピクシー】【キリキリバッタ】【おにこぞう】【アローインプ】【ドラゴンパピー】【とつげきうお】【テラノザース】【ジャイアントバット】【どぐうせんし】が所持。
前2作と異なり、ゾンビ系モンスターが使用するというイメージから外れた。
持っているモンスターがかなり増加したが、言われなければ気づかないモンスターが多い。
例えば、キラースコップやピクシーは、主にこちらが1人か2人パーティのときに出会うので、1人に集中されていることがわからない。
中盤以降に出現する連中は、集中攻撃される前に簡単に一掃できてしまうため、やはり気づかない。
注意すべきは、第二章のキリキリバッタの集団と鬼小僧ぐらいだろう。
なお、グループ内の1匹が呪文を唱えた時点でターゲットがリセットされるので、呪文使いのモンスターの場合はやや変則的となる。
DQ5
仕様が変更され、グループで共有されなくなった。
つまり、1匹のモンスターが集中攻撃するだけなので、はっきり言って言われなければ気づくわけがない。
一応、結構な数のモンスターが所持しているが、公式ガイドブックにも記載されないほど地味。
通常攻撃せずに集中攻撃特性を持つ敵が初めて登場(【ビヒーモス】が該当)。集中攻撃が特性になった意義がようやく出てきたが、この特性自体が弱体化したので影響は極めて限定的。
DQ6~8
対象をランダムに選ぶ集中攻撃は相変わらず影が薄いが、最もHPの少ないキャラを狙う「低HP集中型」や最後尾を集中的に狙う「最後尾集中型」が新たに登場した。
これらのタイプの集中攻撃はかなり猛威を振るう。
中でもSFC版DQ6の【ボーンファイター】は、2回行動で執拗なまでに最後尾を狙うのでインパクト抜群。
ここまで徹底されると対策必須であるが、【公式ガイドブック】にも書かれているので対策は可能。
DQ8の【ヘルコンドル】や【ごくらくちょう】も、ズル賢いモンスターとしての色づけに一役買っている設定である。
隊列の一番後ろに置かれるキャラが基本的に最もHPの低いキャラであるため、低HP集中型も最後尾集中型も対象が被りがちで一緒くたにされているふしがある。
一応前回の戦闘や同時出現した他のモンスターによる攻撃などで「最もHPの低いキャラ」が変わった場合、低HP型はそちらに対象を移すのという点で違いはある。
「最も狙われたくないキャラ=最もHPの低いキャラ」という図式で行くのなら、低HP型の方がより脅威。
HPの高いキャラを後方に配置することで意識的に回避ができるという点で最後尾集中型の方がまだマシといえる。
DQには高守備・低HPのキャラクターは少ないので、そういう意味でも対策は取りづらい。
なお、DQ8ではランダム集中攻撃がなくなっている。
DS版DQ6では従来のランダム集中攻撃持ちは全員削除、そして低HP狙いと最後尾狙いの奴らがランダム集中攻撃に差し替えとなっている。
DQ11
「必ず狙ったキャラを攻撃する訳ではなく、狙う確率が高くなるだけ」という仕様に変更され、見抜きにくくなった。
【フロッガー】系統だけは結構な高確率で最後尾のキャラを狙うが、適用されるのは通常攻撃と【痛恨の一撃】のみ(【ポイズントード】の毒攻撃などには適用されない)という仕様になっている。
しかし、フロッガー系のモンスターは通常攻撃の頻度自体が低く、集中攻撃よりも他の行動の方が脅威になりやすい。
対策必須なのはポイズントード(HPと素早さがそこそこ高く、【ベロニカ】を最後尾にしていると出現数によってはHP満タンでも1ターンで殺される恐れがある)ぐらいである。
【いれかえ】コマンドでベロニカを最後尾以外に持ってこれば安全だが、別種の敵と同時に出現した際は注意。
最後尾集中型のモンスターに対して敵に狙われやすくなる特技や装備品を使用すると、そのキャラが逆に狙われにくくなるという謎の現象が発生する。
このことと1列目の記述から考えると、本作の集中攻撃は「隊列などによるターゲット率の判定を反転させている」処理がされている可能性が高いか。
また本作では、以下のようなタイプが新たに登場した。
DQMシリーズ
味方モンスターをAI戦闘させた際、敵の状況に応じてターゲットを決める。
詳しくは【AI】を参照。
DQM1
敵が一部の単体対象の補助特技を使用する際に同じモンスターを執拗に集中狙いする現象が見られる(ターゲット選択の基準は不明)。
イルルカ
【錬金カギ】の世界に出現するモンスターの行動パターンに味方のAIが流用されており、HPや守備力が最も低い1体を集中攻撃してくる。
ジョーカー3
前作同様、ディスクの世界に出現するモンスターが集中攻撃を行う。
また、単体物理攻撃で同じ敵を集中攻撃した際に専用の演出が入るようになった。この演出を活かす為か、ストーリーの世界の雑魚敵が同一ターン内に同じモンスターを集中攻撃してくる確率が過去作よりも高くなっている。
ダイの大冒険
この思考パターンを模したのかは不明だが、【チウ】率いる獣王遊撃隊が集中アタックなる戦法を行っている。
一体の【さまようよろい】相手に遊撃隊が総攻撃するという似た行動で敵を倒した。