所属 | United States Navy |
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艦種・艦型 | レキシントン級巡洋戦艦→レキシントン級航空母艦(1922) |
正式名称 | USS Lexington (CC-1/CV-2) |
愛称 | Lady Lex, Gray Lady |
名前の由来 | Battles of Lexington and Concord アメリカ独立戦争レキシントン・コンコードの戦い |
起工日 | 1921.1.8 |
進水日 | 1925.10.3 |
就役日(竣工日) | 1927.12.14 |
除籍日(除籍理由) | 1942.6.24(珊瑚海海戦/Battle of the Coral Sea 1942.5.8自沈処分) |
全長(身長) | 270.7m |
基準排水量(体重) | 43500英t(44198t)→36000英t(36578t)(1922) |
出力 | Yarrow式重油専焼缶16基General Electric式蒸気タービン4基電気モーター4基(ターボ・エレクトリック方式)4軸 180000shp(182496.5PS) |
最高速度 | 33kt(61.11km/h)→33.25kt(61.57km/h)(1922) |
航続距離 | 10kt(18.5km/h)/10000海里(18520km) |
乗員 | 2791名(1942) |
装備(巡戦計画) | 16inch50口径連装砲4基8門 6inch53口径単装砲14門 3inch単装高角砲8門 21inch魚雷発射管8門 |
装備(1927) | 8inch55口径連装砲4基8門 5inch25口径単装高角砲12門 0.5inchM2ブローニング機関銃x24 艦載機72 |
装備(1942) | 5inch25口径単装高角砲12門 1.1inch対空機関砲x48(12x4) エリコン20mm対空機関砲x22 0.5inchM2ブローニング機関銃x24 艦載機72 |
装甲(巡戦) | 舷側:5~7inch 甲板:1.5~2.25inch 砲塔:6~11inch バーベット:5~9inch 艦橋:12inch |
装甲(空母) | 舷側:5~7inch 甲板:0.75~2inch |
建造所 | Bethlehem Shipbuilding Corporation, Fore River Shipyard, Quincy, Massachusetts (ベスレヘム造船フォアリバー造船所 アメリカ合衆国マサチューセッツ州ノーフォーク群クインシー市) |
勲章 | American Defense Service Medal Asiatic-Pacific Campaign Medal(2 stars) World War II Victory Medal |
- 米海軍が保有していた航空母艦。姉妹艦のサラトガともども太平洋戦争開戦時にアメリカ海軍が保有した7隻の空母「セブンシスターズ」の一角。
元々はレキシントン級巡洋戦艦として建造される予定であったが、ワシントン海軍軍縮条約によって空母へ建造を変更された経緯を持つ。 - 特筆すべきはその動力で、蒸気タービンで発電し、その電力を使ったモーター駆動でスクリューを回転させるターボ・エレクトリック方式を採用している。
この方式はギヤードタービン技術で後れを取っていたアメリカで主力艦に広く採用された駆動方式であり、この動力方式を有する艦船としては世界最大であった。その出力は停電したタコマ市に送電できるほどだった。 - 元々は巡洋戦艦だったため重装甲が施されており、被弾に強いはずだった。
就役から太平洋戦争前まで
- 1925年10月3日に進水。1927年12月14日に就役した。
太平洋艦隊に配備されたレキシントンは訓練や演習など、平時の任務に明け暮れていた。
また、1929年には電力不足であったタコマへの送電を供給、ターボ・エレクトリック式を生かした発電所としても活動した。 - 大戦前、アメリカ海軍水兵として後のSF作家ロバート・A・ハインライン*1(1907年生~1988年没)がレキシントンに乗艦している。
また、ハインラインが乗艦していた頃のレキシントン艦長アーネスト・キングは、後にアメリカ海軍のアメリカ海軍作戦部長・合衆国艦隊司令長官となった。
太平洋戦争でのレキシントン
- 1941年12月7日。太平洋戦争が勃発しレキシントンはついに実戦を迎えた。
日本軍の真珠湾攻撃の際には優先目標とされたアメリカ空母であったが、レキシントンは航空機輸送任務中で難を逃れ、日本艦隊の捜索に従事した。 - 翌年の1942年1月には第11任務部隊の旗艦として真珠湾を出撃。
2月にラバウル攻撃を目指すも、2月16日に日本軍機の空襲を受けたラバウル攻撃は失敗に終わった。
3月6日には第17任務部隊と合流、サラモアとラエの日本軍を攻撃した。
この時期に8inch連装砲を降ろし、28mm機銃を搭載した。本来は5inch連装砲を載せる予定だったが間に合わなかったようだ。 - そして運命の5月7日、世界史上初、空母同士の海戦となった珊瑚海海戦では日本海軍の機動部隊と戦った。
この戦いでは空母ヨークタウンと共同で、艦載機の攻撃で空母祥鳳を撃沈、翔鶴に損害を与える戦果を挙げた。
しかし、翌日5月8日の戦闘でレキシントンは日本軍航空隊から魚雷と爆弾を喰らい、機関停止に陥る。
気化したガソリン等の誘爆が続いた結果、レキンシントンは回航もままならないほどのダメージを負い、艦の放棄が決定。重装甲を施した事が仇となり、爆発のエネルギーを艦内に閉じ込めてしまった。
負傷者の収容後、遂に友軍駆逐艦から5発の魚雷を放たれ、雷撃処分された。
余談
- 後にその名前はエセックス級航空母艦の1隻、CV-16に引き継がれている。
このCV-16は3度も日本軍から撃沈を発表されており、さらに戦後も複数の映画に日本軍空母役などで出演したという異色の経歴を持つ。
CV-16は非常に長命であり、1942年9月に進水し約50年後の1991年に退役。
現在でも記念艦として公開されているエセックス級航空母艦のひとつである。
ちなみにブルー・ゴーストのあだ名のように、CV-16には度々ハンサムな水兵の幽霊が目撃されているという。 - グレイ・レディ(Gray Lady)という愛称がある。名を引き継いだCV-16はブルー・ゴースト(Blue Ghost)。2代揃って色の付いた愛称。
また、レディ・レックス(Lady LEX)という愛称もある。こちらは妹との識別のために甲板に描かれた、LEXの文字が由来。どちらにせよレディである。