所属 | United States Navy |
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艦種・艦型 | 1938(I)案戦艦 |
正式名称 | 1938 (I) |
起工日 | 未起工(計画のみ) |
進水日 | 未進水 |
就役日(竣工日) | 未就役 |
全長(身長) | 243.8m |
基準排水量(体重) | 45495英t(46225t) |
出力 | Babcock&Wilcox式重油専焼缶8基General Electric式蒸気タービン4基4軸 130000shp(131803.1PS) |
最高速度 | 27.5kt(50.92km/h) |
航続距離 | 15.0kt(27.78km/h)/15000海里(27780km) |
装備 | 18inch48口径三連装砲3基9門 5inch38口径Mk12連装両用砲10基20門 ボフォース40mm機関砲x32(8x4) エリコン20mm機関砲x30 艦載機x2 |
- 日伊の第二次ロンドン海軍軍縮条約調印拒否を受けて1938年から発動した「エスカレーター条項」に基づき設計された、アメリカの重戦艦の一つ。
- 1922年のワシントン海軍軍縮会議、1930年の第一次ロンドン海軍軍縮会議に引き続いて、1935年に第一次軍縮条約の改正を目的に第二次会議が開かれることとなった。
1934年からその予備交渉が行われていたが、既存の体制を維持しない日本の主張*1、そしてそれが不調とみるに日本は条約体制からの脱退を通告。35年に開催された会議を経て調印したのは英米仏のみだった*2。 - ここで締結された条約中には、37年4月1日までに未調印国の調印がなかった場合、一部規定の上限が緩和される「エスカレーター条項」というものがあった。
この条項の中には、例えば戦艦に関する規定が挙げられており、本来「基準排水量35,000t以下・主砲14inch以下」であるところを、「基準排水量45,000t以下・主砲16inch以下」とするとされていた。
- 結局日本はこれに調印せず、エスカレーター条項が発動。
本来14inch砲を搭載する予定であったノースカロライナ級は設計を変更して16inch砲を搭載することとなり、同級の改良型としてサウスダコタ級も誕生することとなった。
- しかしこれら2級はいずれも16inch砲搭載艦とはいえ旧条約型戦艦がベースで、1万トン上乗せされた排水量を前提とはしていなかった。
そこで1937年から38年にかけて、いくつかの45,000t級戦艦の設計が行われる。
ある案では日本の有力な高速艦である金剛型や重巡洋艦に対する「高速」を有したものが、別の案では従来の「低速」で重火力重装甲を有したものが設計されることとなった。
こうした諸案のなかで所謂「高速」案のものがアイオワ級に、1938(I)など「低速」案がモンタナ級(未成)に繋がっていく。
- 1938(I)は45,000t"低速"戦艦案のうちの一つで、サウスダコタ級の船体を伸ばして主砲を1基追加するという方法(→モンタナ原案)に次いで現れた、18inch三連装砲3基搭載の重戦艦である。
こちらも基本設計はサウスダコタ級と同じで、船体を引き伸ばして(パナマ運河通行を考慮すると幅は広げられなかった)艦内容積と航速を確保した。
しかし45,000tという上限では18inch砲戦艦として攻撃力と防御力を十分に備えるのは難しく*3、同じ船体で後発のMk7 50口径16inch砲を4基搭載した方が優れているという判断が下されるに至った。
最終的にこの45,000t"低速"戦艦は、上記のように16inch砲12門を搭載するモンタナ級という形で落ち着くこととなる。- ちなみにモンタナ級は、開戦により軍縮条約が意味をなさなくなったことから排水量制限を撤廃する形でさらに強化、結局大和型とほぼ同等の63,000t強の排水量を誇る戦艦へと改設計されたのだが…
詳しくはモンタナの元ネタ解説にて。
- ちなみにモンタナ級は、開戦により軍縮条約が意味をなさなくなったことから排水量制限を撤廃する形でさらに強化、結局大和型とほぼ同等の63,000t強の排水量を誇る戦艦へと改設計されたのだが…