ミモリ

さて

世の中には「ピンク髪」「豊満な胸」そして「お淑やか/純真無垢(お色気が無い訳ではない)」という三要素による、いわゆる『ピンク髪巨乳ヒロイン』属性という一種の癖が存在する。
別に癖として意識していなくともそのようなキャラクターを好きになってしまうという方もいらっしゃるのではないだろうか。一定年代のラノベやアニメに少なくとも1人は存在していると言っても過言ではない存在である。
本ゲームにおいても、広告が一面ピンクになるほどピンク髪のキャラクターが存在し、どこかで見かければ琴線に触れることもあるだろう。

そう。まだ始めたて、初めて触れた時に期待した方もいるのではなかろうか。タイトル画面に映るピンク髪で豊満な女性に。
変な鳥のバッグを背負った生徒が白髪の生徒に抱きついている、その後ろに凛と佇むかの姿に。
じゃれあう2人を優しく見守る視線は、柔和で包容力のある印象を持たせ、涼やかなセーラー服から主張するエンジェルフォールは魅力を醸し出しながらも下品にはならず、白いリボンの映える髪はやや赤みのあるピンク色。これらが合わさりヒロインとしての風格すら感じさせたその容姿に。

そう。　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

彼女である。

3章を駆け抜けた歴戦の「」生ならば、この後に感じるであろう失望がどれほどか、あるいはその失望がどれほど勝手で愚かで見当違いなものかはお分かりであろう。しかし、「この娘好きかもしれん……」と思った矢先に、なんならメモリアルロビーのはじめあたりに高まった期待の後に突きつけられるのが……あの伏せ字、あの奇行なのだ……

そこに至って振り返るも、「ピンク髪」「豊満な胸」という条件では、現在の場合極端に露出度が高かったり、入手機会が少なく??歳に夢中でその人の歯ブラシをプレゼントしてきたり、さらに入手機会が無く人物背景が"癖"を感じてる場合でなかったりと、上手く刺さるキャラがいないのである。

　
そんな中に吹き渡る清涼な一陣の風、強大な清楚力を誇り、ムチムチインフレの中では埋もれがちだが抜群のプロポーションを持った生徒、この”癖”を満たすどころか溢れさせるオアシスこそが彼女、ミモリである。
厳密にはピンク髪巨乳ヒロインでは無いが、それでも圧倒的光属性を持ち、さらに「少女漫画の登場人物に憧れて素敵なお嫁さんを目指す」という萌えの感情すら消しとばす眩い夢を追って日々修行に励む彼女は、一癖も二癖もあるキヴォトス人の中では目立たちづらくも確かな輝きを持って我々を迎え入れてくれる、包容力とヒロイン力の化身である。普段は修行としてお世話に励むも好意を隠しきれないその姿は、まさしく嵐の夜に惑う船を救う灯台である。

トリニティのあの子に勝手に吸い寄せられた愚かな先生にとって、ミモリは浄化の炎であり、救いなのだ。