【閃華裂光拳】

Last-modified: 2022-05-20 (金) 00:17:02

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するオリジナル特技で、【マァム】の師匠である拳聖【ブロキーナ】が編み出した武神流拳法の奥義の一つ。
【ホイミ】系の魔力を拳に乗せて打ち込み、強制的な過剰回復を引き起こして標的の生体組織を破壊する、呪文と拳法の複合技である。
インパクトの瞬間、回復系呪文のエネルギーが炸裂し強烈な光を発する様子が名前の由来で、命中する瞬間には「ドゴォォン」などかなり派手な音も鳴り響く。
技が命中した部位はボロボロに崩れ落ちたり、ヒビ割れながら崩壊していく。特殊な効果かつ非常に強力ゆえ、開発者のブロキーナ自身も使用を戒めるほどの技であり、作中でも実際に使用したのは「技の恐ろしさを理解し、使う資格がある」と認められ伝授されたマァムのみだった。
 
ダイ大の世界の回復呪文は肉体の代謝活動を活性化させることで傷を修復するが、過去にはこの原理を応用し、過剰な回復促進エネルギーで標的の生体組織を壊死させ破壊する【マホイミ】という「ホイミ系の攻撃呪文」が存在していた。
これは熟練した僧侶や賢者の切り札的な存在だったと伝わるものの、【ベホイミ】の数倍にもなる魔法力を消費するため、劇中の時代にはもはや使い手のいない呪文となっている。
この欠点に対して、打撃を与える一瞬に絞って魔力を炸裂させ、消費を遥かに少なく抑えるという発想で編み出されたのが閃華裂光拳である。
同時に、回復役の僧侶が攻撃用の大技に魔法力を割く作戦上の難しさや、本作の回復呪文の特性である「直接触れる」ことへのリスクを、武闘家の打撃技に組み込むことで解決しているとも言える。
 
なお、閃華裂光拳として発動する回復呪文とマホイミは発想と効果が同じだけの別物らしく、ブロキーナもマホイミは知識として知っているだけである。
マァムはベホイミまでの呪文契約適性しかなく、より強力な回復呪文のベホマは使えなかったが閃華裂光拳は問題なく習得している。
使い手の失われた呪文であるマホイミを再現したり契約する必要はなく、ホイミ系魔力の瞬間的な炸裂を会得する事が閃華裂光拳の要だと言える。
 
キックやエルボーなど、拳以外の格闘技に回復呪文を乗せることはできず、技を仕掛ける手段は限定されているが、理論上ホイミ系呪文が回復に作用する「生物」であるならば、肉体の耐久力や再生能力に関わらず致命打になりうる。
その決定的破壊力と同時に、生命活動が停止しているゾンビや幽霊、【ハドラー親衛騎団】のような呪法生命体には全く通用しないという弱点も併せ持っていて、ホイミのエネルギーで攻撃するため、魔法力全般を防げる相手にも効果がない。
昇格で後天的に生命体となった【ヒム】は呪文による回復を受け付けるようになっていたので、マホイミや閃華裂光拳にも反応する身体に変化している可能性はある。
また、回復呪文は手をかざせる距離なら衣服などの上からでも効果を発揮するが、閃華裂光拳は衣服の有無も含めて、相手の身体にどの程度まで触れる必要があるのか明確に描写されていない。
マァムが使用前にわざわざ手袋を外す描写があるほか、粘液で拳を覆われ発動できないというシーンもあるが、マァム本人ですら気づかないほど浅くかすっただけでも効果は出ていたので、深々と拳を突き立てる必要は無いようだ。
マァムの最終武具となった【魔甲拳】には拳を保護するメタルフィストの着脱機能があるが、メタルフィストを着用したのが閃華裂光拳の通用しない【アルビナス】戦のみで、以降は装着せずに素手で戦っていたこともあり、メタルフィスト装備の有無が技に影響を及ぼす事も無かった。
ただ【ミストバーン】に当てた際は闘衣越しに顔面に叩きこんでいるようにも見えるため、ある程度の衣服越しであれば効果はあると見ることもできる。
 
当たりさえすれば確実に肉体を破壊する上に回復呪文や再生も通じない、手加減など不可能な文字通り必殺の技であるため、ブロキーナはその恐ろしさを理解し、危険な技を扱う実感と覚悟を持った者でなければ伝授できないと考えていた。
マァムはその優しさと正義の心を見込まれ、初めてこの技を授けた弟子となっている。
技を目の当たりにした兄弟子【チウ】も恐ろしさに青ざめていたので、いつしか伝授されるべき時が来るのかも知れないが…回復呪文を使える事が前提の技でもあるので、伝授されるなら両方の修行をこなす事になるのだろう。
 
ちなみに、本作における武術の達人の一人ヒュンケルは「剣と呪文を同時に行使できる者は人間以上の存在」と述べ、文字通りの技である【魔法剣】も、【竜の騎士】という超人の象徴と扱われている。
その意味では、武器を使わぬ限定的な体術とは言え、接近戦と呪文を同時にこなす武神流拳法は、やはり高度な達人の域にあるのだろう。
魔族のハドラーや呪法生命体のヒムも格闘に魔力を載せる複合技を使うので、人の身でその戦闘レベルに到達できた技とも言えるか。
 
額面通りの効果が出ればかすった一発でも致命傷になってしまうので、お話の都合のためかまともに効いた場面が多くない技でもある。
同様の一撃必殺技である【ポップ】【メドローア】は決まらないなりに戦闘の駆け引きに使われていたり、【シグマ】戦と言う見せ場があるのに対し、閃華裂光拳は「効かない相手に当てたため効果を発揮しない」と言う形で不発になる描写が多い。
マァム自身の大きな見せ場となった【アルビナス】との激突でも、相手が魔力で活動する呪法生命体だったため決着はもう一つの奥義【猛虎破砕拳】に譲っている。
 
アバンがハドラーを【凍れる時間の秘法】で封印しようとした際にはブロキーナもパーティーに加わり、秘法発動までハドラーを格闘で抑える役割だったらしいが、閃華裂光拳は使わなかった様子。
外伝「勇者アバンと獄炎の魔王」の登場時点で既に閃華裂光拳は会得していて、巨大な【マンイーター】を撃破しているので、今のところハドラーに使わなかった(使えなかった?)理由は不明。

作中での活躍

マァムが【ロモス】武術大会で妖魔学士【ザムザ】【生体牢獄】に閉じ込められた際に初使用し、牢獄を破壊。
その後、【超魔生物】と化したザムザ相手に次々と繰り出し、超魔生物特有の高い再生能力を発揮させず追い詰めていくが、ザムザに拳が命中する瞬間のみ技果を発揮する事を読まれ、拳に皮膜粘液を吐きかけられてこの技を封じられる。
そのせいで優勢を崩されるが、いきりたったザムザがマァムを掴んで締め上げる中、ゴースト君(変装したブロキーナ)の指示で、【ポップ】【メラ】を放って粘液を溶かしたおかげで両手版の閃華裂光拳を繰り出し、ザムザの右腕を破壊した。
 
このように対生物に恐るべき力を発揮したのだが、同時にザムザは自身を実験素材として父【ザボエラ】の下に記憶チップを送っていたため、この戦闘で猛威を振るった閃華裂光拳は徹底的に警戒される事になる。
超魔生物の最終形として【超魔ゾンビ】という解答が生まれたのは、回復呪文を受け付けないゾンビ体にする事でこの技を無効化するという目的もあった。
 
【バーン】との戦闘では、閃華裂光拳を左手に掠めさせている。
マァム本人も気づかないほど浅く当たっただけにも関わらず効果は発動し、バーンの腕はビシビシと音を立ててひび割れはじめたが、バーンはダメージが拡がる前に自ら手を切り落とし、まるごと再生させるという荒技で対処してしまったため致命傷とはならなかった。
当たった場所から連鎖的にダメージが広がっていったため、進行より早く傷口そのものを取り除けば対処できるという描写になっている。
このあたりは、ロトの紋章における【幻魔剣】の「治癒しない傷口」への対処法とも共通している。
食らった側の強さや拳の当たり具合など条件が異なるものの、ザムザ戦では「殴られて損傷した部分を再生しようとしたら崩れる」「殴られた周辺が一気に崩壊する」というものだったので、詳細は不明だがバーンの場合を含めて効果の出かたにはムラがある。
 
その後にマァムが戦った相手は生命活動を行なっていないタイプだったり、魔法力を吸収無効化するバーンパレスの心臓部だったため活躍は限定的だったが、物語終盤では仮面の下に人型の顔があることから正体が何者であろうと生身である以上は【ミストバーン】に有効であると踏み、顔面にこの技を当てるもなぜか痕跡すら一切残らないという異常事態から、彼の正体を探る鍵となった。
 
バーンを打ち倒した後、物語の最後の最後で自らの正体を明かした【ピロロ】こと本物の【キルバーン】を倒した際にも、閃光を発する打撃を使っている。
ただ、倒されたピロロは壊死ではなくザボエラ同様ドロドロに溶けて死んでいるため、閃華裂光拳の効果だったのかははっきりしない。むしろザムザやバーンの腕のようにボロボロと崩れておらず、効果が違うという見方もできる。
同じ奥義である【猛虎破砕拳】の性質上、マァムも【闘気】を扱えるほか、ザボエラへのトドメも【クロコダイン】の闘気技であったことから、闘気を食らって死んだ魔族は妙な死に方をするのかと考えると、このとき使ったのは通常の闘気拳だった可能性もある。

余談

DQMB2、DQHシリーズ、DQRでは、この技をネタ元にしたと思わしき【閃光烈火拳】という技を【アリーナ】が使っている。

魂の絆

【白虎の爪】によって習得できるマァムの奥義として実装。
ゲームの都合上、さすがに問答無用で生物即死というわけにはいかず、打属性のダメージ攻撃になっている。
そのため【キラーマシン】のような非生物相手にも通用するので、ある意味で原作より使い勝手が良くなっている。