海外版のリリースなどに際して行われる、一部武器などのデザインを変更する調整。
本項では装備銘の差し替えについても記載する。
目次
概要
- ゲームにおける事物には、大人の事情によりそのまま海外に持ち出せないものが一部存在する。
主な理由としては、他作品とのコラボ装備のように版権が絡むものや、
十字、六芒星、卍*1などの宗教的な事情・歴史的なタブーに抵触するものが挙げられる。
そういったものは別のデザインに変更する事でそれらの問題を回避する事が多いが、
ファミ通・電撃などのゲーム誌とのコラボ装備のように問題になる可能性が比較的低いものについては、
色の変更のような申し訳程度の変更に留まる場合も多い。
また、カプコン側が外部からデザインを募集して、優秀なデザインを採用する場合もある。
その性質上、こういった武器には秀逸なデザインが多いため、
性能が日本版のイベント武器と同じと知っていても欲しがる日本版のユーザーは少なくない。
やはり隣の芝生は青く見えるものなのである。- MHWorldではついに日本版でも使える武器のデザイン募集が行われた。
しかしながら、その実態はMHFでよく実施されていた「武器デザインコンテスト」の全世界版であり、
採用された武器も差し替えとは関係なく単に新規デザインである。- なお、今回ゲームに登場する最優秀賞は大剣が選ばれた。
ジェット噴射機構のついた未来的なデザインが特徴。
- なお、今回ゲームに登場する最優秀賞は大剣が選ばれた。
- MHWorldではついに日本版でも使える武器のデザイン募集が行われた。
デザイン・名称が公募された海外版差し替え武器
- 海外版用にデザイン・名称が公募され、採用された武器には
スラッシュアックスの“Sinister Saints”、大剣の“Lion's Bane”、
太刀の“Tenebra”(強化で“Tenebra D”)、狩猟笛の“The Emperor's Speech”、操虫棍の“Clockwork”が存在する。
- 以下、海外版のタイトルとしてMH3G→MH3U、MH4G→MH4Uと記す。UはUltimateである。
- Sinister Saints
- スラッシュアックス。直訳すると「邪悪な聖人」。
海賊Jアックスの差し替え武器で、海外版MH3のイベントクエストで作成可能となる。
この武器のデザイン画を描き上げたのは北米の某ユーザーだったらしい。
素材はチケットである Smith's Notebook(直訳すると「スミスのノート」)が5枚、
Bathycite Ore (デプスライト鉱石)*2が10個、そして竜玉が4個である。- 「スミスのノート」と聞くと「スミスって誰?」と思うかもしれないが、
英語圏では鍛冶屋の事を Blacksmith と呼ぶので、恐らく武具を作る工房を指しているのだと思われる。
「工房の書」といったニュアンスであろうか。 - 斧モードの外観は鎌を構えた死神のようなデザインであり、
非常にダークな雰囲気を出しているのだが、剣モードにすると一変。
死神のローブが外れ、聖女のレリーフのような白い刃が姿を現すのである。 - その秀逸すぎるデザインを見た日本版ユーザーの間では、
海外のオンライン無料の件と共に「日本版は冷遇されている」という意見が相次いだ。 - MH3Gでは、G級ネブラ装備が邪悪な修道士のようなデザインになっている。
もしG級ネブラ装備がこの武器を装備できていたのなら、
(実用性はともかく)見た目的にはかなり様になったことだろう。
もちろんMH3Uにも登場しているので、海外版ユーザーは実現できたわけだが…
- 「スミスのノート」と聞くと「スミスって誰?」と思うかもしれないが、
- Lion's Bane
- 大剣。単語のとおりに直訳すると「獅子の破滅」という意味になるが、
通例的にサブカルチャーで~'s Baneという名称の剣が登場した場合は単純に「~の剣」程度の意味が多い
(ややこしいが、ここで'sがつかずに~Baneという名前の場合は逆に~殺しの剣、という意味になる)ため、
意訳としては「獅子の(大)剣」が適切であると思われる。
なお、応募時のデザインでは鬣と尻尾のような装飾のついた盾がセットになった片手剣だったようだが、
採用にあたって刃の形状など、細部のデザインが変更されたうえで大剣カテゴリになっている。
攻撃力960、斬れ味は青で、匠で白が少し付き、スロット2、会心率0%、覚醒で龍属性300がつく。
Lion King's Seal(直訳すると「獅子の王の印」という意味)というチケットを入手すると作成できるようになる。
真・轟断剣と同じ性能。デザインはやや装飾過多なレイア系大剣といった趣になっている。
MH3Uにも登場しているが、微妙にテクスチャの色合いが修正されており、
剣の根本に象られている獅子の顔部分がやけに黒っぽく、あまり目立たないようにされている。
- Tenebra
- 太刀。意味はニゲル=テネブラと同じくラテン語の「闇」である。
攻撃力462、斬れ味は緑で、匠で青まで延び、スロット3、会心率0%、覚醒で氷属性が300つく。
MH3では“Cold Call(直訳すると「凍て付く呼び声」)”
というイベントクエストの報酬のDark Metal(直訳すると「闇の鉱石」)、
MH3Uでは“The Dark Demon's Sword(直訳すると「闇の悪魔の剣」)”の
Shadowed Edge(直訳すると「影の刃」)というアイテムを入手すると作成できるようになる。
強化系のTenebra Dは、攻撃力561、斬れ味は青で、匠で白まで延び、
会心率は0%、覚醒で氷属性560を得る。
こちらも鉄砕牙系列と見た目以外は一緒である。ちなみに、鉄砕牙と同じく鞘よりも刀身の方が大きい。
MH3Uにも登場している。
- The Emperor's Speech
- 狩猟笛。MH4Uに登場。
ゴールドとピンクの配色を主体とした本体部分やさりげなく巻かれたリボン、
そして皇帝風プーギーがちょこんと座った姿がとてもキュートな逸品。
笛の音色はもちろんプーギーの声である。
武器デザインコンテストの欧州優秀作品で、デザイン担当はLin Setzekornという方だったそうだ。
- Clockwork
- 操虫棍。MH4Uに登場。
こちらは武器デザインコンテストの北米優秀作品で、アラジンの杖の差し替え版。
Clockworkという名の通り、歯車が多用された機械的なデザインが特徴。
なんと猟虫も歯車仕掛けの機械、「機巧虫」となっている。
その他の差し替え武器
- また、デザイン・名称の公募は行われなかったが、やはり版権の問題で差し替えられた武器が存在する。
- ML001:Baltzenger
- ランス。MH3,MH3Uに登場。
特捜隊専用槍【百狐】に相当する武器で、元の武器の色違いである。
- Rising Soul
- 太刀。MH3, MH3Uに登場。
意味は直訳すると「上昇する魂」。意訳するならば「湧き上がる魂」といったところだろうか。
攻撃力594、斬れ味は青で匠で白まで延長、スロット2、会心率0%、雷属性440。
素材は Lightning Ticket が5枚、ライトクリスタルが10個、
Shell Shocker+ (海竜の高電殻)が8個である。
こちらも、性能と素材を見ればわかるように、ライトニングワークスの海外版である。
形状も全く一緒で、配色は白地に水色の発光部分が存在するというものになっている。
MH3Uにも登場。
- Baron's Blazon
- ガンランス。MH3Uに登場。意味は直訳すると「男爵の紋章」。
攻撃力253、斬れ味は緑で匠で青まで延長、砲撃レベルは通常3、スロット1、会心率0%、無属性。
シルバークラウンに相当する武器で、デザインは同一のものを使用、色合いは銅色である。
Marquis's Blazon, さらにDuke's Blazonという強化先があり、
それぞれ日本版におけるゴールドクラウン、プラチナクラウンに相当する。
ちなみに、Marquis(=Marquess)とDukeもBaronと同様ヨーロッパにおける貴族の爵位の名称で、
Marquessは侯爵、Dukeは公爵と訳される。
- Voltage Verve
- 狩猟笛。MH3Uに登場。意味は直訳すると「電圧の熱気」といったところ。
攻撃力598、斬れ味は緑で匠で青まで延長、スロット1、音符は赤緑白、会心率0%、雷属性500。
最終的にHigh Voltage Verveへと強化される。
ブリッツワークス、ギガブリッツワークスに相当する武器で、デザインはほぼ同じ。
色はRising Soulと同様で、白地に水色の発光部分が存在するというものである。
- Lightning Blaze
- ガンランス。MH3Uに登場。意味は直訳すると「稲妻の紋章」。
攻撃力529、斬れ味は白で匠で紫まで延長、スロットなし、会心率0%、雷属性450、防御+14。
ボルティックワークスに相当する武器で、デザインはほぼ同じ。
色はRising Soulと同様で、白地に水色の発光部分が存在するというものである。
- Sanctioned Sword
- 片手剣。MH3Uに登場。意味は直訳すると「認可された剣」。
攻撃力280、斬れ味は白で匠で白延長、スロット1、会心率15%、雷属性500。
雷剣コロドライトに相当する武器で、剣の刀身部分がチェーンソーのような形状になっている。
双剣のツインチェーンソー系列をやや簡略化したデザインの剣を片方だけ持ち、
オーソドックスな五角形の盾を合わせた物をイメージすれば大体合っている。
盾の配色はコロドライトの剣の配色と似通っているものの、
それ以外の部分にコロドライトの面影は殆ど残っておらず、
武器画像だけを見てコロドライトの差し替えだと判る人はまずいないだろう。
- Bushido
- 双剣。MH3Uに登場。由来は言わずもがな「武士道」であろう。
攻撃力392、斬れ味は紫で匠でさらに延長、スロット3、会心率-10%、覚醒で爆破属性180を得る。
超硬質ブレードに相当する武器で、日本刀と十手を模した和風の概観。
なお、『進撃の巨人』の試作読み切りはブレードではなく日本刀であり、
片方が日本刀のような形状をしているのは、このあたりの設定を反映したものだと思われる。
- Eisenfaust
- 大剣。MH3Uに登場。意味はドイツ語で「鉄拳」で、その名の通り鉄でできた拳のような外見。
攻撃力1440と大剣中同率2位ではあるものの、
斬れ味は青10で、匠で白10まで延長、スロット2、会心率-50%、無属性。
仁剣【侠客立ち】に相当する武器で、よく見るとデザインにその名残がある。
- Dragon's Roar
- スラッシュアックス。MH3Uに登場。意味は直訳すると「龍(竜)の咆哮」。
攻撃力1196、斬れ味は白で匠を付ければ紫30まで延長、スロット3、会心率0%、氷属性。
スラッシュフォックスに相当する武器で、外見もスラッシュフォックスの色違いである。
- Majestic Scepter
- ハンマー。MH3Uに登場。意味は直訳すると「威厳のある王笏」。典型的な王様の持っている杖のことである。
攻撃力1560と同作に登場するハンマー中トップだが、斬れ味は青で匠を付けても白止まり。
無属性で、会心率、スロット共に0だが、味方を殴ることで回復させることが可能。
クレイジー・Dに相当する武器だが、外見は大きく異なり、白と金を基調とした如何とも形容しがたい荘厳なデザイン。
似たデザインの武器を挙げるとすれば、ナナ=トリであろうか。
先端部には王冠もあしらわれており、元の武器の面影は影も形もない。
日本語版のデザイン差し替え
- 稀なケースだが、日本語版でもシリーズを跨いで同名武具のデザインが変わる場合がある。
なお、名前と形は同じでシリーズによって色合いが変わるパターン(例:オデッセイ)や、
防具のグレードが変わるパターン(4のEX、XのRシリーズなど)、
ボウガンのオプションパーツの形状変更などはここでは扱わない。
現状ではヘビィボウガンに多いが、これは同武器種に色違いの武器が非常に多かったためと思われる。
- ヴォルキャノン
- MH2でメテオバスターと同じフレームから、黒龍の見た目を模したデザインになった。
メテオバスター型のデザインはのちにブラックキャノンとして登場している。
- ボーンシューター
- MHP2Gまではアルバレストの色違い武器だったが、
MHP3で復活した際に他の骨武器に近い風合いの新規デザインにリニューアルされた。
- ボーンブレイド
- 骨以外に、柄周りと持ち手の一部に鉄の部品が使われていたが、
MH3から該当部分やその周りがジャギィの皮で覆われているデザインに差し替えられた。
後述の通りMHWorldで再びデザインが変更され、次作のMHRiseでもWorld版のデザインで続投したが、
ジャギィ派生のスキロスブレイドとしてMH3版のデザインが復活した。
- ジークリンデ
- MHP2Gまでは単にジークムントの色違いだったが、
MH3から刀身根元に包帯のようものが巻かれたデザインに差し替えられた。
なお、ジークムントの方は特に変化していない。
- MHWorld
- 本作ではシリーズお馴染みのハンターナイフやボーンブレイドといった武器の全てが、
ギルドの紋章をあしらい形状も大きく変わった新規デザインに改められている。
- MHRise
- 本作では斬破刀やオデッセイブレイド、ウォーバッシュなどの武器が復活しているが、
これらの中にはMHWorldの武器デザインをベースに元デザインの特徴を取り入れた、
新しいデザインに差し替えられているものがある。
装備銘の差し替え
- 装備デザインはそのままだが、アップデート等で名称や説明文が変更された例が存在する。
一文字だけなど、細かな間違いを訂正する差し替えについては誤植のページを参照。
- 煌竜剣(MHW:I・MHR:S)
- 2作品ともVer.12.0にてプラチナムドーンに変更。
- シルバースパルタカス(MHR:S)
- Ver.13.0にて鳳仙火竜砲【銀炎】に変更。
関連項目
武器/海賊Jアックス
ゲーム用語/コラボレーション
イベント・メディア展開/武器デザインコンテスト - MHFで毎年行われていたコンテスト