本項は新聞も活用した情報戦についての項である
- カウンター・プロパガンダ
- ホワイトウォッシング
- ネガティブ・キャンペーン ( 正当性、大義名分が無い時の対抗手段 )
の 2 系統を説明
目次
注意
第一に
感情的な罵詈雑言は控えるべし
感情に訴えかける為に感情的になるというのは短絡的かどうか以前に情報戦により操作される側の言動である
そもそも効果的に、対象に意図する言動を誘導、回避、促進または抑制するコトが情報戦の目的である
極論、仮に悪感情を対象に抱かせる必要があるなら抱かせ ( → 挑発 ) た方がイイし、感情的な表現方法 ( > 扇動 ) が絶対悪というコトはない
また影響を与えたい相手に働きかけを直接には行わず、事前に仕立て上げた協力者を介して情報を操作してもらうのも また しかり である
むしろコレらの手段は選択肢の一つとみなした方がイイだろう
第二に
投稿は必要十分なだけ行う
新聞は強制通知が来るので、煩くギャーギャーするだけで不快に思われる
結果として敵視されれば本末転倒だが、逆用する手立てもある
マナーの遵守は必ずしも勝利に貢献などしないが、積極的に破る意味も無い
潤沢な労働力があれば別だが、いずれにせよ無駄な労力は割かれるべきでない
分かっている人間は信頼性 0 で無責任な匿名投稿など信用しない
コレを言い換えると、信用を頼みとしていた者は拠り所を失い、いずれ錯乱する
錯乱する者は客観的な信頼を疑うようになり無責任な情報を鵜呑みにする
となる
宣伝の手段として必要な新聞自体の説得力を下げることになる
正当性があるなら自分の主張が埋没する
よって、使う場合は良く良く考えて投稿するのが賢明かつ効果的だ
カウンター・プロパガンダ
戦争中に相手国から
「 卑怯な裏切りだ ! 」
「 敵国のアホ ! マヌケ ! 」
等というデマ、中傷を新聞で ぶちまけられる場合は多々ある
コレが SNS なら無視、あるいは法的措置 ( 名誉 / 信用毀損、偽計 / 威力業務妨害、金融商品取引法、刑法>外患誘致罪、内乱罪、など ) に訴えれば良いが、ゲーム内でのみ通用する信用など、どの国の法律であろうと保護法益の対象外である
したがって多くの人が参加する CoW の場合、自国のイメージダウンに つながり実害を被る可能性があるにも関わらず、自衛する以外に対抗手段は存在しない
不利益を回避し、かえって国際的な評価を上げることが重要だ
正当性に瑕疵がある場合、
特に聴衆がリアルで健全な社会に暮らしている場合は不義、不道徳な言動に対し強い反感を招きやすい
したがって健全な社会の構成員が重要事の主導権を握っていたり、当該のラウンドに占める割合が多い場合は、事実の存否によらず他者のみが不義、不道徳な言動の行為者と見做されるように誘導することが原則である
仕込み
正当性を主張する時には、
注目が集まっている事物 ( = アジェンダ ) に関し利害を共有する他国との関係が重要である不可侵条約及び破棄予告は新聞で発表しておこう
第三者も確認できる動かぬ証拠となる…かどうかは、その社会において侵略行為が不法との共通認識を要件とする
もし侵略が強国の権利、特権と見做されている世界線であれば、正当な権利行使を批判する側こそが ( 国際 ) 秩序の破壊者である
そのため断罪されるべき対象となってしまうリスクがあるしたがってカウンター・プロパガンダを成功に導くためには他国との協調、連携が重要なのである
そもそも他国と同一、または類似の政策しか行わず説明不要な言動を貫いているとすると、敵が各種の情報操作によって悪印象を持たせようとしても一国だけが採用している政策が無ければ指摘のしようが無い
( ただし、ここでは国際社会における地位の高低は無視している
低い地位、序列であるのに分不相応な利権を得た場合は辞退が適当な場合もある )
犯罪に手を染める人の 99 % は水を飲むから、水は諸悪の根源だ !
DHMO
スイス方法論
先述までの工夫を凝らした上で なおも敵国に情報戦を仕掛けられてしまうコトはある
望むところであるこの場合の対処法について
基本的には、こちらも同じく新聞 を利用するのだが、コレは視聴者が新聞を見て影響を受けたものと考えられるからである
もし敵が別のメディアを用いてきたなら ( ターゲットとなる視聴者が同一であろうから ) 同じメディアを選ぶ必要がある
ただし裏を返せば異なるメディアであっても結果的に視聴者層が変わらないのなら代用しても同じ結果となる
かつ視聴者層が変化した場合は新たな視聴者に対応した内容への変更、ターゲットとなった視聴者が新たに選んだメディアの追跡、または その両方を行う必要がある
ストーカーだからまあ、筆や弁が立つプレイヤーにとってプロパガンダはそれなりに貴重な手段と言えるワケである
そして執筆にあたっての要点は、
See - Think - Do ( - Care ) ( STDC ) または Observation - Orientation - Decision - Action ( OODA ) プロセスの逆用、広くは応用である
宣伝戦を企画する側の意図としては、企画を始める時点、段階において視聴者は自身にとって都合の悪い認識を抱いている
コレを自己の都合に合わせて変える、コトと次第によっては歪めるのが大きな枠での方針となる
例えば
オーバーロード作戦の故事を振り返ってみると、単純化した場合、ナチスは欧州の防衛を以下のようなフローに基づいて計画していた
- 当初、ナチスは連合国軍の情報が不足していた ( ← See )
- したがってノルマンディーに上陸を志向し得ないとまでは考えられなかった ( ← Think )
- だからノルマンディー後方の予備兵力を削減しなかった ( ← Do )
ここで連合国の司令官たちが ( 現実的な範囲で ) 枢軸国側勢力に行ってもらいたかった行動とは、
第一に、連合国が実際に上陸を計画している地点とは異なる方向に枢軸国の兵力を移動してもらうコトと、
第二に、あわよくば上陸後も その場に留まってもらうコトであるこれを心理戦の結果として達成するためには先述の See - Think - Do を逆に辿り、自発的にノルマンディー以外の地点へ兵力を移動させたくなるような事態が起こり、かつ その後の経過が曲がりなりにも枢軸国側の思惑に沿っていると錯覚させ続ける ( ← Care の失敗 ) 必要があった
そこで連合国軍は、Ops ( B ) 主導の欺瞞作戦の一つとして知られる、いわゆる “ フォーティテュード作戦 ( Operation Fortitude ) ” を発動し、次のようにナチスの認識を操作した
- フランス南西部のパ=ド=カレー県 ( Pas-de-Calais department ) およびノルウェー西岸こそが
連合国軍の主な上陸地点であるとの誤情報を掴ませた ( ← See ) - したがってノルマンディーへの上陸が行われる公算は低いものとナチスは評価した ( ← Think その 1 )
- 結果、ナチスはノルウェーに 13 個師団、40 万人もの兵力を割いてしまい ( ← Do その 1 )、
かつオーバーロード作戦以降もパ=ド=カレー県への上陸を危惧したため、 ( ← Think その 2 )
ナチスは長期間に渡りノルマンディー方面への増援を躊躇した ( ← Do その 2 )
つまり
宣伝戦において自陣に不利益をもたらす展開を避けるためには、事実に関わる情報そのものだけでは不足である
各事実のメタ情報と、それを有効に利活用する多くのスキルが必要となる特に最低限必要となるスキルは作戦時に起きた状況を他人に区別して説明、描写する程度の表現力である
なお、コレができないというコトは漠然と何かが起きたコトは分かるがソレがどんな内容なのか、何を意味するのかは分からなかったり、印象は似ているが後々の結果が大きく異なる場合に全く気が付けないというコトである典型的な状況としては先述したアジェンダのようなマスコミ等の専門用語そのものを知っているコトと、一般人が日常生活を送る上で素通りする ( = 専門的 ) 事項を定義する利点を知っているコトであろう
しかし平和な社会で暮らしている人間が、日々の関心事も属性もバラバラな聴衆の認識を管理するニーズなど存在しないと思われるので、せめて盟邦と STDC プロセスの最後段たる Care ステップにおいて対話的な情報交換ができる程度の能力は身につけた方がイイだろうこの点で先述のフォーティテュード作戦において聞き手側に当たる枢軸国は人手不足の解消を機械化に頼り過ぎる傾向があり、これは諜報において致命的に欠陥ある失策だった
なぜならば
- 当時、存在した全ての演算装置には人間に匹敵する認知と判断の機能は無かったため、
演算結果から妥当な結論 ( = conclusion )推論 ( = inference ) や評価、すなわち正しい情報を得るためには ほとんどの場合で人間が補助する必要があった - しかし実際には、重大な結論を得る場合でも故意または過失によらず怠った
ためである
現代でこそ学習や、それに基づく例外への対応力を獲得した人工知能が台頭しつつあるが、当時の演算装置には記憶装置の搭載すら標準的ではなかった
ゆえに高度な数理的推論課題を個々人が負担せねばならない状況を自ら招いており、かつ機械化や自動化に掛かる機構のブラックボックス化は そうした事実に気付くための難度も相乗させてしまった
まして対処できる素養を持つ者はロンメルのような鬼才を湛えた極めて少数の変態紳士に限られており、結果として ほとんどの士官は終戦を迎えた後で諜報戦の重大な過失を知らされた
感情的な反論は信用を下げるリスクがあり、
相手と同じレベルに堕しては、正義はともかく勝利は決して勝ち取れないかと言って、このゲームには公益的な観点に基づいて戦争犯罪を取り締まったり裁いたりする国際裁判所、インターポールのような第三者機関は登場しない
日頃から相応のコストを掛けるコトにより、秩序の維持代行を担う実力を整備する必要がある
その段になってから ようやく焦って何かを始めても もう遅い
なんたって正当性なんてものは掛け値ありきの相対的な存在であって、数学における公理や科学における自然法則のように、森羅万象が まぬがれ得ない普遍的真理を指すものではないんだから
ネガティブ・キャンペーン
サダム・フセインが武装解除しないのであれば、アメリカが武装解除するまでだ by ジョージ・チンパン・ブッシュ
大惨事世界大戦
最初に
ロールプレイは面白いし効果も期待できる
しかし知識とセンスを要求し、それなりのリスクもアリ荒らしは論外
場外乱闘そのものなので通報されても文句を言えないだろう無理な抗弁をせず、敵の主張を黙って見過ごすという選択肢も有力だ
口達者には体でわからせるのが奥ゆかしい伝統湾岸戦争以降、イラクを拳で分からせようとした結果、始める前より敵を増やしたアメリカの愚行を再現しよう
テロリストを空から爆殺する → 一般市民が巻き添えを食う → 一般市民がテロリストを志す → 無限ループ大量破壊兵器なんてドコにもありませんでしたValerie Elise Wilson とアメリカ🇺🇸なんかを信じた私たちがバカでした by ニジェール🇳🇪亡命者一同序論
正義は作るもの
論理的な正当性がなくたって大丈夫
宣伝戦において事実はあくまで道具であり、本質ではない不道徳な手段を含んでいても結果的に味方を作れば OK なのだ
しかし、手段を選ばないと言っても上手い やり口というものがあって
何も考えずに好き勝手すれば完全に逆効果となるだけだ
基本的にプロパガンダは
絶え間なく常に行われる必要がある
それは、何も起きていない状況に遭遇できる機会など基本的に無いからである
具体的手段
初歩的な話として、情報戦が行われる状況は 「 事実そのものは変更できないが、せめて印象を都合の良い方向に操作したい 」 というニーズに抽象化、収束させられる
したがって事実そのものは操作できないのだから、自ずと操作すべき対象は事実周辺にある別の事実という事になる*1 *2
ある事実と他の事実との関係、つまり構図が都合の良い形に変化すれば、対象の作戦自体は差し当たり成功と言える*3
ペルソナ ( Persona ) 作成
近頃流行りのデータ分析や統計学、プログラミング等を駆使して敵の素性を詳 ( ツマビ ) らかにする以前に、まず宣伝戦の責任者には やるべき事が
山ほどある
つまり、その計画が自然言語で記述しても破綻するほど荒唐無稽な内容であれば、いくら対象を厳格に定義しようと分析しようと、それは無為 ( ムイ ) というものである
この状況について、その計画に登場する- 各アクターが
- 各フェーズで
- 何をしているのか
- どんな状態になるのか
を検証すると効果的に回避できる場合が多く、この目的で行われる作業の事をペルソナ作成と言う
また、要するにペルソナ作成というのはシステム開発に関わる人だと統一モデリング言語 ( Unified Modeling Language, UML ) とか、その下位概念のユースケース図 ( Use case diagram ) みたいなもんであり、ペルソナそのものは疑似コードで記述したクラスやオブジェクトみたいなもんである何らかの情報操作を行う際、情報の受け手が複数の段階それぞれで どのように考え方を変えていくのかを一つ一つ記述していく ( ジャーニーマップ ) と、計画立案の初期段階では誰もが 「 え…そんなん あり得なく
なくなくね ? 」 とか思うような謎工程を含んでいるものであるアジェンダ ( Agenda ) / フレーム ( Frame ) / スキーム ( Scheme )
日本語では先述の通り構図という表現、対訳以外は広く知られていないが、同じ文脈では使い分けが為される
アジェンダ ( Agenda )
既に言及しているため少し重複するが、まず Agenda は焦点の当たっている何らかの関心事である
普段の会話なら会議や議論の目的や目標を中心とし、派生する諸概念同士の関係みたいなニュアンスで使われる
あまりネガポジどちらかに振れる言葉でもないが、どちらかと言うとビジネス ( Business ) 同様、やるべき事、使命みたいなニュアンスがあるフレーム ( Frame )
これに対して Frame は、関心事があったにしても基本的に真理とか原理とかいった形の抽象的な状態であり、そもそも特に話者が想定していない事もある
当初から構図を駆使した哲学的思索などでも しばしば散見される単語であり、構造化そのものを目的とした行為、つまり動詞としても使われる
また若干、悪巧みなどのネガティブなニュアンスで使われる事も多いスキーム ( Scheme )
一方で Scheme も悪巧みなどのネガティブなニュアンスで使われる事が多い
特に ねずみ講やポンジ ・ スキームなど、詐欺の代表例にも使われる言葉なので、認知度も それなりに高いと聞く
また同語源の Schema は、カント哲学などの文脈で現代心理学や神経科学で言うところの認識や解釈に相当するメカニズムを意味したりする
で、つまり…この 3 語を通して詐欺師が抱く心理というのは こういう構図である
もともと現実は客観的な事実や証拠に基づく構造を持っている
しかし人は、先天的、生理的な仕組みから免れ得ないので、必ずいかなる対象に対しても多かれ少なかれ何らかの偏見を抱いている読み仮名狂ってんだろとか思ったりもするが、まあ、ざっくり言えば そういう事であるつまり憶測などの不確定要素を、
- ( 個々人の ) 認識
と - ( そこから導かれる ) 結論
に分けて整理するわけである
すると例えば、強固な団結力に支えられた勢力が存在するとして、また、その団結が何らかの行動様式に基づき成立しているとする
それは例えば、勢力内に明文化された序列があってナンバー 2 が平時の指揮を担当するとか、あえて序列を設けず必ず合議により軍事行動を行うとか、様々なケースがあるだろう
そうした役割を各員が受け持つ場合、遭遇する事態につき、それぞれ異なる視点から物事を観察している
そのため同じ事実を見ているが受け止め方が違う場合があり、役割が変質する結果を生じる事がある
ロールプレイ
端的に言えば
和気藹々とした世論を作り、真面目な主張を骨抜きに しちゃおう大作戦①茶化す
正当性がない主張 を、上手く誤魔化し不快にならないように実行するにはロールプレイが最適
「 我が国は居留民保護のために A 国を攻撃する 」 「 先日発見された古文書から、A 国は我が国の固有領土であることが発覚した 」 「 我が国の拡大は明白な天命であ ry 」
等と発表されて、真面目にその妥当性を検討するプレイヤーはいないだろう
逆に言えば
茶化すことによって、正当性を皆の焦点から外すことができるのだ面白い主張をすればするほど好意を稼ぎ、行動を矮小化できるので
歴史的知識とユーモアのセンスを要求する
事務的、公式的な発表文の形をとるのが基本
この辺の理由が分からないなら、プロパガンダ不向きだろう*( ナチス関連の政治的主張は重大規約違反 )
人種差別も危険
注意してパロろう
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