DQ3
中盤に登場する【村】。【船】入手後から訪問できる。
SFC版の【公式ガイドブック】ではアルファベットでもそのまんまTedonという綴りである。英語版での地名はNES・GBC版ではTedanki、スマホ版以降ではTheddon。
【バラモスの城】がある【ネクロゴンド】に近いこの場所は、現実世界の喜望峰周辺、南アフリカ共和国の位置に存在する。
この村は、その演出がなかなかに手が込んでおり、さらにここに到着するまでのシチュエーションも含めて絶妙に仕込みがされている。
- 【ポルトガ】から船で【海】に出たときにちょうど目に入る位置にある【ポルトガの灯台】で南に行けばテドンの岬があることが告げられ、南に行けと言われるので、海に出て取りあえずの目的地点と考える
- FC版では村の存在が明言されていないが、【取扱説明書】のマップには村のシンボルが明記されており、岬に来れば川が目につくので遡上すれば村が見える
- 海上の敵や周囲の敵が強めに設定されており、昼の間にポルトガから南下したとき、ちょうど夜になった辺りでテドンに着く
- 到着後【ルーラ】に登録されないことに気付き、そのまま【宿屋】に泊まりたくなる
- 夜の店を覗くと商品が豪華かつ高額なので「ルーラできないなら往来するよりこの周辺で少し稼ごうか」という心理もくすぐられる
以上の理由で、多くのプレイヤーは魔物たちとの戦いで疲弊している状態で夜にこの村を訪れる。プレイヤーは崩れた建物や【毒の沼地】に囲まれた【廃墟】のような風景に違和感を覚えながらも、疲弊しているので必然的に宿屋に泊まる。
そして、翌朝
白骨の転がる一面の廃墟だけが残る恐怖の朝を迎えることになる。
この村は、ネクロゴンドに近かったのが災いし、既に魔物の軍団によって滅ぼされた跡地だったのだ。
夜に現れる人々は【バラモス】の【呪い】の影響なのか、生への未練により成仏できずにこの世を彷徨う、あるいは滅ぼされたことにすら気づかない亡霊たち。
したがって、日中はへんじがないしかばねしかいない廃墟。人々の亡霊は夜になるたびに現れ、通常通り店を利用することもできる。
ネクロゴンドに近いゆえのバラモスの影響がうかがえるセリフも聞け、他の国・町とは違った【魔王】の存在を身近に感じながら生きる人々の心情が察せられる。
特に初プレイであれば、この演出はDQ3の中でも屈指の恐怖ポイント。
朝目覚めた際、普通の宿屋なら「おはようございます。では いってらっしゃいませ。」という挨拶が表示されるが、宿屋の主人がいないので、FC版では何も書かれていない真っ黒な空白メッセージウィンドウのみが表示される。
これにより、さらに怖さに拍車をかけている。
またこの宿屋はFC版では4人パーティで124G(1人31G)と世界で最も高い宿屋である。
普通の感覚ならこんなボロボロの宿屋でこの値段はぼったくり以外のなにものでもない。
なお【ランシールバグ】の応用で仲間と会話して仲間が宿屋に化けた場合にも、泊まると仲間が全員消えてしまうので、同じような体験をすることができる。
ただしこの場合は声の主がいなくなっても普通に宿屋の朝の台詞が続くので、真っ黒な空白ウィンドウはテドンの宿屋に特有のギミックのようである。
ちなみに、船を使って陸沿いにこの村を目指す場合、いずれも昼の間にポルトガの他に【アッサラーム】や【バハラタ】、【ランシール】から来てもちょうど夜になる距離。わざとなのか偶然なのか、絶妙な位置にある。
特にランシールはオーストラリアをモデルとしているのだが、位置的には実際の世界地図上のオーストラリアより少し西にズレて配置されているので意図的なものが感じられる。
この村は訪れてもルーラでは来られないため、【ラーミア】入手までは船で来るしかない。
そしてポルトガなどから船で来ると、また夜になる。
武器屋は【まほうのよろい】、【てっかめん】となかなか豪華な品揃えで、さらに【ゾンビキラー】まで店頭に並んでいる。
そんな中で【せいどうのたて】だけ安物で、1つ浮いた存在になっている。これは一応、転職したての【賢者】にちょうどいいラインナップとも考えられる。
そのほか「スルー可能な場所はすべてスルーする」という縛りプレーを敢行した場合、実は【レーベ】の次の武器防具屋は船を入手するまでお預けとなる。
ただし、超絶レベルアップでレムオルを習得するとかでなければ、必須イベントの順序的にはランシールの方が先であるが…。
販売員は亡霊でも、品物は実物である。前作の【ハーゴンの神殿】のそれが幻であったのとは違い、村から出ても品物はきちんと手元に残る。支払ったゴールドがどこに消えているかは謎のまま。
ちなみにこの町には【道具屋】がないため、新しい武具を買ったときに持っている武具を下取りしてもらえない。下取りしてもらえればもう1つ鎧が買えるのに、などという場面がしばしばあるため、ルーラで来られないのが余計に不便に感じる。
昼間には武器防具屋の2階で【やみのランプ】が手に入る。昼間にこの村に着いてしまったらこれを使えということだろう。
夜しか買い物できない特殊な村だが、親切に闇のランプがででんと置かれているため、【ラナルータ】の存在意義を怪しくしている。リメイク版の【ふくろ】が余計に拍車をかける。
また北東の民家では【さいごのかぎ】の情報が得られ、その地下室では棺の近くを調べると【いのちのきのみ】が手に入る。この地下室は地上と違い【ピラミッド】と同じマップチップを使用している関係で、【リレミト】で脱出可能。
北側には【牢屋】があり、昼間であれば破損部分から中に入って【囚人】のしかばねに話しかけることで、壁に残されたメッセージが読める。これによってオーブを所持していたことがわかるが、夜になると破損部分を【兵士】が塞ぐため、さいごのかぎで鉄格子を開けないと囚人に会うことができない。囚人の立ち位置も鉄格子越しに話しかけられない場所になっている。
さいごのかぎを入手して牢獄の中に入れば【グリーンオーブ】が貰える手ので、忘れずに入手しにくること。
オーブを受け取ると、壁に描かれたメッセージが【いきてるうちに オーブを わたせて よかった……。】と変化する。
この「いきてるうちに」と記した牢獄の男の存在から、「この村は夜だけ『生前』にタイムリープする呪いを受けているのでは?」と考えるファンも存在する。
余談だが、上述のFC版の【取扱説明書】の世界地図では、高山に囲まれたネクロゴンド側にあるような描かれ方をしている。
この地図によると北西の方から上陸すれば歩いて行けそうな見た目になっており、これを信用すると行き方を誤るかもしれない。
リメイク版
ポルトガから少し南に行った場所にある【旅人のほこら】でテドンの村について言及する【シスター】が追加されている。
さらにテドン周辺のフィールドは、エンカウント率が通常の2倍に設定されているので、敵に出会いやすい上に強敵も多いためパーティの消耗もしやすい。
そして宿屋の宿泊料が4人パーティで4G(1人1G)と破格の安さになった。
これによりますます「ここで回復しておこう」とプレイヤーに思わせることに成功している。
宿泊後に真っ黒なウィンドウは出なくなったが、その代わり日中のBGMが全滅時の【鎮魂歌】に変更。
これはこれでプレイヤーに恐怖を覚えさせる。
また、品揃えが大きく変わっており、まほうのよろいと【まほうのほうい】以外は変更されている。
【マジカルスカート】など、辺境の村とは思えない物が置いてある。システム変更により武器と防具の店でも下取りが可能なので買い物は比較的便利になった。
北東の毒沼のど真ん中に【ちいさなメダル】が落ちているほか、クリア後は【ゼニスの城】の【詩人】の話を聞いて来ると、昼間のみ【教会】で【まじゅうのツメ】が拾える。
HD-2D版
フィールドでの外観は【ノアニール】と同じく靄がかかった描写になっている。また、初めて村に入った際のムービーが、ここでは昼・夜の2パターン流れるようになっている。
今回はグリーンオーブを貰う前にボス戦が挿入され、牢屋に入るとイベントが発生して戦闘になる。
現れるのは【ファントム】を引き連れた【よみのばんにん】。【討伐モンスターリスト】ではこのモンスターによってテドンが滅ぼされたという設定になっている。ボスに勝利するとグリーンオーブは自動的に手に入る。
バラモスを倒した後で夜に来ると、住民たちの姿が【たましい】に変化するようになった。
魂となった住人達は幽霊船やほこらの牢獄の魂たちと同様に、変化の杖の魔物状態でもきえさりそうやレムオルによる透明状態でも通常通り反応するようになる。
ちいさなメダルは毒の沼地に落ちている1枚のみ。
【はぐれモンスター】は明るい時間帯の宿屋にわらいぶくろ、夜の地下室にくさったしたいが現れる。
また、ここの宿屋では【休む】を選択できない。
周辺には村の西の川沿いと南の海沿いに【ひみつの場所】がある。西のほうでは夜限定でシャーマン(匂いに反応する)が出現し、南のほうでは地面からちいさなメダルを拾える。
さらに、海岸沿いに東へ船を進めたところの「陸の孤島」にもひみつの場所が一つある。
ゲームブック版
中巻最初の行き先の選択肢の一つ(岬の町)になっており、ここで選ばなかった場合は以降訪問できない。
辿り着くときには夜になっており、原作とは違ってごく普通の村になっている。
しかし長老の家に一泊すると廃墟になっており、この村にあった【ブルーオーブ】が魔王に攻め込まれる前に【アリアハン】に運ばれたことが判明する。
小説版
ゲームと同じく壊滅しており、【船乗り】のバーマラも「テドンに行っても何もありゃしませんぜ」と向かうことに反対していた。
しかしたどり着いて見ると仕事で【ジパング】に行っていた武器屋の主人が難を逃れており、同じく生き残りだった女性と結婚して暮らしている。
遺体は夫婦が数年かけて埋葬したため、村の中は片付いている。
また、グリーンオーブを代々所有してきた一族の末裔の亡霊がおり、グリーンオーブをアレル達に渡して成仏する。
ロトの紋章
造船や土木関連事業が盛んな村として復興を果たしており、そのことを知らなかった初代賢王カダルが「テドンに帰る」というボルク・レナス夫妻の一言に驚く一幕もある。
ポロンがルナフレア号に乗り込む際、トロッコを拝借してルナフレア号に飛び移ろうとした際にトロッコが移動できるレールもあったことから、鉱業も行われているのだろう。
2代目賢王ポロンの故郷でもあり、ここでアルスたちは自分たちの船『ルナフレア号』を入手している。
DQ3ではバラモスの城(後のカーメン城)及びネクロゴンド地方とは岩山で隔絶され、徒歩で直接の行き来はできないはずなのだが、本作では【ネクロゴンドの洞窟】の南側入り口から見下ろしてすぐの位置にテドンの村があり、勇者アルス一行や村の行商が簡単に行き来している。
カーメン国により山が切り崩され、テドンへの直通ルートが開通したのだろうか。
また、ポロンがまだ幼かった頃にブラックマージ率いるビビンバーの大群の襲撃を受けており、ポロンの両親の命を賭した犠牲によって難を逃れている。
紋章を継ぐ者達へ
ポロン・サクヤ夫妻がレーベンを始めとする孤児たちと共に生活している。
カミーロはポロンが世界を放浪しているさなかに、寄る年波には勝てず亡くなったようだが…?
アイテム物語
【さいごのかぎ】の話の登場人物、アルカディオの出身の村でありわずかではあるがまだ平和だった頃のテドンの日常が描写されている。
知られざる伝説
テドンが滅ぼされた経緯が示されている。
バラモス配下の軍勢がテドンに乗り込み、当初は力を見せつけて降伏させるつもりだったが、オーブの発見によってその計画は変更された。
発見したオーブは、近くにいた怪物を殺傷するほどのエネルギーを放つため、破壊どころかさわることもできなかった。
そのため、オーブのことを知る人間を抹殺することになり、テドンが滅ぼされたとしている。
4コマ漫画
悲劇の地であるがこんな場所でも4コマ漫画で描かれており
一つは昼間、牢屋の壁に残されたメッセージを女賢者が読み、夜に囚人からオーブを貰えるのだが、翌日には「いきてるうちに ステーキを たべたかった……」という、未練があるようなメッセージが牢屋の壁に書かれてるのを女賢者が読み上げる。囚人よ、そんなに食べたかったのか?
それを聞いた勇者は、愚痴りながらも「しかたねぇ、今夜食わせてやるか」と、お金を確認するオチとなっている。
もう一つは始めて訪れて泊まった勇者一行が、翌朝のテドンのその惨状惨劇を見て絶句。
勇者の脳裏に「空を飛べたらいいのに」と目を閉じながら話す女性の姿が浮かぶ。そして女僧侶が横たわる屍に祈る側にキメラの翼があり、僧侶は「自由になりたかったのかもしれない」と呟く。
そして、勇者がパーティーを励まし、改めて勇者達は必ずバラモスを打倒する決意をするものになっている。