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【超魔ゾンビ】

Last-modified: 2019-07-06 (土) 01:04:07

ダイの大冒険 Edit

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するオリジナルモンスターの一種。
【ザボエラ】が掲げる三つの理想である
 

  • 自分の肉体は一切傷つかずに思い通り動かせ、なおかつ一方的に敵をいたぶれる能力
  • 変身型【超魔生物】である【ザムザ】戦で、自慢の再生能力を無視する技として猛威を振るった武神流【閃華裂光拳】【マホイミ】)への対策
  • 超魔生物改造による生命力の大幅な消費を改善し、自分がその能力をノーリスクで身に付けたい

以上を実現するため考案・製作された、「超魔生物第二号」にして、最早完全なる戦闘兵器の域に達した究極の超魔。

特徴 Edit

「超魔合成」の号令によって、数百匹分にも及ぶ大量の死肉の集合体として魔力で自身の体の周りに纏わせる。
ただし、材料となるモンスター達には、そうなるようにあらかじめ改造を施しておく必要がある。
その後集合した死体は巨大な人型の個体へと形を成し、ザボエラ自身はその中に入り込んで隠れ、中から操る。
死肉から作られているため「ゾンビ」と呼んではいるが、本作における他のゾンビ(死体を【暗黒闘気】で動かしたもので、ある程度の意思を持ち自立して行動可能)とは全く性質が異なる。
こちらはザボエラを保護しザボエラに操縦されるのが前提であり、意思や自立して動く能力など持っておらず一種のパワードスーツのようなコンセプトとなっている。
 
初期の超魔生物と同様に、超魔ゾンビ自体に呪文を使う能力はない。
また、超魔ゾンビを起動して以降、中のザボエラも全く呪文を使っていないため自分で言った割に前回の課題を全てクリアできていないのでは、というツッコミ所がある。
だが彼としては超魔生物をパワードスーツのようなものとして操縦するというコンセプトで操縦者が呪文を使うスタイルを取り、そこを改造せずに済むのならば、超魔生物が呪文を使えなくても問題ないという判断なのかもしれない(つまりザボエラがこの事を「克服が必要な課題として認識していない」ならば矛盾もしない)。
しかし、ハドラーのように超魔生物状態で格闘と呪文を両立するところまで至っていない以上、客観的な視点で見ればまだ改良の余地を残していることになる。
なお、呪文を使わなかった理由としては

  • 外へ出るという危険を冒して呪文を撃つより、安全な中に閉じこもることを選んだ
  • 超魔ゾンビの制作・操縦にかなりの魔力を消耗するため、他の呪文を使う余裕がなかった(事実、超魔ゾンビを失った後のザボエラは完全にMPが枯渇しており、ルーラ一回さえ使えないような状態だった)

などが考えられる。
 
しかし、【クロコダイン】を凌駕する怪力と巨躯はすさまじい脅威。
両腕に仕込まれたボーンスキュル(刃)を駆使して戦うが、特筆すべきは比肩するもののない圧倒的防御力。
膨大な死肉の凝縮体が衝撃をゴムのように吸収するため、拳や鈍器で殴ってもダメージを与えられない。
また、剣や槍で切り刺しても体内の毒素により腐食し、食い込むだけで打ち抜く事ができず、そればかりか武器が抜けなくなる、或いは破損し手放さざるを得なくなる。
ミストバーンと互角の勝負を繰り広げた【ロン・ベルク】の強烈な一撃でさえノーダメージで耐え、それどころか無防備で頭に直撃したにもかかわらず、逆に剣がへし折れてしまった。
そのため操縦者のザボエラに痛みを伝える事が一切無く、超魔ゾンビ自体を破壊する事も困難。
ザボエラが搭乗したコア付近なら他の箇所より脆そうにも思えるが、狙ったような描写が無いため不明。おそらくは他の箇所でガードするなり、あるいは身をかわすなりして対処したのだろう。
 
その上並の呪文攻撃や闘気技も有効ではなく、更には超魔生物に絶大な威力を誇った閃華裂光拳(マホイミ)も死骸なので通用しない。
竜闘気を併用したオリハルコンの武器、あるいは【メドローア】【グランドクルス】【ドルオーラ】級の攻撃ならば打ち抜く事は可能だったかも知れないが、生憎これらの呪文や技の使い手がバーンパレスの攻略に向かっていた時を狙って現れたため作中で試されることはなかった。
 
まさしく人を踏み台にし自分の手は一切汚さないザボエラの究極の結論の結晶ともいえる存在である。
【オリハルコン】すら捻じ切った【獣王激烈掌】を持つクロコダインはその場にいたが、それを使ってダメージを与えていた場面が無かった事から、これも通用しなかったか、使わなかったのだろう。
 
唯一の弱点はあくまでも操縦者の魔力による操り人形に過ぎないため、ザボエラの魔力が断たれると無力化すること。
ただし、ザボエラは超魔ゾンビの体内の奥深くに自身が隠れるためのスペースを用意しており、しかも腹部にある内部への入り口は堅いガラス質の防壁に阻まれている。ということでザボエラを直接攻撃したり引きずり出したりすることは不可能だったのだろう。
また、敗れた後にルーラで逃走しなかったところを見るに、作成&操作にはかなりの魔法力が必要なものと考えられる。
星皇剣以外のロン・ベルクの攻撃は受け付けなかったものの、彼の動きにはまったくついていけていなかったので、ミナカトールの魔法陣を守らなくてはならないという条件がなかったならば、持久戦に持ち込まれてザボエラの魔力や体力が尽きてしまっていた可能性もある。
 
「絶対的な防御力を上回るパワーとスピードで究極の武器を使えば切り裂く事が可能かも知れない」というロンの仮定の元、ノヴァは決死の覚悟を以て【生命(いのち)の剣】で立ち向かおうとするも、ロンはその強い勇気と覚悟に感じ入りノヴァの行動を身を呈して引き止め、未完成の剣による【星皇十字剣】を発動、超魔ゾンビは十字に切り裂かれて灰となって消滅した。
中身のザボエラまで倒すには至らなかったが、バレないように脱出するのに精一杯だったザボエラは程なくして捕捉され、クロコダインに討ち取られた。
 

余談 Edit

冒頭にも掲げたザボエラの「理想」は、対峙した【ノヴァ】から「最低の発想」と断じられ、劇中でも全体的に残忍で卑劣なやり方だと見なされている。
自分の受けるダメージを少なく抑えつつ相手に一方的にダメージを与えるという考えは規模の大小に関わらず作戦の基本であり、考え方としては、パーティを組んだり防具を身に付けたり間合いの長い武器を装備したりするのとなんら変わらない。
だが、ザボエラの言動に目を向ければ、コンセプトにおいて「勝利」ではなく「相手をいたぶれる」とわざわざ陰湿な表現を持ち出している。
クロコダイン、ビースト君、ロン・ベルクという強敵が残る中でミナカトールを阻止しかけており、戦力としては間違いなく強大だったのだが、その力で一気に勝負に出るでもなく、言葉通りじわじわといたぶって倒していくなど、その性格の悪さを最低の発想と嫌悪されたのかもしれない。
 
また、超魔ゾンビに利用する死体にはあらかじめ何らかの処置を施す必要があり、誰の死体でも良いという訳ではない。
この性質から必然的に、事前に処置を施せる味方を「材料」と見なし、その味方が死ぬのが前提になる。戦死した兵力を再利用出来ると考えれば普通のアンデッド型モンスターと同様の利点こそあるが、ザボエラの場合は利用するのを優先して、負傷者を治療もせず殺している。
それを覚悟の上で出撃したならともかく、【チウ】に助けられた2匹のピクシー系モンスターは自分達が使い捨て同然でパーツにされかけた事に驚愕しており、処置は無断で、あるいは実態を隠して行っていたと思われる。
部下たちを勝手に材料扱いして死を強いておきながら、自身はその犠牲で作られる安全な鎧に隠れるやり方もまた、正々堂々や真っ向勝負が尊ばれる作中の価値観からすれば「最低の発想」であろう。
また、仮にこれで勝てても結局兵力は消耗しているし、その後の部下の信用と士気が暴落するのは免れない。ザボエラ個人が物理的に無傷でも、魔王軍の兵力や指揮系統に大きな損害を与えているのでは、騎士道論を抜きにした軍指揮官の行動としても適切とは言い難く「敵軍を一方的にいたぶった」とは言えない。
ここに至るまでの行動で組織内の信用が一欠片も残っていないザボエラにとっては最早どうでも良かったのだろうが、超魔ゾンビの発想そのものが、目先の智謀に夢中でより大きな野望や知略に必要な周囲の協力には無頓着なザボエラの、視野の狭さの現れでもあった。
 
ザムザやハドラーのように、ザボエラが自身の肉体を超魔と化して立ち塞がったなら少しは評価も違ったかもしれないが、もともと小柄で肉体的にも衰えた老人の体がまともに強化できたのかは怪しいところ。改造技術を持っているのがザボエラ自身なので、自分で自分に手術をすることも困難だろう。
また、仮に改造体が敗死してもそれは実践・実験となり、研究者本人が生きていれば結果を活かしてまた次の改良型超魔生物を作ればいい。ザムザのケースは正にこれである。
超魔生物への改造は未知な点も多く生命体としての寿命を大幅に縮めるというリスクもあり、「他人を改造するならともかく自分がなりたくはない」というザボエラ個人の身勝手さがクローズアップされてはいるが、自分を無理に改造せず他人の改造に専念しようとしたのは、研究者として合理的ではあった。
だが、魔王軍は指揮官クラスでさえ個人の武勇が評価を大きく左右する組織で、しかも総大将バーンは「部下同士で競わせる」という考えの持ち主。
故に智謀に長けるが単純な戦闘能力で劣るザボエラは、役立つ発明や道具を生み出していながら武勲を上げていないと軽んじられ、強者にすり寄っては渡り歩くその性格もあって、自身をサポート役として売り込めそうな同僚さえ失っていった。
保身と出世どちらの欲求も強いが肉体的には劣り協力者さえいないザボエラにとって、身の安全を確保しながら最前線に出る、そして直接的な戦闘で手柄を立てるには、部下を踏み台にした超魔ゾンビが最適であり、また、それぐらいしか選択肢がなかったとも言える。
個人の戦闘能力がインフレし、集団であることの強みは描かれる事が少ない本作の状況下においても、ザコをすべて使い捨てて強力な兵器にするのは、ある意味正しい選択だったのだから皮肉である。
 
デザインは読者公募。
1994年末に発売された1995年のジャンプ1号にて募集された、オリジナルモンスター大募集のコーナーから【ジャッジ】、ドラムーンの【ゴロア】と共に採用されたものであり、投稿時の名前は「ハイパーザボエラ」。
審査員からはストーリーに合った設定だと評価され「三条賞」に入賞。
ゲーム作品ではスーパーライトに討伐イベント限定モンスターとして登場し、細かな配色が判明した。