【ヘルヴェル】

Last-modified: 2024-03-17 (日) 19:11:38

概要

英雄たちに試練を与える審判の【天使】たちの1人。担当声優は茉莉邑薫
 
【白灰の試練】を司る審判の天使でもあり、他の天使たちからの信頼も厚く、【ユーライザ】からは「お姉さま」と呼ばれている。
ヘルヴェルもまたユーライザのことを「あの子」と呼ぶ等他の天使と扱いが若干異なっており、紆余曲折ありながらも白灰の試練を突破した主人公に対して「ユーライザの期待を裏切るような真似はするな」と釘を刺す一面もある。
務めに非常に忠実で公私混同せず、Ver.6.0ストーリー中では私情を全くと言っていいほど見せない。
主人公に対して(恐らく)敵意が無い【フェディーラ】【クリュトス】、あからさまな敵意を見せる【カンティス】とは異なり、終始極端なほどに「業務に従事する」スタンスで通しており、その心中が今一つ読めない。
主人公が英雄と奉られることを良く思わない【ピュトス】から「このままでいいのですか」と言われた時にも、「私情を挟むな」と断じるのみで結局その場では自分の考えを述べていないが神都フォーリオンにあるヘルヴェルの家、E-5の上層にある本棚には自身の日記が残されている。
それによれば天使の本分はルティアナの為、使命を尽くすことだとして、伝説の天使イザヤールを見習い日々の精進を決意している。
 
【四天の星巡り】の内容はそれぞれ担当する審判の天使の個性が大きく反映されているが、彼女の担当する白灰の試練は知恵・心・力を試すオーソドックスな内容となっており、ここからも彼女の真面目さがうかがえる。
また下層【フェディーラ】の家、B-5の本棚で読める「フェディーラのお得意様メモ」によれば大の甘党だが、周りにはそれを隠したいようだ。
 
神化の儀にて主人公とフォステイル以外の面子が悪神と化した際、【天使長ミトラー】に対し「主人公も神化させることで悪神に対処させるべきでは」と進言する場面があるが、「さらに悪神を増やすだけ」「不確定要素が多すぎる」として却下された。
この進言の理由として「他の者と違い主人公は唯一生きているのだから悪神になるとは限らないのでは」ということではあるが……。
Ver.6.0終了後、他の天使たちは各々の試練の間にいる等により直接話しかけることが可能だが、ヘルヴェルだけは試練場にも居住地にも姿が見当たらず話しかけることはできない。

【暴かれし相貌】(Ver.6.1)

【悪神】と化した5人の英雄たちを連れ戻した後、「ルティアナの清泉」で会う。
主人公とユーライザから【悪神の火種】を回収しようとするが、その際に【フォステイル】により制止される。
 
そしてフォステイルにより、ここまでに起きた一連の事件の黒幕が彼女である事が明かされる。
主人公が襲撃を受けて【魂の燭台】を落としたこと、深翠の試練での異変、浄罪の泉の汚染、【アルビデ】の不審死、神化の儀の失敗、これら全てが彼女の仕業であった。
浄罪の泉の汚染時に何者かがその場から立ち去る姿が確認されたが、これはヘルヴェルだったのであろう。
彼女はアルビデに命じて悪神の火種をあらかじめ英雄と同じ数の9つ作らせ、それを神化の儀で使う香炉に仕込み、英雄を悪神に変えることを目論んでいた。
しかし、ユーライザによって直前で主人公を英雄として招致することが決まり、火種が足りなくなるという誤算が生じる。
そこで、主人公に襲撃を加えて魂の燭台を落とさせ、天使達に主人公の悪い噂を流して悪感情を煽るなど、主人公を排除する妨害工作を行う。
だがそれでも試練の継続を【天使長ミトラー】にも認められたことで、主人公をも悪神に変えようと計画を変更。
主人公が試練を行う際に起きていた異変は全て、彼女が主人公用の悪神の火種を用意するための時間稼ぎで、アルビデは死亡するものの悪神の火種を用意することが出来た。
しかし、悪い噂を流したことで主人公が天の聖壇に行くのを【ピュトス】が勝手に妨害してしまい、主人公が儀式に遅れることになってしまったのは誤算であり、皮肉であった。
英雄が悪神と化した際に「主人公も神化させるべき」と進言したのも、主人公を悪神に変えさせるためのものに他ならなかった。
実際、儀式後の香炉には使われていない主人公とフォステイル用の2つの悪神の火種が残っており、彼女の進言通りに儀式を受けていれば、主人公は確実に悪神になっていたであろう。
 
全てを明かされた彼女は、5つの火種を持つユーライザから火種を強奪。それらを取り込んで【呪炎の傀儡】と化して襲いかかる(彼女は英雄ではないため悪神になることができなかった)。
 
倒してもユーライザを襲おうとするが、ミトラーに防がれ、【神剣レクタリス】を受けて敗北。気を失って昏倒する。
生きてはいるがしばらくは目を覚まさないだろうとされ、ミトラーのもとで保護することとなる。
 
ちなみにこの直前、ミトラーと彼女以外の審判の天使は、ある重要な神殿の近くを襲撃していた魔物の討伐に出向いており、その時に討伐した魔物からアルビデの左手にあった赤い石と同じものが見つかったことが、クリア後にミトラーから聞ける。
これもまた、彼女の陽動だったのだろう。
 
確かに一連の事件の黒幕が彼女である事が判明はするが、一方で疑問も残る。
深翠の試練の妨害については主人公とハクオウが最初の試練を失敗したことで追加で行われた試練時に起こったもので、主人公たちが失敗することを予測できた上でその妨害策を用意したのかとなるといささか不可解である(何故最初の試練時に妨害しなかったのか)。
また、その後の【クリュトス】の会話でも指摘されるが、神化の儀をおこなう天の聖壇では厳重な警備がしかれていたはずであり、いかにヘルヴェルといえどそこに悪神の火種を仕掛けておくことが果たして可能だったかという事、そして何より、英雄を悪神に変えようとした理由、更に一連の事件が起きたのは彼女だけの一存か、それとも別な黒幕がいるのか、という事(戦闘時の名前「傀儡」から察するに、後者の可能性はかなり高いものと思われるが)。
それらは、彼女が目を覚ますVer.6.2以降のストーリーで判明するのだろう。

【ふたりの勇者】(Ver.6.2)

悪神となった【レオーネ】が神殿を襲い、ミトラーが神殿へ向かうというタイミングで目を覚ます。
それを知ったユーライザと主人公は、彼女の「尋問」の名目で彼女の療養する転生の園へと向かう。
 
外へは出歩けないが、一応転生の園内を回れるくらいには回復していた。
この時に天星郷の天使達に主人公の潔白を発表していたようで、6.2クリア後は主人公に謝罪する天使が数人増えている。
ただし、【ピュトス】のように「ヘルヴェルを悪人に仕立てて自分の名誉を回復させようとしている」と思い込んでいる者や「大魔王なら 神殺しもありうると 疑われてしまうのは しかたがないかと。」と言ってくる住人シッシャ*1など、未だに主人公に懐疑的な者も居る。
天使長の代行をする事になり2人を追って現れたカンティスも交え、彼女から何故あのような行為に走ったのかを聞き出す。
 
きっかけは約300年前、ある上司の天使に突如襲われ、その天使を殺害してしまうという事件に始まる。
目撃した同僚の天使の証言で正当防衛は認められるものの、彼女は罪を犯した天使として白い目でみられるようになる。
同じ話の中では、産まれた【ユーライザ】を自ら取り上げて名前をつけていたことも判明している。
 
そしてその際、その天使から謎の赤い石を口に飲み込まされていた。
この石を飲まされた後から彼女の様子が徐々におかしくなり、裏で天使たちの意思に背く行為をする面従腹背の状態になっていた。
悪神の火種や赤い石などの栽培を行うようになり、更には【アルビデ】にかつて上司の天使にされたように赤い石を飲ませている。
この石は、後に【ジア・クト念晶体】の傀儡とする石だったことが判明する。
 
しかし、上記で指摘されていることのうち、1つだけ彼女が行ってはいない事があった。
それは、神化の儀の光炉に悪神の火種を仕掛けること。それはあの場にいた別人の仕業だったと判明する。
 
事態が切迫していると聞かされた彼女は、壊れた【神剣レクタリス】を修復するのを急ぐべきと考え、ユーライザが彼女の外出を拒否しようとするカンティスを説き伏せたこともあり、白灰のピラーの修復装置へと向かう。

修復装置でレクタリスを修復しようとしたところで、修復には【フォーリオン造成地】にある【レクタ鉱石】?が必要と分かり、主人公にその採掘を依頼する。
そして主人公がレクタ鉱石を持って帰ってきた後はレクタリスの修復を試みるが、これに時間がかかると見たヘルヴェルは、後で向かうからと2人を天使長への加勢へと送り出す。
この時、自身は罪を重ねている(ゆえに今更忌み名を口にしたところで大して変わらない)からと、主人公とユーライザに天使内では禁忌とされていたジア・クトの存在を明かしている。
 
その後、【悪神の右手】との戦いで合流。レクタリスを主人公へ渡し、悪神の右手にトドメを刺させる。
先へ進むのをユーライザに心配されるが、「アルビデの弔いもあり、名誉挽回の機会を与えて欲しい」と懇願。ともに進むことになる。
 
先で現れた【ジア・ルミナ】とレオーネに苦戦するのを見ていたヘルヴェルは、主人公からレクタリスを借りる。
そして、ジア・ルミナの宇宙船をつなぐ錨の鎖を断ち切るべく、己の命をレクタリスに吸わせて叩き込んで攻撃。
鎖を断ち切るのには成功したが、その衝撃の爆発に呑み込まれる形で消えてしまい、辺りには彼女の翼から落ちた羽だけが残っていた。
 
なお、主人公にレクタ鉱石採掘を依頼する時は「罪付きの自分を一人にしない方がいい」とユーライザを引き留めているが、レクタリス修復に時間がかかると判明した時にはあっさりと二人とも送り出し、単独行動を選んでいる。
この点はシナリオの不整合としてツッコミ所になってしまっているが、修復にかかる時間が予想以上だったために、二人に監視対象を放置するという問題行動をさせてでも加勢を急がせなければならないと判断した、と解釈することも可能である。
また、この時ユーライザは気にも留めていないが、元々ヘルヴェル擁護派であったユーライザは監視の必要性を感じていなかったと取れる。

【天に煌めく星のごとく】(Ver.6.5後期)

【魔眼の月】破壊作戦の開始時に幻影として再登場。
天星郷の上層部は、本作戦において天使は英雄の足手まといにしかならないと結論付け、(前章での暴走の件もあり)同行を希望したユーライザを諌めるが、諦められない彼女はそれを無視して飛び立つ。
その際、ヘルヴェルの幻影がユーライザの背中をそっと押し、彼女を勇気付けた。
 
また、後日談クエスト【その翼は未来へと羽ばたく】では、彼女の生まれ変わりと思われる天使の赤子が誕生し、ユーライザからヴェルと名付けられた。
ヘルヴェルから名の一部を貰っての名付けであるが、ちょうどその名からヘルの字が省かることにもなったため、来世のヴェルとしては地獄から解き放たれた人生を歩めるのかもしれない。

関連項目

いずれも試練を司る審判の天使達。



*1 神都フォーリオン-下層 E-7