【ふしぎなおどり】

Last-modified: 2024-10-18 (金) 20:56:18

概要

不思議な踊り。DQ2以降毎回登場する特技。相手1体の【MP】を減少させる。なお、シリーズ初の「踊り系」の技である。
今でこそ食らっても大した事のない特技の代表であるが、登場当初はこちらのMPをごっそり持ってく恐ろしい技だった。
なお、DQ2~DQ5では、敵の判断力に関わらずMP0の味方よりもMPが1以上残っている味方が優先的にターゲットされる仕様がある。
 
DQ4以降は威力に応じて【ふしぎなおどり1】【ふしぎなおどり2】【ふしぎなおどり3】に細分化された。
10には全体版の【かなりふしぎなおどり】も登場。 

味方が使用できる作品もあるが、雑魚なら普通に殴って速攻で戦闘を終わらせた方が早く、長期戦になるボスはMP無限であることもザラという噛み合わせの悪さから使い勝手は良くない。
MPを減らす目的に絞っても、【マホトラ】の方が自分のMP回復に使えるため有用な場面が多い。

ネット上では、なんとも形容し難い珍妙な踊りへの例えとして「なんかMP減りそう」と言われることがあるが、その元ネタはもちろんコレ。

DQ2

なんと「『最大』MPの約1/4を減らす」という驚愕の性能を誇る。(下限54/512、上限197/512でおおよそ最大MPの1/6~1/3ほどになる)
つまり理論上最大で80(最高レベルの【ムーンブルクの王女】の最大MPが210)もごっそり持っていかれることを意味する。
さすがに80は極端な例だが、現実として20や30程度削られることはザラ。
さらにMPが0の相手(【ローレシアの王子】やMPが枯渇した他の2人)には使わないため、無駄撃ちすらしない。ちなみにこれは【判断力】とは関係ない。
これでは【リレミト】用に温存したなけなしのMPまで吸い尽くされかねない。特に状況に応じて適切なMP管理を求められるダンジョンでは、ある意味【ザラキ】【痛恨の一撃】等の即死に繋がる行動以上に凶悪といえる。

ストーリー中盤に登場する3属6種のみが使用。
ダンジョン内でやたらと踊りまくる【あくまのめだま】【ウドラー】【ダークアイ】といった連中は、自重という言葉の意味を学んでほしいものである。
一番ひどいのが【パペットマン】。なんとその行動パターンは【スクルト】と不思議な踊りの2種類のみ
おまけに、長丁場になる【満月の塔】【海底の洞窟】でうじゃうじゃ群れをなして出現する。
 
不思議な踊りの凶悪性能がことさら重くのしかかってくるのが海底の洞窟。パペットマン・ウドラー・悪魔の目玉と3種類も使い手が出る上、随所に張り巡らされたダメージ床のせいで否が応でもMPを浪費してしまう。
こうなると、まともなMPの生命線はいつ壊れるかわからない【いのりのゆびわ】ぐらいなので、【ちからのたて】を戦闘中に使ってMPを使わずHPを回復する荒業なども必要になる。
多くのプレイヤーの寿命を縮ませた一因であることは間違いない。
【ロンダルキアへの洞窟】2階を最後に使い手が現れないのがせめてもの救いか。
 
前述の4種以外には【どろにんぎょう】【じんめんじゅ】がいるが、この2体はフィールド上でしか出会わないのでさほど脅威ではない。
ちなみにどろにんぎょうがシリーズ初の不思議な踊りの使い手といえる。
 
【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】【栗本和博】のネタに、仮装大会でパペットマン達が人形劇をして、それがふしぎなおどりになってしまい【ハーゴン】をはじめとした全員のMPが0になる(ちなみに効かなかったのは怪傑大ねずみ【スライム】)というネタがあるが(2巻P18)、FC版のふしぎなおどりの脅威性能を上手くネタにした一作と言えよう。
もっともFC版のモンスターのMPは無限扱いだったが、リメイク版の設定を先取りしたともいえる。

リメイク版

DQ3以降に倣ってMP3~8減少の効果に抑えられ、さほど脅威ではなくなった。
相変わらず判断力の影響を受けないが、MP0の相手に無駄打ちをするようになったので、行動選択をすると必ず使う。
無駄打ち+ローレシアの王子の被弾率の高さもあいまって脅威度は激減している。
ちなみにローレシアの王子の被弾率は40%もある。
 
DQ2は味方側のスペックがまだ非常に低い作品なので、3~8ポイントも侮れたものではないが、それでも5回に2回はローレシアの王子が受ける=MPダメージを与えることに失敗する、と書けば、どう弱体化されたのか実感できるだろう。

ゲームブック(エニックス)

踊りのパターンの中に太古の呪文【マホトラ】の秘法を封じ込めている、という設定だった。

DQ3

流石にDQ2の仕様はあんまりだと判断されたのか、5~10減少と大幅にパワーダウンすることとなった。
味方のスペックが前作よりかなり上がっているため、相対的な被害も少なくなった。
これが後発およびリメイク作品での大まかな性能を決定付けた。
とはいえ【キャットバット】が大量に出てきてやられると非常に鬱陶しい技である。
また、FC版のみ【遊び人】の遊びの中に「ふしぎなおどりをおどった」というのがあるが、本作における遊びは全て【無駄行動】であるためこの行動にも相手のMPを減らす効果はない。リメイク版においては紛らわしいと判断されたのか削除されている。

DQ4

威力に応じて3種類に細分化され、不思議な踊り1~3が登場。
DQ4~9における、主に敵側が使用する各不思議な踊りの詳細については、各ページを参照。
 
なお、【トルネコ】がたまに使う不思議な踊りは上記とはまた別物で、敵のMPを15~20も減らす。
これはふしぎなおどり3(7~11減らす)よりも強力である。
さらに力をためていた場合、その倍の30~40ものMPを奪い去ることになるため、単純な数値だけでいえばDQ2時代の超性能を想起させるシーンが見られる。
しかも本作の場合、モンスターのMPは無限を除けば総じて少なく、一番多いのが【マネマネ】の105、次が【ブラックマージ】の48で、30台も【デビルプリンス】(38)【カロン】(36)【はしりとかげ】(36)、【ガーデイアン】(35)【レッドサイクロン】(30)【ベホイミスライム】(30)と6種類しかいないため、有限ならこれ一回でほとんどのモンスターのMPを枯渇させられるので、上記の組み合わせで発動すればDQ2の再現といっても差し支えないだろう。
強力なのは良いが狙って出せないので使い勝手は悪い。
 
NPCとして仲間になる【パノン】も使用するが、ふしぎなおどり2と同じ(3~7減らす)で至って平凡。
職業柄から見て、どう考えてもパノンの方が上手そうなのだが、それを言ったら本来踊りのプロである【マーニャ】が全く使えないのだから、踊りそのものの得手不得手ではないようだ。
まさに不思議。
あるいはパノンやトルネコのは「おっさんがセクシーダンスのマネするから気持ち悪くて吐き気を催してMPが減らされる」という解釈なのかも知れない。そこへ行くとマーニャの踊りはあくまでも「癒し本位」として磨かれているためこのような踊りは苦手なのかも。
もっとも魔法使い系の彼女には【マホトラ】で概ね代替できるし、トルネコのように確率依存のランダム行動で踊られても彼女の使い勝手が悪くなるだけだっただろう。

DQ5

敵だけでなく、一部の仲間モンスターが上記の「ふしぎなおどり1」「2」「3」を使用することができる。
 
今作からは【マホトラ系】に属する特技となったが、そのせいで同じマホトラ系なら【マホトラ】そのものでMPを吸った方がいいんじゃないか?という根本的な疑問に悩まされるようになってしまった。
DQ5~7では呪文と効果・属性がかぶっている特技がある場合「MP消費ない分特技が上位互換」となるのだが、マホトラの消費MPが0なので特技であることが全く強みにならず、威力も最大の「ふしぎなおどり3」でマホトラとほとんど変わらないため立場が無い。
ただ、不思議な踊りのいずれかとマホトラを両方習得するキャラは【ドラきち】だけなので、不思議な踊りしか覚えないキャラは不思議な踊りを使うしかなく、習得者の違いという点で辛うじて差別化はできている。
 
一応、呪文ではないためマホトーン中でも使える強みはあるが、唯一両方習得するドラきちはマホトーン完全耐性持ちなので、ドラきちに関しては不思議な踊りが無駄になってしまっている。
相手が【マホカンタ】状態だとか【くろいきり】を使われた時とか、ドラきちでもマホトラが使えない状況はあり得るが、流石にニッチすぎるだろう。
 
しかしプレイヤー側が任意に使えるようになった初めての作品ということもあってか、4コマ漫画では多くの作家がこの特技(正確にはこれらを使える仲間モンスター)をネタにした。
なぜか不思議な踊りを覚える仲間モンスターは【かしこさ】が低い傾向にある=実際のゲーム中でも勝手に踊りまくるのもネタにされた要因か。
特に【栗本和博】【パペットマン】【ダンスニードル】【おどるほうせき】の三匹を組ませて「不思議部隊」を結成するなど踊らせまくった。「不思議♪不思議♪」という独特のオノマトペと共に繰り出される様を覚えている人もいるだろう。
さらに【ドラゴンクエストVのあるきかた】でもダンスニードル&パペットマン×3で「ふしぎダンサーズ」を結成した。
 
余談ながらリメイク版では三種の不思議な踊りのいずれかを使えるモンスターが7いるので、こいつらだけでパーティーを組んで「真・不思議部隊」を爆誕させることも可能。
言うまでもなく趣味の領域だが、全員揃うと意外とパーティーのバランスは悪くなかったり。

DQ6

仲間モンスターのほか、人間キャラクターも習得できるようになった。
【どろにんぎょう】【スーパーテンツク】が最初から習得しているほか、【リップス】がLv15で習得する。
また、【踊り子】★3もしくは【商人】★4で習得することができる。
 
威力は「使用者のレベル÷4 + 5」。
【ミミック】【ザラキ】【ばくだんいわ】【メガンテ】対策には効果的とも言えるのだが、「【マホトラ】を使えばいい」という問題がDQ5の頃から変わっていない、
と言うよりむしろ転職システムの関係で誰でもマホトラと不思議な踊りを両方習得できてしまうので、習得者の違いという差別化点も無くなり、余計日陰の存在になってしまった。

DQ7

基本的な仕様はDQ6のものと同じ。
アイラが最初から習得しているほか、【踊り子】★4もしくは【リップス(職業)】★8で習得することができる。マホトラが職歴技になったので少しは地位向上を果たしたかと思いきや、小細工するヒマがあったら特技で殴るのがデフォの7では全く出番がない。

DQ8、9

敵専用特技に戻った。
使用するモンスターは上記のふしぎなおどり1~3を参照。
 
また、DQ9では【しぐさ】の一種としても登場している。
魔獣の洞窟1Fにいる踊り子の幽霊に教えてもらえる。彼女が生前に開発したオリジナルの踊りらしい。

DQ10オフライン

特技は引き続き敵専用。
また、クエスト【踊り子の条件】ではこれを【キャットバット】から受ける必要がある。
敵全体が対象のものは【ミステリーダンス】という名になっている。
 
しぐさはパラディンの職業クエスト【盾となる者】で登場。

DQ10オンライン

一部ボスが使うものは効果範囲が広がったり、減らされるMPも大きくなっている。
詳しくはこちらを参照。

DQ11

引き続き敵専用でパペットマン等が使用。下げたMP分だけ自分のMPを回復する効果がついた。
今作では効果範囲に応じて段階分けされており、2段階目(敵1グループが対象)は【かなりふしぎなおどり】、3段階目(敵全体が対象)は【すごくふしぎなおどり】(3DS版ではマホトラおどり)という名称になっている。
同じ名称の踊りでも使用者によって威力は大きく異なる。

DQMシリーズ

対象1体のMPを減らすという効果は本編と同じ。使用者のレベルが高いほど減らせる量も多くなる。
 
1では【キャットフライ】【どろにんぎょう】などが、2及びPS版1では、それに加えて【ナスビナーラ】【おばけヒトデ】などがLv10でステータスが一定以上だと習得する。
Lv12でステータスが一定以上になるとマホトラおどりに進化する。
キャラバンハートでは、習得レベルが6に、マホトラおどりに進化するレベルが9に下がっている。

トルネコ1、2

本編と違いトルネコにMPの概念がないため「経験値を減少させてトルネコのレベルを1つ下げる」という技になっている。
ずいぶん本編と効果が違う気がするが、これはDQより古くからあるRPG作品(ウィザードリィなど)で、「エナジードレイン」と呼ばれる攻撃をDQ風にアレンジしたもののため。

「あと1でレベルアップ」する所まで経験値を減らされてしまうので、今のレベルになってから稼いだ経験値がオシャカになってしまう。
レベルアップ後の間もない時期なら1発だけなら実害が薄いが、2連発以上食らうと非常にきつい。

どろにんぎょう系が使用。
また、2に登場する上位種の【パペットマン】は、レベルを一気に2つも下げてくるためかなり厄介。
【人形よけの指輪】があれば防ぐことができる。

トルネコ3

引き続きどろにんぎょうがレベルを1つ下げるタイプのものを使用する他、おばけヒトデと【マージスター】が違うタイプのものを使ってくる。
こちらは、力1ダウン・満腹度1ダウン・攻撃力若干ダウン・防御力若干ダウン の4つの効果がある。
力のダウンが嫌らしいが、それ以外はあまり気にしなくてもいいだろう。
 
前者のものは従来通り人形よけの指輪で、後者のものは【技封じの指輪】で防ぐことができる。

少年ヤンガス

【テンツク】【マンドラゴラ】などが使える。効果はヤンガスに受けた場合は満腹度10減少、仲間モンスターに受けた場合は疲れ10%アップ、敵モンスターが受けた場合は封印状態になる。
一応、【ひとくいばこ】などを仲間にするときなどに使える。

バトルロード1

【じんめんじゅ】【どろにんぎょう】が使用する。
本作にはMPの概念が存在しないため、敵全員が呪文に弱くなる効果に変更された。

いたストSP

スフィアの一種として登場。僧侶、賢者で入手できる。
 
発動すると、自分以外のプレイヤーが所持している株を強制的に全て払い戻させる。
株を駆使して儲けていくいたストにおいて、株全部売却はかなり凶悪な効果である。
しかもこの後にアルテマ(全員の所持金を平均化する)なんて発動された時にはコントローラーを投げたくなる。
しかし、自分がやる分には超強力なコンボである。

ヒーローズ1

【わらいぶくろ】が使ってくる。今作ではMPを奪ってくる敵はこいつしかいない。

ヒーローズ2

【わらいぶくろ】が引き続き使ってくる他、今作は【ちょうろうじゅ】も使用してくる。
わらいぶくろのものは前作とほぼ変わらないがちょうろうじゅのものは何とこちらのMPの半分を奪ってしまうので踊り始めたら離れるか火属性攻撃で阻止してしまおう。
仕様が変わった【ようせいの首かざり】の減少抑制効果はこの踊りにも有効なのでこれらと対峙する時は装備しておきたい。

ダイの大冒険

漫画、旧アニメでは【まぞっほ】の弱点とされ、【ダイ】がそれを知った際にはパペットマン(旧アニメでは【じんめんじゅ】)をけしかけこれで無力化していた。
新アニメでは立ち回りが大きく変わり、不思議な踊りが出ることはなくなった。
 
余談だが新アニメの関連公式ウェブ番組【ダイ好きTV】において、MCを務めるダイ担当声優の種﨑敦美がトークをする際、感情をうまく言語化できずに身振り手振りを交えて抽象的な表現を行う様子が、視聴者から「ふしぎなおどり」と言われている。

勇者ヨシヒコと魔王の城

9話にてムラサキが習得した特技。
厳密には元々はどろにんぎょうのようなモンスターが使用してきた技で、それをムラサキが見様見真似でコピーしたもの。
効果は敵のMPを減少させるのではなく敵からMPを吸収するものであり、実質的にはマホトラおどりと言える。
最終話ではこの性質を利用してメレブのMPを使って【ザオリク】を使用した。
また、上記に加えて【さそうおどり】の性質まで持っているために非常に強力な特技と言える…………味方までつられて踊り出さなければの話だが。