【鳥山明】

Last-modified: 2021-09-01 (水) 10:27:02

概要

日本の漫画家。1955年4月5日生まれ、愛知県名古屋市出身。愛知県立起工業高等学校卒業。代表作は『Dr.スランプ』【ドラゴンボール】
ドラゴンクエストシリーズでは主要キャラクターのイラスト、ソフトの【パッケージイラスト】のデザインを務めている。DQ5まではほぼ全ての【モンスター】のデザインも行っていたため肩書きが「モンスターデザイン」だったが、DQ6以降は「キャラクターデザイン」に変更された。
DQ関連ではゲーム以外にテレビアニメ『ドラゴンクエスト』のキャラクター原案を描いている。
他にキャラデザインを務めたゲームは『クロノ・トリガー』、『TOBALNo.1』『TOBAL2』、『ブルードラゴン』シリーズがある。
 
『Dr.スランプ』の頃より自分の姿をガスマスクを被ったようなロボットの姿で描いていることが多く、人間の姿の場合もほぼマスクをしている。これは「元来恥ずかしがりやで照れくさいから」という理由の他に「田舎住みなので顔がばれるのが嫌」という事情もあるらしい。
最近では鳥山明芸人まで登場しているようだが、それだけネームバリューのある人物ということなのだろう。
 
趣味に自動車やミリタリー系のプラモデル製作があり、図面を描いて、プラ板など素材から自作するタイプである。
3D化しても破綻が少なく、ディフォルメしている割にディティールが細かいキャラクター・モンスターデザインが産まれる源泉となっている。

漫画家としての活動

高校時代はデザイン科であり、漫画家デビュー以前にも一般のデザイン会社で働いていた経験がある。
文字のレタリング作業がメインになりとにかくイラストを描きたかった鳥山は会社を辞めるという決断をするのだが、 後に投稿作品の「文字のレタリング」が妙だと【鳥嶋和彦】の目に留まって漫画家への道が開け、【週刊少年ジャンプ】で執筆することになる。
1978年の読切作品『ワンダーアイランド』にてデビュー。その後1980年から1995年までの計15年間にわたり、『Dr.スランプ』『ドラゴンボール』の2大ヒット連載を送り出した。

Dr.スランプ

1980年から1984年まで連載された、基本一話読切形式のギャグ漫画。田舎の「ペンギン村」を舞台とし、博士の「則巻千兵衛」と彼の作ったアンドロイド「則巻アラレ」を中心としたドタバタ劇。
コミックスは発行部数3000万部の大ヒット。『Dr.スランプ アラレちゃん』としてアニメ化もされ、特に1981年12月16日の放送回では国内アニメ史上第3位の36.9%という近年のアニメ作品では考えられないような数値を叩き出した。また『ドラゴンボールGT』の終了後も『ドクタースランプ』としてキャラデザイン一新のうえ再アニメ化された。
 
DQが世に出た時には既に連載・アニメ(第1作)とも終了していたが、後述のドラゴンボールほどではないものの、DQに影響を与えたと見られる要素がある。
作中でアラレが行っている「腕を横に伸ばした状態で走る」という動作は所謂「アラレちゃん走り」と呼ばれ、ドラクエシリーズにおいても、PS2版トルネコ3の倍速状態の【ポポロ】【トロデ】【プクリポ】(女性キャラ)、リメイク版DQ7の【マリベル】【ベロニカ】【メダル校長】と様々なキャラクターがこのポーズで走る姿を見せてくれる。
これは「キーン」という台詞からわかるとおり飛行機を模したポーズなのだが、まったく違和感を感じさせないセンスはさすがの一言。
 
コミックス17巻に出てきたギャグの一つとして「ふとんがふっとんだ」という駄洒落(後にドラゴンボール18巻でも登場)は、CDシアター版DQ4にて【スタンシアラ王】を笑わせる際に【トルネコ】がこの駄洒落を披露したり、リメイク版DQ3で【遊び人】の言う駄洒落の1つとして実際にゲーム中に登場したりしている。
また、【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】でもこの駄洒落がたびたび描かれている。多くの作者は「鳥山キャラの駄洒落と言えばこれ」と連想したのであろう。

ドラゴンボール

1984年から1995年まで連載された漫画。
作品は「孫悟空」を主人公として当初は『西遊記』をモチーフとしギャグ要素も交えた冒険漫画であったが、次第にシリアスなバトル要素中心に移行し、規模も地球から宇宙レベルへと広がっていった。
コミックスは『Dr.スランプ』を遥かに上回る発行部数1億5000万部の大ヒット。アニメ版は『ドラゴンボール』(無印)、『ドラゴンボールZ』、さらに原作後のオリジナルストーリーを描いた『ドラゴンボールGT』とシリーズが続いた。
600万部超という週刊少年ジャンプの驚異の発行部数の記録に最も貢献した作品とも言え、アニメや関連商品も含めた経済効果は集英社の一存ではコントロールできないほどに膨れ上がったほど。
連載終了から25年以上経た今もなおその人気は衰えず、グッズ化、アニメ化、ゲーム化、映画化等々展開がなされるなど世界中で愛され続けている怪物級の人気作である。
 
『ドラゴンクエスト』が誕生したのもこの作品の連載中であり、連載終了までに鳥山は漫画の執筆と並行してDQ6までのキャラクター・モンスターデザインを行った(DQ6の発売は連載終了後)。
悟空がまだ少年であった時代に描かれたDQ3までのキャラは頭身が低かったが、1988年から悟空が少年から青年に成長し、それ以降に描かれたDQ4以降のキャラデザインもまるで悟空に合わせるかのように頭身が高くなっている(リメイク版のパッケージイラスト含む)。
DBからDQシリーズのゲーム内への影響も大きく、恒例の【ぱふぱふ】はこの作品が元祖であるほか、逆にDB作中にDQ2のモンスターがモブとして描かれたこともある。詳細はこちらを参照。

その後

1996年以降は短期集中連載や読切を発表するに留まっている。その期間に連載された『SAND LAND』では、キャラクターの台詞の中に「プレステ6」と「ドラクエ13」を登場させている(2021年現在では双方ともまだ実現していない)。
近年では映画『ドラゴンボールZ』の『神と神』『復活のF』、上記の作品の焼き直し及び新作を加えたアニメ、漫画『ドラゴンボール超(スーパー)』の原作を担当している。

ドラゴンクエストのキャラデザイナーとして

鳥山がDQに関わりを持ったのは、鳥山の担当編集者をしていた【鳥嶋和彦】が、1980年代初頭に【さくまあきら】の仲介で【堀井雄二】とゲーセン仲間になっていたのがきっかけ。鳥嶋に騙されてドラクエに参加することになったという。
何をどうすればいいのかよくわからなかった鳥山は、最初のイラストをドット絵で提出したという。
現在ではDQのキャラクター、特に主役級キャラクターのデザインは主に堀井のラフ画や設定を元に鳥山が行うのが通例となっている。
 
漫画自体の評価とは別に、一枚絵、イラストレーターとしての能力も非常に高く、 基本的に剣と魔法の世界であるドラクエでの登場は少ないが、架空のマシーンのイラストは高い評価を得ている。
もちろんドラクエでもその才能は遺憾なく発揮されており、全体にリアル寄りではなく漫画的なデフォルメで統一されており、頭身の低いキャラクターやデフォルメ色の強いモンスターが多いにもかかわらず、そのバランスは立体化しても全く崩れず、常に一定のリアリティを持っているのだから恐れ入る。
また、シリーズが3D化して以降の作品では、平面を立体に落とし込む上で、キャラクターの所作に不自然さが出ないようにすることを前提とした絵作りを心掛けているといい、3D化した際に不自然さが生じる可能性がある場合は自分の判断でデザインのコンセプトを変えたり、予め絵としては実現できないと断る場合があるという。
この辺りは、デザイナーとしての経験が強く生きているといえよう(実際、ゲームのキャラクターデザインでは、ゲームに落とし込んだときに動かしやすいか、判別しやすいかなどの点を考慮すべしといわれている)。
ちなみに、鳥山は田宮模型(現・タミヤ)が主催する人形改造コンテストで入賞経験があるなど元々立体造形も得意としており、漫画内の空間的な表現の上手さもその能力による部分が大きい。
 
DQ1の制作時には本人いわく「ゲームに関してはてんで無知」で、息抜きにファミコンでアクションゲームをやる程度だったとのこと。
「参考にしてください」と堀井が描いて渡したモンスターのラフ絵とは全く別物になっているものも多い。
代表は【スライム】で、ドロドロした不定形の従来のイメージから水滴型の可愛らしいキャラクターに変えたセンスは圧巻である。これは本人曰く「スライムってドロドロでペシャンコのイメージがあって、それがイヤだったから立体的に描いた」らしい。
それだけでドラクエを象徴するマスコットにまでなるとは思っていなかったと後のインタビューで語っている。
 
2016年末のNHKの特番【ドラゴンクエスト30th そして新たな伝説へ】の放送時点では個人的にあまり興味の無い健全なキャラのバリエーションが少ないが、メインの人間達でかつ真面目な良い連中のデザインがほとんどだという。
さらに、時代設定を外すこともできず、デザイン設定の自由度も低くなり、妙なデザインは没にされるため、昔のように何でも無い雑魚モンスターを好きなように描かせてもらっていた頃が懐かしく感じると語っていた。
ただし、ドラクエスタッフも鳥山が設定画の脇に注文外で描いたイラストを元に、後付けでキャラクターを設定するようにもなっている(【カメさま】【ノチョーラ】など)。
 
鳥山がデザインしたキャラクターは主に主人公と仲間キャラクターであるが、DQ5のパーティキャラは当初【主人公(DQ5)】【ビアンカ】【パパス】のみに限られた一方、NPC用と思われる没キャラクターデザインが多数描かれている。
DQ7では【マーレ】【バーンズ・グラン】など主人公周辺の重要人物も描かれ、DQ8では3D化した各種NPCの新規デザインが行われている。DQ9では【天使界】関連人物、DQ10(Ver.2まで)では【エテーネの村】関連人物や【勇者姫アンルシア】などが鳥山によるデザインとなっている。
逆に、鳥山に頼むほどではない上記以外のキャラクターは、開発チーム内部のデザイナー(近年では【中津英一朗】など)が担当している。
 
モンスターに関しては、鳥山の肩書きが「キャラクターデザイン」に変わったDQ6以降、鳥山によるデザインはラスボスなど一部に限られる模様。
その証拠らしきものとしてDQ6までのモンスター原画を網羅した画集【ドラゴンクエスト モンスターズ】では鳥山とともに東映アニメーションの【中鶴勝祥】がクレジットされている。
同じく画集【鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ】でもDQ6以降の時代にデザインされた雑魚モンスターはDQ7のごく一部とDQ8の一部を除いて一切無しとなっている。同書では鳥山本人も「雑魚の方がずっと楽しそうだが時間的な制約ですべては描けない」とのコメントを寄せている。

画風の変化

1990年代末(漫画作品では『TOKIMECHA』以降、DQシリーズではDQ7以降)からはMacintoshでイラストデザインをしている。
特に塗りがデジタル化しており、初期の作品とはかなり雰囲気が変わっている。 目鼻顔立ちの描き方が大きく変わっており、画風の変化がわかりやすく表れている。
ただし鳥山のデジタル塗りは賛否あり、アナログ塗りのほうが味があったという否定的な声、今の方がキレイに見えるという肯定的意見も。
近年のインタビューによると「デジタルへの移行は作画の省力化のため。昔のキャラクターを書くとよく似ていないと言われるが、ドラゴンボール連載当時のような画風はもう気力がないので今は描けない」とのことである。

集英社との専属契約

【集英社】との契約の都合上、他社の出版物には鳥山の原画をそのまま掲載することができないと言われている。
このような事情のため、【公式ガイドブック】シリーズをはじめとしたエニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されている書籍には鳥山のイラストは一枚も掲載されておらず、書籍内のキャラクターイラストは【中鶴勝祥】【村上ゆみ子】が描いていることもある。2000年代以降の出版物では「モンスターイラスト制作:フェイク・デザイン・ワークス」などと記載され、鳥山明原画のあるモンスターも似せて描き直したうえで掲載されている。
またゲーム雑誌等の紹介記事でも、集英社以外の雑誌には原則的に鳥山イラストは使用されていない(ただし『ファミ通』には前身の『ファミコン通信』時代も含め、DQ5・DQ6・DQ8の主人公などが掲載されたことがある)。
いわゆるドラクエの原画集も集英社からの発行に限られ、ドラクエ30周年記念出版も【堀井雄二】【すぎやまこういち】がスクエニに対し鳥山明は集英社から発行された
 
イラスト使用の制限は出版物にのみ適用されているらしく、ゲームの【取扱説明書】やゲーム内での顔イラスト、公式サイト、広告、CDなど関連グッズには問題なく使用されている。また原画そのものはNGでも、原画の使用された商品や書籍を写真として掲載することまでは禁止されていない様子である。