地下坑道

Last-modified: 2024-04-01 (月) 12:11:05
ドワーフの地下坑道には目も眩むような財宝の山があった。
冒険者の別名はトレジャーハンターである。
誰かが言った。
「財宝は狙わなければ、財宝に失礼だろう?」
今ここに世界最強と唄われるドワーフ王国の地下宮殿へと侵入を試みる者たちが……
※[竜の谷]クリア後に行けるエクストラ・ダンジョンです。
通常魔性宿った伝説恐ろしい壊れた
推奨LvLv40Lv66Lv88Lv115Lv147Lv
攻略LvLv60Lv97Lv130Lv172Lv222Lv
階層数4F
探索判定回数
(1階あたり)
踏破前:18回 踏破後:6回(4F以外)・12回(4F)
進行(踏破前)200秒230秒280秒350秒500秒
進行(踏破後)150秒172.5秒210秒262.5秒375秒
探索時間(踏破前)04:00:0004:36:0005:36:0007:00:0010:00:00
探索時間(踏破後)01:15:00
(4500秒)
01:26:15
(5175秒)
01:45:00
(6300秒)
02:11:15
(7875秒)
03:07:30
(11250秒)

※時短無し・探索時間等倍での数値

出現モンスター

1Fフロアボス

迷宮称号の地妖精×2
+ランダムな基本編成

2Fフロアボス

迷宮称号のジャックランタン×2
+ランダムな基本編成

3Fフロアボス

迷宮称号のドワーフ戦士×2
+ランダムな基本編成

ダンジョンボス

迷宮称号のグリーンドラゴン×1

レアアイテム

ダンジョン内イベント

入り口

ドワーフの地下坑道には目も眩むような財宝の山があった。

冒険者の別名はトレジャーハンターである。
誰かが言った。
「財宝があるなら狙わなければ、財宝に失礼だろう?」

今ここに世界最強と唄われるドワーフ王国の地下宮殿へと侵入を試みる者たちが……

2F

ドワーフ族に従属する地妖精たちを蹴散らし、冒険者たちは地下坑道を走っていた。

侵入はすぐにバレてしまったのだ。

至る所に設置されたドワーフたちの魔法の装置によって簡単に見つかってしまった。

ドワーフの技術力は冒険者たちが思っていた以上に高度であった。

侵入から五分も立たないうちに警報が鳴り響き、進入路は塞がり逃げ道を失った。

行き場を失い逃げ惑う中、カボチャ頭の魔法生物が起動して侵入者たちを焼き付くそうと襲いかかってきた。

3F


「侵入者だあぁぁぁ!!」

「よぉぉし、俺が歓迎してやろぉぉ!!」

何処かからドワーフたちの大声が響き渡る。

どれだけの声量があるのだろうか。


冒険者たちはあても無く地下坑道を走り続けていた。

もはや袋のネズミである。

追いつめられるのは時間の問題だろう。


まもなく武装したドワーフ戦士がやって来る。

彼らは戦士としても一流である。

4F


「見つけたぞぉぉおお!」

「よぉし行くぞぉぉっ!」

ドワーフたちの怒声が地下坑道に響き渡った。

先ほど倒したはずのドワーフ戦士が起き上がる姿が目の端に見えた。

とてつもない生命力である。

更に、後ろを振り返ると衝撃的な映像が見えた。

500人を超えるであろうドワーフ戦士たちが追って来ている。

彼らの足はそれほど速くない。

しかし、無尽蔵とも思える体力を持っている。

冒険者たちは何も考えずにただ逃げ回った。

先ほどから同じ場所を走っているように思える……

迷子なのだ。

体力が尽きるのが先か、諦めるのが先か、もうそれだけだろう。

ダンジョンボス戦前

冒険者たちは広い部屋にでた。

そして眼前に見える景色を見て絶望した。

そこは行き止まりであり……

グリーンドラゴンが一体いた。



しかしグリーンドラゴンが居るということは、もしかしてここは宝物庫ではないだろうか?

当てずっぽうに走りながらも、実はうまく辿り着いたのかもしれない。

そう思うと少し嬉しくなり、冒険者たちは気を取り直した。


「居たぞぉぉおお!」

上からドワーフの声が響いた。

見上げると多数のドワーフ戦士たちが崖上の岩場から覗き込んでいた。

「奴ら、竜の便所に居るぞぉぉ!」

「そんな所で何してるんだぁぁ!?」

ドワーフたちの響き渡る会話は、少し気を取り直していた冒険者たちの気分を打ち砕いた。

「奴ら、何を盗む気じゃぁぁあ!?」

「見ろ、先客の緑竜が怒こっとるぞぉ!」

「失礼な奴らじゃぁぁ!」

目の前のグリーンドラゴンは冒険者たちを睨んでいる。

その瞳には怒りが宿っているのが分かった。


戦いが避けられない事が分かり、冒険者たちは武器を構えた。


……だが、この戦いに何の意味があるのだろうか?

心にそんな思いが生じたが、無視してねじ伏せた。

ダンジョンボス撃破後

「グキュゥゥン…!」

冒険者たちの猛攻に、グリーンドラゴンは声を上げて退いた。

「おお、緑竜を退けたぞぉ!」

「やるではないかぁぁ!!」

ドワーフたちの沸き立つ声が聞こえた。


後ろを見ると、入り口にはドワーフたちの人だかりが出来ていた。

部屋は完全に封鎖されており、逃げ道は無い。




「キュゥゥ……」

グリーンドラゴンが横に退き、冒険者たちに道をあけた。

冒険者たちは前に出た。

「見ろ!勝ち取ったぞぉ!」

「そんなに便所に行きたかったのかぁ!?」


その場所には崖のように切り立つ穴があいており、下には激しい水流が流れているのが見えた。

天然の水洗便所だろうか……


グリーンドラゴンはじっとこちらを見ている。

ドワーフたちも皆、じっと見ている。


冒険者たちは意を決して

水流に飛び込んだ。




水が流れているならば、きっとどこか外部へ通じているはず……


「奴ら、何しに来たんじゃぁぁあ!?」

水流に流されながら、ドワーフたちの大声が耳に届いた。




その後、脱出に成功した冒険者たちは、今日の出来事を忘れる事にした。

冒険の手記(全7)

ドワーフ王国の鍛冶神1

『ドワーフ王国の鍛冶神』

著者:
 ホム・ポポロネス(ノーム族)

ドワーフ族は地底を支配して巨大な王国を築き上げている。

何ゆえ、そのような偉業を成し遂げることが出来たのか。

それはドワーフたちの信望した鍛冶神、ヘパイストスの遺産によるところが大きい。

ドワーフ王国の鍛冶神2

ヘパイストスは鍛冶の神・炎の神とも呼ばれており、ドワーフたちの崇める神である。

今ではその姿はなく、伝承しか伝わっていない。

しかし、ヘパイストスの遺産と呼ばれる神器が残っていることから、その神は実在していたと言われている。

その神器は『アグニ高炉』と呼ばれており、マグマを操り地下坑道を自由に作り出せる。

他にも、アグニ高炉で鍛えられたドワーフたちの鍛冶ハンマーはどんな鉱石をも自由に加工出来るという。

ドワーフたちはこの力により、地下を掘り進み貴重な宝石や鉱石を手に入れて巨大王国を築き上げていった。

ドワーフ王国の鍛冶神3

ヘパイストスがどのような神であったか、いくつかの神話が残されている。

まだ多くの神が居た時代、ヘパイストスは神々の神器を作る鍛冶神であった。

大地を斬り裂く剣。

全てを防ぐ盾。

神をも殺せる槍。

そして神々への供物として、生物さえも作ったという。

ヘパイストスの作る神器はとてつもない力を秘めていた。

また、ヘパイストスはマグマを操る力を持っており、大地すら作り出す事が出来るほどの力を持つ強い神であった。

ドワーフ王国の鍛冶神4

ヘパイストスが作る神器はどれも美しく、芸術的な作品ばかりであった。

しかし、ヘパイストス自身は醜い姿をしていた。

ヘパイストスはその事を嘆いてこう言った。

「私を作った者は、なにゆえ私をこのように醜く作ったのか!それは偶然か、それとも意図的か!」

ドワーフ王国の鍛冶神5

ヘパイストスの最後はあっけないものであった。

ある日、ヘパイストスは究極のものを作る、と言って工房にこもった。

そしてそのまま工房で死んでしまったのだ。

ドワーフ王国の鍛冶神6

工房からはヘパイストスの最後の作品も無くなっていたため、渾身の作品を何者かに盗まれてショックで自殺したのではないかと言われている。

ヘパイストスが最後に作り出そうとしたものは何だったのか、それは誰にも分からないまま鍛冶神は死んでしまった。

ただ、ヘパイストスは工房にこもる前、何を作るのかと問われた時、「自分自身」と答えたという。

ドワーフ王国の鍛冶神7

ヘパイストスの鍛冶の技術は僅かながらドワーフたちに受け継がれている。

ドワーフたちは加工するのが難しい素材からでも容易に武具を作り出し、またそれは芸術的で美しい。

しかし、ヘパイストスが成したような神器を作るほどの力はドワーフには無い。

その技はヘパイストスの死と共にこの世から失われた。

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