ドラム缶(輸送用)

Last-modified: 2021-10-20 (水) 21:22:48
No.075
ドラム缶(輸送用)簡易輸送部材
装備ステータス
火力雷装
爆装対空
対潜索敵
命中回避
射程
装備可能艦種
駆逐艦軽巡洋艦重巡洋艦戦艦
軽空母正規空母水上機母艦航空戦艦
備考
航巡・揚陸艦・補給艦・Luigi Torelli改Gambier Bay Mk.IIにも装備可
雷巡には装備不可
春雨改峯雲改の初期装備
ドラム缶を繋いだ簡易輸送用部材です。"東京急行"などに用いられました。
駆逐艦の甲板などに搭載し、敵制海権内に進入、強行輸送を敢行します。
(駆逐艦・軽巡洋艦・航空巡洋艦・水上機母艦・揚陸艦で運用可能です)

ゲームにおいて

  • 2014年2月26日アップデートで探照灯とともに実装された。
    • 長波が夜戦の度に捨てているが、ホントに捨てられてはいないので安心して欲しい。
      長波のボイスにはドラム缶に言及したものが複数あるが、有名なルンガ沖海戦にちなんだものであろう。
      ルンガ沖海戦については、下記小ネタ欄に記載がある。また長波高波の小ネタ欄にも詳しく記載されている。

装備の運用について

  • 本装備は装備しても火力や装甲といったステータスに変化(増減)がない。
    本装備の真価は、装備した場合に遠征任務の一部で大成功の条件が変わることや、
    資材マスの獲得量が増えること、またルートの制御ができることなどにある。
    詳細は以下の通り。
    • 遠征
       運営告知より「鼠輸送型の遠征及び出撃で効果を発揮」とある。
       これらの遠征は成否判定が特殊であり、通常の編成条件に加えて、ドラム缶を積んだ艦娘の数・ドラム缶の総数による成功判定がある。(詳細は遠征の成功条件に記載)。
       2020年9月現在、この鼠輸送型に該当するものは以下の通り。
    • 資材マスの獲得量アップ
       マップ上の緑色のポイント(資材マス)では資材(基本資材・特殊資材)が獲得できるが、
       一部のマスにおいては、ドラム缶を装備していると、装備数に応じて獲得できる資材の量が増加する。
       詳細は各マップの資源獲得マスを参照されたし。
    • ルート制御
       一部の海域では、ドラム缶の装備することでルートを制御できる。
       よく利用される海域としては2-5がある。マンスリー任務の「「第五戦隊」出撃せよ!」でお世話になっている提督も多いだろう。
    • 輸送マップのTP量アップ
       2015年冬の期間限定イベント「突入!海上輸送作戦」において輸送揚陸ゲージが実装された。
       ドラム缶を装備して出撃することで1回あたりの輸送量を増やすことができる。
       その後のイベントにおいても、同様の仕様が引き継がれている。詳しくはイベントのページを参照のこと。
  • 水雷戦隊 熟練見張員との組み合わせで夜戦カットインが発動可能となった。みんな!ドラム缶は持ったな!?
    • 図鑑での説明文によれば「鼠輸送時反撃」とのこと。発動パターンや倍率などは検証中。
    • これによってイベント海域での輸送ゲージでは各種上陸用船艇の下位互換でしかなかったドラム缶に明確な差別化要素が実装された。
    • 鼠輸送になぞらえて「窮鼠猫を噛む」キューソネコカミといったところか。

ドラム缶の入手方法

  • 開発
     駆逐艦・軽巡洋艦・重雷装巡洋艦・潜水艦(潜母不可)の10/10/10/10で開発できる。
     ほかに、10cm連装高角砲レシピ(10/10/30/10)でも出るので、ついでに狙うのも良いだろう。
  • 任務報酬
     以下の任務で入手可能。
  • 初期装備
     春雨改(Lv30)が1つ持参、峯雲改(Lv38)が2つ持参となっている。
     ただし、いずれも入手機会がレアであり、また運良く邂逅できた場合でも、改造までにそれなりの手間がかかるため、
     開発や任務での入手とどちらが良いかは、提督各自の判断による。

消費装備として

小ネタ

  • 日本海軍が大戦中期から駆逐艦を用いて実施した「ネズミ(鼠)輸送」にて用いられたのが元ネタ。
    鼠輸送は、制海権を奪われ低速な輸送船での輸送が困難になった帝国海軍による窮余の策であった。
    • 鼠輸送においては、必ずしもドラム缶輸送が行われたわけではない。特に、物資ではなく兵員を輸送する場合にはドラム缶に詰めるわけにもいかないし。
    • 駆逐艦が一列になって航行する様子を見た連合軍によって付けられた鼠輸送の通称が「東京急行[Tokyo Express]」である。某私鉄とか某国の偵察飛行とは関係はない。
  • この方法は当初、大消耗戦を強いられたガダルカナル島*1への輸送手段として生まれた。
    本来なら、輸送任務には輸送船を使うのが一番効率がいいのだが、輸送船は足が遅い。
    既にガダルカナルの空と海を押さえている敵の目をかいくぐるには、夜間に島に辿り着いて夜明け前に逃げ帰らねばならず、鈍足の輸送船にはこれが困難だったのだ。
    そこで、輸送船の3倍以上の高速が出せる駆逐艦に荷物を積載する方法が発案された。もちろん想定の範囲外の用途であり、輸送効率は著しく劣るのだが。
    高速の駆逐艦が「夜になるとすばしこく走り回る」から「鼠」輸送なのである。
  • 本来は輸送船で運ぶときは埠頭や橋頭堡が無い場合は、島に近づいたら小型の上陸艇で物資を浜まで輸送するなどしていたのだが、その余裕さえないので使ったのがこのドラム缶。
    ドラム缶と言えば中身は普通ガソリンや灯油などの液体を想像するが、鼠輸送では防水包装された食糧品や弾薬・医薬品などを入れていた。
    中を苛性ソーダで洗浄し、半分だけ物資を入れた。(満杯に入れると沈んでしまうので……)
    • そしてそのドラム缶を陸揚するのだが、駆逐艦は輸送船のように荷物の積み降ろしのための装備があるわけないので、陸揚に手間がかかる。
      また、陸揚中に敵襲を受けたら即応できない可能性も高かった。
    • そこで物資を入れたドラム缶をロープで数珠つなぎにし、目的地付近になったらドラム缶を海に放り込みロープの端を浜まで内火艇で持っていき、現地部隊が地引網漁よろしく数珠繋ぎになって浮いているドラム缶を陸上からロープを引っ張って岸に手繰り寄せ引揚げる。
      そうすりゃ揚陸のために停船する時間も少ないし埠頭も要らないし、水雷戦隊もすぐにとって返せば夜明けまでには空襲圏外にでれるんじゃね?という発想である。
      • まぁでも、潮流でドラム缶が迷子になったりすることもあったのだけど。

  • 最初にドラム缶が用いられた輸送作戦では、警戒隊の長波高波の2隻を除く駆逐艦(陽炎黒潮親潮江風涼風巻波)が200-240個を積み込み、輸送した。
    駆逐艦の最大の武器である魚雷を、発射管の中に装填してある分だけ残しストックを降ろしてまでドラム缶の搭載数を稼いだのである。
    ところが待ち受けていた米艦隊との戦闘になり、輸送隊は発射管旋回の邪魔になるドラム缶を投棄してしまい投入できず。
    ちなみにこれが、長波らが奮戦したルンガ沖夜戦となる。この史実を反映してか、長波はドラム缶を意識した台詞が目立つ。
  • 長波「さぁ!ドラム缶は捨てて、戦闘態勢!
  • この時の作戦指揮官である田中少将は、米重巡1隻撃沈3隻大破、損失は駆逐艦高波のみという圧勝を得るも、第三次ソロモン海戦での輸送船団壊滅や*2、後述する照月の喪失、ルンガ沖での物資輸送の失敗や駆逐艦による鼠輸送に反対していたこと等により更迭される*3*4
  • 失敗にめげずにすぐさま次の作戦を敢行して、今度は2000個近いドラム缶を投入することに成功、内火艇でロープの端をガダルカナルの陸兵に渡す事にも成功し後は引揚げるだけだった……が。
    飢えと病気で体力が落ちている陸軍には200個(単純計算で1個100kgとして20トン)もつながったドラム缶を引き揚げる事ができなかった。
    翌朝、陽が昇って米軍がドラム缶を見つけ片っ端から機銃掃射で沈めてしまったため、回収できたのは投入した数の1割程度だった。
  • それでもそれでもめげずに3回目も決行。もうこの方法しかなかったんだな……。
    先の反省を活かして今度は半分の100個ずつ数珠繋ぎにして軽くしたそうな。
    ところが空襲を受けたり、日本軍が何をやってるか察知した米軍が魚雷艇を配備しだしたりしたため、危なくて近づけず投入できず。
  • 海軍(連合艦隊、第十一航空艦隊、第八艦隊)は「今日限り駆逐艦輸送は実施しない」と宣言するが、現地陸軍と海軍のトップ協議により撤回され、第4回輸送作戦を実施することが決まる。
  • 痺れを切らした陸軍から強烈な申し入れが行われ、山本長官から直々に「海軍全体が期待してるからな、絶対成功させろよ」と激励文が送られた4回目は投入に成功。
    ところが投入する時に停船した一瞬の隙を魚雷艇に狙われ、よりにもよって旗艦の最新鋭駆逐艦「照月」が魚雷2本を食らって沈没する始末。
    しかも折角工夫したドラム缶も夜明けまでに引揚げきれずまたもや回収率1割……
    元々1回の輸送で守備隊2万人の食糧を2週間分しか輸送できず、実際の回収量はさらに少なく、毎回のように駆逐艦が大破したり沈没したりしていたため、コレでガダルカナル支援は打ち切り。
  • 結局ガダルカナルの維持は不可能と判断され、島を放棄して将兵を撤退させる作戦、ケ号作戦につながる。
    ……が、それまでにガ島の将兵は疲弊し、米軍も苦労した「世界三大感染症」と呼ばれるマラリアという伝染病の蔓延もあり2/3が死亡していた。気付くのが遅い*5
  • しかし、最前線への輸送手段として「鼠輸送」はガ島撤退以降も多用されている。もう本当にこの方法しかなかったんだな……。

  • 鼠輸送の次に考えられたのが、潜水艦(例:この子)に物資を満載して運ぶ「モグラ(土竜)輸送」であった。
    これも結局1回で数十トンしか運べない上に、周辺海域を機雷封鎖した米軍の妨害もあり上手く行かず。
    1回に1トンも運べない一式陸攻を使った空中投下作戦も行われたが焼け石に水。
    島伝いに大発や内火艇で集団でドラム缶の数珠つなぎにしたものを引っ張っていく事も行われた(蟻輸送)が、武装もマトモにないので戦闘機や魚雷艇の襲撃あって上手く行かず。
    その後各地でモグラ輸送などは行われ、当初は海軍の潜水艦が任務に充てられるも、戦局逼迫や陸海軍それぞれの事情ゆえに陸軍独自の潜水輸送艇も開発された。
    そうして生まれたのが三式潜航輸送艇(まるゆ)である。
  • 一方、鼠輸送の失敗は逆に「鼠輸送対応艦」とでもいうべき一群の艦艇をも生んだ。
    • 型駆逐艦*6:カッター*7を降ろし、代わりに小発動艇を搭載して輸送能力向上を図った。
    • 第一号型輸送艦*8:艦の後側が斜面になっていて、輸送用の大発を直接発進させる事ができる舟艇母艦としての機能も持つ。
      甲標的アレの母艦、或いは機雷敷設艦にも転用されている。使い勝手の良さから戦後は捕鯨船にも用いられた。
    • 第101/103号型輸送艦*9:大発よろしく舳先が開閉式となっており、迅速な荷物の陸揚げができる。
  • ちなみに、米軍は開戦以前から島嶼部での戦闘における輸送の便を考え、旧式化した駆逐艦をまとまった数改造し「高速輸送艦」(APD)としてガ島方面を含む各所で活用した。(駆逐艦ワード(DD-139)等)戦闘力は本職の駆逐艦に及ばないものの、松型と同様に上陸用舟艇を舷側に並べ、海兵隊の輸送・揚陸も可能であるなど使い勝手が良い艦艇であり、改造できる駆逐艦が払底した後も建造中の護衛駆逐艦を転用することで更なる増勢が続けられた。日本にもこいつを作れるだけの駆逐艦の余剰があれば…!
    • さらに言えば米軍の場合、ドラム缶なんぞというチマチマした輸送手段ではなく、大量生産したキャタピラ式の水陸両用トラックに物資を搭載して海上から陸にのし上げ、そのまま適当な隠し場所まで自走していくという贅沢極まりない方法で、日本軍が直面していた物資揚陸の問題を解決していた。さすが米帝はやる事が違った。
      • しかも米軍の場合、戦争後期には浜辺に直接トラックや戦車を陸揚げ可能な大型輸送艦「LST」と言う、さらに贅沢なもんを導入している。これは戦後、自ら撃沈しまくった青函連絡船の代替にしたものの、津軽海峡の潮流への安定性、速力、そして輸送力のすべてがW/H型戦時標準船に敵わず、間もなく廃止されている。

この装備についてのコメント

遠征結果の報告は、遠征のページへ。
開発結果の報告は、開発レシピのページへ。


*1 「ソロモン諸島の戦い」の主戦場。「“アイアンボトムサウンド”の“飛行場”の島」と言えば分かりやすいかもしれない。海上での緒戦に海軍が破れた結果、支援が絶たれた島内では食料等の物資が枯渇。“餓島”の異名通りの地獄と化していた。
*2 田中少将率いる二水戦は陸軍輸送船11隻からなる輸送船団を護衛中、第一夜戦で米軍機の波状攻撃を受けて輸送船は4隻だけになりながらも、第二夜戦では残存する駆逐艦8隻(早潮、親潮、黒潮、陽炎、巻波、長波、高波、涼風)と残る輸送船4隻を率いてガ島へ向かい、4隻とも目的地に擱座させて揚陸を図った
*3 そのため評価は日米で180度異なる。米側では「太平洋戦争において日本の名将を二人あげるとするならば、陸の牛島・海の田中」と評されるほど
*4 照月喪失を判断ミスとするのは難しい。照月の見張員は、魚雷はおろか攻撃を行った米魚雷艇の発見すらできていない。故に微速で航行していたとしても回避はできなかったと推定できる
*5 ケ号作戦が大成功したことを見ても、さっさと撤退していれば被害を最小限に出来た可能性がある。もっとも、米豪遮断作戦のためもあって早々にガ島を放棄する訳にもいかなかったのだが
*6 日本初の戦時量産型駆逐艦で、主砲は12.7cm高角砲3門、魚雷は四連装1基のみと対水上戦闘力は控えめ。後にさらに基礎設計の簡易化を進めた橘型駆逐艦に移行した
*7 脱出、救助などに用いられる緊急用小型艇。
*8 艦これ未実装。自衛用の高角砲・機銃・ソナー・爆雷を多数装備した高速輸送艦。
*9 艦これ未実装。見た目がまんま揚陸艦である。