No.136 | ||||
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プリエーゼ式水中防御隔壁 | 増設バルジ(大型艦) | |||
装備ステータス | ||||
火力 | 雷装 | |||
爆装 | 対空 | |||
対潜 | 索敵 | |||
命中 | 回避 | -1 | ||
射程 | 装甲 | +7 | ||
装備可能艦種 | ||||
駆逐艦 | 軽巡洋艦 | 重巡洋艦 | 戦艦 | |
軽空母 | 正規空母 | 水上機母艦 | 航空戦艦 | |
備考 | ||||
開発不可能 Littorio、Romaの初期装備 補強増設枠に装備可能 2015年春イベントE-3突破報酬 | ||||
シリンダータイプの隔壁による、艦幅も重量も増やさずに水中防御を向上させる大型艦艇の防御隔壁です。 タラントでの戦訓から評価が分かれますが、一定の防御効果は期待できるといわれています。 (戦艦・巡洋戦艦・航空戦艦・正規空母(含む装甲空母)用) |
ゲームにおいて 
- 2015年4月28日に開始した2015年春イベントで登場した、大型艦専用の追加装甲。大型バルジの調整版的な装備。
現在の入手方法はイベントドロップするイタリア戦艦姉妹の初期装備のみ。- 既存の増設バルジ(大型艦)と比較すると装甲-2、回避+2と、バランス重視。
大型バルジが不足していた提督にとっては嬉しいかもしれない。- ただし装甲乱数が2/3~4/3と3の倍数変動している点を考えると不利か?
- 装備可能艦種は異なるが増設バルジ(中型艦)と同じ装甲値ながら回避値が1優り、パフォーマンスは僅かに良い。
- 既存の増設バルジ(大型艦)と比較すると装甲-2、回避+2と、バランス重視。
性能比較表(装備最大値/増設バルジ早見表/テーブルより転送) 
- 回ボ:回避ボーナス、装ボ:装甲ボーナス
- 装備可能艦種:
- 大:戦艦・航空戦艦・正規空母・装甲空母
- 中:軽空母・水上機母艦・重巡洋艦・航空巡洋艦・軽巡洋艦(多摩改/改二、木曾改、夕張改二/特/丁、阿賀野改、能代改/改二、矢矧改/改二/改二乙、酒匂改、Gotland改/andra)
重雷装巡洋艦(木曾改二)・駆逐艦(Верный、陽炎改二、不知火改二、黒潮改二、雪風改二、夕雲改二、巻雲改二、風雲改二、長波改二、朝霜改二、沖波改二、秋月、照月、涼月、初月、Fletcher Mk.II))
工作艦・潜水母艦・練習巡洋艦・補給艦(神威改母)・揚陸艦(神州丸)
小ネタ 
- プリエーゼ式(プリエーゼ・システム)とは、魚雷や水中弾の被害を抑える水中防御の方法の一種である。
- 本システムは、ざっくり言えば「艦内構造物を破損させることで、艦内舷側で水中爆発の衝撃を吸収する方法」である。
- システムの構造は以下の通りである。まず、水線下の艦内舷側沿いに、中身が空洞の円形構造物を横に寝かして配置し、これが丸ごと収まるポケットを舷側に造って重油または海水で満たす。
また、ポケットの艦内側に大乾室を設け、外舷側にはポケットの外壁に沿って内部が空洞でセル状の小乾室を設けられている。- この円形構造物は、浮力の増大を兼ねている。
- 妖精さんが設計図を開いているため少しわかりづらいが、上記画像はプリエーゼ式の断面図である。
一番外側(舷側)の小部屋がたくさん連なっている部分が小乾室、その内側の円筒形の空間がポケット、一番内側の中心部が円形構造物である。
また、小乾室の端と端をつなぐようなL字型の空間が大乾室となる。
- これで魚雷が命中しても、爆発の圧力波は小乾室が押しつぶされることで緩衝され、更に圧力波の余力によって円形構造物が破損しポケット内の液体が流れ込むことで、艦深部にダメージを及ぼさない程にまで軽減されるというものだった。
- また、小乾室が破損したことで生じた浸水は、三重底の艦底を伝って反対舷の大乾室へと流入し、左右の傾斜を自動で調節するというダメージ・コントロールも担っている。
- 本システムはコンテ・ディ・カブール級の大改装時に初めて戦艦に取り入れられた。
その後もヴィットリオ・ヴェネト級の設計、カイオ・ドゥイリオ級の大改装でも採用され、イタリア軍の全戦艦に導入されている。- 実は、戦艦以外であれば、1919~1921年にかけて建造された補給艦ブレネッロとタルヴィシオに試験的に導入されている。
- そして、ソ連のソビエツキー・ソユーズ級も本システムを採用する予定であった。船体形状等もヴィットリオ・ヴェネト級に似通っているところがそこかしこに見受けられる*2。
- システムの構造は以下の通りである。まず、水線下の艦内舷側沿いに、中身が空洞の円形構造物を横に寝かして配置し、これが丸ごと収まるポケットを舷側に造って重油または海水で満たす。
- タラント夜襲による被害が大きかった事から、日本では長らく欠点の多い防御方式であると評価されてきた。しかし最近では実戦において有効に機能したとの資料も多く見つかっている。
- 1940年11月のタラント空襲において、コンテ・ディ・カブールに1本、カイオ・ドゥイリオに1本、リットリオに3本の魚雷が命中。結果、3隻は大破着底。
リットリオは1941年3月、カイオ・ドゥイリオは1941年5月まで行動不能となり、コンテ・ディ・カブールに至っては、1941年7月にようやく浮揚が成功するも、終戦までに修理を完了できなかった。- カブールの復帰が遅れたのはプリエーゼ防御の範囲外で船舶の急所である艦底にまともに魚雷を受けたためで
一概にプリエーゼ式防御のみに原因があるわけではない。また修復と同時に近代化改装を行おうとしたため、工事数が増え過ぎたのも復帰が遅れる要因となった。
- 港湾部などの浅海では魚雷の威力が増加するのも関係しているとされる。特にタラントの湾内は水深がわずか12mしかなく、リットリオに至っては喫水線下が10.4mもあるため、実質1.6mの沈降で着底する。しかし港湾内は復旧の設備投入が早いため、3発も被弾したにもかかわらずリットリオは被害を受けた中では最短の5ヶ月で修理を完了した。
- カブールの復帰が遅れたのはプリエーゼ防御の範囲外で船舶の急所である艦底にまともに魚雷を受けたためで
- 1940年11月のタラント空襲において、コンテ・ディ・カブールに1本、カイオ・ドゥイリオに1本、リットリオに3本の魚雷が命中。結果、3隻は大破着底。
- 最新鋭のヴィットリオ・ヴェネト級はマタパン岬沖海戦や第1次シルテ湾海戦で魚雷の直撃を受けながら自力航行で帰還しており、また同級がフリッツXにより攻撃を受けた際もこのプリエーゼ構造が有効に機能したと言われている。
- コンテ・ディ・カヴール級の被害拡大は旧式の船体に後付けでプリエーゼ構造を取り入れたが故の問題であり、当初からプリエーゼ構造を前提として建造されたヴィットリオ・ヴェネト級では理論通りの防御力が発揮できたと言えるだろう。
- また、一見複雑に見える設計ながらヴィットリオ・ヴェネト級では被雷後の修理も迅速に行われている。
- 当時主流だった水中防御・浮力増加の方法はバルジを両舷に張ることだったが、バルジを張れば艦幅が増大して速力低下に繋がる。
これは、シー・レーン確保を重視し、来るべきフランスの新型高速戦艦*3に備えなければならないイタリア海軍としては、何としても避けなければならないことだった。イタリア男がスピード狂だったからというわけではない…はず。
プリエーゼ式は高速性を維持しつつ、水中防御を高めようとした苦肉の策なのである。“両方”やらなくっちゃあならないってのが“戦艦”の辛いところだな。- ただ日本海軍の金剛四姉妹や、長門型などは近代化改装でバルジを増設しているが、速力はむしろ向上している。これにはいくつかの理由がある。
- 想定される戦場の違い。イタリア海軍は当面は遠浅で狭い地中海が想定戦場であったため、速力と言うか、艦全体の運動性が低下することを嫌った。それに対して日本海軍のこの頃の想定戦場は広大で波も高い太平洋だったので、むしろ排水量を増大させて艦の安定に寄与すればそれでよかった。
- バルジは艦幅を増大させる反面、適当な構造であれば艦の安定性も増すためむしろ速力は上げやすくなる。とは言え、当時このことに気づいていたのは日本海軍ぐらいのものであった。
- 金剛型が改装でバルジを増設した際には速力は低下している。速力の向上は後の改装で機関換装を行ったことも影響している。
- ただ日本海軍の金剛四姉妹や、長門型などは近代化改装でバルジを増設しているが、速力はむしろ向上している。これにはいくつかの理由がある。
- 説明の通り、コイツは艦の外側に後付けするものではなく艦の内部に組み込まれるタイプのバルジである。
内臓脂肪であろうか。
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