【風属性】

Last-modified: 2024-05-18 (土) 13:42:35

概要

火/炎・土・水と並びファンタジーモノでお馴染みの【属性】の1つ。
キャラ自体が属性を持っている作品の場合「素早さに秀でるスピードタイプ」という傾向が強いが、我らがドラクエではイメージ通り【バギ系】の呪文・特技が属する。

DQ9

DQ9における属性
【炎属性】【氷属性】【雷・爆発属性】―【風属性】―【土属性】【光属性】【闇属性】

実質的にはバギ系の名前が変わっただけの属性だが、今作はとんでもない向かい風に見舞われた。
属する呪文は攻撃魔力に優れない【旅芸人】【スーパースター】だけが修得するため、攻撃魔力による威力上昇が全く望めない。
そのくせ「ダメージのブレ幅が広い」という問題点はそのままである。
さらに特技も【しんくうは】が敵専用になったため、マトモな風属性攻撃はストームフォースからの打撃くらいしか見込めない。
 
翼を持つモンスターにこの属性に弱いものがちらほらいる。
風を操って攻撃してくる割に、風を乱されると自身も空が飛べないため、というのは他のRPGでも見られる設定。
 
風が特によく効くのは【物質系】。「風化」をイメージしたのかも知れないが、風化というのは風が当たる影響で物質が劣化することではないので、誤用である。
風化とは、実際には熱(加熱だけでなく冷却も含む)や水分量の変化、塩分や化学反応、微生物によって物質が劣化していくことであり、決して風が物質を劣化させているわけではない。
また、気の遠くなるような長い年月をかけて少しずつ少しずつ劣化していくものであり、1回の戦闘という短時間で岩や金属を一気に劣化させることは不可能である。
 
一方で、風のカマイタチがよく効きそうな【エレメント系】には特に効きやすいというわけでもなく、イメージと敵の耐性のギャップが大きい。
 
防具の数と質は【雷・爆発属性】とほぼ一緒だが、いかんせん風属性攻撃を使ってくる敵が少ないため、食らう機会自体さほど多くない。
風属性が有効な敵の数や耐性を持つ敵の数も雷・爆発属性に近いため、雷・爆発属性と対になる存在として位置づけられているようだが、あまりに味方が使う際の使い勝手が違い過ぎる。

該当呪文・特技・アイテム

呪文
【バギ】【バギマ】【バギクロス】【バギムーチョ】

特技(味方使用可能)
【ウィングブロウ】(打撃後の強風)
【ストームフォース】使用時の無属性攻撃(雷との複合属性)

特技(敵専用)
【しんくうは】

アイテム(攻撃属性)
【かぜのブーメラン】【ハリケーンエッジ】
【かぜきりの弓】【あらしの弓】【サイクロンボウ】

アイテム(道具使用時属性)
【さばきのつえ】【てんばつのつえ】
【れっぷうのおうぎ】【たつまきのおうぎ】

ジョーカーでバギムーチョが誕生した流れを汲んでDQ9でもバギムーチョが登場。
ヒーラーの役割に特化させるためか僧侶は習得できなくなり、なぜか旅芸人とスーパースターの呪文に変更された。
ところが、バギですらLv11、バギマにいたってはLv30と習得が非常に遅くなってしまった。
旅芸人はLv16でより威力の高いヒャダルコを覚えるため出番がない。
その上、旅芸人もスーパースターも攻撃魔力が低いので、ほとんど役に立たない。
バギ系はまるっきり死に呪文に近い状況になってしまった。
またシリーズ通してのウリだった燃費の良さが失われ、バギは2→3、バギマが4→8、バギクロスにいたっては8→26と3倍以上、バギムーチョはなんと50。
燃費が良いのが最大の長所だったのにそれが完全に消されてしまった。
他属性の攻撃呪文と比べても燃費が悪い。
一応イオ系呪文と同様に【盾ガード】で防げないという設定が付け加えられたが、だからなんだという程度である。
かなり使い勝手が悪くなったせいで、結局バギ系呪文の立場をさらに追いやる結果になってしまっている。
 
特技も絶望的に少ない。風属性が欲しかったらおとなしくストームフォースを掛けて殴ろう。
長らくバギ系特技の代表格だった【かまいたち】は無属性となっている。

DQ10オフライン

DQ10における属性
【炎属性】【氷属性】【雷属性】―【風属性】―【土属性】【闇属性】【光属性】

旅芸人(バギクロスまで)、スーパースター、【フウラ】がバギ系呪文を習得する。
かまいたち、しんくうはは主人公の格闘スキル、フウラの風乗りスキルで習得する。
必殺技の【ピンクタイフーン】【フウラ】【風乗り】スキルで習得する【水神のたつまき】も該当。

DQ10オンライン

【海賊】がバギ系呪文を習得する。水神のたつまきは【天地雷鳴士】が習得。
海賊が使う【コーラルレイン】【メイルストロム】もこちらに属する。
詳しくはこちらを参照。

DQ11

DQ11における属性
【炎属性】【氷属性】【雷属性】―【風属性】―【土属性】【光属性】【闇属性】

引き続きバギ系呪文が風に属する。
メインの使い手は僧侶系の【セーニャ】。また、旅芸人である【シルビア】もバギマまでは使える。
味方サイドは【風の旋律】で風耐性を高めることができる。
全ての物質系に効き易いということはなくなり、弱点であることを遵守しているのは【シーゴーレム】系統のみ。
 
本作のバギ系呪文は他の攻撃呪文と比較して基本威力が高めに設定されているので、習得直後ならそれなりのダメージとなる。
守備力も属性耐性も高いが風属性だけは大弱点という敵がそこそこおり、このような敵には十分なダメージを与えられる。
この仕様はバギ系が登場したばかりのDQ3やDQ4を彷彿とさせる。
 
ただし、DQ9以降消えてしまった燃費の良さが戻ってくることは無かった。
今作のバギ系の消費MPと基礎ダメージの比率は他の攻撃呪文と同程度であり、MPマネジメントの観点からは気軽に使うことはできないのが欠点。
僧侶キャラにありがちな「パーティが安泰なときに積極的に使いたい」攻撃手段としては消費が大き過ぎる。
しかも威力の伸びも全体的に悪いので、他の呪文が威力上昇で燃費が良くなっていくのに対し、バギ系は相対的に燃費でどんどん劣るようになっていく。
無論、敵を殲滅することで回復呪文のMPを節約できる場面もあるため、使いどころをしっかり見極めたい。「バギ=ホイミ1.67回分=ベホイミ0.83回分」、「バギマ=ベホイミ1.67回分=ベホイム1.25回分」、「バギクロス=ベホイム2.5回分」、「バギムーチョ=ベホマ2.08回分」である。
基本的には「バギ系を1回使えば回復呪文を2~3回節約できる」状況ならば使う価値はある…のだが、ダメージのムラが大きい性質がネックで計算が立てづらい。
 
そしてもう1つ大きな欠点は、セーニャの素の攻撃魔力が0のままであるために、装備による強化以外では威力の上昇が見込めないこと。つまりある程度威力を上げるためには装備が固定されてしまう。
今作のバギ系は基本威力が高く威力が上がるハードルも全体的に低い代わりに、成長率が悪く、頑張って威力を上げても真の威力は他の呪文に比べて低い。
例えば最上級の【バギムーチョ】は覚えたての頃は同じ攻撃範囲で消費MPの近い【ギラグレイド】よりも基本ダメージの期待値が高いが、レベルが上がっていくとアッサリ抜かされる。
 
最終的には使い手自身が他に強力な特技を習得することもあり、バギ系呪文に頼りたくなるような場面はなくなるだろう。
バギ系呪文にもある程度の存在感を最後まで発揮させたいなら、大量のドーピングが必要。
これもDQ9と同じ仕様なら悲惨だったが、今作では攻撃魔力250だけで最大ダメージが与えられるという点は唯一の救いかもしれない。
幸いドーピングアイテムは稼ぎやすく、攻撃魔力を強化すればバギ系の威力を最大限に引き出すことが可能となる。
 
なお、目覚めしセーニャに限れば、期間限定だが限界まで強化されたバギクロスを簡単に見ることができる。
しかし、バギクロスはバギ系の中でも特に威力の成長度合いが悪くなっており、限界強化されても威力が1.2倍程度しか上がっていないというオチが付いてくる。
せめて攻撃魔力を有しているシルビアがバギクロス・バギムーチョを覚えてくれたらまた使い勝手も変わったかもしれない。
 
バギ系はDQ6以降、特技に押されたせいで存在自体が空気だったり、やたらと耐性を持つ敵が多かったり、攻撃魔力が実装されても使い手の攻撃魔力の低さにより威力が低く見向きもされなかったりと惨憺たる扱いの中、今作のバギ系は攻撃魔力0の時点での火力は十分にあり、最後には他の呪文に劣るものの、それなりの活躍ができる期間はある。
そのため、これでも歴代の中では割と扱いが良い方だったりするのだが……これで扱いが良い方というのも悲しい。
さらに言うと今作では【メラハリケーン】【サイクロン斬り】、あるいは【モンスターゾーン】の演出用といったように【れんけい技】の引き立て役になっている傾向にある。
僧侶系の呪文という立場を続けるなら、せめてもっと気軽に使えるよう、燃費は戻して欲しいところ。
 
一方、風属性の全体攻撃特技は豊富にあり、シルビアに加え【主人公】【マルティナ】【ロウ】と習得できるキャラが半数もいる。
多くの場合は習得時期とその威力から中盤クラスの技も多いが、中にはマルティナの【ピンクサイクロン】のように最後まで主力級の威力を維持できるものもあるためそれについては評価できる。
属性の通りは平均レベルは保持しているのだが、いかんせん風属性付き武器が【セーニャのステッキ】だけとほぼ無いに等しいのが辛い。
せめて短剣やブーメランに風属性付きのものがあれば、【カミュ】に装備させて風弱点の敵に猛威を振るっただろう。
 
また戦闘の仕様が違うDQ10を除けば【グランドクロス】が久々に登場するが、こちらはDQ6~8の頃とは違い全体攻撃技になっているため、それなりには使える技に昇格している。
そのため、特技面ではDQ9に比べて大分扱いが改善されていると言える。

該当呪文・特技・アイテム

呪文(味方使用可能)
【バギ】【バギマ】【バギクロス】【バギムーチョ】

呪文(敵専用)
【メイルストロム】

特技(味方使用可能)
【空裂斬】【ウィングブロウ】【サイクロンアッパー】
【ローズタイフーン】【グランドクロス】【しんくうげり】
【ピンクタイフーン】【ピンクサイクロン】

特技(敵専用)
【かまいたち】【しんくうは】
【たつまき】【はげしいたつまき】
【回転攻撃】

れんけい技(味方使用可能)
【サイクロン斬り】【メラハリケーン】【ストームスラッシュ】
【暴走ピンク陣】【ゴールドサイクロン】【ローズハリケーン】

れんけい技(敵専用)
【クロスバギムーチョ】
【大かまいたち】【重ねしんくうは】

アイテム(攻撃属性)
【セーニャのステッキ】

アイテム(道具使用時属性)
【さばきのつえ】【てんばつのつえ】【王者の剣】

ジョーカー3・3プロ

DQMJ3における属性
【火属性】【水属性】―【風属性】―【地属性】【爆発属性】【氷結属性】【電撃属性】【重力属性】【光属性】【闇属性】

属性概念が変更されて登場。DQ9・10のものと同じく、バギ系呪文などを含んだ属性となっている。
魔獣系が無効化、ドラゴン系が半減、物質系が弱点とする傾向にある。

該当呪文・特技・アイテム

呪文
【バギ】【バギマ】【バギクロス】【バギムーチョ】
【バギマータ】
【グランドクロス】(地との複合属性)

物理
【しんくうぎり】
【空裂斬】(電撃との複合属性)
【天翔轟嵐斬】(プロフェッショナル版で追加、合体特技、水との複合属性)

体技
【かまいたち】【しんくうは】【トルネード】(電撃との複合属性)

踊り
【暴風の舞】(プロフェッショナル版で追加)