2017年3月3日に任天堂が発売した家庭用据置、
携帯両用可能の「ハイブリット型ゲーム機」。
「ニンテンドースイッチ」と表記されることもあるほか、単に「Switch」、「スイッチ」と呼ばれることも多い。
仕様変更が重ねられており、「改良型モデル(通称HADモデル)」と「有機ELモデル」、
携帯モード専用機「Nintendo Switch Lite」も発売されている。
以下ではLiteの付かない初期型・改良型・有機ELモデルを総称する際は「標準型」と称する。
対応タイトル
- モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.
- モンスターハンターライズ
- モンスターハンターライズ:サンブレイク
- モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~
- モンスターハンター ストーリーズ(2024年移植版)
目次
概要
- 世界的GPUメーカーの1つである「NVIDIA」との共同開発で誕生した、
「据置、携帯ハイブリッド型ゲーム機」。
任天堂の公式な発表では「据置型ゲーム機」ということになっているが、
実際はコントローラーを本体に取り付けることで、
「携帯型ゲーム機」として使用することもできる。
上述の通り「据置機と携帯機のハイブリッド」という、全く新しいコンセプトのゲーム機と言える。- 本機は、CPUとGPU、そして集積回路の一部を1つに収めた、
「SoC」と呼ばれるチップが、(用法としては正しくないが)所謂CPUとして搭載されている。
据え置きをデフォルトとしたゲーム機であるため、
SoCから放熱される熱量も多く、放熱のために小型ながらファンが搭載されている。- 本質を言い表すと、
SoCがNVIDIA Tegra X1のカスタマイズ品でCPUに高性能コアとしてArm Cortex-A57 4Core、
高効率コアとしてArm Cortex-A53 4Coreを搭載。
処理負荷に応じて扱うコアを切り替えるbig.LITTLE構成となっており、
ここに、後述するGPU「NVIDIA Maxwellアーキテクチャ GPU」も内蔵されている。
物理メモリは4GB、内蔵ストレージ32GBのタブレット端末が厳密な本体となっており、
そこに多機能コントローラー*1を外付けで接続して動かすハードウェアである。
- 本質を言い表すと、
- 本ゲーム機の成功…もとい、コンセプトが広く受け入れられた事を受け、
Switch発売後からゲーミングスマートフォン、モバイルゲーミングPCの分野への投資が活発化し、
本機を意識したようなデザインのデバイスが続々と姿を見せている。
特に後者の分野への投資は非常に大きな勢いを見せており、
2023年時点で新たなジャンル「UMPC」を築かんとする程に活気に満ち溢れている。
これらは「外でPCゲームをプレイできる」事を宣伝文句に製品を開発、展開している事が多い。
そして、これらの製品のメインチップには、
PS5やXbox SeriesX/Sにプロセッサを提供しているAMD社が主導する、
高性能CPU、GPUを1チップに収めつつ省電力化も果たしたプロセッサ「APU」が搭載され、
PCと同じアーキテクチャを採用することでPCゲームへの対応力を高め、
かつ、モバイルデバイス向けに最適化しつつも高い性能を有し、ワンチップ化されたCPUとGPUによって、
可能な範囲で省電力化(=バッテリーの長寿命化)と高性能化の両立を図っているモノが多く散見される。
PC向けプラットフォーム「Steam」の運営元である「Valve Corporation」が発売した、
『Steam Deck』はその代表格と言え、同機もプロセッサにAMD社のAPUを採用している。
- 本機は、CPUとGPU、そして集積回路の一部を1つに収めた、
- 任天堂ハードとしては初となる「汎用チップ」を採用したゲーム機でもある。
これまでの任天堂ハードは前世代のWii U、携帯ゲーム機の3DSに至るまで全て特化型の構造を採用しており、
他のハードには無い魅力を持つことに成功した一方でソフトウェア開発を難航させてしまっていた。
実際、マルチプラットフォームを謳うゲームソフトでも、
「任天堂ハードだけはリリース対象外」というのは決して珍しいことではなかった。
一方、当ハードは主にスマートデバイスで幅広く採用され、
PCとも高い親和性を持つ汎用アーキテクチャ*2が採用されており、
上述太字部分の特徴を大きく宣伝している故に表立ってはいない*3が、
PS4と同様「ゲーム開発者の力を活かしやすい」ハードとなっている*4。- なお、前世代機のWii Uとの物理的互換性は無い*5。
当ハードの魅力、上述の事情を踏まえると「SwitchはWii Uの後継機ではない」*6と言える。
そのため、任天堂の公式見解としては、
「SwitchはWii Uを置き換えたものではないため、Wii Uとも並行してサービスを提供する」という姿勢であり、
その後もその発言を修正していなかったが、
当ハード発売前に国内におけるWii U本体の生産は終了、
新規のパッケージソフトのリリースも2018年7月26日に発売された
『ドラゴンクエスト10 オンライン オールインワンパッケージ Ver.1-4』が最後となった。
そのため、当ハードは大半のユーザーから事実上の「Wii Uの後継機」と見做されている。- あくまで事実上であり、上述の通りWii、Wii Uといった前世代機の互換機能は有していない。
両ハードのゲームソフトをプレイしたい場合、
市場に出回っている分のWii U本体を求める必要がある。
こちらも「3DSの後継機」という位置づけで扱われている訳ではない。
しかし、「携帯モードに特化した廉価版」であるNintendo Switch Liteの存在や、
3DS本体の生産が終了したことから、
ユーザー側から見て「3DSの事実上の後継機にもなった」と見做されることはある。 - あくまで事実上であり、上述の通りWii、Wii Uといった前世代機の互換機能は有していない。
- なお、前世代機のWii Uとの物理的互換性は無い*5。
- SoCであるNVIDIA Tegraに内蔵されている、
「GeForce MaxwellアーキテクチャベースGPU」は、
TVモードとテーブル/携帯モードで周波数を切り替えるという機能を採用しており、
TVモードでは768Mhz、テーブル/携帯モードでは2/5の307.2Mhzで動作する仕様になっている。
これは、TVモードの最大解像度である1920×1080、
テーブル/携帯モードの最大解像度である1280×720とほぼ同等になる。
TVモードの768MHz動作が、SwitchのGPUの最大性能を発揮している状態であり、
この時の性能は393.2GFLOPSと、ハイブリット機故の事情と本機が開発された時期の半導体技術力の事情もあるが、
その性能は前世代の据え置き型ゲーム機である、PlayStation4の約1/5の性能しか無い。
しかし、本機はそんな低い性能を感じさせないほどに高いクオリティを誇る、
数多のゲームソフトのラインナップが出揃っているのが特徴である他、
据え置き型ゲーム機としては圧倒的とも言える、約6Wの消費電力*7という省電力能力を実現している。- 改良型となるHADモデルでは、改良型のSoCとRAM*8が搭載されている。
この改良パーツの性能を、省電力側に用いることで、
初期型モデルより少ない消費電力でありながら、性能は同等という環境を実現、
加えて消費電力の低下によって、SoCの発熱量が減ったことでファンの駆動率も低下した。
結果として、
「SoCとRAMのパーツは初期型モデルと同一でありながら、
バッテリー駆動時間は大幅に向上」という進化を遂げる事に成功した。- なお、この逆の事…つまり、
改良型SoCとRAMの性能をフルに発揮する方向で稼働させれば、
初期型モデルより高いパフォーマンスを発揮することができる…ということであり、
その事から、一部の層から「PS4 Proのような、ハイエンドモデルが登場するのでは?」
という声が挙がる事があるが、
こちらの方面に関して任天堂公式からのアナウンスは一切無い。
- なお、この逆の事…つまり、
- 改良型となるHADモデルでは、改良型のSoCとRAM*8が搭載されている。
ゲームメディアについて
- 任天堂の据置機としてはニンテンドウ 64以来となる、
ソフト媒体にディスクメディアを用いないゲーム機である。
使用されるのは「ゲームカード」と呼ばれる、
3DSやPSVitaのソフト媒体と同じ、フラッシュメディア形式のものが採用されている。
媒体を見直したことでディスクドライブ部分がなくなり、
それによってロードの高速化や排熱の抑制がされ、
またゲーム機自体もかなりの小型化が実現できることとなった。- この形式は、コストに対する容量の面でディスクメディアに不利な面があったが、
SDメモリーカード大容量化を始めとする、
フラッシュメディア大容量化技術が発達してきたためか、
Nintendo Switchのそれは、ダウンロード版ソフトの容量から推測するに、
32GBというBlu-ray Discと遜色ない容量を低コストで実現可能であることがうかがえ、
この点の問題は心配しなくて良いことがわかる。
将来的には64GBのゲームカードに対応予定だが2021年中に間に合うかは不明。
後述するように外付けHDDが2021年現在使用できないのも相まって、
一部(DLC、アップデートデータ込の)大容量ゲームタイトルに於いて、
2つのケースによる弊害が起こってしまっている。- 1つ目は「高額*9を支払って、
大容量のmicroSDXCカードを購入する必要がある」ケースである。
これは、ゲーム本体だけでなくDLCやアップデートデータでも多大な容量を要し、
低価格のmicroSDカードでは賄えない事が原因である。
このケースの例として、- 「ゲーム本体の容量27.4GBに加えて、
別途ユーザー側で用意する記録媒体に追加データ約14GBを保存しないと遊べない」 - 「ダウンロード版の容量23GBと謳っているがそれとは別にセーブ用に6GBを要求し、
そのソフトのパッケージ版もゲームカード内のデータは7GBぐらいで、
別途ユーザー側で用意する記録媒体に追加データ16GB+セーブ6GBが必要」 - 「NBA 2K19ではダウンロード版もパッケージ版も最低32GBは空き容量がいる」*10
その際には数千円~数万円の外部メモリ媒体が要求されることが挙げられるか。 - 「ゲーム本体の容量27.4GBに加えて、
- 2つ目は「ダウンロード版、あるいはクラウド版限定」というケースである。
これは、上述した「大容量ゲームカードの生産コスト」に由来すると考えられる。
Switchのゲームカードは8GB、16GB、その次が32GBと容量に応じた種別があるのだが
(後述のFFX/X-2 HD Remasterの発売までは)32GBカードで販売しているゲームは一つだけで、
定価が8,800円(税別)だった。
それ以外のゲームは32GBカードに入るサイズでも、
前述のケースで挙げたようにあえて低容量カードを使用して
大量の追加データをダウンロードさせる方式のソフトが多い。
この「16GBを超えるサイズのゲームはパッケージ版での販売が敬遠される」という例では、- PCやPS4等でサービスを展開している、
セガのオンラインゲーム「ファンタシースターオンライン2」、
及び同ハード+Xbox ONEで展開している、
カプコンの「バイオハザード7」の容量は何れも17GB以上であり、
何れもクラウドサービスという形でのタイトル展開が採用されている*11。 - バイオハザードリベレーションズ1はダウンロードもパッケージも普通に販売しているが、
リベレーションズ2はダウンロード版でしか販売していない。
リベレーションズ1は12GBに留まっているが、2は17GBを超えている。*12 - 2019年4月発売のFINAL FANTASY X/X-2 HD Remasterは、
FFXとFFX-2の二本のゲームが収録されているのだが
日本版は二本とも収録して税別6,800円で販売し、
これが二例目の32GBカード採用例である。
これは単純なHDリマスター版故に実現できた事であると考えられる。
一方、海外版は16GBカードを使ってFFXのみを提供し、
FFX-2はダウンロードさせる方式で49.99ドル(発売時のレートで約5560円)だった。
おそらくは国ごとに販売戦略を分けたのだろう。 - モンスターハンターライズ:サンブレイクはパッケージ版もゲームカードに収録するのはライズ本編のみで
サンブレイクの追加要素はダウンロードコードを同梱して発売。
そして、ゲームクリエイターの桜井政博氏によって明かされた事実として、
「スマブラSPをあの価格で発売するには16GBカードを採用しなければならなかった」
というものがある。
この第1と第2のケース(とその複合*13)が、
ユーザーとゲームメーカー両方に負担となっている。
Nintendo Switchで快適に遊ぶにはmicroSDXCカードが欲しくなるために、
ユーザー側の追加出費が重くのしかかりやすい状態となり、
ゲームメーカー側も、ゲームデータが16GB以下ならばパッケージ版を出しやすいが
それを超えて32GBのゲームカードで販売するとなると二の足を踏んでしまうことが
タイトルの販売戦略に大きな影響を及ぼしている状態となってしまっている事がうかがえる。
この例はPSVitaでも起こったことであるが、あちらと違い
こちらは据え置き機基準であるが故に大きく響いてしまったものと考えられる。*14
将来の技術進歩や大容量記憶媒体の価格低下、
根本的な改善に繋がるであろう、外付けHDDへの対応を期待したい。 - PCやPS4等でサービスを展開している、
- ただし、32GBのゲームカードを採用しつつ、価格面でも平均的な製品よりやや抑えめな『The Witcher 3』*15などの事例があるため、企業努力によって克服可能な範疇であるとも推測できる。
- なお、このゲームカードやゲームカードを触った手を舐めるととても苦い。
これはデナトニウムベンゾエイトという苦み成分が塗られているためで、
ギネスブックに世界一苦い物質として記録されているが健康に害は無い。
ゲームカードが従来のゲームより小さく、子供が遊ぶこともあるため誤飲を防ぐためだろう。*16
余談だが、この苦みはコーヒーの苦みに近く、
発売直後はソフトの食レポが後を絶たなかった。*17
これによって「(前の持ち主が舐めているから)中古では買うな」などとネタにされることも。
※精密機器を濡らしてはいけません。
- この形式は、コストに対する容量の面でディスクメディアに不利な面があったが、
- ファミ通によると、2021年11月21日までにSwitchの国内での累計販売台数が2200万台を突破した。
これまで国内での据置ゲーム機で最も多かったのはPlayStation2の2198万台であったが、
その記録を更新したであろうことが推測される。
この数字は携帯専用であるSwitch Liteも含めた数ではあるが、それを考慮しても近年稀にみる大ヒット商品と言えよう。
なお、PS2が販売されていたのは2000~2013年の13年間であったのに対し、
Switchの方は発売年の2017年からまだ5年経っていない段階でこの記録を打ち立てていることも付け加える。- また、世界での販売台数は2022年2月4日時点で推定1億354万台であることが任天堂公式より発表された。
この数字はWiiの持つ1億4万台を更新するものであり、その後もさらに伸びる可能性が高い。
- また、世界での販売台数は2022年2月4日時点で推定1億354万台であることが任天堂公式より発表された。
- ゲーム機の世代交代はおよそ5~10年で来る事が多いが、
上述の通り、Nintendo Switchは2022年現在もなお、高い水準で普及が続いている。
また、ソフトウェアラインナップにも力が注がれている状況が続いており、
Nintendo Switchによるビジネスは今後もまだ続くものと見られる。- そのため、「発売から5年経ったから…」と不安がることなく、
Nintendo Switchで遊びたいゲームがあるなら素直にNintendo Switchを購入しても問題ないだろう。
- そのため、「発売から5年経ったから…」と不安がることなく、
標準型の構成要素
- 標準型は充電スタンドを兼ねたドック、モニターに相当する本体、
そして取り外し可能なコントローラー「Joy-Con」の3つのパーツからなり、
この3つのパーツを組み合わせることで、3つのスタイルで遊ぶことができるのが特徴。
本体
- 本体には6.2インチ(Liteは5.5インチ、有機ELモデルは7インチ)の大画面が付いており、
静電容量式のタッチパネルになっている。
これはDSや3DSの下画面およびWii Uのゲームパッドで採用されていた感圧式*18とは異なり、
人体の微弱な電流を感知して反応する、
スマートフォンやPSVitaに搭載されているものと同様のタイプである。
感圧式に比べコストがかかる代わりに精度に優れ、複数箇所の同時タッチも可能となっている*19。
- 今まで「無線通信は有線通信に速度、安定性に劣る」と言われる事が多かったが、
Nintendo Switchはその先入観を払拭できるに十分な、高速かつ安定した無線通信が可能な規格である、
「Wi-Fi5(IEEE 802.11ac)」に対応している。
無線親機(ルーター)がWi-Fi5以上に対応しているのであれば、
無線通信でも安定かつ高速な通信環境を享受できるため、無線通信でも安心して欲しい。- Wi-Fi5が使用する周波数帯である5GHzはWi-Fi規格専用の為に設けられた周波数であり、
従来のWi-Fi規格で問題になっていた、多くの電子機器が利用している2.4GHz帯を用いる事による、
「電波干渉による通信不安定」「通信速度低下」の影響を受けない周波数帯域である。*20
一方で電波の直進性が高まり、遮蔽物の影響も受けやすくなるデメリットを抱えているため、
Wi-Fi5の性能をフルに活かすには、無線親機とNintendo Switchとの距離をあまり取らず、
かつ「Switch本体と無線親機の間に遮蔽物を多く存在させない」事が重要となる。
これが実現できない場合、有線を用いたインターネットに優位性が生まれてくるため、
自宅のインターネット環境をしっかり確認して、どちらが適切か確認すると良い。
- Wi-Fi5が使用する周波数帯である5GHzはWi-Fi規格専用の為に設けられた周波数であり、
- Wi-Fiアンテナとは別に、
主にNintendo Switch各種コントローラーとの通信に使うBluetoothアンテナも搭載されている。
このアンテナは長らくNintendo Switch各種コントローラーと通信するだけの存在であったが、
2021年9月15日に配信された大型アップデート「13.0.0」にて、
Bluetooth通信によるオーディオ機器との接続が可能になった。
なお、Bluetooth接続のマイクには対応していない。
Bluetooth通信によるオーディオ機器との接続を実行している場合、
同時接続できるコントローラーの数が2個までに制限されるので注意が必要である。
- Nintendo Switch本体には、
内部ストレージとして32GB(有機ELモデルは64GB)の記録メモリが搭載されている。*21
この内、一部が本体OSに使われる記録領域として専有されており、
ユーザー側で使えるのはその内の約26GB(有機ELモデルは55GB)のみであるのに加え、
ゲームソフトのセーブデータは内部ストレージにのみ保存される。*22
外部ストレージとしてmicroSDカード(64GB~2TBのmicroSDXCまで)に対応している。
詳しくは後述するが、アップデートデータ等で据え置き機、
PCゲームクラスの追加容量を要求されることが珍しくないため、
ダウンロード版主体の場合、microSDカードは必須と考えて問題ない。
パッケージ版主体でも、アップデートデータなどの存在を考慮すると、
本体購入と共に、少しでも容量のあるmicroSDカードを用意すると良い。
- 余談だが、本体のヘッドホン端子は4極のものを使用しているため、
後述するNintendo Switch Onlineを介さないがボイスチャットには対応しているソフトでは
ヘッドセットをここに直結することで対応するようになっている。
- そして、本体底面にはNintendo Switchの要であるUSB Type-Cポートが搭載されている。
詳しくはドックの項に譲るが、
ここにドック側に備わっているUSB Type-Cプラグを接続することで、
Nintendo Switchの動作がTVモードに切り替わる仕組みになっている。
また、直接電源アダプターを接続してNintendo Switchを充電したり、
USB周辺機器を接続して使用したりすることも可能である。- なお、充電やドックの利用で挿抜回数が多くなることが想定されているためか、
このUSB Type-Cポートは非常に高い接続性と、
非常に激しい挿抜数に耐えうる高い耐久性が持たされている。
- なお、充電やドックの利用で挿抜回数が多くなることが想定されているためか、
ドック
- ドックにはUSBポートが3基、HDMIポートが1基存在しており、
うち一つはUSB3.0規格に対応する予定と発表されていたが、
発売から現在に至るまで、OS側(のデバイスドライバ)が未対応であり、すべてUSB2.0規格で動作している。
USB3.0に対応するコネクタは内部を青などに着色することを推奨(必須ではない*25)されており、
従来型のドックのUSBのうち1つだけ青く塗られている*26ことから、
そこを将来のアップデートでUSB3.0に対応すると思われていたが、
有機EL対応モデルのドックはその部分がLANポートに置き換えられており(つまりUSBポートが1つ減っている)、
有機ELモデル発売に合わせて任天堂HPから「将来的にUSB3.0に対応予定」の文章が削除されたため*27
おそらくUSB3.0へのアップデートは無かったことになったと思われる。- なお、USB2.0と3.0の違いをざっくりというと、
「データ通信速度が高速(になることで、短時間で大量のデータのやりとりができる)」
というものである。
これは主に線の本数という物理的な仕様と通信方式によって生じており、
USB2.0が4本線+NRZI方式なのに対し、USB3.0では9本線+8b/10b方式*28となっている。
ただ、USB3.0は速度が上がっているものの、
正常にデータ通信できるケーブル長はUSB2.0までの規格より短い。- 現状ではUSB3.0で接続されているのは、
TVモードにおける本体とドック上のHDMI端子の間ぐらいと考えられる。
これは解像度の関係上求められるデータ転送速度を満足させるためであり、
ドックより先に接続される周辺機器についてはUSB2.0のままでも大きな支障となることはない。*29*30
逆に言えば、大元となるUSB Type-CコネクタがUSB3.0*31止まりであるため、
SwitchドッグのUSB3.0ポートの通信速度を満足行く速度で出せない、
言い換えてボトルネックになっているためにUSB3.0対応化が出来ないという事情も考えられる。 - USB3.0対応端子の構造は、USB2.0までとの互換性の関係上
「USB2.0まででは使われていなかったスペースにUSB3.0で使用される端子*32を追加」
というものとなっている。*33
その追加が「プラグ側は底部、ポート側は先端に5ピン追加」と、
特に強引なものであるType-Aコネクタ*34では、
「電源を入れたまま接続する際は素早く差さないとUSB2.0機器として認識されてしまう」
という難点がある。
これは2021年にPS4の外付けSSDの話題からネット上に広まることになったものであり、
Switchにて、USB接続型の外付けHDDまたはSSDが使える見込みが無い今では、
全く気にする必要はない話である。
- 現状ではUSB3.0で接続されているのは、
- また、USB3.0では電源供給に関する仕様も定義されており、
「USB Power Delivery」の規格名称が与えられている。
これは、それまでのUSB給電規格より供給電力量が細かく定義されており、
装置側の要求によって、
「5V、9V、15V、20V」の幅広い電力供給モードを切り替えて動作できる。
Nintendo Switchも、本体側がこの規格に対応している関係上、
ACアダプターもこの規格を有してはいるのだが、機能が不完全で
Nintendo Switch側が要求する電力規格モードしか有していない。*35
USB Type-Cコネクタを有するが故に、
他のType-Cコネクタを有する電子機器への接続、給電は出来る*36が、
上述の事情より、あくまで「Nintendo Switch専用である」と割り切って使用したほうが良い。
Switch本体及びドックも、独自仕様を前提とした設計になっているため、
USB Power Delivery対応Type-Cケーブルや、
一般のUSB Power Delivery対応ACアダプターではなく、
純正または公式ライセンス品のACアダプターを使用するのが賢明である。 - これとは別に、Nintendo Switch本体のUSB端子規格として「Type-C」が採用されており、
「本体とドックの間」「ドックとACアダプターの間」といった電源関連では
このType-Cコネクタを用いて接続を行う構造になっている。
この端子は廉価版であるNintendo Switch Liteにも存在するが、
携帯モードに特化した設計故に、
ドックのUSB Type-Cコネクタに接続してTVモードで遊ぶことは出来ない。- 端子規格とは簡単に言うと「USBコネクタの形状」のこと。
Nintendo Switchドックの側面や背面にある、
USB規格としては一般的な「長方形の形状」の端子規格は「Type-A」と呼ばれ、
それに対して機器側の端子規格は「Type-B」と呼ばれている。
Type-A/Type-Bは、機器のサイズによっては小型化されたものを使用しているケースもある。*37
それに対してUSB Type-Cは「金属端子が上下にそれぞれ存在する0字型の端子」で、
表裏を電気信号で認識して、自動で正常な向きで通信を行う*38という特徴がある。
Nintendo SwitchのACアダプターを接続する上で、
上下を気にしなくて良いのはこれが理由である。
なお、Switch本体のUSB Type-Cコネクタに接続する形*39で、
キーボードなどのUSB接続デバイスを使用することは可能である。
- 端子規格とは簡単に言うと「USBコネクタの形状」のこと。
それぞれ通信規格や、利用できる端子数によって分けられており、それぞれ- USB3.0=USB3.1 Gen1=USB3.2 Gen1×1
- USB3.1 Gen2=USB3.2 Gen2×1
- USB3.2 GenX×2(USB Type-Cの表裏双方の端子を使用し倍速化したもの)
一見、使えないように見えても実は使える、
という事がある事については頭に入れておくと良い。
なお、最後に書かれている「USB3.2 GenX×2」についてはUSB Type-Cの表裏の端子を両方使うため、
これについてのみは「USB Type-C限定の規格」と捉えて問題ない。- HDMIポートに関しては、標準型Switchや別売りされているドックは「HDMI1.4b規格」、
有機ELモデルにのみ付属するドックは「HDMI2.0規格」にそれぞれ対応している。
- なお、USB2.0と3.0の違いをざっくりというと、
- 有線接続でインターネットを利用するには、
ドック*40のUSBポートに「USB接続型のLANポート追加アダプタ」を接続し、
そこからLANケーブルで接続する必要がある。
ただし、この場合は有線LANによるインターネット接続の最高速度は、
使用したドックのUSBポートがサポートするUSB規格の上限で頭打ちとなる*41ので、
基本的に無線LAN通信(特に2.4GHz帯を使用するWi-Fi4規格)で発生しやすい、
「電波干渉の影響が低減する」程度の恩恵しか受けられない点に注意が必要。
有機ELモデルでリニューアルされたドックでは、
最大1Gbpsの通信速度をサポートする有線LAN端子を標準搭載しているが、
その配置については旧型ドックにおけるUSB 3.0端子を置き換えている。
- 余談だが、有機ELモデルの発売より1か月ほど前より配信されている13.0.0にて、
ドック内のソフトウェアのアップデートを行う項目が追加されている。
ちなみにdock(接続したものに補給などを行う設備)でありDog(犬)ではない。
ネットではちょくちょく「犬にスイッチ本体を差し込んだ」という動物虐待めいた誤字をされる。
Joy-Con
- 標準型本体にはL/Rのセットで付属している。
廉価版である「Nintendo Switch Lite」では、
Joy-ConからHD振動、モーションIRカメラを削除した、
専用設計のコントローラーが本体と一体になる形で併合されている。
上述の通り、Joy-Conを登録する機能を有しているため、
Joy-Conの機能をフルに用いるゲームを遊ぶ場合は、別途Joy-Conを用意する必要がある。
- Joy-Conの基本構成は左右で多少異なるが、一方だけ使う場合でも格差があまりないように考慮されてはいる。
- L/Rともに搭載
- アナログスティック1つ(押し込みボタンあり)
- 4ボタン(左は上下左右、右はABXY)
- -/+ボタン(左は-、右は+)
- 2段重ねのL/Rボタン(左はL/ZL、右はR/ZR)
- アナログスティックが左側に来るように単体で持った際に人差し指で操作するSL/SRボタン*42
- 加速度センサーおよびジャイロセンサー
ソフトによってはWiiリモコンなどのような体感操作も可能。 - HD振動
振動装置として、従来のバイブレーション機能の定番であった、
「錘+モーター」の組み合わせから大きく変化した、
長方形の箱型の装置「リニア共振アクチュエータ」を採用している。*43
このアクチュエータは従来の構造の振動装置では不可能だった、
細かい振動表現が可能となり、既存のゲーム機では実現できなかったリアルな振動を実現している他、
振動方法を工夫させることで軽い音声再生を行う事も出来るという、
振動モーターの一言で片付けられない代物になっている。
なお、このアクチュエータはNintendo Switch Proコントローラーにも搭載されている。
- Rにのみ搭載
- モーションIRカメラ
対象物の形やカメラとの距離を読み取る機構。 - NFCリーダー/ライター
amiiboと連動する機能の利用に必要。 - HOMEボタン
- モーションIRカメラ
- Lにのみ搭載
- キャプチャーボタン
ゲーム画面のスクリーンショットや動画を撮影できる。
当初はスクショのみだったが2017年10月19日のアップデートより、
キャプチャーボタンを長押しすることで、
「押す直前の30秒間」限定で動画撮影することも可能になった。
- キャプチャーボタン
- L/Rともに搭載
- タイトルによっても差はあるが、Joy-Conの主な使われ方には以下の物がある。
- 双方をグリップもしくは本体に装着して、2つセットで1人分という形で使う
据置機のコントローラーと同様の使い方となる。
基本的なボタン配置は他機種でいえばXboxシリーズと同様
(左はアナログスティックが上、右は4ボタンが上)。*44
ただし方向キーも左Joy-Conの4ボタンという形になるため、
十字キーではなく4つの独立したボタンとなる。*45
なお、この用法に限り本体もしくはグリップに装着して用いることになるため、
各Joy-ConのSL/SRボタンを使用することができないほか、
乾電池を使用する拡張バッテリーを使うことができないため、
特に本体付属のJoy-Conグリップを使用する際は
各Joy-Conのバッテリーの状態に注意する必要がある。
また、別売で方向キーが十字キーになった一体型コントローラー
「Nintendo Switch Proコントローラー」も存在する。 - 左右どちらか一方のみを使用する
この場合「片方ずつシェアする」という形で2人同時プレイが可能なタイトルも多く、
「nセットあれば2n人同時プレイが可能」といった形での対応例もある。 - 2つ1組で両手にそれぞれ1つずつ持つ
それぞれのJoy-Conをボクシングにおける左右それぞれの拳に見立てたり、
2本のレバーの組み合わせでの操縦といった形の用途も考えられる。
前者については、1年目の時点で見事にそれっぽい物が発売されている。
- 双方をグリップもしくは本体に装着して、2つセットで1人分という形で使う
3つのモード
- TVモード
本体をテレビに接続したドックに差し込むことで、テレビにゲーム画面を映して遊ぶ、
従来の据置型ゲーム機と同じ遊び方。
Joy-Conの使い方については後述する3パターンの全てが可能であり、
実際に使えるパターンについてはソフトによって異なる。
本体の持つパフォーマンスをフルパワーで発揮できるため、
ゲームソフトにもよるが他のスタイルと比較して、
ゲーム画面の解像度やフレームレート、音質などの向上が見込める。
また、Linear PCM 5.1chサラウンドの出力にも対応している。
映像、音声出力にはHDMIケーブル(Ver1.4b以上の規格が必要)を用いる。 - テーブルモード
本体背面のスタンド(兼、microSDスロットカバー)を展開して立てかけるなどの方法により、
本体そのものをモニター代わりにして遊ぶスタイル。
持ち運び可能な携帯機でありながら、据置型ゲーム機と似た感覚でのゲームプレイが楽しめる。
本体にゲーム画面が表示され、パフォーマンスが若干制限されること以外はTVモードと同様。
Wii Uでもソフトによっては「テレビを使わずにWii U GamePadに画面を映して
コントローラーでプレーする」というスタイルに対応していたが、
本体と画面が別々に存在していたWii Uに対し、こちらは本体が画面も兼ねている形になる。
Wii Uでのこのスタイルを「本体と画面を1つのハードにまとめる」という形で発展させ、
従来の据置型・携帯型ゲーム機では実現が難しかった遊び方を実現させたとも言える。- 後述するように「Nintendo Switch Lite」では本来は対応しないが、
別売のコントローラーを登録することで実質的に対応するソフトもある。 - 実際問題としては、本体背面のスタンドはmicroSDスロットを覆う程度の幅しかなく、
安定性については心もとない。
任天堂自身も角度調整可能な充電台兼用のスタンドを発売しているし、
他にもUSBハブ搭載有無を問わずスタンドが発売されているので、これらを利用するのも手。
ただし、有機ELモデルにおいてはほぼ全面という幅となって安定性が改善される上、
角度についても自由に決められるようになっている。
とはいっても本体の下辺とスタンドで支える点は変わっていないため、
充電しながらこのモードで使用する場合は電源への接続の関係上上述のスタンドが必要。
- 後述するように「Nintendo Switch Lite」では本来は対応しないが、
- 携帯モード
本体の両側面にJoy-Conを差し込み、それをそのまま両手で持って遊ぶスタイル。
感覚としてはWii U GamePad単体でのゲームプレイに近いが、
本体の薄さもあって重量はあまり感じない。
携帯機としては破格のクオリティのゲームが遊べる。
操作形態としては、中央に本体であるタブレット端末があり、
そこにJoy-Conが左右に分かれて装着されるという、
従来の携帯ゲーム機と同じフォルム*46になる。
Joy-Conのセンサーを利用した体感型タイトルなどこのスタイルでは遊べないものも、
逆にタッチスクリーンを最大限に利用するなどこのスタイルでないと遊べないソフトもある。- 廉価版である「Nintendo Switch Lite」はこのモードに特化した本体設計になっており、
microSDスロットのカバーも標準型のようなスタンド兼用型ではない。
そのため、標準ではこのモード以外で遊ぶことはできなくなっている。
ただし、Joy-Conをはじめとしたコントローラーを使用することは可能であり、
上述した各種スタンドの中にはNintendo Switch Liteにも対応しているものもある。
これらを利用することで、実質的に上述のテーブルモードで使用することは可能。
- 廉価版である「Nintendo Switch Lite」はこのモードに特化した本体設計になっており、
- 実際の使用場面としては、これらが複合した状況になっていることも多い。
例えば、本体とJoy-Conをセットで充電しながら他のコントローラーで操作している場合、
本体側としては携帯モードを想定した状態として認識されるのに対し、
プレイヤーからはTVモードやテーブルモードとして使っているという認識となる。
こういうこともあってか、本体に装着されたJoy-Conと別に1Pとして認識されているコントローラーは
同等に扱っているケースも多い。
携帯モードでプレー中に意味不明な挙動をしている場合、
どこかに1Pとして認識されたコントローラーがあってそれが悪さをしているケースもある。
Nintendo Switch Online
- Switchのオンラインプレイは、
有料サービスである「Nintendo Switch Online」を用いる形式である。*47
料金は個人プランで1ヶ月306円、3ヶ月815円、12ヶ月2400円の3種類、
その他に8人まで網羅できる12か月4900円のファミリープランがあり*48、
サービス利用者はゲームのオンラインプレイの他に各種のサービスを提供されている。- また、3DSやWii Uでは「ニンテンドーネットワークID」というネットワークアカウントが必要だったが、
Switchではそれとは別の「ニンテンドーアカウント」というアカウントが必要。
ただし双方を関連付けることは可能で、
3DSやWii Uにチャージされていた残高を移行した場合も、
両アカウントの関連付けが残っている限りは
3DSやWii Uからも同じアカウントの残高を利用することが可能。 - ちなみに据え置き機におけるオンラインマルチプレイの利用権が
「一世代前は無料だが最新世代では有料」となる形式は、
ソニーのプレイステーション4にて既に行われているが、
あちらは基本的なアカウント情報は両ハードで共有しており
有料の追加サービスにPS4におけるオンラインマルチプレイ利用権が含まれているのに対し、
こちらは先述したように基本的なアカウント情報についても別となっている。
Switchは前世代のソフトと互換性がないと発表されているため、
据え置き機のマルチプレイでかたや無料、かたや有料という事態は発生しないと思われる。
ただし、下記にある3DSとのマルチプレイという変則的な形については異なる。 - ただし「Nintendo Switch Online」(以下:NSO)は任天堂が整備運営しているネット環境を使ったオンラインであり、
それに関わるコストを賄うために料金を徴収しているが、任天堂の環境を使用しないものであれば
NSOへの加入や料金支払いをしなくてもオンラインプレイが可能である。
例としてスクウェア・エニックス社の『ドラゴンクエスト10』や、
Epic Games社の『フォートナイト』はオンラインの設備を自社で賄っているため、
任天堂へのオンライン料金を払わずともオンラインで遊べる*49。
- また、3DSやWii Uでは「ニンテンドーネットワークID」というネットワークアカウントが必要だったが、
- いわゆる通信プレイができる以外にも、NSO加入者向けの特典がいくつか付与される。
中でも特徴的なのは、ファミリーコンピュータやスーパーファミコン、ゲームボーイのソフトの一部を
本サービスの料金だけでプレーできることであろう。- さらに、追加料金が発生するオプションではあるが
Nintendo 64やメガドライブ、ゲームボーイアドバンスのソフトを遊べる、
「Nintendo Switch Online + 追加パック」というサービスも提供されている*50。- この「NSO+」はオンラインサービスだけに留まらず、
追加特典として特定ソフトのDLCを購入せずに遊ぶことも可能になっている。
追加サービス特典として取得したDLCは、追加サービス込みの有効期間中かつ当該アカウントのみに適用される。
しかし現段階で受けられるサービスは任天堂ソフトのDLCのみであり、
MHR:S含むモンハンの有料追加コンテンツは対象外となっている。
- この「NSO+」はオンラインサービスだけに留まらず、
- さらに、追加料金が発生するオプションではあるが
- また、特定の期間だけ対象ゲームが実際に購入しなくとも遊べる「いっせいトライアル」も不定期に開催されている。
いわゆる体験版などではなくダウンロード販売しているゲーム商品と同様のものが
期間中は本サービスの利用権のみで遊べるというもので、
もし気に入ればそのまま購入して継続して遊んでも良いし、
正規製品と同じソフトなのでセーブデータを残していれば後から買ってもそのままセーブを引き継げる。- そのいっせいトライアルの米国版ではMHRiseが対象となっており、
2022年3月11日から3月17日までのアメリカのNSO加入者はMHRiseのDL版が無料で遊べていた。…と言うよりも、このシステムは本体設定の地域で識別している。
アメリカに居住、つまり住所設定がアメリカになっているアカウントが対象である。
日本でSwitch本体を購入して日本のニンテンドーeShopからNSO料金を支払った者でも、
その時だけニンテンドーアカウントと本体設定の住所をアメリカにすると遊ぶことができた。
この裏技は任天堂のスタンスでは推奨も禁止もされていない。
まあMHRiseは米国・欧州と日本・アジアは中身がほぼ同一の別ソフト扱いなので
米国版を遊んだとしても日本版とはセーブもDLCも互換性がなく買い直しになるが。
ソフトによってはそういう切り分けがないので海外のトライアルで日本と同様に遊べることもある。
- そのいっせいトライアルの米国版ではMHRiseが対象となっており、
- 他にも本サービスの利用権のみでプレー可能なソフトが一部存在するが、
そのうちの1つである「TETRIS 99」では2021年10月にMHRiseのスペシャルテーマが入手可能なイベントが開催され、
他社タイトルのスペシャルテーマはこれが初であった。
- 後述する連携アプリの利用権についても本サービスの利用権がそのまま適用される。
たいていのソフトでは同アプリがボイスチャットの送受信を担う形になっているため、
Nintendo Switch用のヘッドセットはゲーム側の音声とボイスチャットの音声をまとめるミキサーが付属していることが多い。
本体の種類
- 冒頭でも述べたとおり、大きく分けると標準型とLiteの2種類があり、
標準型は更に「初期型」「改良型」「有機ELモデル」の3種類に分けられる。
外箱の形状やプリントされた画像の違いで種類は判断できるため、購入の際はよく確認すること。
- 標準型Nintendo Switch
- 初期型(型番HAC-001)
2017年3月3日発売。価格は29,800円(税抜)。
バッテリー持続時間はやや短く、『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』での稼働時間の目安は約3時間。
外箱は横長で、正面の画像が白い背景になっている。
通常モデルの本体には、付属する左右のJoy-Conがどちらもグレーのものと、左が赤で右が青いもの、
併せて2パターンのものが発売されていた。
改良型への移行前後にはe-ショップで使える3000円分のクーポン券が付属されていた時期があった。
特に公式から明言はされていないが、改良型への移行に伴い生産はひっそりと終了したと思われる。- MHXXNS発売時点での現行機。
- MHXXNSと同時に
『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver. スペシャルパック』が数量限定で発売。
MHXXNSのパッケージ版が同梱されており、本体とドックは専用デザインになっている。Joy-Conの色は黒。
- 改良型(型番HAC-01(-01))
2019年8月30日発売。価格は据え置きの29,800円(税抜)。
SoCが改良されており、それにより低消費電力、ひいてはバッテリー持続時間の延長がなされている。
外箱は引き続き横長だが正面の画像が初期型と違い、赤い背景のものに変更されている。
2022年11月18日からは下記の有機ELモデルと同じサイズの箱に変更されたが外見のレイアウトは変わらない。
付属されているJoy-Conが初期型と同じく左右グレーのものと左が赤で右が青いものの2パターンがあるが、
グレーのものに関しては実は2020年4月24日にJoy-Con単品での取り扱いも含めて一度販売終了していた。
その後、要望が多かったのか2023年4月14日より本体付属や単品も含め販売が再開されている。
有機ELモデル発売以降も、こちらも引き続き生産されている。- MHRise、MHST2発売時点での現行機。
- MHXXNSの時と同じように、MHRiseと同時に
『モンスターハンターライズ スペシャルパック』と言うものが数量限定で発売。
こちらはDL版のMHRiseと有料DLコンテンツの「デラックスキット」が最初から入っており、
Switchに関しても本体とドックに加え左右のJoy-Conも専用デザインになった豪華な内容である。
- 有機ELモデル(型番HEG-001)
2021年10月8日発売。価格はやや上がって37,980円(税込)。
実質、ニンテンドー3DSに対するNew3DSのようなバージョンアップ型のタイプ。
画面が7インチ有機ELディスプレイとなっているほか、内部ストレージ容量が64GBに増加。
スタンドも、本体サイズと同じ横幅を持ったモノに改良され、テーブルモードの安定性が向上している他、
改良が加えられたNintendo Switchドックが付属しているのが大きなポイントとなっている*51。
画面サイズの違いで一部ソフトにおいてタッチパネル使用時などに若干の違いはあるものの、
今までのソフトに対する互換性については問題ない。
外箱はこれまでと異なり縦長の形、箱の大きさも少し小さくなった。背景色は赤。
付属するJoy-Conが左右とも白いものと、これまで通り左が赤で右が青いものの2パターンある。
なお、ゲーム機での有機ELディスプレイの採用は「PlayStation Vita」に次いで2例目となる。
ただし、発色は良くなっているが画質が上がっているわけではない。- MHR:S発売時点での現行機。
基本モデルに当たる、上記の液晶版改良型も引き続き販売されているが、
有機ELモデル登場後の販売台数は基本モデルより、有機ELモデルの方が圧倒的に上という状況が続いている。
- MHR:S発売時点での現行機。
- 初期型(型番HAC-001)
- Nintendo Switch Lite(型番HDH-001)
2019年9月20日発売。価格は19,980円(税抜)。
携帯モード特化となっており、
感覚的には一部要素をオミットしたJoy-Conが組み込まれたものとなっている。
ニンテンドー3DSに対するニンテンドー2DSと同じだが、操作性は今までと変わらない。
本体のサイズや形状の違いにより、一部ソフトには非対応なので注意。
色は標準型と違い、コントローラーとそれ以外の部分が同色となっている。
外箱の形状は横長で白背景。Switch Liteの画像がプリントされているため、間違えることは無いはず。
モンハンとの関わり
- 当初はモンスターハンターシリーズはこのゲーム機にリリースされる情報は一切なかったが、
2017年5月26日にMHXXのNintendo Switch移植版である
『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.』が開発中であることが発表され、
2017年8月25日に発売された。- また本作に合わせて、特別なデザインのSwitch本体とソフトがセットになった、
「モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver. スペシャルパック」が
同日に数量限定で発売された。 - デザインはドックの両端にはギルドの紋章が描かれており、
本体部は裏面にもう1つのギルドの紋章であるミラボレアスが描かれている。
…のだが、どうやらSwitchのロゴをずらすわけにはいかないらしく、
正直本体裏は若干アンバランスな装いになっている。
- また本作に合わせて、特別なデザインのSwitch本体とソフトがセットになった、
- MHXXでフレンド機能が独立しているため、3DSのユーザーとSwitchのユーザーが
オンラインプレイで仲良くなったのに登録できない……といった悲劇が多発してしまった。- やり込み層は3DS先行勢に多く、Switch参入組の後発やりこみ層は彼らと狩友になることができないといった具合。
- 2020年9月17日に放送されたNintendo Direct miniにおいて、
完全新作「モンスターハンターライズ」及び「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」が発表された。
同日に放送されたモンスターハンター Directで詳細を確認できる。
また、MHRiseに関しては、MHXXNSでは非対応であったジャイロ操作に対応している。- 更に2021年9月24日に放送されたNintendo DirectではMHRiseのMR作品である
「モンスターハンターライズ:サンブレイク」が発表された。
こちらはSwitch版と共にSteam版が同時発売となっている。
- それに伴い「Nintendo Switch モンスターハンターライズ スペシャルエディション」がMHRiseに合わせて発売した。
マガイマガドなどのMHRise独自のマーキングが本体とドック、Joy-Conとソフトが付属した
限定仕様のSwitch本体セットであり、
さらに「Nintendo Switch Proコントローラー モンスターハンターライズエディション」として
こちらもマガイマガドのマーキングが施されたProコントローラーが単品販売され、
MHR:S発売に合わせてメル・ゼナのプリントをした
Nintendo Switch Proコントローラー モンスターハンターライズ:サンブレイクエディションも発売した。
- 更に2021年9月24日に放送されたNintendo DirectではMHRiseのMR作品である
- 2024年2月21日に放送されたNintendo Direct ソフトメーカーラインナップにて、
「モンスターハンター ストーリーズ」の新規移植版が発表。発売日は2024年夏の予定。
こちらはSwitch版の他、PS4版とSteam版も同時発売が予定されている。
- また、MHFにおいてもハードウェアが生産終了しているXbox 360およびWii Uでの
プレイヤー対応として「Switch版が出るのでは」との声も浮上していた。
WiiU版ユーザーへの「ゲーム機は何を持っているか?」の結果、
同ハードしか持っていないユーザーと、
PlayStation 4に次いでNintendo Switchの所有率が多かったため、
(少なくともXbox ONE版よりは)可能性が高いだろうという予測もあった。
ただし両ハードは「PC版とのアカウント提携サービス(PCへの移行)」の推進と、
当該ハードウェアでのサービス終了が既に予告され、
2018年春時点では新ハードのサービスイン自体検討はしていなくもないが、
まずは現行ハードでのサービス、
及び同年秋の大型コンテンツ(新武器種追加)対応を優先していく方針が言及されていた。- 2018年春時点で最もユーザー数が多いのがPC版という事や、
PS3以降PS4以前のサービス開始時に於いて、
そのハードでの新規ユーザー定着率が高くなかったという結果があるため、
そもそもの問題として「簡単に新規ハードの開拓を行うか?」という部分を考えると、
Switch(とXbox ONE)での展開の可能性はそこまで高くはなかったと考えられる。 - また、懸念事項としては「オンラインサービスの料金とMHFのプレイ料金の兼ね合い」という
Xbox 360版と同様の問題*52と、
据え置き機基準かPSVita基準で変わる、ゲーム容量に対する問題の2点が挙げられる。
- 2018年春時点で最もユーザー数が多いのがPC版という事や、
- 他には上述したように「『TETRIS 99』においてMHRiseのスペシャルテーマが入手できるイベントの開催」がある。
余談
- 2015年3月17日に任天堂とDeNAが業務連携を発表した際に、
「NX」という開発コードネームと共にその存在が初めて公に明かされた。
当時の任天堂社長だった岩田聡氏はNXに関して
「3DSやWii Uをそのまま置き換えた形ではなく、
今のゲーム業界のニーズに見合った新たなハードウェア」との情報を出しており、
いわゆる「単なる据置機や携帯機」ではないと考えられていた。
そのため、正式名称やコンセプト映像が発表された2016年10月20日までの間は、
NXに関する様々な憶測や信憑性の怪しいリーク情報などが出回っていた。- ちなみに、岩田聡氏は2015年7月11日に志半ばで病死し、
残念ながらSwitchの発売および成功を見ることは無かった。
このため、Nintendo Switchは岩田聡の形見とも言える存在となっている。
また、「NX」のコードネームを決めたのは岩田聡氏本人であり、
その由来を他の社員に伝える機会が無いまま逝去してしまったため、
コードネームの由来を知る人物はこの世界には存在しない。- このNXだが、何と専用のロゴまで存在していたことがのちに明らかになっている。
見た目はブルーバックに白い目玉のようなものが描かれ、その横に白文字で「NX」と書かれている。
表示されると同時に白い目玉の中で瞳と思われる小さな円がくるりと目玉の中を一周する演出もある。
- このNXだが、何と専用のロゴまで存在していたことがのちに明らかになっている。
- なお、当時正式発表前だったNintendo Switchの開発に当たってはカプコンが協力しており、
カプコン側からの意見によりメインメモリが当初の予定より増加されている。
これは当時カプコンが開発していた新ゲームエンジン「RE ENGINE」をSwitchに対応させるためであり、
実際にSwitch初のRE ENGINE対応タイトルとしてMHRiseが発表された*53。
- ちなみに、岩田聡氏は2015年7月11日に志半ばで病死し、
- 発売年である2017年内は発売当初を除き長く品薄状態が続き、
注目タイトルが続々登場していることもあり、
遊びたいソフトはあるのに肝心要のSwitchが入手できないと嘆くユーザーは多かった。
それに関して任天堂のHPにお詫びが掲載された。
新ハードの品切れ、というのはよくある話であるが、
今回の件はあまりにも尾を引いたために、お詫びの掲載は異例として業界内で話題となった。- その一方で、オークションサイトなどで定価の数倍で売られていた事も多く、
そのような転売目的で入手した人に対する批判は強く、
場合によっては、プレゼント企画等での大量購入に対しても、批判が行くケースも見られるようになった。 - また、上述した慢性的な品薄状態が続いたためか、
「Switchを格安で売ります」などと言って前払いでお金を振り込ませて騙し取ったり、
中身のないSwitchの外箱だけ*54をオークションに出品したりといった、
詐欺行為やそれに準じた問題なども多数起こった。
インターネットで購入する際は説明をしっかりと読み、
特に怪しげな宣伝文句やあまりにも安い出品には気を付けるようにしたい。
また、勿論詐欺行為は立派な犯罪であり、お金欲しさにやっていい行為ではない。
- なお、当機種は発売17週目にして国内販売数100万台を突破。
これは近年発売された据え置き型ゲーム機であるWii U、PS3、PS4の約半分の期間となる。
これを考えると、意図的に販売台数を絞り売切れ続出させ
消費者に対しあたかも爆売れしていると見せかけている(所謂「品薄商法」)だとか、
特定の部品の生産が間に合わない上での見切り発車をしたが故に安定供給ができない、
といった任天堂が予期していた品薄ではなく、
純粋に任天堂の予想をはるかに超える売れ行きによる品薄状態だったといえる。*55- 事実、Switchと同時に発売された『ゼルダの伝説 ブレスオブ ザ ワイルド』は一時期アメリカにおいて
「本体よりゲームソフトの方が売り上げ本数が上回ってしまった」という
昨今のゲーム業界では中々目にすることがない珍事が発生した。
売り切れで困ったのは日本に限った話ではなかったようだ。
- 事実、Switchと同時に発売された『ゼルダの伝説 ブレスオブ ザ ワイルド』は一時期アメリカにおいて
- 発売から月日が経つごとに出荷台数は徐々に増加していき、2017年の年末商戦明けあたりからは
ほぼどこの店舗やネット通販でも問題なく購入できるようになっていた。- が、2020年初頭よりいわゆる新型コロナウィルス問題により生産が滞る事態が発生、
更に家で遊ぶ事ができるゲームの需要が高まる事なる。
そこに任天堂の人気シリーズであるどうぶつの森の新作発売が重なり、
一度品薄が落ち着いた後に再び品薄が発生するという非常に珍しい事態となってしまった。
このような状況のため一時期(春先~GW明け)は入手困難な状態がしばらく続いていたが
工場の再稼働と任天堂からの増産発表が行われたことで本体の出荷台数も徐々に復旧、
2020年の年末商戦では抽選販売も徐々に終了し、通常の販売体制に戻りつつあった。
- だが、2021年2月頃からまたしても品薄が発生と言う異常事態に。
Liteに関しては比較的問題なく購入できるが、通常のSwitchは抽選販売が中心に戻ってしまったのだ。
これに関しては2020年末あたりからSwitchの人気が非常に高まり、
発売以来最大級の売れ行きを叩き出していたことに加え、
MHRiseの発売を控えてただでさえ膨大な需要が更に後押しされた結果だと考えられる。
コロナ禍が収まらないことや、世界的な半導体不足などの影響もあるのかもしれない。 - 2021年10月発売の有機ELモデルもやはり標的にされてしまったものの、
様々な方面での対策もあり以前とは状況が違っている模様。
2021年末頃からは流通量の問題も比較的改善されている。
- 2022年にはサンブレイク以外にもポケモンシリーズやスプラトゥーン3、ゼノブレイド3など
Switchで遊べる人気タイトルが多数発売され、
その一方でオミクロン株の大流行やそれほど供給が改善されていないままだったため、
またしても市場からNintendo Switchとプロコントローラーがほぼ姿を消すことになった。
新型コロナウイルスによるインドア志向はほぼ固定化されており、
Switch自体の人気も発売から既に長い年月が経過しているにもかかわらず継続していたため、
この品薄は2023年初頭まで長く続くこととなってしまった。
Switchの品薄や大量販売という現象は何度も起きているため、
今後も起こる可能性は無いとは言い切れないだろう。
Switchに限ったことではないが、人気商品を欲しいと思ったときに在庫と自身の余裕があれば、
早めに買っておいた方がいいのかもしれない。 - が、2020年初頭よりいわゆる新型コロナウィルス問題により生産が滞る事態が発生、
- その一方で、オークションサイトなどで定価の数倍で売られていた事も多く、
- まだこのゲーム機が「NX」というコードネームで呼ばれていた頃に、
NXと併せて「MH」なる謎の任天堂製ゲーム機の存在が囁かれたことがある。
当時流れた噂によると、「任天堂はNXだけでなくMHというコードネームのゲーム機も開発中であり、
NXが据置機、MHが携帯機になる」と言った内容のものが主流だった。
しかし結局MHなるゲーム機は存在せず、この噂はデマであったことが後に判明した。- このデマは、一部のメディアが「NX」という表記を誤って「MH」と報じてしまったことで
一気に広まりつつ噂に尾びれが付いてしまったことで誕生したものである。
よりによってモンスターハンターの略称も「MH」であり、
当時は携帯機メインでの展開が行われていたこともあって、
この噂を信じてしまったという人もかなり多かったようだ。
- このデマは、一部のメディアが「NX」という表記を誤って「MH」と報じてしまったことで
- 携帯・テーブルモードとTVモードを切り替えて遊ぶと、
TVモードでの操作の反応遅延を感じたという報告が各所で上がっている。
特にリアルタイム性の高い反応を要求するゲームをプレイする場合は尚更であるが、
これは液晶ディスプレイに有線で接続するとどうしても遅延が発生する構造になっているためである。*56
特に番組閲覧のみが主体でゲームの操作入力を想定していないテレビでは顕著であり、
遅延軽減を考慮したゲーム用モニターではマシになるものの遅延をゼロにはできないので
プロゲーマーの世界でも可能な限り遅延を軽減した上でそれを織り込んだプレイをするしかない。*57
つまりNintendo Switch特有の問題ではなく、
どんなゲーム機やPCでも液晶モニターに繋ぐ限りは付きまとう問題であると言えるのだが、
Nintendo Switchは「ゲーム向けに開発、設計された専用のディスプレイを用いる携帯モード」と、
「ゲーム向けを想定していないテレビが出力先となる事に多いTVモード」
の2種を切り替えられるが故に、遅延の違和感に気付きやすいのである。
大抵の液晶テレビには遅延を小さくするゲームモードが備わっているのでまずはそれを試し、
それでも気になる場合は遅延の少ないPCゲーム向けモニターの導入を検討してはいかがだろうか。- 次世代テレビと目される、有機ELディスプレイ採用テレビの場合、
有機ELディスプレイの特性上、遅延がほぼ無いため遅延の影響をほぼ無視する事が可能である。
しかし、液晶ディスプレイと違ってまだ技術が確立していない分野であるため、
有機ELディスプレイ採用テレビは非常に高額である事が多く、安易に手を出す事が出来ない他、
リフレッシュレート性能が弱く、フレームレート性能で液晶ディスプレイに劣る。- また、NintendoSwitchは数フレーム入力が反映されるのが遅れるという根本的な仕様がある。*58
MHRiseを遊んだプレーヤーから「入力遅延を感じる」という不満が時たま出るが、
そもそも本体の仕様で遅れており、さらにfpsの問題でまた遅れる。
- また、NintendoSwitchは数フレーム入力が反映されるのが遅れるという根本的な仕様がある。*58
- 次世代テレビと目される、有機ELディスプレイ採用テレビの場合、
- また、任天堂のゲームハードにしては耐久性が低く壊れやすいと言う報告も度々上がっている。
中でもJoy-Conのアナログスティックの故障が多く散見されるが、
これらはほとんどのコントローラーに共通する問題。*59
Joy-Conは子供が携帯モードでも遊びやすいように軽量化されて設計されているため、
GCコンやProコンに比べてやや耐久性が落ちる結果となってしまっている。
そもそもゲームの出来る鈍器だなんだと言われていた旧世代機の方がおかしいのだ
子供の握力であれば問題ないが、大人の握力で激しいスティック操作をした場合大幅に寿命を縮めかねないので、
心配な場合は別途で専用コントローラーを用意した方が良いと思われる。
「ドリフト問題」と言われる、スティック入力が入れっぱなしになる問題は有名。
Switchの構造的欠陥として複数の集団訴訟に発展したため、知っている人も多いであろう。
設計が更新された Switch Lite においてもこの欠陥がそのまま発生することが確認されている。- Switchのゲームではチート対策の一環として、
セーブデータをSwitch本体にしか保存出来ない制限がかかっているが、
故障の際はこの制限により少々厄介な事態が発生しうる。
Switch本体のメイン基板の交換となった場合、セーブデータの移植が出来ず完全リセットされる場合がある。
この際上記のチート対策されたセーブデータはSwitch同士の引越し機能で転送するか、
Nintendo Switch Online加入者が使えるセーブデータお預かりサービス*60の二つしか移動方法が無いため、
故障したら最後データがお釈迦になってしまう可能性があるリスクを抱えている。
このメイン基板交換は充電端子の破損でも発生しうる*61ため、
雑な抜き差しをしていると取り返しのつかない事になる。- Nintendo Switch Onlineに加入している場合、故障した場合でも同じアカウントを使っていれば、
サーバーに保存したセーブデータを使って前と同じデータで遊ぶことができる。
- Nintendo Switch Onlineに加入している場合、故障した場合でも同じアカウントを使っていれば、
- またSwitchはNVIDIAとの共同開発であるからか内部構造の一部がGPUに近くなっている。
そのためPC用グラフィックカード等と同等の扱いをしなければならず、
冷却ファンの吸気口や排気口を塞いでしまったり、
気温の高い場所に置いてしまったりすると故障の原因になってしまう。
携帯機として持ち運ぶ際も高温多湿を避ける事が故障を避ける上でも重要である。
- Switchのゲームではチート対策の一環として、
- 据え置き型ハードでありながら携帯機であるという性質のため、
どうしても性能の落ちる携帯モードで動作が保証されなければならず、
マルチプラットフォームでの展開となるソフトでは技術的なボトルネックとなっている。
モンハンにおいても『MHRise』は描き込みこそ力が入っていたが、低い解像度や短い描画距離、
影の不明瞭さ、フィールドモデリングの粗さ、透過処理の見栄えの悪さなど様々な面で物理的限界が見えている。- 一方で、この制約に逆らうかの如くハイクオリティないわゆるAAAタイトルが移植されている。
代表例として、世界的大作ソフト『The Witcher 3』という驚きの移植が存在する。
ボリューム、広さ共にずば抜けた作品にもかかわらず、
携帯機でフルスペックに動作するという神業的な事例となっている*62。
他にも、同世代では『DOOM Eternal』『Wolfenstein II: The New Colossus』
『Dying Light』『The Outer Worlds』『Apex Legends』といった大作が移入されている。
更にPS4で発売されていた『DRAGONBALL Z KAKAROT』
『ドラゴンクエスト XI過ぎ去りし時を求めて』に至っては、
Switchでは完全版の状態で発売されている。
他にも、PlayStation5、Xbox SeriesX/S、PCを主軸に据えて開発された大作ソフトである、
『ホグワーツ・レガシー』の発売延期はSwitch対応が一つの大きな理由だったと推測されており、
実際に蓋を開けると、Nintendo Switchというゲームハードの特性に徹底的に最適化されていた上に、
ゲーム本体も約85GB以上だったのが約25GB程度にまで削減、圧縮されているという、
本機の市場影響力の大きさがうかがえる程の力の入れようが明らかになっている。
発売から5年経った2022年にはPS4専売だったNieR Automataやペルソナ5 ザ・ロイヤルの移植も実行されるなどし、
今後の更なる売上の成長が確実視されている。
2017年発売故に、開発期間を考慮するとCPUは2016年以前のスマートフォン相当の性能だが、
それに留まらない限界突破を見せてくれる面白いハードでもある。
これは、ゲームで重要となる、グラフィック描画部分を担うGPUに、
その分野の大手であるNVIDIA社製の、
リリース当時最先端のアーキテクチャを用いたプロセッサが用いられている恩恵、
そしてそのGPUを開発しているNVIDIA社が、同じくGPUを開発しているAMD社*63と共に、
ゲーム業界を主導しているGPUを開発しているメーカーであるという事実に支えられている部分も多い。
そのためか、この世代では「携帯機だからビッグタイトルを諦めねばならない」という事例が減り、
所持ハード毎の垣根が無くなりつつあるどころか、
汎用アーキテクチャを採用した事で、同一のゲームを複数のハードに展開しやすくなった環境が整い、
後述するような、塩梅な性能を有するNintendo Switchはその流れに乗ることに成功、
本当に「コアなユーザーが求めるような性能が必要なゲーム」でも無い限りは、
1ゲームタイトルがNintendo Switchでもリリースされる事が増え、
単純に「ゲームさえプレイできれば良い」という層はNintendo Switchでも十分という事実も相まって、
発売から5年以上経過した2022年時点でも、
Nintendo Switchの普及は止まることを知らない状態が続いている。
本機種は3DSに続き、任天堂の苦手分野だったマルチソフトウェアの恩恵を最大限に受けているゲーム機と言える。- ただ、これらを実現するには当然だが、
Nintendo Switchのスペックやハードウェア構成に対する緻密な最適化が必然的に求められることになる。
緻密な最適化をすればSwitchでもハイクオリティなゲームが実現できるのは当然の話であるが、
それを実行するには莫大な開発費が必要になるほか、
マルチプラットフォーム展開に弊害が発生するリスクもある。 - しかし、解像度についてはフルHD解像度辺りで性能、
開発双方の面で限界が見えている*64のもまた事実であり、
様々な要因が重なった結果、発売のタイミングとスペック・価格のバランスが今の時代のニーズに合致した、
奇跡的な性能を本機が有しているのもまた事実であろう。
PS5やXbox SeriesX、そして2020年以降に発売された、
ハイエンド以上のグレードに位置するGPUを搭載したPCがターゲット解像度として定めている4K解像度は、
性能、開発双方に発生する難易度の高さと環境導入のハードルの高さにより、
コアゲーマー以外には関心が向いてないのが現状である。*65
- ただ、これらを実現するには当然だが、
- 他方、あまり高スペックを必要としない少規模開発ゲーム、いわゆる「インディーゲーム」は非常に活発。
基本的にはPCプラットフォームからの移植がメインとなるが、他CSハードよりも優先的に移植される事が多く、
特に近年ではPCとSwitchで同発リリースとなる事例もよく見られる。- このような状況となっているのは、
携帯機としても運用可能という「PC、据え置き型ゲーム機」と明確な差別化できる点を有していることや、
Unreal EngineやUnityといった有名かつ人気で、
更に汎用性の高いゲームエンジンに対応し移植が容易であること等が挙げられる。
任天堂自身は当初、インディースタジオへのバックアップやサポートに対して消極的であったが、
ある時を境に方針を転換、現在では逆にインディースタジオに精力的に力を注いでおり、
インディースタジオが開発したゲームソフトの専用紹介番組である、
「Indie World」の定期的な配信を実施している。
- このような状況となっているのは、
- 一方で、この制約に逆らうかの如くハイクオリティないわゆるAAAタイトルが移植されている。
- 上述の内容、概要に記述されている内容を包括した上で結論を言うと、
Nintendo Switchはスマートデバイスで主流であり、
かつPCで主流のアーキテクチャとも高い親和性を持つ汎用アーキテクチャを採用したことで、
ゲーム開発が行いやすくなり、そこに程よい性能、かつ独自の強みが加わったことで、
多くのソフトウェアに恵まれ、発売から6年以上経った2023年以降も好調な販売が続いている、
商業的には大成功と言っても良い成果を挙げたゲーム機である。
PlayStation5、Xbox SeriesXが世界的な半導体不足の真っ只中という、
タイミングの悪い時期の発売で2023年に供給が改善されるまで苦戦が続いていた事、
汎用アーキテクチャを採用した事は良いものの、据え置き型ゲーム機でしかないという事実から、
それらの性能や魅力をフルに活かしたゲームソフト*66が投入されない限り、
ゲームを動かせられる性能を有するPCや、
品質に拘らなければ他のゲーム機でも十分、という流れが形成され、
横方向ではなく「縦方向のリリース」で展開されているゲームソフトが増加している事も相まって、
皮肉にも、Nintendo Switchにとって不利になるハズだった、
「所持ハード毎の垣根が無くなりつつある」という上述の言葉が、
逆にPlayStation5、Xbox SeriesXの普及に響くという結果を招いてしまい*67、
欲しいソフトウェアがファーストパーティに位置する企業がリリースする、
ハードウェアに依存しているような状況でもない*68限り、
2022年現在から安心して買えるゲーム機は「Nintendo Switchしかない」という空気が、
冗談ではなく本気で形成されているのが実態である。
もし、何らかのゲームをしたいと悩んでいる人には、
PCゲームができる性能を有するPCか、Nintendo Switchのどちらかをオススメすれば、
少なくとも、相手を後悔させる事はないだろう。
関連項目
ゲーム用語/任天堂
ゲーム用語/Wii U - 事実上の前世代機その1
ゲーム用語/ニンテンドー3DS - その2
ゲーム用語/プロコントローラー - 周辺機器その1
ゲーム用語/amiibo - その2