世界観/錬金術

Last-modified: 2023-05-29 (月) 06:41:32

狭義的には「卑金属*1」から科学的に「貴金属」を錬成する特殊な技術。
そこから転じて物体Aを材料として、材質も形態も全く異なる物体Bを構築する特殊な術などを(比喩的に)指す。

概要

  • ファンタジー作品(特に『魔法』という概念が関わってくる作品に多い)ではよくある設定や概念の一つ。
    しかし、元々は現実世界でも大真面目に研究され、
    時期や地域によっては歴とした学問の一つとして認可されていた術である。
    これを専門的に研究する者を、主に「錬金術師」と呼ぶ。
    • 劇中のフレーバーやゲームの一システムとしての登場が多いが、
      中には錬金術や錬金術師そのものに強くスポットを当てた作品も存在する。
      漫画「鋼の錬金術師」やゲーム「アトリエシリーズ」などが有名か。
  • 結論から言って、ほとんどの錬金術師は当初の目的であった「卑金属から貴金属を錬成する」事はできなかった。
    (現実世界の)現代では錬金術の概念自体が否定されがちであり、実現不可能な技術とされている*2
    しかし、その目的へ向けての努力は現在の化学の発展に大きく貢献しており、
    そういった意味では彼らの活動は全くの無駄ではなかったと言える。
  • 一説によれば「生命体」や「人魂」などまでも錬成できると言われていたという。
    そのため、非常に黒い噂や俗説などが囁かれる場合もあり、
    創作においても何かと重く暗い側面や裏設定が付加されている事がある。

MH世界の錬金術

  • いつの時代に確立されたものかは不明だが、MH世界では少なくとも無印の時代には存在していた概念である。
    現在、MH世界には「錬金術」と呼ばれる技術が四種類存在する。
    ゲーム上での詳しい効果などはそれぞれのリンク先を参照していただきたい。

手法1:「錬金術」と呼ばれる調合技術

  • 一般的には組み合わせる事ができないとされる素材同士を調合して全く別のアイテムへと作り変えてしまう、
    ある意味で最も現実世界のそれに近い「錬金術」。
    あくまでハンターもよく行っている調合技術の延長線上にある概念だが、
    その工程や理屈などは常人にはまず理解不能であり、特殊な専門知識と技術が必要。
  • 錬金術の全てを記した特殊な調合書が存在し、ハンターはそれを読み込む事で錬金術を実行する事ができる。
    ただし、普通の調合とは違い内容はとても暗記できるものではないようで、
    (正否を問わず)過去に行った錬金術であっても、素材を揃えたとしても、
    その調合書を所持した状態でなければ調合(錬成)を試す事すらできない。
    なお、あくまで調合が主となっているため、実行者の調合の技量も必要となる。
    失敗すれば当然もえないゴミが増えるだけである。
  • かつては「錬金術」と言えばほぼ100%この手法を指していた
    (というよりこれ以外の「錬金術」がまだ存在しなかった)*3
    しかし、最近では件の調合書がほぼ絶版状態となっており、
    現在では実質的に最もマイナーな手法となってしまっている。

手法2:マカ麹を利用した錬金術

  • マカ麹と呼ばれる特殊なカビの一種を培養した容器に素材を漬け込む事で別のアイテムを錬成する手法。
    原理などはやはりよく分からないが、そういった性質を持つカビなのだと強引に納得していただきたい。
  • 素材を漬け込んだマカ麹はしばらく謎の煙を噴き上げ続ける。
    一定時間以上経過し、この煙の色が変化したならばとりあえずは錬成が完了した証拠。
    取り出してみれば素材は全く別のアイテムに変化している。
    素材にもよるが、時間を重ねれば重ねるほど強力な効果を持つアイテムになる傾向がある。
    ただし過剰に漬け込んでしまうと石ころと化してしまう場合が多いのでほどほどに。

手法3:『マカ錬金の蔵』秘伝錬金術

  • シナト村に本店(?)を構える『マカ錬金の蔵』にて商売目的で実施されている秘伝の錬金技術。
    一時期は失われた技術とされていたが、
    我らの団が冒険の途中でシナト村を訪れた際に技術が現存している事が確認された。
  • 施設名に『マカ』と付いているため、大本は手法2と同じくマカ麹を利用していると思われるが、
    その手法は巨大な窯に各種素材を投入し、時間を掛けながらゆっくりとかき混ぜつつ錬成するというもの。
    また、手法2との明確な違いとして「狂竜結晶」と呼ばれる特殊な物質も併用する点が挙げられる。
    「秘伝」だけあって習得自体が(いろんな意味で)極めて困難であり、
    この手法を実行できるのは現代においては今のところ、『マカ錬金の蔵』14代目棟梁の竜人族の少年だけである。
    • 地味にMHシリーズでは初にして唯一、ハンターが独力で実行する事が不可能な錬金術である。
  • 錬金する事ができる素材やその結果なども、従来の手法とはいろいろと異なる。
    また、複数の護石を新たな一つの護石に錬成するという、他の錬金技術では見られない特殊な錬金も可能。
    ただし、護石の錬成には他の錬金術と比較してかなりの時間が必要となる。

手法4:狩猟スタイルにおけるレンキンスタイル

  • MHXXにおいてハンターたちが行う錬金の技術。マカ錬金タルと呼ばれる道具をハンターが振ることで
    狩猟の助けになる様々なアイテムを作り出すことができる。
    だが前述の三つの錬金術と異なりこのレンキンスタイルはいつ、どこで、どのようにして編み出したのか等の
    世界観的な説明がほとんどされていない謎の多い錬金である。
  • MHXXの時点では龍歴院のハンター達しか行う者がおらず、彼らがレンキンスタイルを選択すれば
    容易に扱える上に、狩場で錬金アイテムを作成してもクエスト終了時に回収されることから
    龍歴院で考案および管理がされている技術の可能性もあるがそれも仮説の域を出ない。
  • 既存の錬金術は素体となるアイテム+マカ麹などの触媒を加えて新たなアイテムに変化させるものが多いのだが、
    この錬金ではマカ錬金タルにそういった何かを入れている描写がなく、
    時間経過やモンスターへの攻撃で上昇するレンキンゲージを消費して樽からアイテムを生み出している。
    ゲームでの描写を省略しているだけで実は何かを入れている可能性もあるがこれまた不明である。
  • 樽を振っているときに液体が動く音がするのだが、その液体はモンスターの体液であることが判明した。*4
    モンスターの体液+他の何か(?)を樽に入れて振るとなぜアイテムができるのか、
    モンスターならば何でもOKなのか、特定種の体液でないとできないのか?
    攻撃を当てるとレンキンゲージが溜まるのはひょっとして…?

余談

  • 真っ当ではない手段でカネを稼ぐ行為を揶揄する俗称として「錬金術」という言葉が使われる場合がある。
    ゲーム作品において「システムの穴を突いて無制限にカネを生み出す技術」も同様。
    MHシリーズで言えばアレとかコレとか、
    「クエストを経由せずにカネを稼ぐ」金策がこのような「錬金術」に値する。
    (いわゆる銀行は「錬金術」には当てはまらない)。
    仕様上可能になっているとはいえ、ゲーム的には想定されていない裏技なので使いすぎはほどほどに。

関連項目

システム/調合
システム/マカ錬金屋
スキル/錬金術 - 錬金術を可能とするスキル
アイテム/調合書
アイテム/マカ漬けの壷
アイテム/狂竜結晶
アイテム/フエールピッケル - 錬金術に近い特性を持つ特殊なアイテム


*1 簡単にいえば熱や光で酸化しやすい、つまり劣化しやすい金属の総称。
*2 しかし、近年のある原子物理学の研究によれば「卑金属から貴金属を錬成する」事は理論上は不可能ではないらしい。またあくまで仮説上ではあるが、金や銀、プラチナ、ウランなどの鉄より重い原子は、宇宙空間における中性子星やブラックホールと言った超高質量の天体同士の衝突や超新星爆発による超高エネルギー環境下にて核融合反応によって物理的に生成されていると考えられている。
*3 世界観的には「存在しなかった」のではなく、「一般的に知られていなかった」というのが正しい。
*4 しかもソースは世界観の解説と縁遠そうなMHXXのサウンド(効果音)メイキング動画である。