【すごろく場】

Last-modified: 2024-03-10 (日) 05:10:27

概要

DQシリーズの中でも【カジノ】に匹敵する大型娯楽施設。
すごろくとは説明するまでもないかもしれないが、サイコロを振って出た目の数だけマスを進み、そのマスの指示に従うというアナログゲーム。
現実世界では多人数で交互にサイコロを振って最初にゴール(あがり)に辿り着いた人が勝ちというルールだが、これを1プレイヤービデオゲーム用に、かつDQの世界観に合うものにアレンジしたものが、DQシリーズのすごろく場である。
SFC版・GBC版DQ3とリメイク版DQ5、DQ10、シアトリズムDQに登場する。
 
【堀井雄二】が『いただきストリート』の制作中に「RPGの中に『いたスト』のようなボードゲームを入れる」という発想をひらめき、それをアレンジさせたものとしてすごろくを登場させた。多人数で遊ぶすごろくを1人用にアレンジでして作るのにはかなり悩んだという(【月刊Vジャンプ】2004年5月号)。
 
クリアすると景品の入った宝箱がいくつか用意されている。
また、あがりの景品以外にも、あちこちに貴重なアイテムが落ちていたり、貴重なものを売る店が配置されており、それらを回収するのも大きな目的となる。
DQ3・DQ5では一度はまるとなかなか抜け出せず、本筋そっちのけでサイコロを振り続ける人を続出させた。
プレイ中のBGMは【ローリング・ダイス】(DQ10のみ【果てしなき世界】)。

ルール

パーティの先頭のキャラをすごろくの駒に見立て、サイコロを振ってあがりを目指すという単純な内容。
ただし、一人で遊ぶ都合上、ルールは「サイコロを振る回数に制限があり、規定回数以内にゴールすれば勝ち」というものになっている。
サイコロを振る回数がなくなると負け。強制退場させられる。
また、落とし穴に落ちて下の階のすごろくマスに着地できなかった場合にも負けになる。
戦闘や仕掛けマスでHPが0になり死んでしまった場合も負けであり、強制退場。
意外なところでは、所持金が0になってしまっても負けであり、強制退場させられる。所持金の残額には注意しておこう。あまり貧乏な状態で挑戦しないように。
途中で勝負を降りることもできる。当然負けになるが、その後に待ち構えるステータス変動などのリスクも全て回避することもできる。目的のアイテムを手に入れて、その後に手に入れたいアイテムも無いのなら、さっさと止めてしまうのもいいだろう。
 
道中のマスで発生するイベントは、すごろくお馴染みの「○マス進む/戻る」の他、戦闘やアイテム入手などDQらしいものが多い。
ゴールマスにはぴったり止まらなければならない (例えば、ゴールまで残り1マスの所で6の目が出ると、余った5マス分は逆走させられる) ため、回数制限と相まって難度は高い。その分あがったときは景品として強力なアイテムを入手できるため、挑戦する価値は十分にあると言える。
 
イベントが発生しないマスでは足元を調べることができ、アイテムが拾えることがあるが、落とし穴が見つかって強制退場させられることもある。クリア優先の場合は迂闊に調べない方が良い。
また、イベントマスでは【ちから】などのパラメーターや【性格】を変えさせられることがある。これはすごろくを終えてからも永続する上、DQ3の「!」マスでは最大6ポイントも下げられることがあるため、安易に【勇者】などの主力で挑むと後の冒険にも響いてくる。プレイ前にセーブしておいたり、後述のようにすごろく専用キャラを用意しておくと冒険への影響を少なくできる。
 
サイコロ任せの運否天賦なので必勝法と言えるものは存在しないが、出現するモンスターは挑戦者のレベルのみを参照するため、低レベルでも強いキャラクターを強力な装備で武装して挑戦させると比較的楽。
DQ3なら転職をしたばかりでレベル1でもステータスが底上げされている仲間、DQ5なら【ピピン】【ギガンテス】【ヘルバトラー】などの一桁レベルから十分な強さを持つキャラクターで挑めば、現れる敵はレベル相応の序盤の敵ばかりになり、道中の戦闘はほとんど気にならなくなる。
このようなキャラをあえて成長させずにすごろく専用キャラとして置いておくのも手だ。ステータスダウンや性格変化が冒険に影響することも避けられる。
普段先頭に立たせているからと安易にレベルの上がった主人公で挑むと、強烈な強さの敵に1人で挑まねばならなくなるのでかなり難易度が上がってしまう。
移動中は宿屋やイベント以外での回復ができないので、回復するチャンスは主に戦闘中となる。回復呪文が使えないキャラの場合は【けんじゃのつえ】【しゅくふくのつえ】など無限に使える回復アイテムを持たせておくと良い。
また、後半のすごろく場になると複数のルート分岐がある入り組んだ構造になっているので、しっかりマップを観察しておくのも重要になる。

マスの詳細

絵柄止まると起きる内容
START読んで字の如くスタート地点。
Uターンマスに入ってしまうとここに戻される。
GOAL
(FINISH)
読んで字の如くゴール地点。
ピッタリとこのマスに止まらなければ、余分な目数だけ戻る。
別ゴール地点。DQ3のマイラのみに存在する。
矢印の立て札指定された方向にしか進めませんというただの案内表示。
調べても何もない。
階段別のフロアに移動する。
階段マスがルートの行き止まりにある場合はDQ3ではちょうど止まらなくとも移動できるが、
DQ5ではちょうどマスに止まらない限り移動できない。
階段マスがルートの途中にある場合はちょうどマスに止まらない限り移動できない。
旅の扉別の場所にワープする。ちょうど止まらないとワープできない。
前後に○マス進む/戻るマスがあることが多い。
宿屋お金を支払えばHP、MPが全回復する。
よろず屋珍しいアイテムや装備品が販売されている。
DQ3では【おおごえ】を使用するとすごろく場外でも利用できる。
GATE止まっても何もないが、通過するにはお金を支払わなければいけない。DQ5のみ。
洞窟すごろくダンジョンに挑戦できる。
3パターンある中のどれか1つがランダムで出現する。DQ5のみ。
迷路【宝物庫】に行ける。DQ5のみ。
草原低確率で弱めのモンスターが出現する。
出現しなければ足元を調べることができる。
中確率でそこそこの強さのモンスターが出現する。
出現しなければ足元を調べることができる。
山地高確率で結構な強さのモンスターが出現する。
出現しなければ足元を調べることができる。
スライム強めのモンスターが必ず出現する。
メタルスライムメタル系スライムが必ず出現する。DQ5のみ。
サイコロ+○(赤)サイコロを振れる回数が数値分増える。
サイコロ-○(青)サイコロを振れる回数が数値分減ってしまう。
ゴールド+○(赤)所持金が数値分増える。
ゴールド-○(青)所持金が数値分減ってしまう。
↑+○(赤)その数値分進まされる。
↑-○(青)その数値分戻される。
虹色サイコロ1~6のうち、好きな数だけ進める。DS版以降のDQ5のみ。
サイコロを振り、その結果によっていずれかのステータスが変化する。
何が起きるかわからない。
魔法陣HP、MPが全回復する。
バリア最大HPの1/3のダメージを受ける。小数点以下は切り捨て。
ドクロMPが半減してしまう。
杖マークと1/2
爆発マークとドクロMPが0になってしまう。DQ3のみ。
Uターン振り出しに戻る。
落とし穴落ちた先がマスでなければ即終了。
そこが何らかのマスならばその地点から続行できる。
この中では最も酷いハズレであり、基本的に百害あって一利なしのマスであるため多くのプレイヤーから嫌われている。
宝箱調べると中身を入手できる。トラップモンスターの場合もある。
一度調べると以降は空っぽになる。
調べると中身を入手できる。一度調べると以降は空っぽになる。
タンス

DQ3(SFC・GBC版)

遊ぶには【すごろくけん】が必要だが、ちいさなメダル100枚で貰える【ゴールドパス】を持っていれば制限無しで遊べる。
次の5カ所に存在する。

  1. 【ロマリア】北のほこら
  2. 【アッサラーム】南西のほこら
  3. 【ほこらの牢獄】北の洞窟
  4. 【マイラ】【井戸】
  5. 【ジパング】の井戸(【しんりゅう】に願いをかなえてもらうと出現する)

リメイク版DQ3ではFC版に無かった装備品が大量に追加されており、それらがすごろくで入手できることが多い。
特に後半のすごろく場では【ひかりのドレス】【グリンガムのムチ】などといった強力アイテムが多く手に入る。
ジパングに至ってはひかりのドレスや【はかいのてっきゅう】がいくらでも手に入り、クリア後の隠しボス撃破後限定とはいえ大盤振る舞いである。ただし、本作の裏ダンジョンの敵はクリア前の敵とは比較にならない位強い上、こちらの基礎ステータスも後発の作品より低めなので、ゲームバランス崩壊には至っていない。さらに【へんげのつえ】を拾うことができる。
また【ちいさなメダル】も第2から第4のすごろく場で合計で5枚隠されている。
SFC版とGBC版でマスは変更されていないが、ジパングでは2つあるよろず屋の中身が逆になっている。
 
ただし【性格】が変更されたり能力値が低下したりといったイベントも起こり得るため、【ルイーダの酒場に最初からいる人たち】などを利用してコマ専用キャラを用意しておくのが有効である。
ただ?マークのマスで超強力モンスターと遭遇すると、なす術なく事故死となるリスクがあるので一長一短ではある。
レベルが低いとアリアハン大陸クラスのモンスター相手ですら確実には逃げられないので、サクサク進めたいなら煩わしさがつきまとう。一方Lv73以上のキャラクターで挑戦すればほとんどのモンスターから確一で逃げられる。主にコイツのせいである。
 
SFC版では旅の扉マスで移動すると、サイコロを振れる回数が初期値に戻ってしまうというふざけたバグがあったが、GBC版では修正された。
 
Wii版DQ1・2・3に収録されたSFC版では中断機能を利用して、思い通りのサイコロの目が出るまでリセットを繰り返す方法が使える。
 
各会場にはマッチョな男性の像が設置されている。
モデルは【初代すごろくキング】【ハッサン】に似ているが、最後のすごろく場の入口の掲示でしっかりと「ハッサンではない」と書かれていたりする。
 
なおいずれの会場でも【フローミ】は無効。
またマスのあるフロアでは【ルーラ】を使用すると頭をぶつけるようになっており、脱出には利用できない(マスのないジパング会場の最初のフロアでは使用できる)。
 
ちなみに第1のすごろく場では、入口から入ってすぐの通路で天井から商人のおっさん(なぜかエセ中国人口調)が落ちてくるというイベントがある。
この通路の上のフロアにすごろくコースが設置されており、この商人はそこの落とし穴から落ちてきたことがわかる。
これは落とし穴に落ちるとどうなるかというプレイヤーへのデモンストレーションであると共に、勇者一行以外にもこの世界を旅する人たちがいる・すごろく場はそんな旅人たちの娯楽の場であるという世界観を顕したものでもある。
ちなみにこの商人、勇者たちがここのゴールを達成すると落ちてこなくなる。逆に言うとそれまでは何度でも落ちてくる。
こちらの直後にゴールを達成できたのか、それともすごろく券を使いきってしまったのかは不明。
フィールドに出るとこの商人はいなくなる。また、商人がいるうちに上のすごろくで落とし穴に落ちると「あなたも落ちてきたか。落ちると尻が痛いヨ」などと言う。
この商人にはSFC版ではこちらから話しかけないと台詞は聞けないのだが、GBC版では落ちた時点で勝手に喋り出す。落ちるモーションがSFC版よりもっさりしてる上に台詞が終わるまで操作できないため、胡散臭い口調と併せて非常に鬱陶しい。
しかもGBC版だけはゴールしてもこの商人が落ちるイベントが消滅しないのでさらにウザさ倍増である。

余談だが、GBC版ではジパングのすごろく場をクリア後、
ゴール地点の旅の扉に入りそのまま井戸から出ると何故かジパングは夜になっている
最大難易度の壮大なすごろく場をクリアする際に時間が掛かったという演出だろうか?

ガラケー版以降

ベースはSFC版なのだが、当時のガラケーのアプリ化時における容量の問題なのか、なんとすごろく場そのものがあっさりなくなってしまった。
携帯機のGBC版ですらあったのだが、ガラケーアプリに移植するにはそこまで削らないといけなかったのだろう。しかしながらこれ以降もガラケー版を移植したスマホ版、コンシューマゲーム機に戻ったPS4/3DS/Switch版の全てで同様の扱いとなっている。
これに伴う変化として。

  • ゴール時の景品→【ちいさなメダル】収集による景品になる。
  • すごろく道中で拾ったり購入できたアイテム→入手不能に。(敵ドロップ並びに通常店で購入できないものは無限に入手できなくなった。)
  • すごろくけん→他のアイテムに差し替えられ、敵のドロップ物はFC版の物に差し戻し。

となっている。
このため娯楽要素が減ってしまい、ガラケー版以降のリメイクを「最悪のリメイク」「リメイクの良い部分を完全に潰した再リメイク」などと酷評するファンも少なくない。
一方である意味ゲームバランスがとれた(戻った)側面もある。

DQ5(リメイク版)

DQ3と同じく遊ぶにはすごろくけんが必要だが、今回は暗黒のすごろく場のゴール景品である【セレブリティパス】を入手すれば制限無しで遊べる。
次の5カ所に存在する。

すごろくの穴以降では新要素であるすごろくダンジョンと【宝物庫】が登場し、入手できるアイテムが非常に多くなっている。
すごろくダンジョンでは地形マスを調べても落とし穴に落ちる心配はないので、積極的に調べていこう。
DQ3と違ってリメイクで追加されたアイテムは少ないものの、SFC版で一品物だったアイテムを複数入手できたりする。
すごろくで手に入るちいさなメダルも増えている。
謎のすごろく場では【ほしふるうでわ】【はかいのてっきゅう】が店でいくらでも買え、クリア後の隠しボス撃破後限定でマスに止まらないと買えないとはいえ、今回も大盤振る舞いである。
また「!」でのステータスの増減幅が1ポイントに抑えられたため、ややリスクが低くなっている。
 
ただ、総じて評判がよく「史上最高のミニゲーム」とも呼ばれるDQ3のすごろくに比べ、DQ5のすごろくは中途半端な追加要素や最早難しいなんてものではない謎のすごろく場の難易度、また、苦労してあがった結果手に入る景品が、使い勝手の悪い【プチターク】というガッカリ感からか、評価は賛否両論である。
また、?マスで画面が暗くならない、魔法陣マスでは光らずメッセージのみと、演出が劣化した点も残念である。この点は以降のDQ5リメイクでも変わっていない。
サイコロの出目はかなり偏りがあり、同じ戻りマスに何度も執拗に止める嫌がらせが多々ある。戻りマスのあるところではなぜか同じ出目が何度も出る。本来なら同じ出目が連続で出るのは1/6だが、実際は1/6ではない。
また、すごろくけんが入手できる敵が減った分、無駄遣いができない。
DS版以降では、自由に目が決められるマスが追加された他、落とし穴が少なくなっているので、難易度がぬるくなっている。とは言え、元々理不尽な難易度が若干緩和された程度であり、依然として半端でなく難しい。
しかも、Wii版3のようにすごろく中に中断機能が使えないので運に頼る以外にクリア方法がない。
 
【モンスターボックス】【モンスターずかん】)をコンプリートしようにも青年期後半には出会えないモンスターが一部いるが、挑戦するキャラクターのレベル次第で出現するモンスターが変わるのを利用してリストを埋めることもできる。
また、【ガップリン】などの幼年期や青年期後半にのみ出会えるモンスターを青年期前半から出会うことも可能だが、残念ながら仲間に加えることができない。
ちなみに「すごろく場ではモンスターが仲間にならない」仕様を、どういうわけか大多数の攻略本や攻略サイトがまったくもって触れていない。
 
出現するモンスターは挑戦者のレベルが高いほど強くなるのだが、このときレベル以外のパラメータは一切考慮されないのがポイント。
つまり、【おどるほうせき】【はぐれメタル】【ギガンテス】といった「最高レベルは低いのに能力は高い」仲間モンスターで挑戦するとほとんど序盤の雑魚モンスターしか出てこなくなる。
こうなるとモンスター出現マスは雑魚散らしを行うだけの作業……どころか、【バリアー】マスでダメージを受けている場合には【しゅくふくのつえ】などで回復するチャンスにさえできてしまう。
上記3匹の他には【序盤3強】【ガップリン】【スライムベホマズン】などもすごろく攻略係として優秀。
 
戦闘は逃げる一択なら主人公のレベルを55以上にしておくのも手。メタル系出現マス以外のほとんどの戦闘は確1で逃げられる。
とはいえ必要なレベルからすると、これが活用できるのは大抵クリア後だが。
 
因みにオラクルベリーのすごろく場で落とし穴に落ちたときは、「あなたも落ちましたな」という旨の会話がある。
こちらの会話システムでは女性のスカートの中を見ようとしている旨が窺える。

DQ10オンライン

Ver.3.0より【娯楽島ラッカラン】のカジノに登場。
プレイヤーそれぞれがサイコロを振って移動するが、モンスターとは参加者全員で戦う。
参加者は毎回旅芸人Lv1でスタートし、ダーマ神殿のマスで転職したり、戦闘でレベルアップする。
詳しくは【すごろく】を参照。

どこパレ

カジノのゲームの一つとして搭載。
1日一個のすごろく券を使いプレイ可能、選択した30体からランダムで選ばれたキャラを使い進む、落とし穴の様な即終了ギミックはなく全滅してもゲームオーバーにならないため難易度は低いがポイントを貯めれば景品がたくさん取れるためゴールせずに周回が基本。

シアトリズム

モンスターの名前を冠したすごろくが約50あり、サイコロの制限回数内にゴールすると【オーブ】が貰える。
ゴールには各すごろくに対応したモンスターがボスとして存在し、ダブルアップボスバトル(BMS)で倒すと報酬のオーブが倍になるが、負けるとオーブは没収される。
戦わなければゴール報酬のオーブはそのまま貰える。
主体はリズムゲーであくまでオマケということなのか、【まほうのサイコロ】を活用すればゴールしやすくなっている。

ライバルズ

対戦時の背景のひとつとして登場。BGMは【ローリング・ダイス】