パッケージの中に入っているゲームの操作方法や世界観などを説明するもののこと。
モンスターハンターはもちろん、どのゲームにも欠かせないものである。
正確な呼称は「取扱説明書」で、この場合の略称は「取説 (トリセツ)」。
ユーザーガイドと呼ぶ事もある。
英語ではマニュアル(Manual)。あるいはインストラクション(instructions)。
概要
- ゲームを開始するには操作方法やセーブデータの作り方など、基本的な操作方法を知っておく必要がある。
それを説明するのが説明書である。
昔のゲームはゲームソフト自体の容量の問題から、今のようにゲーム内で説明を行う事が難しく、
またハードスペックの表現力の限界から世界観などを詳しく描写できず、
操作方法や世界観・ストーリーの事前知識を印刷した、紙の説明書に記載することで補うのが普通であった。- 何故紙なのかというと、昔は今ほどネット環境が発達しておらず、
ゲーム機自身もゲーム以外の機能に貧しいということもあり、
必然的に説明書として扱える媒体は紙以外に適任がおらず、
またそれしかこういった説明を行い、伝える手段が無かったというのもある。
- 何故紙なのかというと、昔は今ほどネット環境が発達しておらず、
- 一方昨今、特に2010年辺りから紙としての説明書は減っていき、
軽い操作説明が書いた紙が同梱していて説明書はネットで閲覧、
あるいは電子説明書でソフト内に収録、という形が多く見られるようになった。
ゲーム機の性能が進化して行ったことでゲーム以外の処理も最低限ながら可能になったことや、
ゲームソフト記録媒体の容量が多いものを低コストで生産できるようになり、
ゲーム本体を入れても容量が余ることが多くなった為に可能になったと言えるだろう。- 何故こうなって行ったのかというと詳しい理由は不明だが、
根拠に挙げられなくもないメリットが、間違いなく紙説明書より多いことであると見られる。
事実、電子説明書はソフトを無くさなければ無くすことはないという消費者側のメリット、
開発側も改丁があった場合も、(可能であればだが)データを入れ替えるだけで済む、
また紙と印刷代を削減できると、例え僅かながらでも見逃せないコストカットが可能である魅力がある。- また、更に付け加えるとインターネット環境が広く整備されていった事で、
ダウンロード販売も現実的になったというのもある。
これらは用意した記録媒体に保存する為、所謂ディスク等の実体がなく紙の説明書は提供できない。*1
そもそもネット環境がある前提のシステムであるため、
公式サイト上で見せたり電子説明書として収録すれば良いだけである。
- また、更に付け加えるとインターネット環境が広く整備されていった事で、
- 更に上記でも述べたゲーム機、記録媒体の進化によって、
実際に操作しながら・動く画面を見ながら、音を聴きながら説明を受ける事ができるゲーム内で
各種操作説明などを行う事が可能になったのも、紙説明書が減った一因に挙げられなくもない。
モンスターハンターに限って言っても、特にMH4以降はゲーム内説明が充実しており、
3DSで出ているメインシリーズはMH3Gを除いて全て電子説明書形式が取られている。
- 年代的に言うと、2000年台半ばまでのハード(据え置き機で言えばWii・PS2・Xboxまでの世代、
携帯機ではニンテンドーDSやPSPまでの世代)ではしっかりした説明書が付くことが多かった。*2
PS3やXbox 360でもある程度の時期まではしっかりした物が多かったが、
2010年台になってからは基本的な操作方法のみを書いた物となっていたり、
説明書と言えるものが同封されていないケース*3もある。
- 特にスーパーファミコンの時代に多かったのだが、
実機ではありえないスクリーンショットが説明書内にあることもちらほら。
どうやらゲームよりも紙媒体のマスターアップの方が早いらしく、
説明書の決定稿の時点から削除された、または実装が間に合わなかった仕様が残っている模様。
こういった取り回しの悪さも紙媒体の説明書の減少に一役買ってしまったようだ。
- 何故こうなって行ったのかというと詳しい理由は不明だが、
- 電子説明書はゲームを中断しないと読めないと言う不便な点があるが、
大まかな部分ならゲーム内チュートリアルで済ませる事が可能であるため、
その点の批判はあまり聞かれないというか説明書読まない人が大半だろう。
一方紙説明書はゲームを起動しながら読める他、
特に読み物としても面白いという側面もあった事を評価に挙げる人が多く*4、
その機会(紙説明書)が減っていくことに対して嘆きの声を挙げる人は少なからず存在するようだ。
また、オンライン接続中でないと開けない場合は批判の対象になる事もある。
モンハンの説明書
- モンハンの説明書には主にクエスト前、クエスト中の操作方法、
ゲームシステムなどの説明が書かれている。新米ハンターには欠かせないものだが、
モンハンはシリーズごとに操作方法等が若干変わったり、新たなアクションが追加されたりするので、
長期間プレイしてきた古参ハンターにもありがたいものである。
- しかし、モンハンの場合、操作が割と複雑な上、
操作方法ページにバラバラと書いてあり、場合によっては派生の一部が書かれておらず、
いきなりゲーム内用語の「属性解放突き」やら「鬼人化」やらが飛び出してくるせいでさらに理解しにくい。
システムに至っても細かく書かれ過ぎていて、初見では難しい内容なのでこれも理解には及びにくい。
やはり古参ハンターに聞くか、自分自身で慣れるのが一番なのかもしれない。
シリーズにもよるがMHのチュートリアルは豊富な方であり、
説明書が無くてもどうにでもなってしまったりもする。
- やはり読み物としても面白い面も確かにあり、
「モンスターを生きたまま捕らえるのはとんでもない荒業」だという世界観上での扱いや、
「モンスターが閃光玉で一時的に視力を失った状態は《目くらまし》」といったシステム的な名称など、
読み返してみると思わぬ発見があることも。
- PSPで出た作品のダウンロード版や、MH3G以降の作品には電子説明書が存在する。
PS系のものは紙の説明書の取り込みで、拡大しないと少々読み辛い。
一方3DSやWiiUでは、東日本大震災による紙資源の不足などの教訓から、資源使用量削減として、
多くのソフトで説明書が電子化されており、統一されたフォーマットになっている。
基本的な内容は同じで、出先であってもいつでも読め、失くす心配もないなど便利だが、
ゲームを中断しないと読めない、そもそも存在を忘れやすい、ゲーム機を取り上げられていると読めないというデメリットもある。
また、MH4からは、3DSの下画面に「ヘルプ」のボタンが表示され、そこで解説を見ることができる。
MHXでは「ハンターノート」の項目がメニューに追加され、そこで各武器の操作方法やコンボルートの確認ができる。
- ハードを変えて展開されたMHWシリーズは、
PS4におけるダウンロード版の高い需要、PC版にそもそもダウンロード版しかない事などからか、
説明書などなくとも全てゲーム内で事足りるような設計になっている。
基本スペックの向上からか、映像付きの解説が大量に収録されており、
画像や文字だけではいまいち理解しづらい難解なシステムも把握が容易に。
おそらくシリーズ通して一番需要があったであろう武器のコンボ派生確認は、
画面右上に常に派生可能なアクションが表示されるようになったことで、
いきなり初使用の武器をクエスト持ち込んでもコンボガイド通りにやればひとまず戦えるように。
更には初使用の際は調査班リーダーが音声付きで指導してくれる。
同時に固有アクションなどもさらっと教えてくれるので、聞き逃さないよう集中しておこう。- もちろん従来通りにハンターノートからも確認可能な他、さらに詳しいコンボガイドをトレーニングエリアで使うことができる。
こちらはコンボの履歴も残るので、ちゃんと使えたかどうか後からわかるのもメリットか。
「装備している武器、クエスト対象」などから自動的に判断され、様々な内容が7つ程度表示される。- 例えばチャージアックスでディアブロスのクエストに行った場合だと、
「ビンの効果、各種強化の解説、音爆弾の有効性、ディアブロスの生態」などが選ばれる。
アップデートで後から実装されたコンテンツにも必ず解説が入る。
これらは上述のTipsも同様に後から見返すこともできる。 - もちろん従来通りにハンターノートからも確認可能な他、さらに詳しいコンボガイドをトレーニングエリアで使うことができる。
- MHRiseにおいても紙の説明書は存在しないが、
タイトルメニューやハンターノートの中に、「取扱説明書」という項目が追加。
ゲーム中の用語やシステム、基本的な操作方法まで詳細な解説が読める。
取扱説明書の中で取扱説明書の項目について説明するという、少々丁寧すぎる所も見られる程である。
また、ウェブ上でも公式でオンラインマニュアルを作成している。- 一方で、MHWにあったような、ゲームの進行中に逐次表示される説明は殆ど無くなっており、
MHXX以前のように、ハンターの心得やハンターノートに纏められていたり、
自由に受けられる訓練クエストという形のチュートリアルになっている。
- 一方で、MHWにあったような、ゲームの進行中に逐次表示される説明は殆ど無くなっており、
- MHFは、基本的にゲームプログラム自体は公式HPより無料でダウンロード可能であり、
紙媒体の取扱説明書は存在しない。
その代わりオンラインマニュアルが整備されている。
ただ、これまで幾度となくアップデートを繰り返し、
実装されているコンテンツも多い分、オンラインマニュアルの文量も膨大なものとなっている。
正直、読むだけでも骨が折れるので、初心者は、まずは基本となる部分だけ読み、
新しいコンテンツを利用する度に、該当部分を読み足すといいであろう。- かつてはアップデートなどの節目に「パッケージ特典」が販売されており、
それを購入すると紙媒体の取扱説明書を入手することができた。
2016年以降はパッケージ特典に該当するものは「プレミアムグッズ」と名前が変わり、
説明書(と、インストールディスク)が付属しなくなっている。
ちなみにPS4版のビギナーズパッケージには「全13武器種操作表」が付属される。
- かつてはアップデートなどの節目に「パッケージ特典」が販売されており、
余談
- 基本的にモンハンの説明書は敬体(です、ます)で書かれているが、
MH3ではなぜか常体(だ、である)で書かれている。
MH3の説明書のみ、さもモンハン世界で実際に発行されている書物であるかのように書かれている
(所々に挿入されているゲーム中要素の広告など)が、それと関係しているのだろうか。
また、「基本編」「応用編」と二冊も説明書があり、
基本編にはWiiリモコンの操作方法や村の施設などの説明、その他アイテム、スキルなどの説明が、
応用編にはクラッシックコントローラーの操作方法、闘技場の説明、
街の施設などの説明、オンラインのマナー、利用規約などが書かれている。- ちなみにこの説明書、冊子2冊組で合計150ページを超える前代未聞の大ボリューム取説となっている。
モガの村の看板娘アイシャが紹介するコラムも必見である。
- ちなみにこの説明書、冊子2冊組で合計150ページを超える前代未聞の大ボリューム取説となっている。
- 説明書の武器紹介欄では具体的な武器ごとの特徴や操作方法に加え、
武器の特徴を表したキャッチコピーのようなものが付け加えられている。
程度の差はあるものの、どれもこれもが中二病的雰囲気を醸し出しているので、ネタに使われる事も多い。
特にガンランスのキャッチコピーは、MH2で公開されて以降未だにガンスの象徴として使われるほどである。打ち砕き、突き崩し、弾き返す。
計算されつくしたその布陣に死角は無い
- 説明書なんて読まずに、実際に操作して慣れてしまったほうが早いという人も
たまには説明書を読んで欲しい。読み物として何かを得られるかもしれない。- モンハンネタをパロディとして持ってきた某勇者を倒すゲームのとある人物は、
説明書を読まない者が多数を占める現状を知ってか『どうせカイセツショなんて読んでいないのでしょう?』
とプレイヤーにツッコミを入れている。
- MHシリーズの共通項として、とりあえず動かすことは説明書なしでもできるが、
スキルシステムなど、ゲーム内でまともに解説すらされない要素がいくつも存在する。
一方で根本のゲームデザインは10年以上変わらないため、
特にオンラインではそれらの「説明書にしか書かれていないようなこと」
を熟知している事が大前提とされる事が殆どである。
その為、本当にゼロから本シリーズを始める場合は、
説明書を一読しておかないと後々仲間に迷惑をかける事にもなりかねない。- もはや伝統的な語り草であるハチミツくださいも今となっては笑い話だが
PS系ハードから任天堂ハードに移転した頃には
任天堂ハードで初めてMHに触れるプレイヤーから
「ハチミツはどうやって手に入れるんですか?」と言った質問が
インターネットの掲示板などに多く散見されたりもした。
今もなお、中古などで過去のシリーズに初めて触れるプレイヤーから
「古代魚や黄金魚の入手法を教えて下さい」と言った質問も寄せられる事があり
釣りが可能な水辺に近付くとルアーアイコンが表示される事すら知らない
なんて事も普通に有り、寄せられた回答によって
初めて釣りのシステムを知ったなんて話まである。
- もはや伝統的な語り草であるハチミツくださいも今となっては笑い話だが
- モンハンネタをパロディとして持ってきた某勇者を倒すゲームのとある人物は、
- 実はMH2やMHP2G、MHP3らに説明書は付属していない。
該当作品に付属している冊子は「解説書」である
(3Gは取扱説明書。MH4以降は電子説明書)。
どうせカイセツショなんて読んでいないのでしょう?
関連項目
ゲーム用語/プロローグ - かつての説明書には付き物だった
モンハン用語/もう一度聞きますか?