「一定時間、音の壁をまとい、1度だけダメージアクションを無効化し、受けるダメージをわずかに軽減します。」
(ハンターノートより抜粋)
MHRiseで初登場の狩猟笛の旋律、またはそれによって得られる旋律効果のこと。
その効果はいろんな意味で狩人達を震撼させた。
目次
仕様
- 旋律発動後4秒間、ハンターを1度だけ吹き飛ばず、少しダメージを減らす状態にする。
いわゆるハイパーアーマー付与効果である。
ダメージリアクションは無効化され、小型モンスターの戯れから飛竜種の咆哮もなんのその
果てには海竜種のブレスや獣竜種の大技も防げてしまう。
ラージャンの極太ブレスに晒されても身じろぎひとつしないハンターはもはや人間ではない...
…しかし、効果説明をよく読んでみてほしい。
「ダメージ"アクション"を無効化」。つまり、ダメージ自体は普通に食らう。
状態異常も食らうので気絶してしまえばモンスターの目の前で動けなくなってしまうことも。
- 効果時間4秒の間に、1度ダメージアクションを無効化すると4秒経過する前に効果が切れてしまう。
味方の攻撃が当たるだけでも効果が切れてしまうため、混戦時は一瞬で効果が切れる事も多い。- ただし緩衝をつける、もしくは味方がつけている場合味方の攻撃で解除されなくなる。
- その短い効果時間ゆえに実際に見たハンターは少ないことと思われるが、効果アイコンは力士。
横綱土俵入りの「雲龍型」を模したものだろうか?- アイコン名は「吹き飛ばし無効/音の防壁」だがこの旋律以外にこの状態を付与する手段はMHRise時点ではない。
活用方法
- ハンターが耐えられるダメージを前提に防壁を張ることで、前隙の大きい鉄蟲糸技を強引に当てたり、
吹っ飛ぶ時間ロス分を攻撃アクションに還元して攻め続けることが可能。
基本的には相手が何をしてくるかを予測したうえでピンポイントで発動する旋律と言える。
そのため奏モードよりも響モードのほうが比較的扱いやすい。
ハイパーアーマーのため、咆哮・風圧・振動対策にもなるのが有難い。
- このように、活用することができれば有用な旋律効果である。
だがこの旋律が抱える問題点も数多く、有意義に使われているとはあまり言えなかったのが実情である。
問題点
- 持続時間が4秒しかない
- 防壁を有効に利用するためには敵の攻撃や咆哮を見定め、相手が動く数秒先に奏でる必要がある。
このため常に最適なタイミングを意識する必要があり非常に運用難度が高い。
ソロならともかく、味方の動きも把握しなければいけないマルチでは至難の業と言える。
かといって「何度も旋律を発動してやれば結果的に有効に働くだろう」と考え
無暗に乱発すると下記の理由により狩場の混乱を招く結果になりかねない。
- ダメージ軽減が少ないハイパーアーマー
- 問題の根源と言える特性。
今作の武器アクションや鉄蟲糸技にはハイパーアーマーが付与されるものも多いが、
それらには大抵ダメージ半減効果なども付属している。
しかし防壁では軽減率30%と心もとないため、
下手にモンスターの高火力技や連続ヒット技が放たれる直前に発動してしまうと目も当てられない状況になる。
連続技の場合、1撃目をハイパーアーマー棒立ちでダメージを受け、
直後に2撃目のダメージを受け吹っ飛ぶ。
ダメージ軽減が少ないので余計な被弾分を打ち消すこともできないだろう。
1撃目で吹っ飛んでいれば無敵時間を得られて1回のダメージで済んでいたことになる…
ソロなら最悪自分が乙るだけで済むが、マルチプレイの場合は
被ダメモーションが無くなるため「攻撃を食らっていない?」と味方に誤認させ
結果的に回復や回避行動を遅らせてしまう可能性もある。
また、攻撃が連続ヒットするという事は、即ち気絶の危険性も跳ね上がるという事。
吹っ飛んだ後に受身で立て直す、地に伏せたまま攻撃をやり過ごし回復のチャンスを待つ等の選択肢が取れなくなり、
無防備にフラフラと立ち上がってそのままトドメの一撃を待つという事態になりかねない。
ちなみにサンブレイクVer.15のアップデート前はダメージ軽減すらなかったのだから、その危険性は…お察しください。
- 自分以外のハンターにも同様の効果が発動
- そう、演奏者以外も等しくダメージ還元なのである。
マルチプレイで出会う全ての人がこの旋律効果を知っているとは限らないし、
知っていたとしても防壁付与のタイミングは演奏する者にしか分からない。
そのため防壁が急に付与されること前提の慎重な立ち回りを強いることになってしまう。
なお、音の防壁をかけたときには通知が流れるが、
その後攻撃をハイパーアーマーで凌いだ時には特にエフェクトや通知がない。
このため気が付いたら体力がごっそり減っていたという事態が発生しがちである。
- 高難度クエストになるほど使いづらい
- 下位や上位中盤までであればモンスターの攻撃力もそれなりのレベルで、連続ヒット技もそこまでないため
防壁連打でごり押すことで迅速に狩猟を進めることも可能なのだが、
高難度クエストやマスターランクの相手に安易な防壁ごり押しをしようとすると間違いなく地獄を見る。
例えば傀異化モンスターは動きが速く旋律発動のタイミングを合わせづらい上に
極めて高い攻撃力を持ち、連続ヒットする傀異バーストまでやってくるため事故が起きやすい。
高火力連続ヒット技を持つバルファルクや怨嗟響めくマガイマガドなども相当危ない相手である。
ただしこの点は剛心や天衣無崩の登場で多少改善され、狂化との組み合わせにより
高レベルの傀異討究クエストや特別討究クエストでは再びお呼びがかかる逆転現象が起きている。
- 発動しないという選択肢を採りにくい
- Worldまでの作品であれば、音の防壁が出る音符の組み合わせをしないという対策が可能であったが、
Riseでは攻撃ボタンと旋律効果の関係が密接になっているためこれがやり難い。
Xボタンに防壁がある笛の場合、
奏モードならXボタンを2回押さない(間に演奏を挟んでもダメ)、
響モードならXボタンを押した後演奏ボタンを押さない。
どちらも三音演奏をしない。という激烈な縛りプレイをする羽目になってしまう。- 特に三音演奏ができない関係上、翔蟲なしで気炎の旋律が使えないというのはあまりにも痛い。
モンスターのスタン中など、攻撃を受けない状況下で使用することが強要される。
- 特に三音演奏ができない関係上、翔蟲なしで気炎の旋律が使えないというのはあまりにも痛い。
- 旋律の効果が知られていない
- これらの効果が使用者たちに周知されているかというと、怪しいと言わざるを得ない。
MHRise以降、狩猟笛を使用するハンターの数はかなり増えておりそれ自体は喜ばしいことなのだが、
それに相まって旋律効果がどういったモノか深く考えずに発動する者も増えているのが現状である。
(尤も、これ以外の旋律はハンターに有益、あるいはせいぜい(状況に対して)効果が薄い程度のもの
ばかりなので、無理からぬことではあるが。)
前述のようにハンターノートには音の防壁の効果について軽く書かれてはいるが、
SNSでは効果を「ダメージそのものを無効化」やら「耳栓効果」やらと勘違いするハンターも散見される。
武器を振るだけで演奏効果が発動する「演奏モード:奏」が初期の操作モードなのも
この事態を増長していると言えるかもしれない。- まして、各武器の操作が複雑化する中、狩猟笛に全く触れていないハンターにはなおさらである。
『音の防壁』なる見覚えのない旋律が発動したアナウンスが流れ、
よくわからないからあとで調べようと思いながら狩りをしていたら
攻撃を受けた覚えもないのにいつの間にか大ダメージを負っていた。
もしくは不幸にもそれにすら気付かず、まだ多少被弾しても問題なかろうと強気な攻めを継続し、
普段は大した問題にならないちょっとした小技で落ちて首をひねる
といった光景はよくあるものである。 - 特に伏魔響命テンプレならずともお団子防護術が一定の地位を築いているMHR:Sにおいて、
被弾に気づきにくいというのは非常に危険である。
もちろん、お団子防護術側のエフェクトが発生するので一応気づきやすくはあるが、
ノーモーション故にうっかり見逃してしまう、
もしくは別の効果のエフェクトと判断してしまうケースもある。
こうなると、ダメージカットの保険があると思い込んだまま行動してしまうので、
大変危険な状況に陥ってしまう。 - 参考までに、MHRise時点での狩猟笛人気ランキングのTOP10には
防壁持ちの禍ツ琵琶ファミリーが3本とも入ってしまっているうえ、
演奏モードも奏が圧倒的な人気となっている*1。
- まして、各武器の操作が複雑化する中、狩猟笛に全く触れていないハンターにはなおさらである。
総評
- これらの問題点が合わさることで残念ながらマルチでは恐ろしく使い勝手の悪い旋律と化してしまっている。
快適な狩猟のための旋律という狩猟笛のコンセプトにも反した存在とも言えるため、
基本的にカリピスト達からの評判はよくなかった。
武器性能、見た目と音、他2つの旋律が良くても
音の防壁があるという一点だけで敬遠されることも…
まさに「呪い」である。
- 転身の装衣のようなダメージ無効化か、せめてダメージ半減もあればまだ使えたのにという意見も多かった。
- Riseでは最終アップデートまでこの仕様であっため、
サンブレイク発売時の武器調整アップデートに期待する声もあったものの、
結局音の防壁の仕様変更は為されず、
搭載している武器の強化先でも音の防壁の旋律はそのままだったこともカリピスト達を落胆させた。
しかし来たるVer.15.00にてさすがに問題だったのかついにダメージ軽減効果がついた。
…が、上述のとおり30%と雀の涙であり、やはり野良で吹くのはご法度のままとなっている。
- 盟勇クエストではミノトに狩猟笛を装備させるとこの旋律を使ってしまう。
精霊王の加護も同時に使えるため、同時に発動すれば悪くはないのだが…。- ランスやガンランスなどスーパーアーマーに乏しいわけでも無ければ
大剣のようにハイパーアーマーに富んでるわけでもない。
かつ吹っ飛び自体にデメリットが大きい立ち回りとなると
かなり限られてくるが、その場合はこの旋律に対しむしろメリットになりかねない。
試しに笛ミノトを連れて防壁と相性いいか試すのも悪くはないか。
スタミナ消費軽減もあることだし。
- ランスやガンランスなどスーパーアーマーに乏しいわけでも無ければ
- 気心の知れた仲間と固定パーティを汲んで、音の防壁の効果を説明しておき、
お互い納得した状態で使うならばアリだろう。
逆に言うと説明も承認も難しい野良救難には全く向いていない効果と言える。
- Ver.11.00で登場した傀異錬成により、旋律効果を変更できる錬成が望まれていたりもしたが、
残念ながらそれは実装されず、音の防壁を旋律に持つ笛の問題点克服とはならなかった。
あまりの期待のうすさから、音の防壁自体をどうにかして欲しいという声は
もはや少なくなってきたのも事実である。
- Ver.12.00において武器重ね着システムが実装され、
見た目が気に入っていても音の防壁の所為で採用を躊躇う問題は解決した。
ただし、当然ながらと言うべきか音の防壁の特性を分かっていないプレイヤーが、
音の防壁持ちの笛の外見を変えて判別を難しくしてしまうという別の問題も追加される事になった。
- Ver.13.00にて新スキルの狂化が登場。
このスキルにより強力な単発ヒット攻撃を音の防壁でいなしつつ狂化で延命、という運用が可能になった。
当初はピーキーな運用と考えられていたが、後に狂化奮闘業鎧テンプレの確立と錬成ボーナスによって
音の防壁持ちの笛にもかなりの属性値と攻撃力を持たせることができるようになり、実用性が一気に高まった。- パーティ全員が狂化装備の場合は非常に強力。
2~4人でひたすら攻撃を継続できるため、圧倒的な攻め手により一気にモンスターの体力を削り取れる。
ただしマルチにおいては「スリップダメージの加速に気づけず、疾替えのタイミングを逃して力尽きる」
という事故に繋がりかねないのは注意。
- パーティ全員が狂化装備の場合は非常に強力。
- Ver.15.00でようやく音の防壁にダメージ軽減効果が追加され、狂化以外の運用もようやく可能になった。
軽減率は3割程で単品でそこまでアテに出来るわけではないものの、
単発で大ダメージを受けて致命傷…という事態はある程度避けられるようになった。
同時に相性のいい天衣無崩も実装され、
音の防壁と剛心で強引に天衣無崩を維持するといったパワープレイも可能になった。
音の防壁と天衣無崩のダメージ軽減は重複するため、劫血やられ等で回復出来れば
相当の攻撃を耐えられるようになる点も好相性。
- 最終アップデートを迎えた現在では、狂化を前提に逆恨みや奮闘や業鎧【修羅】で攻撃力を上積みしつつ、
音の防壁の切れ目や多段ヒットを剛心でいなすという運用が確立。
傀異錬成や護石に頼る部分は多々あるものの、どんな攻撃でも無効化しつつこちらの攻撃を通せるのは大きく
一撃死レベルの攻撃を連発してくる高レベルの傀異討究クエストや特別討究クエストでは有力な選択肢となっている。
ソロまたは狂化パーティ限定の戦術ではあるが、忌み嫌われていた頃に比べれば相当な大出世である。- とはいえ多段ヒットの攻撃に弱く、特に野良マルチにおいては事故になりやすい弱点はそのままであるため、
基本的にこの運用法はソロ向けであることは留意すべきである。
マルチプレイにおいてはこの旋律を忌避するハンターも少なくないため、全員が狂化装備でない場合は
事故防止のために他の笛に持ち変えることも大切だろう。
- とはいえ多段ヒットの攻撃に弱く、特に野良マルチにおいては事故になりやすい弱点はそのままであるため、
関連項目
武器/狩猟笛
システム/旋律
システム/ハイパーアーマー
システム/重音色 - かつて同じくマルチで忌避されていたシステム