概要
防勢作戦とは、もともとはアメリカ国防総省の用いていた Defensive Operations の対訳として提案された いわゆる自衛隊用語である
次の下位目標を達成する目的で計画される作戦とされる
- 敵の攻撃を撃破する ( = defeat enemy attacks )
- ( 援軍到着まで ) 時間を稼ぐ ( = Defending can buy time for reinforcements to arrive. )
- 節約する ( = economize )
- 緊要地形を確保する ( = hold a key terrain )
- 兵力 ( = forces )
- 敵の戦力を弱体化、足止めする ( = attrit and fix enemy forces. )
目的
防勢作戦を立てる目的は、自分や味方への攻撃を阻止する事である
そして作戦という単位を選択する理由は、相手も同等または それ以上の規模の戦力投入が想定され、したがって自分や味方が保有する戦力の運用効率、効果、または その両方を向上させなければ防御が実現できないからである
要するに、
「 事前に強盗が 5 人で押し入ってきそうだと分かったけど、1 人しか警備員が雇えませんでした。
だから、ワイの身と財産の安全を工夫して守ってください。
あ、でもなるべく金は掛けないでください。」
という話である種類
作戦というレベルに限った話ではないが、もともと防御には伝統的に次の 3 形態が認知されてきた
- 機動防御 ( MOBILE DEFENSE )
- 地域防衛 ( AREA DEFENSE )
- 後退 ( RETROGRADE )
機動防御 ( MOBILE DEFENSE )
要するにモグラ叩きである
先ほどの強盗と警備員の譬えで言えば、
「 宝石に辿り着こうと 5 人の強盗が様々な方角から歩いて向かってきたので、
警備員をタクシーに乗せて 1 人ずつ轢き殺して貰いました。」
という話である*1地域防衛 ( AREA DEFENSE )
要するに籠城である
先ほどの強盗と警備員の譬えで言えば、
「 宝石に辿り着こうと 5 人の強盗が崖を よじ登り始めたので、
警備員に熱湯を渡して 1 人ずつ頭上から注いで強盗を熱傷を負わせて殺して貰いました。」
という話である
ただ地域防衛は籠城とは違う、というより更に拡張した意味を含む概念である具体的には、少なくとも
- 遠方から本城に向かってくる
強盗敵部隊の監視とともに迎撃に供すべく支城や出城を用意 - 強盗が戦力を離合集散した場合に備え、戦力を迅速に融通すべく本城、支城や出城を連絡線と接続
- 持久戦のため、本城を主要幹線と接続
する事までが含まれる
後退 ( RETROGRADE )
後退 ( retrograde ) とは、現時点で保有、支配している地域に、必ずしも友好的ではない勢力が流入するリスクが高い条件を受忍しつつ味方部隊を別の地点に移動させる行動の総称である
日本語では撤退、後退、退却、遁走、敗走、壊走、また欧米では後述の withdraw と retirement 以外に retreat、breakout *2、escape、recede などとも呼ばれる事がある
この retrograde という ( 軍事 ) 行動は、上述の表現を引用すれば 「 現時点で保有、支配している地域 」 と何かを交換する行為である
要するにウンコと交換したら無意味になるので、できるだけ価値の高い選択肢と交換する事を目指して情報を集めたりなんやかんやする事になる
そして、うんこ以外の何の選択を志向するかによって大きく 3 タイプに分類され、それが後述する撤退 ( WITHDRAW )、遅滞 ( DELAY )、退却 ( RETIREMENT ) っつーワケである撤退 ( WITHDRAW )
軍事という文脈における撤退とは、「 敵と接触している味方部隊を敵から引き剥がし、退却すること 」 である
つまり、この選択肢は支配地域および少数の味方機動戦力と兵力 ( 非機動戦力 ) を交換 ( 温存 ) する
前提として、後述の遅滞や退却では開始時点で敵味方双方とも交戦状態にない
しかし、
「 放置すると敵の機動戦力のみならず非機動戦力にも追い着かれる恐れがある
だから遅滞を発動する 」
「 放置すると味方が遊兵化する、または各個撃破される恐れがある
だから退却を発動する 」
というストーリーになる
一方で本項たる撤退を発動するのは、既に敵の非機動戦力に追い着かれている状況である
つまり遅滞では緊要地形を守るべく積極的に戦力を差し向ける意図があるワケだが、撤退では攻撃側にのみ、あるいは少なくとも、より攻撃側に交戦による利益が多くある
そこで、攻撃側による差し当たっての受益を削ぎ、更なる増益も確保できないように退却するワケである遅滞 ( DELAY )
軍事という文脈における
痴態遅滞とは、恥ずべき振る舞い敵対勢力の侵攻速度を低下させる各種方便の総称である
つまり、この選択肢は支配地域および少数の味方機動戦力と時間を交換する
敵味方双方の前提として、非機動戦力の機動力は互いの機動戦力より低い
だから防御側が積極的には戦う意思を持たない場合、防御側の非機動戦力、攻撃側の機動戦力だけが互いに交戦可能な状況にあり、つまり攻撃側からすると全ての非機動戦力が遊兵化している事になる
そこで攻撃側は、防御側を戦いに参加させるために機動戦力を用いると共に、消耗を強いる事で あわよくば非機動戦力同士の戦いに引きずり込む事を志向する場合がある
遅滞は、このような戦術への対抗策として、敵が機動力を発揮するのに適した地形への到達、待機、通過の妨害を指す
例えば、このゲームで当てはめるならが建設されている領地や、平地への侵入や占領、また建物の場合は敵が新たに建設しようとする事も含め、一定時間以上拒否するような状況を指す
このようにする事により、敵は機動力の発揮が制限され、追撃で戦闘に参加できる部隊の数が制限される
延いては後退できる味方の部隊数を増加させられたら良いなー⭐︎る事が見込めるワケである
退却 ( RETIREMENT )
軍事という文脈における退却 ( retirement ) とは、敵と接触はおろか何らの圧力すら受けていない段階での後退を指す
既出の撤退や遅滞と比較して机上では何も困難さが感じられないかも知れないが、司令官として退却を指示する時には結構辛辣な状況に陥っている事も多い
というのも、要するに典型的なシチュエーションとしては 「 他地域から報告されてくる情報を収集、分析した結果、一部兵力を全く無意味な方向に殺到させてしまい、したがって急いで引き戻さなくてはならない事が判明した 」 というような場面が該当するからである
極論で言うと撤退や遅滞では取り敢えず敵との遭遇が発生しているので、その時点で絶望的な不利が存在するとは言え曲がりなりにも兵力が効果的に利活用し得る条件が揃っている
しかし敵が全く進出してきておらず何らの抵抗を受けない地域に進出させてしまった以上、その部隊は何も役に立てる事はできないワケだから ある意味他より危険な状況である
- 遠方から本城に向かってくる
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