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右打ち教

Last-modified: 2019-05-17 (金) 02:34:59

片岡篤史が阪神タイガースコーチ時代に編み出した宗教。
フライボール革命」は邪教であり、(右打者は)とにかく右方向を意識しろが主な教義。
「セカンドゴロレボリューション」とも揶揄され、地獄が生まれた一因とされている。
 





概要 Edit

片岡は2010年に1軍打撃コーチとして入閣したが、2012年に打撃不振を理由に辞任。
そのため2015年オフに金本知憲監督が片岡を1軍打撃コーチに起用したことを疑問視する声もあったが、「(この間に打撃コーチを務めていた)関川浩一*1や高橋光信が何人もの選手を狂わせたから、彼らよりマシなら良い」という評価も付いていた。
 
そして2年間はコーチとしての勤めを果たすが、2017年の秋季キャンプで評価が一変。
この年活躍した中谷将大大山悠輔に対して「右打ちのススメ」を説き、ひたすら右方向へ打つ練習に取り組ませた
「引っ張るだけではなく、広角に打ち分けられるようになれば打撃の幅が広がる」という指導方針自体は一理あるように見えるが、
片岡のそれはやり過ぎるあまり「セカンドゴロゲッツーを打つ練習」と揶揄されるハメになる。
そんな経緯で片岡が阪神ファンを不安にさせる中、2018年のオープン戦を迎えるのだが…

2018年の阪神の打撃 Edit

2017年シーズン前半のロッテを彷彿とさせる超絶貧打ぶりを発揮。オープン戦で文句なしの最下位となったのを皮切りに、シーズンに入っても驚異的な貧打ぶりを見せつける。
6月中旬までは打率2割台であればマシという有様で、更にチームの四球数・三振数・得点圏打率・残塁数・併殺数もセでぶっちぎりワーストという惨状であった。

片岡直々に右打ちを伝授された中谷と大山は特に酷く、中谷は開幕から2か月近く二軍漬け、
大山は低打率のゲッツー量産機と化し一時期は規定打席未満ながらセ・リーグ最多併殺のトップを走る有様だった。
期待の新外国人であるウィリン・ロサリオも、オープン戦で早くも弱点を露呈すると5月下旬に二軍落ちするまで安打がほとんど出ない上に三振が非常に多く、さらに併殺数もこの時点ではトップ*2だった為、あの人再来と揶揄された。
 
この惨状に対して「片岡が極度の右打ちを指導したことに原因があるのではないか?」との声が徐々に巷で上がり始め、プルヒッター右打者たちの持ち味を消しまくるその指導に対して、読売ジャイアンツの村田真一ヘッドコーチ(当時)の「コンパクト教」に擬え「右打ち教」という言葉が誕生した。*3
 
そんな中、開幕以降二軍漬けだった陽川尚将らが二軍監督の矢野燿大や濱中治打撃コーチの指導のお陰で結果を残し一軍のカンフル剤となったこと、梅野隆太郎や大山が中村紀洋のYouTube上の打撃指導の動画を視聴し、それを参考に打撃フォームを修正し復調したことがあり、片岡の指導は二軍首脳陣は愚かYouTubeの動画にさえ劣るとみなされてしまった。

なお、片岡の指導には野球解説者たちも著しく低い評価を与えている*4

結局、右打ち教を蔓延させた結果チームの打撃成績は打率.253、長打率.361、出塁率.330、OPS.691*5で終わり、17年ぶりの最下位と言う地獄を招いてしまい、シーズン終盤は金本と片岡を非難する横断幕や苛烈なヤジが飛びながらも、翌シーズンも金本体制の継続は決定的であり片岡後任の一軍打撃コーチとして新井貴浩の阪神復帰が取り沙汰されたり和田一浩の名が上がっていた。
ちなみに当の片岡は二軍監督に配置転換が内定しており、翌年以降も右打ち教の継続が心配されていた。

右打ち教の終焉 Edit

しかし、この決定に不服だったのが、阪神の親会社である阪急阪神HD*6である。
同社は、株の値動きや毎年6月に行われる株主総会の情勢如何が阪神タイガースの成績で左右されると言っても過言ではない特殊な事情がある。
当然、オープン戦とペナントで最下位、交流戦もあわや最下位という一軍最下位コンプリート同然の暗黒期ばりの非常事態*7になってしまった事から、HD株の下落や来年の株主総会の泥沼化を見過ごす訳には行かなかったのか、最終的には電鉄本社を飛び越えHD本体がわざわざ介入する異例の事態となり、金本監督と坂井信也オーナーが揃って辞任。
片岡自身も打撃不振の責任を取り、10月14日付で阪神を退団するという結末で2018年シーズンは幕を閉じた。

その後、カンテレの解説者に復帰。その後もテレビ出演する度にコーチ時代の失敗がなかったかのように「右打ち論」の蘊蓄語りを繰り返すので関西方面の阪神ファンからすっかり呆れられ名誉外様認定まで受けてしまった。

以降 Edit

矢野燿大政権になり片岡に変わって二軍から一軍に配置転換された濱中は、再び大山と中谷に「右打ち指令」を出し阪神ファンを不安がらせた。

2019年春季キャンプから開幕当初に掛けては前年をも上回るさらなる超絶貧打*8に喘ぎ濱中や矢野への批判も高まっていた。しかし4月半ばから新人の近本光司木浪聖也がプロの水に慣れ大山らの状態も上がると共に打線の調子も上向き、5月までに早くも1試合5ホーマーを二度も記録したりするなど前年とは比較にならない状態になりつつある。
※2019年阪神の1試合5ホーマーの内訳
2019年4月18日ヤクルト戦:大山×2・中谷×2・近本
2019年5月15日巨人戦:糸井・福留・梅野・木浪・大山

右打ちコンパクトの元祖 Edit

和田豊*9は現役時代から右打ちを得意としコーチ時代から監督時代まで軽打や右打ちを推奨していたことは有名だが、ある時上本博紀が本塁打を放った時にカミナリを落とした時のエピソードについてこう述べたことがある。
 
「上本は勘違いをしている。幹になる選手、つまり外国人や金本新井のような選手はホームランを狙うべきだが上本のような小兵がホームランを打って喜んでいてはいけない。 枝となり葉となる選手にはそれなりの役割がある。ホームランよりもまずは塁に出ること。転がすこと。ランナーがいたら右に打つこと。ヒットでなくとも構わない。 私は現役時代、キャンプでホームランを打つ練習をした。それは「今日で長打は打ち止めだ」と自分を戒める為の練習だった。 身長や腕力など、身体的にどうしようもない事はある。しかし小兵は小兵なりの戦い方をするしかない。だからホームランの上本に雷を落としたのです。」
 
「フライボール革命」以降、小兵でも狙えるなら本塁打を狙うべきとする風潮からすればまさに時代錯誤であり、和田の考えは片岡よりも村田の考え方に近いものがあり和田を「右打ち教」「コンパクト教」双方の元祖とみなす向きもある。
なお当の和田本人は右打ち教に対して否定的なスタンスを取っていた模様。
ただし大山・中谷といったスラッガータイプ、和田が言うところの幹になる選手に右打ちを強要するのに否定的なニュアンスであったならば筋の通った主張ではある。
 
かつて金本は、解説者時代に名前こそ出さなかったものの暗に和田と村田真一の打撃論を批判していたのだが、自分が監督として率いたチームの打撃スタイルがまさしく和田のそれになってしまったというのは皮肉という他ない。

尚、片岡と村田が去った後は上述の関川が右打ちコンパクト双方の継承者になるのではという声も出ている。

関連項目 Edit






*1 現・ソフトバンク一軍打撃コーチ。
*2 二軍落ち前は三振・併殺・失策の裏三冠状態だった。
*3 そもそも片岡自身が典型的なプルヒッター(特に日本ハム時代)であったこともあり指導に疑問が持たれている。また引き合いに出されている村田コーチ自身も現役時代は「コンパクト教」とはかけ離れた低打率スラガガータイプだった。
*4 例:和田一浩「阪神のバッターがやけに右に右に打とうとしてる。だから硬くなってるんですよね」
*5 それぞれセリーグ5位、6位、3位、6位。OPSが6割代だったのはセリーグでは阪神のみ
*6 阪急阪神東宝グループの持株会社で阪急電鉄や阪神電鉄などの子会社を統括。ちなみに2006年の経営統合時には「阪急側は10年間タイガースの経営に口を出さない」と言う覚書が交わされていたが、10年経過後の積極介入が問題になっている。
*7 暗黒時代でも最悪の部類に入る1991年がオープン戦・ペナント双方でぶっちぎり最下位になっている。
*8 打率3割を超えていたのが梅野隆太郎のみという時があった。
*9 ちなみに和田は最多安打も記録した巧打者だった反面、併殺数上位の常連でもあった。