目次
生物学における「寄生」
- 生物学に於いて「一方には有益だが、もう片方は害を受ける」という関係を指す用語で
英語表記で「パラサイト」と呼ばれている。
現実世界では「寄生虫」と呼ばれる生物が有名だろう。
中には、寄生された側は最終的に命を奪われたり、一生を寄生生物に支配されたりするという
性質の悪い寄生生物も存在する
尤も共生の対義語という訳ではない。寄生は「共生という現象の中の1パターン」である。
- MH世界では、寄生する種はフルフルの幼体、フルフルベビーが挙げられる。
フルフルは生きたままのポポなどに卵を産み付け、フルフルベビーはその獲物の血液を吸って成長する。- 代表的な宿主(しゅくしゅ)にはヤマツカミが挙げられる。
ヤマツカミの身体中に生えている木や苔はヤマツカミから体液を吸い取って成長している。
しかし生態系を超越する古龍種だからなのか、ヤマツカミ側には特に害は出ておらず、
逆に木の方には大きな影響が出てしまっている。
この体液の影響を受けて育った木や苔は、それぞれ「龍木」、「龍苔」と呼ばれる。
- 代表的な宿主(しゅくしゅ)にはヤマツカミが挙げられる。
- 生物学的に言えば「寄生」も広義の「共生」のうちの一種ではあるが、
ことMHR:Sにおいては共生か一方的な寄生かの差が関わるストーリーが存在するため、
単に「共生」と言ったら一方的な寄生の関係を含まない事が多い。
関連項目
モンハンにおける「寄生」
- モンハンでは、PTに参加してもまともに狩りに参加せず、
他の人に倒してもらうのをひたすら待っているプレイヤーを指すことが多い。
“効率厨”と並んで、或いはそれ以上に、MHでは嫌われる存在。
- MHシリーズではごく一部の例外を除き、モンスターの不可侵エリアであるベースキャンプがある他、そもそも大型モンスターが居ないエリアに足を運ぶ事が可能になっている。
「寄生」と言われる典型的な例としては、以下のようなものが挙げられる。- ベースキャンプやモンスターがいない安全なエリアに移動して、そこから一切動かない(通称:BC待機)
- 大型モンスターの狩猟が主目的のクエストで、ターゲットと戦わずに採取している
- 小型モンスターを狩猟するクエストで、クエストクリアに関係無いモンスターばかり狩猟している
- 採取や運搬が主目的のクエストで、クエストクリアに関係無い物ばかり採取している
- BC待機は寄生として分かりやすいが、モンスターと同じエリアで走り回るだけで全く戦いに参加しないというパターンもある。
攻撃する機会がつかめないのか、はたまた仲間にバレないと思っているのかは不明だが、やっている事はBC待機と大差はない。
本人としては同じエリアで戦っているつもりなのかもしれないが、流れ弾が被弾して乙ったり、
ヘイトが分散して戦い辛くなる事を考えると、BC待機以上に悪質といえる。
- 協力プレイに反するこれらの行為は、了承を得ている仲間との狩りであればまだしも、
見知らぬ人とのマルチプレイでは絶対にやってはいけない。
もちろん、ローカル通信でもそういった行動をする場合、仲間にしっかりと許可を得よう。
親しき仲にも礼儀ありだ。
- 典型的な「寄生」プレイヤーは、モンスターを狩猟しても安全なエリアに留まっているのかと思いきや、
何故か剥ぎ取りにだけは真っ先に駆けつける。
楽して素材を手に入れるその姿はチートに近いものがある(「cheat:ズルをする」という元の意味でいえば間違いはない)。
- 「寄生」という呼ばれ方からも分かるが、基本的にこの行為は寄生される側に何一つメリットがない。
4人PTの場合に寄生が一人混ざると、単純計算で火力が3/4になっているため、25%の火力ダウンが発生してしまう。
これは「 4人PT全員に会心率-100%のバッドクリティカルが常時発生している」ということを意味する。
また、MHのシステムでは素材を横取りされるということはないが、
クエスト報酬金は分配制になっていることが多いため、実質的に「報酬金を横取りされる」という事態が発生する。
つまり、寄生するプレイヤーは他プレイヤーに対して一方的に負担を押し付けるため、嫌がられるのである。- 状況によっては、さらに大きなデメリットが発生することもある。
例えば3人PTで出発しそのうち一人が寄生だった場合、寄生者さえいなければオトモ2匹を連れていけたはずなので、冗談抜きにいない方がマシと言える。
クエスト出発後にキックアウトを行う事ができるシリーズでも、原則として状況は好転しないのも虚しい。 - MHWorldではマルチプレイ時は体力が2.2倍に増加する上、
怯み耐性や状態異常の耐性上昇量も同様の倍率がかかるシステムになっているため、影響はますます大きい。
さらに調査クエストで参加人数上限が2人の時に寄生プレイヤーにかちあってしまえば、
一人で無茶苦茶タフなモンスターとやりあうはめになるので、場合によってはクエスト達成自体が困難になるほど。
この仕様に批判が集まったためか、MHW:IではPT人数が増減するたびにモンスターのパラメータが再調整される仕様になった。
- 状況によっては、さらに大きなデメリットが発生することもある。
- 亜種として、アイテムを他人から(一方的に)貰おうとするというものもある。
「はちみつください」があまりにも有名だが、中にはレア度4以上のアイテムは受け渡し不可であることを知らないのか、モンスターの素材自体をねだるプレイヤーも居るようである。
- 上でも少し触れたが、身内での狩りで尚且つ他のメンバーが了承済みという前提であれば、寄生をしたところで咎められることはない。
装備の整わないプレイヤーを育てて他のメンバーと同等のモンスターに挑めるようにするなど、身内でそのような行為をする理由は色々あるだろう。
しかし、MH4以降のメインシリーズでのそういった行為は(身内のものも含め)、後ろ指を指されやすくなっている。
詳しくはこちらの記事を参照のこと。
- 寄生を行うプレイヤーの心理は図るべくもないが、これまた何故か
募集・指定文・部屋コメントを無視して突撃してくるケースが多いと言われている。
「仲間と遊んでいます」というコメントがあるにもかかわらず入ってくる場合すらあるほどである。
集まっているハンター達のランクの高さに寄ってくる(後述の「他力本願」も参照)のかは不明だが、
どっちにしても空気どころか日本語も読めないと言えるだろう。- 一例としては、
「○○の素材(採取素材など)が欲しい」
→「採取クエストがあるけど…どうせなら大型モンスターと一緒にいるときのほうがいい」
→「そうだ!クエストを受けて採取をしている間に、他の人に大型モンスターを倒してもらおう!」
→「どうせなら高HRの強い人のパーティーに参加しよう!」
……などと考えているのではないかと言われている。
- 一例としては、
- 線引きが難しいものとして、「一人では勝てないから手伝ってもらおう」や「自分では勝てないから倒してもらおう」というものがある。
BC待機のような極端な例ならともかく、大型モンスターの周りでウロチョロしている場合は見分けがつきにくい。
どのような思いでそういう行動をとっていようが「足手まといになっている」のは間違いなく、
それを理由に退室を促したりキックアウトをするのも自由であるが、
前者のような発想のプレイヤーはまじめにやる気は(恐らく)あるので丁寧な対応をしたいものである。
このクエストは楽勝だろうと自分が思っても、必ずしも相手にとってはそうでないという点にも留意したい。
過度な要求をしているつもりはないのに他者から効率厨や性格地雷と指摘されるような場合は、
このような認識のギャップが少なからず存在する。
他力本願
- 寄生の種類の一つで、彼らの心理を説明する際に用いられることが多いフレーズ。
一言で言えば「上手い人に(手強いモンスターを)倒してもらおう」というものである。
- メインシリーズではそもそものコンセプトとして、
一人では厳しいが協力して挑むことで楽になることを実感できるというものがある。
だがこれを曲解して「一人では厳しいので他の3人に倒してもらう」
というのが他力本願の最たるものと言える。
- 厄介なのは、メインシリーズでは「3人ではクリアできないが4人ではクリアできる」
という性質のクエストは基本的に存在しないため、
「1人では厳しいので他の3人に倒してもらう」をやろうと思えば割と簡単に出来てしまう事が挙げられる。
だが、同じ事を4人が考えていたらクエスト達成できないのは当然の話であり、
そういう意味で他力本願ではクエストはクリアできない事を認識しておく必要があるだろう。
- また、よく分からない事(素材の手に入る場所等)をチャットで聞いてくる人も多い。
分からない事を他人に聞くという行為そのものはゲームの趣旨から外れてはいないのだが、
インターネットで検索すれば大概の事がわかるこのご時世で、
ほんの2~3分で誰でもすぐに調べられてしまう事さえも調べようとすらせず、
ゲーム上で行うのは疑問符がつかざるを得ない。
近年ではSNSの発達もあり、調べるだけでなく聞くこともできるようになったのでなおさらである。
特に3DS作品ではチャットの入力もしにくく、余計に時間もかかる。- 3DS作品においてネットゲームのような「目の前の箱はなんだ?」の理屈を押し付けるのは少々無理があるので、
「ネットで調べてみたら?」などとアドバイスをすれば良いだろう。
また、現在ではほとんどのハンターがスマートフォンを持っていて、逆にパソコンはないというパターンもある。
「目の前の箱はなんだ?」から、「手元の板はなんだ?」に時代が変わっているかもしれない。- 集会所に来ていきなり「アレ何処?」とか聞いてくるようなアレならばアレだが、
自然な流れで素材が必要になって聞かれたときなどは邪険にする必要もないので
答えられれば教えてあげても良いだろう。
- 集会所に来ていきなり「アレ何処?」とか聞いてくるようなアレならばアレだが、
- 3DS作品においてネットゲームのような「目の前の箱はなんだ?」の理屈を押し付けるのは少々無理があるので、
- MHFではチャットコミュニケーションによる攻略手段の模索が現在でも精力的に行われているが、
それはあくまで猟団、仲間内、ある程度交流が取れた同一PT内などの限定された空間内での話であり、
最大1000人のプレイヤーが同時に閲覧できるワールドチャットでの質問行為は推奨されない。
ワールドチャットは主にPT募集に用いられているものという側面もあるが、
とにかく誰でもいいから答えを教えてくれという姿勢
(俗に言うマルチポストと呼ばれるマナー違反行為に近い)が嫌われる要因となっている。
また、そのMHFでは「他力本願さが前面に出ている募集文」も敬遠されやすい。
例えば「経験者ココ!*1」「強い人or乙しない人ココ!」といったものや、
「(無双襲撃戦など、超高難度クエストに対して)手伝ってください」といったもの、
「お手伝いさん来て」と依存心が強そうかつ妙に偉そうなものなどが挙げられる。
また、後述するとある問題の後は「討伐代行してください」という、
他力本願どころではないレベルの募集文が見られるようになり、こちらも激しく敬遠されている。
- 他には、頼んでもいないのにモンスターを召喚してくれるクルペッコ(特に亜種)も、
揶揄をこめてこう呼ばれることがある。
クルペッコにしても自身の物理攻撃でハンターを攻撃できるため、厳密には他力本願ではないのだが。
定型文チャットで行う対策
- 基本的に一切戦っていないタイプの寄生については、
クエスト中にチャットでそれとなく注意を促すのが望ましいといえる
(急な電話など、トラブルが発生して動けなくなっている可能性もある)。
だが、MH4~MHXXではクエスト中に定型文以外のチャットが打てない上に、
標準の定型文にはそのような注意ができる文章が備わっていない。
このため、過去のメインシリーズ及びMHFと比較し、デフォルトでは
「相手に問題があるかもしれない」と感じたとしても、そのようなプレイヤーへの対策は困難である。
- ただし、定型文を自作することは上記シリーズでも可能なため、
寄生への注意喚起の定型文を予め用意しておくことで、
問題のあるプレイヤーがいても何もできないという事態を防げる。
寄生対策の定型文の例を挙げると- アイコンの色は赤、青、緑、黄色の4種類なのでその数だけ用意して
「アイコン〇色の方」の後に
→「どうされましたか」(攻撃しない、別エリアで動かないタイプの寄生かなと感じた場合)
→「戦闘に参加していただけますか」(上記の反応が無ければ更に)
という工夫ができる。
様々な定型文に派生できるので、派生先を準備していれば役に立つ場面は多い。
ただ指摘をする際は思い違いに注意。
自分の知識が足りないだけで、相手が最適な選択をしている場合もある。*2 - アイコンの色は赤、青、緑、黄色の4種類なのでその数だけ用意して
「天廊の番人討伐」代行
- かつてMHFにて発生していた事例。
「他力本願」の項で述べた通り、MHFでは「他力本願さが前面に出ている募集文」は敬遠されやすく、
大抵の場合は人が集まりにくいか、集まっても碌な事態にならないと言われていた。
ところが、このタイプの募集で
「参加者(寄生される側)にも極めて強いメリットが享受される」という状況が発生してしまい、
この是非についてネ実などで長い間大論争を巻き起こすことになった。
- この事態は、かつてMHFで開催されていた天廊遠征録において、
一定条件を満たすことで出現する天廊の番人討伐クエストにて起こったものである。
そもそも天廊の番人自体は専用素材や討伐で作成できる武具がないのだが、
代わりに討伐報酬として「天廊石」が入手できる。
この天廊石には番人の討伐でのみ入手できるスキルの石もあり(入手できる石の全てが討伐限定の石ではない)、
また、番人自体が当時のMHFにおける最強クラスのモンスターであり、
天廊遠征録が実質のエンドコンテンツに相当していたMHF-G9頃までは、
強力な天廊石、もしくは番人の討伐自体を目当てに多くのプレイヤーが番人に挑み続けていた。
- 一方、番人の出現条件はランダム(低確率)、もしくは天廊遠征録の進行度を40階層まで進めるかのどちらかしかなく、
1回受注すると成否とは無関係にクエストが消えてしまう。
また、天廊遠征録の階層を進めるというのはいわば「ランダムダンジョンの探索」であり、
狩りとはあまり関係ないということで、(特に番人討伐をメインにしたい層からは)賛否が分かれていた。
そして先述したとおり、番人自体の強さから同作を相応にやり込んだハンターでも討伐は容易ではなかった。
- この結果、天廊遠征録実装から半年ほどが経ったMHF-G8頃にとある現象が生まれることになった。
簡単に言えば、
番人は倒したい(ソロで倒せる)が、狩りと無関係な天廊を進めるのは億劫である人と、
強力な天廊石は欲しいし天廊を進めるのに苦はないが、番人が倒せない人、
この両者の利害が一致したのである。
これによってMHF-G8頃より「番人討伐代行お願いします。主扉前待機」、
「番人討伐代行します。扉前待機も可」という募集が天廊遠征録の開催中に広く見られるようになった。- 扉前待機というのは、いわゆるBC待機に近いものであり、
番人戦においては一旦全員が「準備フロア」に移動し、
その準備フロアで「番人との戦闘エリアに移動」か「番人とは戦わずに撤退する」かを選ぶことが出来る。
そして、参加しないプレイヤーが準備フロアに待機することで、番人との一切の戦闘を経ずして、
番人を討伐してもらいクリア扱いになるということである。
- 扉前待機というのは、いわゆるBC待機に近いものであり、
- これだけであれば双方にメリットが齎される募集であると言えるのだが、
その性質としては先述した「敬遠される他力本願募集、もしくはそれを積極的に推奨する募集」に他ならず、
「寄生」や「養殖」を是認するような風潮は如何なものかという論議になった訳である。
しかもこの募集が流行りだしたことで、先述した「討伐代行してください」という募集が、
あろうことか代行者に何のメリットもない普通のクエストで平然と行われるようになり、
その点でも物議を醸すことになった。
当然、そのような募集はほとんど見向きもされなかったが…。- また、これらが「手伝ってください!」や「募集主練習中ですがやりませんか?」等であれば、
前者はやや他力本願感は否めないとは言え、過去にも例があり、それ自体は問題にはならなかった。
一方これらは完全に「寄生させてくれ」「寄生させてあげる」という風に捉えられかねない募集であり、
それが故に強く問題視されるようになったと言える。 - この募集は一見すると寄生する側に圧倒的なメリットがあると言えるが、
実際は寄生される側(代行者)の方に圧倒的なメリットがあると言える。
何故なら、億劫な階層を進める必要も無く、募集さえあればやり応えのあるモンスターと即座に戦え、
しかも倒せれば強力な天廊石が手に入る可能性があり、
おまけに自分で寄生させる人を選べる為、
寄生が居た時にありがちな「寄生の望まぬ突撃」は100%回避できるからである。
一方の寄生する側は、番人を確実に、又は速く倒せるかは参加者次第であり、
クリア後はもう一度、短時間ではできない一定階層を踏破する必要がある。
そしてそこまでして、確実に強力な天廊石が得られるとは限らない。
勿論、自分は何もせずともクリアできることに強いメリットがあるといえばそうではあるが。
- また、これらが「手伝ってください!」や「募集主練習中ですがやりませんか?」等であれば、
- MHF-G時代には、天廊遠征録のシステムそのものの欠陥が上記の問題を起こしたとも言われていた。
それは主に以下の3つである。- 1つ目は「簡単に待機が出来てしまう」こと。
「番人に挑むか撤退するか」はプレイヤーごとの選択となる上に、
撤退せずに準備部屋で待機していても何一つペナルティはない。
これはいわゆるBC待機と本質的には変わらないが、それまでのMHFでは高難度クエストにおいて、
BCではなくモンスターエリアから直接スタートする*3ものが大半だったため、
天廊遠征録のシステム上モドリ玉を持ち込めない事から、
他の高難度クエストと同一仕様であれば何の問題もなかったという声が当時は多かった。 - 2つ目は「遭遇頻度」。
先述したように番人はランダム又は40の倍数となる階層へ到達する度に出現するのだが、
言い換えれば常に戦えるという訳ではない。
常に戦える、もしくは高頻度で遭遇できるのであれば、
このような問題は起こらなかったであろうという声が多かった。- なお、元々番人自体が「倒すこと自体に意義がある、チャレンジ性の強いコンテンツが、
偶発遭遇のみではなく確実に挑めるタイミングでも登場する」という性質であったが、
時間の経過と共に一部の上級者ハンターから
「番人と戦えることが天廊の恐らく唯一の意義」と捉えられるようになった*4と言える。
- なお、元々番人自体が「倒すこと自体に意義がある、チャレンジ性の強いコンテンツが、
- 3つ目は「基本的に番人討伐でしか出ない天廊石がある」事。
これは公式でもある時期より明言されるようになったが、
一部の天廊石は番人を討伐する、又はG8より追加された「天廊石の再生」で極稀に出現する以外で、
通常入手の手段がない天廊石が存在する。
宝箱から極低確率ながら出るという設定であれば、
少なくとも討伐できないユーザーは天廊を登りまくって入手を目指し、
腕に自信のあるユーザーは番人に挑み、宝箱よりはマシな確率で入手を目指すという、
棲み分けができ、この問題は発生しなかったであろう、
つまりこれこそが最大の問題点であると当時は指摘されていた。- 番人討伐限定の天廊石は、「剥ぎ取り名人」や「真根性」など、
強力な火力スキルや、天廊武器を使う上で必須と呼べる性質のものが殆どない*5。
だが当時の界隈では「番人を倒したほうが良い天廊石が得られる」と盛んに喧伝されていた事は事実で、
良質な天廊石を得るには番人討伐が必須という風評が出たのはある意味致し方ない。
- 番人討伐限定の天廊石は、「剥ぎ取り名人」や「真根性」など、
- 1つ目は「簡単に待機が出来てしまう」こと。
- MHF-G8では先述した「天廊石の再生」で番人討伐限定の石が稀に出る、
つまり番人を倒さなくても討伐限定の石を得る手段があることが喧伝され、
よってこの事実が広まるにつれ、代行される側が
「代行してください」と募集することの是非は厳しく問われていくものと思われた*6。
一方、代行する側にとっては上記の点は考慮材料に値せず(そもそも倒す事に意義があるとする人も多かった)、
「代行してください」募集への需要は極めて根強く、賛否の議論は決着が付かなかった。
- MHF-G10では天廊遠征録が改修のため配信停止となったが、
その間に何度か「番人戦限定」の遠征録が配信されている。
そちらでは番人と確定遭遇できるという関係上、「代行してください」募集の需要が消滅し、
この募集は見られなくなった。
- MHF-Zでは天廊遠征録が上記の仕様のまま復活したが、
Z初期では辿異武器と辿異種・極み個体がブームとなり、番人戦と天廊武器はあまり注目されなくなった。
その為、各プレイヤーがこぞって天廊の番人に挑む構図がMHF-Zの配信再開後は見られなくなった。
また、番人自体は自身は肝心の天廊武具の強化に全然関わっておらず、
これらの強化を最重要視するのであれば番人を無視して階数を重ねたほうが良いとされ、
開催期間が長く取られるようになったことで番人戦自体も重視されなくなった。
- MHF-Z 10周年アップデートでは天廊遠征録が廃止され、
番人戦は後継コンテンツ「狩煉道」に引き継がれている。
狩煉道自体強敵モンスターの連続狩猟が必須なコンテンツで、
それをある程度進めることで番人クエストが出現するという仕組みになっている
*7。
しかも天廊石は全ての種類が番人討伐限定でしか出なくなり、
準備フロアでの遭遇仕様も一切変化なし、天廊武器の強化については複数のコンテンツが絡み楽になった
ことで番人のみに注力しても問題なくなったという、G8時代と比較すると
「番人代行」の重要性はむしろ大幅に上昇するという改悪とも捉えられかねない仕様になった。
だが、このコンテンツにて「番人討伐代行」募集は全くと言っていいほど流行っていない。
番人討伐自体はそれなりに行われている事がオフラインイベント等で明らかになっている。- 最大のポイントは「番人クエストを出すための条件」が大きく変わったことにあると言える。
NPCや各種コースに頼れない状況での強敵モンスターの狩猟をひたすら行うという、
決して楽ではない出現条件になった事と、
番人を倒せる(倒したい)プレイヤー層のニーズと、厳しい条件で強敵が立て続けに登場するという、
本コンテンツのニーズが概ねマッチしており、先述した
「狩りと無関係な天廊を進めるのは億劫であるが、番人は倒したい」
「天廊を進めるのに苦はないが、番人は倒せない」という考えが狩煉道では出てこなかったものと見られる。 - 上記を総評すると、「番人代行募集」が生まれたのは細かいシステムや素材面が理由だったというよりは、
「強豪モンスターと戦いたい」いう欲求を果たすために「狩りとは殆ど関連しない要素」
をひたすら進めなければならないというアンマッチから
「寄生であろうと環境(番人戦)を提供するだけで価値がある」
と認識された事こそが最大の理由と言えよう。
また、このアップデートの前に特定条件下でしか出現しないモンスターが登場している。
そちらはG級初心者からベテランにとって強い魅力のある素材が入手でき、
理論上は番人同様の代行募集が可能であるのだが、
このモンスターに対する「代行募集」は全く見られなかった。
この事からも、単にシステムや素材面だけでは「代行募集」が生まれない事を意味していると言える。
- 最大のポイントは「番人クエストを出すための条件」が大きく変わったことにあると言える。
余談
- 「他力本願」というのは、元々は仏教の一宗派である浄土宗の用語であり、
本来は「阿弥陀仏が衆生を救済する本願のはたらき」という意味の言葉である。
他力は「仏や菩薩の加護」、本願は「仏や菩薩が衆生を救済するために起こした誓願」(明鏡)。
簡単に言えば「阿弥陀仏の、衆生を救いとるというはたらきの力をもって、はじめて救われる」という思想である。
つまり、我々が普段使っている他人任せにするという使い方は誤用で、
どちらかというと適材適所の謙った言い方というのが意味合いとしては近い。- この「他力本願」という言葉が全く誤った使い方をされていることについては、
浄土真宗を信仰する僧侶自身などは、両方の意味を知っているのでよく把握しているのだが、
あくまでもこの言葉については浄土真宗の思想の根幹を為す重要語の一つであるため、
状況によってはあまり悪い意味で濫用しないほうがいい言葉なのは間違いない。
好ましくない場合には「他人任せ」などに言い直しておけば問題ない。
- この「他力本願」という言葉が全く誤った使い方をされていることについては、
- MHFのオリジナルモンスタークアルセプスを50頭狩猟したときも、この称号を得ることができる。
クアルセプスは雨や太陽の力を借りて攻撃を仕掛けるのが得意だからかもしれない。
つまりあえて悪く書くならば、
クアルセプスは太陽や雨を利用しなければまともに強力な攻撃が行えないということである
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