世界観/共生

Last-modified: 2023-11-14 (火) 13:54:27

目次

概要

  • 共に生きること。他種の生物同士が相互関係を持ちながら同所的に生活すること。
    共生には、大雑把に分けると以下の種類がある
    • 相利共生:両方に利益がある
    • 片利共生:片方には利益があり、もう片方には利益も損害も無い
    • 片害共生:片方には損害がある、もう片方には利益も損害も無い
    • 寄生:片方には利益があり、もう片方には損害がある
    • 中立:双方が利益を得ず、害も被らない
    • 競争:双方が害を被る
    但し、利益と損害の両方がある、細かく考えないと分類出来ない、個体によって差がある、
    そもそも関係性が証明できないなど、これらの分類に当て嵌まらないものもある。
  • 現実世界の例を上げると…
相利共生
各種のイソギンチャクが有名。
魚類のカクレクマノミは有毒のイソギンチャクを迎撃装置つきの隠れ家として利用しつつ
動けない*1イソギンチャクはカクレクマノミの食べ残しや取り置きの餌のおこぼれを貰う。
また、ヤドカリの一種は背負った貝殻にイソギンチャクをくっつけることで敵を近づけない防具にし
殻につけられたイソギンチャクは移動能力を得るという共生関係も見られる。
片利共生
コバンザメと大型魚類の関係が有名。
コバンザメは、大型魚類と行動を共にすることで、捕食者から身を守ってもらえる。
一方、大型魚類はコバンザメが一緒に行動することで何ら利益を得ることはないが、
かといって大きな損害を受けることも無い。*2
寄生
下記の関連項目を参照。

MH世界における共生

  • MH世界では以下のような事例が見られる。

人間と小型モンスター

  • アプトノスポポガーグァなどの一部の小型モンスター種はいわゆる家畜として人間の生活圏内で生きている。
    その体躯で労働力として人間のために働き、時には食用として命を落とす個体もいるわけだが、
    知能と技術で自衛能力を発達させた人間と帯同することで天敵となる肉食動物の脅威からは守られる。
    また、雌雄の出会いや安全な出産場所の確保、幼体の育成なども人間が手助けすることで、
    出生率や成長に成功する確率も大きく上がるため、食用で命を落とす分を差し引いても
    種族全体として見れば、野生で独立している時よりもずっと生存率が高い生活様式となる。
    また、アイルーや、チャチャカヤンバなど一部の奇面族も
    人間と共生関係にある個体と言え、ハンターにとって一番重要な“狩りにおける戦力”になれるほど、
    高度なコミュニケーションを取れる関係が生まれている。
    • 家畜化できるモンスターとして重要なのは飼育の手間に見合った見返りであり、
      労働力や素材を得られつつ、餌を管理しやすい草食性で、繁殖させやすく攻撃的でない種が選ばれることが多い。
      いくら力が強かろうが有益な素材が採れようが、
      飼育や安全管理のコストが上回るであろう大型飛竜などは
      調教すれば飼い慣らすことも不可能ではないにしろ、
      とても一般の生活や経済に組み込める域には達していない。
      現実でも、シロクマやアジアゾウを毛皮などのために家畜化した牧場が存在しないとの同じようなものである。
    • 家畜というほど高度な一体化ではないが、社会的な生態を持つ一部の小型モンスターに関しては、
      モンスターの言語をある程度理解できる獣人族を通すことで友好関係を築くことは可能
      これも高い異種族間コミュニケーション能力を持つ獣人族との共存から得られた成果と言えるが、
      そのコミュニケーションを受け入れられる小型モンスターの個体に限ったものなので、
      種族レベルの共存や家畜化とは、また少し異なる。
    • 猛禽類型のホルクやオオカミ型のガルクは(おそらく)肉食性で攻撃的でもあるが
      人間の指示を理解するレベルの知能や、人間が経済的に賄える程度の飼育コストという条件をクリアしているため
      繁殖から飼育、人間と協働するための調教などが実現しているモンスターである。
    • 派生作品を含めると、一部の地方ではそんな大型モンスター達を手懐けて
      ハンターの戦力とする方法が確立されている。
      また人里離れた地には、大型モンスターと共に生きる社会が存在しているといわれている。
  • また、猟虫導蟲翔蟲など、有用な虫を育てて狩りに利用している事例も多く見られる。
    いずれの種も専用の職業についている人間が繁殖させている描写があり、
    少なくともハンターが利用しているものは飼育された個体であると見られる。
    ただし、導蟲や翔蟲は野生の個体の存在が言及されており、
    カイコのように飼育下でなければ生きていけない、
    というほど人間に依存している訳でもないと思われる。

ナバルデウス(及びその亜種)と発光バクテリア・共生藻

  • ナバルデウスの体表には大量の発光バクテリアが棲息しており、
    ナバルデウスはこのバクテリアを使って発光の度合いを強めているようである。
    また、ナバルデウスは体に生える鎧毛に大量の共生藻を養殖している。
    共生藻はナバルデウスが呼吸することで生じた二酸化炭素や発光バクテリアが発する光を使って
    光合成を行い、一方のナバルデウスは共生藻が光合成で作り出した酸素を使って呼吸を行う。
    これにより、ナバルデウスは数日間(一説によれば数ヶ月)は海面に顔を出さなくても
    水中で行動することが可能だという。
    これは分かりやすい相利共生の例であり、ナバルデウスは共生藻と発光バクテリアによって長期の潜水を、
    共生藻と発光バクテリアはナバルデウスの広大なテリトリー内での効率的な繁殖・安全な住処を得られる。
    なお、ゲーム中ではこれらのことは言及されていない。モンスター生態図鑑で明らかにされた設定である。

ジンオウガと雷光虫/ジンオウガ亜種と蝕龍蟲/ジンオウガ不死種と幽命虫

  • 雷光虫は、圧倒的な強さを誇り且つ天敵のガーグァを捕食するジンオウガの身体に取り付くことで、
    自分達を捕食する生物から身を守ってもらっている。
    この際、ジンオウガ自身の持つ発電能力の影響で「超電雷光虫」と呼ばれる活発な状態になる。
    一方、ジンオウガは自分の発電能力に雷光虫の発電能力を重ねることで、
    自身の能力を更に引き出すことができる。
    ハンターなどの外敵に出会った場合、隙あらばジンオウガは雷光虫を呼び寄せ、電力をチャージする。
    また、時には自分の電力で活性化させた雷光虫を飛び道具として発射し、攻撃の手段として利用する。
    • 極限状態のジンオウガについては狂竜ウイルスの影響が雷光虫にも及んでしまうらしく、
      取り付いた雷光虫は非常に強大な電力を有する一方で、
      宿主から離れた個体に関しては比較的早く寿命を迎え自爆してしまうようになる。
    • 金雷公ジンオウガヌシ・ジンオウガと呼ばれる、
      特殊なジンオウガに呼び寄せられた雷光虫も通常以上に活発となるが、
      こちらは宿主の行動によって「重雷光虫」と呼ばれるさらに特殊な状態になることがある。
  • ジンオウガ亜種も、蝕龍蟲という甲虫と共生関係にある模様。
    だが、蝕龍蟲もまたジンオウガ亜種の発見とともに確認された甲虫であり、
    蝕龍蟲自体が未だ不明瞭な点の多い生物であるため、なにが目的でジンオウガ亜種と共生しているのかは不明。
  • ジンオウガ不死種は雷光虫に加え、幽命虫と言う不死虫の一種との共生関係にある。
    宿主は幽命虫の持つ強い生命力を活かした圧倒的な自己回復力を活かした戦い方をするが、
    幽命虫の方に関しては詳細は不明であり、その生態や共生の目的に関してはよく分かっていない。
    MHXRがサービス終了を迎えてしまったため、今後明かされるかも怪しい。
  • MHSTシリーズのジンオウガたちは大雷光虫大蝕龍蟲と呼ばれる突然変異を起こした甲虫とも共生している。
    宿主であるジンオウガたちが帯電(帯龍)したり、特殊な鳴き声で鳴いたりすることで甲虫を寄せ集め、
    共通の外敵に対し協力して戦うと言う、極めて合理的かつ危険な戦い方をしてくる。
    ジンオウガ亜種に至っては呼び寄せた大蝕龍蟲を吸収して自身の体力を回復させる術も持つが、
    大蝕龍蟲はそのような使われ方をされてもジンオウガ亜種を恐れる様子はなく、別個体が次々集まってくる。
  • ジンオウガ科のモンスターは討伐若しくは落とし穴で捕獲された場合に、
    共生関係である甲虫が背中から飛散することから、
    宿主であるジンオウガたちが帯電(帯龍)している時にのみ発生する“何か”が
    共生する甲虫たちの目的だと考察することもできる。
    また、通常種と共生する雷光虫は捕食者から身を守るために宿主に取り付いているため、
    その宿主が死んだのならさっさと退散するのは当然とも言える。

ドボルベルクと苔

  • ドボルベルクは甲殻をあまり持たず、自身を防御する術が少ないので、苔を纏い、
    これを緩衝材として外敵の攻撃から体を守る。
    また、苔はドボルベルクの体から養分を受け取り成長、繁殖を行う。

ブラキディオスと粘菌

  • ブラキディオスの頭や腕の甲殻には空洞があり、ここに多量の粘菌を溜め込んでいる。
    粘菌は自力では殆ど動くことができないため、
    ブラキディオスの攻撃力を増強する手段として自らを使わせる代わりに、
    身を守ってもらいつつ、広範囲を移動し爆散して生息域を広げている。
    なお、粘菌は胞子としてばらまかれた後はブラキディオスに触れるまで休眠状態となる性質を持っている。
    また、ブラキディオスは腕の粘菌を活性化させる際に腕を舐め回す動作を取るが、
    唾液に粘菌の餌となる成分が含まれているのではないかと推測されている。

ガムートとポポ

  • 成体となった巨獣ガムートは外敵を容易に寄せ付けない戦闘力を誇るが、
    小さな幼体の時点では外敵に襲われることも少なくない。
    このため子育て中のガムートは基本的に母と子の二頭で生活を送り、母が子を守るのだが、
    一時的に親子ともども草食種のポポの群れに混ざることがある。
    その際、母親は子供を群れに紛れさせてもらう代わりに、ポポたちを外敵から守護する。
    ポポはガムートの庇護を受けることで強大な肉食竜から身を守ることができ、
    ガムートの幼体はポポの群れに混ざることで身を隠すことができる。
    非常に珍しい「異種モンスター同士の相利共生」の事例である。

キュリアとガイアデルム/メル・ゼナ/傀異克服古龍

  • ガイアデルムはエネルギーを求め地中を移動し、巣を作る場所を決めると大穴を開け、
    無数のキュリアを放ち周囲のモンスターの精気を吸収させ、自らの元に帰還させることでエネルギーを得る。
    キュリアは自身が持つ毒に高い耐性をもつガイアデルムの肉体を利用することで繁殖を行う。
  • メル・ゼナとキュリアの共生関係については、キュリア本来の生態を逸脱した特例である。
    ことの発端は本編から数百年前、ガイアデルムの選んだ新たな土地に、メル・ゼナが縄張りを構えていたことに始まる。
    2頭の古龍は激しい縄張り争いを繰り広げるも決着が付かず、
    両者は互いの領域へと退くことを余儀なくされたのだが、
    ガイアデルムはこれに業を煮やしたのか、本編の50年前に大穴を穿ち、
    その場に駆けつけたメル・ゼナへキュリアを放って宿敵の弱体化、ないしは殺害を試みた。
    しかし、その思惑とは裏腹にメル・ゼナはキュリアの脅威を克服・制御し、
    なんと後天的に共生関係を習得する事となったのである。
  • メル・ゼナはキュリアを使役し、周囲の生物から吸収した精気を自身に献上させるほか、
    キュリアの持つ毒を自らの力として行使するという驚きの適応力を発揮している。
    キュリアの方は使役されながらメル・ゼナの精気も吸って餌としており、関係としては相利共生であることが明言されている。
    • メル・ゼナから離れるキュリアは活発化したような印象も観察されているため、
      本来の相手であるガイアデルムと共生している時に比べると、
      キュリアの側には何らかの制限や不都合が生じていたのかもしれない。
  • カムラの里のハンターと王国騎士達との交戦によりそれまでの宿主達を失ったキュリアは、
    様々なモンスターへの寄生を試みた末に新たな宿主と共生関係を結んだ。
    それが傀異克服オオナズチに代表される傀異克服古龍である。
    ガイアデルムやメル・ゼナと異なり表皮上にキュリアが直接貼りつく様子はないが、
    メル・ゼナと同様にキュリアの力を完全に我が物としており、寄生ではなく共生関係へと移行している。
    • なお、設定資料集が発売された現在まで、
      傀異克服古龍とキュリアがどのような共生関係を築いているかは明言されていない。
  • なお、キュリアとメル・ゼナ、ガイアデルム、傀異克服古龍は、
    珍しく作中のキャラの口から「共生関係にある」ことが明言されている。
  • 一応、ハンターもキュリアと共生することは不可能ではない。
    詳細はこちらを参照のこと。

グレンゼブルと草食種モンスター

  • 非常に凶暴な性質のグレンゼブルは、積極的に立ち向かい来る外敵のみを襲うという特異的性格を持ち、
    温厚な高地の草食種であるブルックエルぺを襲うことはないため、共生関係にあると言える。
    なお、草食種はグレンゼブルの威によって結果的に他の肉食性モンスターから身を守れる形となり、
    グレンゼブル側には特にメリットもないように見えるため片利共生とも取れるが、視点を変えると
    グレンゼブルさえ意に介さず草食種に襲い掛かる強者を誘き寄せる餌になっている可能性もある
    草食種を完全に無視して、グレンゼブルだけをピンポイントで狙うモンスターの方が珍しいからだ。
    何れにしても共存し、片方だけでも利があると言える時点で広義の意味での共生には間違いない。

タイクンザムザとコナマキダケ

  • 潮島で確認された甲殻種タイクンザムザは、コナマキダケというキノコと共生関係にある。
    タイクンザムザはコナマキダケの菌糸を利用して岩を自身の甲殻に吸着させたり、
    更にコナマキダケから発する粉(恐らく胞子だと思われる)で敵の視界を遮って奇襲を仕掛けるなど、
    コナマキダケを攻防の手段として利用している。
    対するコナマキダケの方も、タイクンザムザにくっつくことで、居ながらにして
    あちこちに移動することが可能となり、生息域を広げる上で有利になると考えられる。
    しかしタイクンザムザは潮島の洞窟から外に出た様子がないため、
    コナマキダケが生息域を広げられているのかは定かではない。
    もしくは、下層から上層に上がるにつれ甲殻が重なるタイクンザムザの生態から考えると、
    下層に存在するコナマキダケが上層で光合成などを行うことを目的としている可能性もある。
    もしかしたらコナマキダケ自体が別の地方のキノコで、タイクンザムザとともに潮島にやってきた……
    とも考えられなくもないが。

イナガミと竹

  • 竹林にて発見された古龍種イナガミは、
    調査によってイナガミが棲む竹林と共生関係にあることが判明している。
    イナガミは竹林の植物、つまり竹を自在に生長させる能力を持ち、
    一方で竹林の地下茎(つまりタケノコ)に尻尾を擬態させ、獲物を捕らえる事が知られている。
    また、イナガミは竹林の竹を己の武器としても活用することができ、
    文字通り地の理を活かした戦いを行うことができる。
    竹林側がイナガミと共生することによる明確なメリットは不明であるが、
    タケノコを捕食しようとする外敵からの保護・植物を自在に成長させる能力から、
    イナガミが竹林自体の繁栄・維持管理に貢献しているのかもしれない。

余談

  • 家畜の条件は、人に馴れる・餌の確保が容易・飼育下で安定した繁殖が可能なことで、
    動物園の動物の大半はもちろん、商業下にあってもこれらの条件を1つでも満たさない生物、
    例えばワニやイルカ、アジア象などを家畜と呼ぶことはできない。
    • 逆に言うとこの条件を満たしている生物は基本的に「家畜」と言えるため、
      「家禽」とも呼ばれる鶏のような鳥類はもちろん、蚕や蜂などと言った昆虫も含まれる
  • 現状、安定した飼育・家畜化がなされているモンスターは、全体のうちの一割にも満たない。
    やはり強靱で活力に溢れるモンハンの生物は飼い慣らし辛いのか…と思うかもしれないが、
    何気に現実でも、数千種もの動物うち、僅か数十種しか家畜化に成功していないのだ
    アプトノス、ポポ、ガーグァ、ムーファ、プーギーメルノスハチ猟虫など、
    むしろモンハンシリーズでは多様な家畜が確認できるので、畜産に関しては恵まれていると言える。
    • なおライダーについては卵を自然から採取して孵化させている描写が殆どで、
      ハンターが大闘技会で使役するモンスターも捕獲した野生の個体のため、
      前述した条件に当てはまらないことから、少なくとも現実の基準では「家畜」とは見做せない。
    • ちなみに、現実世界のアフリカに生息する動物は凶暴すぎるが故に家畜にできないとされており、
      実際ダチョウとホロホロ鳥という例外を除けばアフリカで家畜化できた動物は居ない。
      家畜化の難しさは、アフリカにゾウやシマウマに騎乗する文化が無いことからもうかがえる*3
      とは言えヌーやシマウマ、レイヨウなどは粗食に耐え病害にも強いことから、
      今なお家畜化のために研究や実験的な飼育が続けられている。
  • 本項では、主にモンスターを中心に据えて説明が為されているが、
    竜人族土竜族、など亜人同士や亜人と人間の共生と言う関係も多く存在する。
    そもそもヒト型の種だけを他の生物から切り離して共生を論じる必要性は無いわけで、
    亜人を含み、ヒトは特に多くの共生関係を形作る能力を持った生物の一種だとも言える。

関連項目

ゲーム用語/寄生 - MH世界における寄生の記述あり


*1 ゆっくりと這い回れるイソギンチャクもいるが
*2 コバンザメが宿主の体表の寄生虫を食べていることもあり、相利共生と言う見方もある。一方で、身体に張り付かれて水の抵抗が増え無駄な体力を使わされたり、エラ穴や総排泄孔に潜り込んでいる事例は悪影響が懸念されるため寄生という解釈もできる。生物どうしの相関関係の奥深さを示す例と言えるが、無難に片利共生と紹介されることが多い。
*3 いわゆる「ゾウ使い」が操っているのは、比較的気性の穏やかなアジアゾウ。