「ネオサイタマ・プライド」

◆正式名称「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ：１０１０１９００　ネオサイタマ・プライド」◆

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登場人物

あらすじ

10月10日19時00分。

「TVの前の皆さん、社会から伝統的な道徳規範が失われると、フジキド・ケンジのような非道テロリストが生まれてしまうのです！」
「通報チャンス！今なら懸賞金２倍！考えているヒマはない、今すぐ通報！」

テレビから声が聞こえてくる。が、フジキド・ケンジ――またの名をニンジャスレイヤー――は、最早その内容を理解することが出来ないほどに疲れ切っていた。
彼はこの一日を戦いに費やし、アマクダリ・セクトの「12人」の過半数を殺したのである。たった一日で！……その消耗たるや、如何ばかりか。
背後からはなおも恐るべき追撃者が迫っている。しかしフジキドはついに倒れ伏し、静かに目を閉じた……。

「即通報！我々は一丸となって苦境を乗り越えよう！それがネオサイタマ市民のプライドだ！」

時を同じくしてカスミガセキ・ジグラット。長い儀式を終えたアガメムノンもまた、彼自身の新たな運命を切り開くべく、忘れられた封印区画へと足を運んでいた……。

「俺たちをバカにしやがってよォ……部長のバカヤロー！俺は明日もビジネスだバカヤロー！」
「主任、もう帰りましょうよ」

だがしかし、毎日毎日ビジネスに追われるサラリマンにとっては、そんなことは関係ない。
酔っ払ったサラリマン達は、覚束ない足取りで、今日も家路を急いでいた……。

解説

「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」最終章。本話をもって日付は変わる。
「傲慢」にも市民の代表者の如く「ネオサイタマ市民のプライド」をがなり立てるバラエティ・ニュースを後目に彷徨うフジキド。もはやネオサイタマという都市自体が彼の敵となったのだ。
しかしそこには、テレビに映されることもなく、語られることもない「誇り」が、たとえ社会から糾弾され倒れ伏そうとも、そこから立ち上がれる、それを支えられる、紛うことなき「ネオサイタマのプライド」が確かに存在していたのだ……！
だがその一方で、宿敵アガメムノンは今や「ネオサイタマの頂」たるカスミガセキ・ジグラットの主となっていた。次に彼は何を始めようというのか？戦いはまだ終わらない。

わずか1セクションに過ぎないクロージング・エピソードだが、ここまで読み進めてきたヘッズにとっては、文字数以上の深い内容を味わうことが出来るだろう。
また、本話には「ボーン・イン・レッド・ブラック」へのセルフオマージュが多く仕込まれている。一度おさらいしておくのもよいだろう。
2015年度エピソード人気投票では第10位にランクイン。

物理書籍版では「不滅のニンジャソウル#8：ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ（下）」に収録。