◆忍◆ ニンジャ名鑑#199 【マスターヴォーパル】 ◆殺◆
暗殺をなりわいとする闇のニンジャ。S字に湾曲した奇怪なショーテル剣と、ニンジャが近づくと青く刀身を光らせる謎のダガーが武器。ザイバツニンジャではないが、バジリスクやニーズヘグと何らかの関わりがあるらしい。
登場エピソード
- 「ゼア・イズ・ア・ライト」
- 「ステイ・アライヴ・フォー・ユア・カラテ」
- 「リヴィング・ウェル・イズ・ザ・ベスト・リヴェンジ」
- 「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」
- 「ローマ・ノン・フイト・ウナ・ディエ」
「テメエの行いが正しいか?間違いか?そんなものは一片たりともカラテに、エゴに関係無し!」
人物
- 来歴や立ち位置の不明な謎めいたニンジャ。ニーズヘグとバジリスクの師匠であるが、既出の組織・派閥との関連は明かされていない。
- 第3部の時点ではフジサン山麓の暗殺ドージョーではなく、ネオサイタマのドリームランド埋立地に住んでいる。他にも日本各地にドージョーなどの住処を構えており、気分次第で転々としている。
- 作中ではタマ・リバー上流の奥深くにある、下級ニンジャ豪族の遺跡を改装した資材置き場が登場し、彼の数々の武器コレクションが披露された。蛇殿が賜ったヘビ・ケンもここに保管されていたと思しい。勿論、アフリカ投げナイフめいた邪悪なスリケンもある。
- 基本的にズケズケとした物言いとぶっきらぼうで意地汚い立ち振る舞いが目立つ。他にも弟子に与えたカラテや武器を債権としてカネをせびったりと、その人格に関してはかなり難がある。
- しかしながらカラテに対しては確固たる信念を持っており、アプレンティスからの信頼は厚いようだ。彼の最新の弟子もそのインストラクション自体には深く感謝しており、債務の履行は素直に行っている。
- アマクダリの陰謀を詳しく知っているようなフシがある。
- 物理書籍版の登場人物名鑑にて、リアルニンジャであることが明言された。
- 古代から生き続けてきたのか、あるいは比較的近代にニンジャとなったのかは不明。
- 同時に、彼のクラン名が「マスターヴォーパルの素晴らしきニンジャクラン」であることも明かされた。
- ニンジャスレイヤープラスのN-FILES【リヴィング・ウェル・イズ・ザ・ベスト・リヴェンジ】にて、オキナワの出身であり、ヘビ・ニンジャクランの系統のニンジャから「ハブ・ニンジャ」のカイデン・ネームを授かったことが明かされた。
外見
- 髪はごま塩と形容されるように白髪と黒髪の混じった短髪。
- 痩せた体は日焼けしており、纏う装束はボロボロ。浮浪者か何かと見まがうような風体である。衣装に金を掛ける性格では無いようだ。
- 猥褻店から現れた時には着流し姿で手ぬぐい
(「手ぬぐい」だと?「テヌギー」ではないのか?)を持っていた。上記のような襤褸姿では店に入れて貰えないだろうから、TPOは一応弁えている模様。 - 決闘におけるタチアイニンを務めた際は、野球帽に古びたセーターというラフな姿であった。
- 物理書籍版のイラストでは、華美なわけではないがボロというわけでもない普通の服装。上記のどれとも一致しない。
- 特筆すべきは肌がまるで爬虫類の鱗のようであり、弟子二人のニンジャ装束やメンポを思わせる質感になっている。さながらリザードマンの様相で、公開当時は想像以上の亜人アトモスフィアにヘッズを賑わせた。
元ネタ・考察
- ヴォーパル(vorpal)はルイス・キャロルの『ジャバウォックの詩』に出てくる剣「ヴォーパルソード」からと思われる。
- ちなみに"vorpal"という単語はルイス・キャロルの造語で、意味は実際謎めいている。
- 英語圏では"vorpal"は「とても鋭い」という意味に解釈されており、ためらうニンジャスレイヤーの精神を辛辣な言葉で一刀両断するイメージか。
- "verbal"+"gospel"というかばん語で、「真理の言葉」とする解釈もある。
ワザ・ジツ
- 名鑑の記述と、ニーズヘグ・バジリスクの師匠筋であることから、剣技を得意とする可能性は高いが、現状ワザマエは開示されていない。
- また、彼らのソウルが属していたニンジャクランとは特に関係ないらしい。そのため、ドク・ジツやフドウカナシバリ・ジツなどは彼が直接教えたものではなく、ソウル由来の可能性が高い。
ニンジャ地獄耳
- フジサンの麓の樹海にある自分のドージョーからキョートのザイバツ崩壊の知らせを聞きつけるほどの地獄耳の持ち主。
- 本人曰く「チベット仕込み」だという。
- 物理的な聴覚だけでなく、ニンジャスレイヤーがフージ・クゥーチから受けていた精神攻撃も「立ち聞き」するほどの極めて高いニンジャ感応力を見せている。
- それをおいても優れたニンジャ観察力の持ち主で、フジキドの言動から彼が元小市民サラリマンであることをズバリ見抜く一幕も。
ダガー
- 腰に帯びたサブアームと見られる短剣。武器としても有効だろうが、何よりもニンジャ存在を感知すると青く光るニンジャ探知機としての機能を持つのが最大の特徴。
- しかし、どんなニンジャ存在に対しても無差別に反応するわけではないようである。劇中ではコヨイ・ニンジャの憑依者ソルスティスの介入前に強く反応したため、存在隠蔽系のジツを使うニンジャ存在に反応するか、アーチ級の強大なソウルの憑依者に反応するなど選択性があるようだ。
- いずれ本人の設定と同じように、このダガーの秘密も開示されるかもしれない。
- モチーフとしては『ホビットの冒険』『指輪物語』に登場する古代エルフの短剣であろう。業物であれど無銘の短剣で、発見当初は他のエルフの銘剣ばかり注目されていたが、冒険の最中ビルボによって「つらぬき丸」と名付けられ、フロドの指輪破壊の旅の中で重要な役割を果たし、最後には比類なき名剣として知られるようになった。
- 後述のインストラクションを鑑みるに「己で名付ける」のは重要な要素かもしれない。
ストーリー中での活躍
「ネタバレを!」答えは始めから彼の内にある。ヘッズは叫び返した。「見ることだ!」
- 「ゼア・イズ・ア・ライト」にて初登場。インターセプターに衝撃の敗北を喫したニンジャスレイヤーをマグロ・ツェッペリンの上から観察していた。
- その後、ソルスティスの命懸けの行動により窮地を脱したニンジャスレイヤーを人知れずドリームランド埋立地にある住処に匿う。
- 続く「リヴィング・ウェル・イズ・ザ・ベスト・リヴェンジ」では、フジキドの命を救ったことを「債権」として金銭を要求、さらに「弟子であるバジリスクやニーズヘグを破った男が斯様なブザマを晒してはドージョーの名誉棄損である」として、強制的に弟子入りさせる。
- ヴォーパルに師事しベーシック・カラテを鍛え直したフジキドに、「カラテとは要はエゴよ。エゴの強い方が勝つ」として、ニンジャを殺すことへの迷いがカラテの遅れを生じていると指摘。迷いを捨てるようインストラクションを授けた。
- その後はタマ・リバー上流にあるタイガー・シュラインにて、秘蔵の香による精神修行をフジキドに課す。それにより、フージ・クゥーチの精神攻撃によってフジキドの中のサップーケイに隔離されたナラク・ニンジャを解放し、フジキドとナラクを深く合一化させることに成功する。
- 以て修行完了とし、フジキドにオリガミで作った免許皆伝証を渡し、資材置き場の武器から好きな武器を一つ選ばせて貸し与えた。
- ここでフジキドは何の変哲もないヌンチャクを選んだ。以降、彼は再びヌンチャクをイクサに用いている。
- ここでフジキドは何の変哲もないヌンチャクを選んだ。以降、彼は再びヌンチャクをイクサに用いている。
- ドラゴン・ゲンドーソーとはほとんど真逆の、お世辞にも奥ゆかしいとは言えない人格ではあったが、フジキドにとってもう一人の偉大なセンセイとなったことは間違いない。
- ニンジャとは所詮エゴの塊。ソウルの手綱を握っても、握った者の意志が貧弱では意味が無いのだ。フジキドはゲンドーソーからソウルを制御する術を学び、マスターヴォーパルから自身を確固たるものにする術を学んだ。まさしくインストラクションの完成といえよう。
- ニンジャとは所詮エゴの塊。ソウルの手綱を握っても、握った者の意志が貧弱では意味が無いのだ。フジキドはゲンドーソーからソウルを制御する術を学び、マスターヴォーパルから自身を確固たるものにする術を学んだ。まさしくインストラクションの完成といえよう。
- どの勢力にも与していない立場とその性格が故に、「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」期間中は回想で「胡乱なセンセイ」扱いされた程度で終わると思われていた。
- ……しかし「ニチョーム・ウォー」終盤、ニンジャスレイヤーを追うスパルタカスの前に、突如その姿を見せる。
- 直後のエピソード「ネオサイタマ・プライド」で、その時の状況が語られたのだが……
エントリー芸で弟子と張り合ってどうすんの。 - そしてスパルタカスと何らかの合意を成した彼は、ニンジャスレイヤーの前にも姿を現したのであった。
- 「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」から3日後の「ローマ・ノン・フイト・ウナ・ディエ」にて、ニンジャスレイヤーとスパルタカスの決闘を見届けるタチアイニンの一人(他はアガメムノン、ラオモト・チバ、フィルギア)として登場する。
- 重傷のニンジャスレイヤーを追跡していたスパルタカスと見事な話術で渡り合い、一旦退かせて3日後の決闘を取り付けることに成功した立役者であることが判明。
- これはマスターヴォーパルの独断で行われたことではあるが、実際その時のフジキドはもしスパルタカスに捕まれば確実に爆発四散していたであろう危険な状態にあり、命拾いしたことは間違いない。
- スパルタカスが追撃を続けた場合、彼の(表の顔であるネオサイタマ格闘技振興連盟の)名誉が失われることを示唆しており、弟子の人脈か(またはブラフか)相当な影響力を持っているようだ。
- 当日の決闘で、ドラゴン・ニンジャクランの秘技と古代ローマカラテの秘技の目撃に成功。ある意味ではこの決闘で最大の利益を上げている。
第4部以降
◆忍◆ ニンジャ名鑑#0199 【マスターヴォーパル】 ◆殺◆
世俗にまみれたリアルニンジャ。性格が悪い。めったに弟子を取らぬ主義であるが何人かの弟子がおり、サツバツナイトことフジキド・ケンジもその一人である。「奴のカラテに道を示したのは完全に俺であり、奴は俺に頭が上がらんぞ!」と嘯く。
登場エピソード
- 「アンリーシュ・ザ・グリムリーパー」
- 第4部予告編
- 「トーメント・イーブン・アフター・デス」(Twitter連載版冒頭のモノローグ)
- 第4部シーズン2予告編
- 第4部シーズン4予告編
「そこがネオサイタマ。鎖国体制を解いた日本の中心地だ」
人物
- 第4部においても健在。性格の悪さも相変わらずである。
- また、各シーズンの予告編やイントロダクションにおいて、第4部の世界やリアルニンジャの状況を読者に語りかけるという役割を担っている。
- 長らく正体不明の老人と思われていたが、N-FILES【リヴィング・ウェル・イズ・ザ・ベスト・リヴェンジ】にて、その正体がマスターヴォーパルであると明かされた。
- ニンジャスレイヤープラスのニンジャスレイヤー名鑑カードAoM-0211【ヤモト・コキ】によると、ヤモト・コキが世界を放浪していた折に彼女と邂逅している模様。
外見
- 小柄で薄汚い老人。
- 継ぎ接ぎのエアロバイクに跨ったり、錆びたサイバーサングラスを付けることもあるなど、変遷した世界にも適応している。
一言コメント
- ヘビ・ケンはマストダイ・ブレイド等より格の高いニンジャレリックという記述が。有料とはいえエピック級ニンジャレリックを弟子の船出に贈るヴォーパル=センセイは実際弟子思いな。 -- 2022-02-18 (金) 13:21:00
- 他の師匠ニンジャのコメントにもあったが、ニンジャとなってからは実子を成せない以上、ドージョーで自らのミーミーを受け継ぎ、更に発展させる可能性もある弟子は重要な。ヴォーパル=センセイが弟子思いという以上に、弟子は価値ある存在で、だからこそバジリスク=サンを破ったフジキドをわざわざ新たな弟子にとったんだと思われる -- 2022-02-18 (金) 18:15:54
- 意識したことなかったけど、クランのあんまりな名前を考えるに、一つのニンジャクランの開祖でもあるんだよなぁ -- 2022-06-10 (金) 08:59:21
- ハブ・ニンジャ=サン。サイバーパンク小説において、重要な役割を果たすのも、納得のカイデン・ネームな! -- 2022-09-23 (金) 20:54:24
- 古代ローマカラテの真髄である一角獣と龍が失われるのを防いだのは完全に俺であり、古代ローマカラテ会は俺に頭が上がらんぞ! -- 2022-09-24 (土) 21:54:43
- ↑↑ハブ(蛇のほう)とハブ(情報ハブとかのほう)のダブルミーニングな!? -- 2022-12-18 (日) 08:56:53
- 手のないヘビがケンを持てますか?おかしいと思いませんか?あなた -- 2023-05-15 (月) 20:41:19
- ヘビ・ニンジャクラン一同「俺自身が…ヘビ・ケンになる事だ…」 -- 2023-05-16 (火) 12:27:17
- かの酒呑童子や茨木童子、古くはエイトヘッズドラゴンもツルギに敗れたことだし、ヘビやオニ(あとフジキド)とツルギは相容れないものだなあ(ぐるぐる目) -- 2023-05-18 (木) 03:12:52
- ↑フジキドがドラゴン・ニンジャクランとヘビ・ニンジャクランの系統出身のニンジャだからやはり偶然とは思えない -- 2023-05-18 (木) 17:17:52