アマクダリ

Last-modified: 2025-06-25 (水) 11:06:50

◆忍◆ 組織名鑑#3 【アマクダリ】 ◆殺◆
アマクダリ・セクトとも。ソウカイ・シンジケートの残党や、かつて傘下にあったリアルヤクザ・ファンド等を中心として結成された暗黒経済組織。首魁は弱冠12歳の少年、ラオモト・チバであるが、実際の組織運営は執事であるアガメムノンが行っている。

第3部における「悪の組織」。
第1部で壊滅したソウカイヤの残党に、謎のニンジャ・アガメムノンとその私兵団が合流して結成されたネオサイタマのニンジャ組織。正式名称は「アマクダリ・セクト」。漢字表記は「天下」
ソウカイヤの首領ラオモト・カンの遺児にして、弱冠12歳(「サツバツ・ナイト・バイ・ナイト」時)の少年ラオモト・チバが総帥として君臨しているが、実際の組織運営はチバの執事であるアガメムノンが行っている。
ラオモト・カンCEOの死後、政治的救済措置によって存続した金融会社「ネコソギ・ファンド社」が組織の母体・資金源となっているが、その実態は旧ソウカイヤとは似て異なる。
組織のエンブレムは、「天下」の漢字を下向きの矢印と重ね合わせ意匠化したもの。
Twitter連載上において、作中で初めてアマクダリの名が言及されたのは第2部中盤だが、本格的にニンジャスレイヤーの主敵として立ちはだかるのは第3部からである。

 

組織名の由来は「天下り」であろう。中央省庁の公務員(官僚)が退職後、関係の深い民間企業等への就職斡旋を受ける利権行為を指す語である。
元は神道の用語で、神が天界から地上に下ることを指す。日本神話において、天孫族のニニギノミコトが葦原中国を治めるために高千穂峰へ天降ったとされる「天孫降臨」が有名。



組織概要

単なる金儲けと勢力拡大に邁進していたソウカイヤ、ニンジャ至上主義の格差社会建設を目論んだザイバツとは異なり、「最終目標」の達成のためネオサイタマ行政や社会の中枢と裏で深く癒着し、社会規範そのものをその裏側から自らの都合の良いように捻じ曲げていこうとする動きが特徴。
アガメムノンが既にそれなりの勢力を隠し持っていたからか、ラオモトの威光が組織牽引の一助となったか、ザイバツがネオサイタマの支配自体には興味が無かったからか、ともかく第2部冒頭で発足した組織にしては異常なほど早く勢力を急拡大。第3部時点では旧ソウカイヤ以上に社会のあちこちを侵食している。

 

ワンマン気質が過ぎたソウカイヤ時代の失敗に学び、複数のヤクザ組織やニンジャ組織をアマクダリ中枢部の管理下に置き、アマクダリの手足としてテリトリーごとに管轄させる「フランチャイズ・システム」を採用。
人材の運用においても、派閥論理に縛られたザイバツや実力主義のウェイトが大きすぎたソウカイヤよりも、柔軟かつ適材適所の人事が行われている。

 

徹底して組織間の管轄テリトリーや情報の伝搬が制限されており、参謀であるアガメムノンただ一人を除いては、アクシスの幹部級ニンジャ達はおろかチバですらその全容を把握しきれていない。
これにより、ニンジャスレイヤーにとっては下部組織のニンジャを幾らインタビューしてもそこから先へ進めず、中枢への手掛かりを得られない、非常に厄介な仕組みが出来上がっている。
さらに、アマクダリはニンジャスレイヤーことフジキド・ケンジの正体と詳細な来歴を押さえており、有事の際には支配下に置いたマスコミを通じて、彼を社会の敵に仕立て上げ糾弾、社会的に抹殺する体制を整えている。

 

他にも、本部と末端組織及び実働部隊との連絡用、果ては戦闘時における構成員同士の情報共有や戦闘のサポートとして、「天下網(アマクダリ・ネット)」という高度な独自のネットワーク・システムを導入しているが、情報管理の観点からアクセス者ごとに扱える情報は厳しく制限されていると見られる。

 

反面、ラオモト・カンという絶対的なカリスマの下で一枚岩になっていたソウカイヤ時代と比べると統率にはやや欠ける印象がある。もっとも多く見られるのは、目的の不一致や情報の錯綜などから、アクシスと下部組織、あるいは下部組織同士が衝突してしまうケースである。
ザイバツほど酷くはないものの、アガメムノン派とチバ(ラオモト原理)派による派閥間の確執も多少あるようだ。他にも、独自の思惑で動いていそうな派閥や下部組織もちらほら見られる。
また、ニンジャスレイヤーという個人は危険視しているものの、「ニンジャスレイヤーの攻撃によるアマクダリへの影響は、大局的には微々たるものでしかない」という楽観的な認識がアマクダリ内では多数を占める。
というのも、アマクダリは表社会と強固に癒着している上に、所属ニンジャにはアガメムノンが構築した鉄壁の管理システムを盲信している者が多く、己の組織の強大さに酔いしれているためである。
加えて徹底的な情報統制やシステム化の悪影響か、物語が進むにつれて所属ニンジャの精神面での練度不足、組織のシステムに依存しすぎるあまり思考停止状態に陥ったニンジャが目立つ。
想定外の事態が発生すると、激しく動揺した結果作戦指揮を無視して逃走したり、ある種の恐慌状態に陥る者、冷静な判断力を欠き碌に真偽を判断することなく即座に撤退してしまう者も少なくない。

 

ちなみにザ・ヴァーティゴ=サン曰く、ニンジャへの待遇はアマクダリ、ソウカイヤ、ザイバツの3組織の中では平均的で安定志向らしい。「12人」の半数以上が表社会の名士であり、表社会と半ば以上一体となっている特性ゆえか。このあたりにもアマクダリという組織の性格が出ていると言えよう。
女性ニンジャの人数も、ソウカイヤやザイバツと比較して非常に多い。

 

ただし、幹部を含むアマクダリ所属の全構成員は、アマクダリというシステムを構成する「替えの効く歯車」としてしか扱われていないため、旧ソウカイヤ時代の温泉旅行のような福利厚生システムは導入されていない。
ソウカイヤやザイバツと比べて『組織』としての完成度は最も高く優れている半面、ニンジャの扱いの良さは他の組織と比べて低めである。


組織形態

物理書籍版での解説によると、幹部以外のアマクダリ所属ニンジャは「アクシス隊員」「アマクダリ・エージェント」「下部衛星組織所属」の3種類に分けられる。
ただし、全てが全てこの3つに分類されるわけではなく、幹部の私兵や手駒として所属する者もいるので、一概に一括りには出来ない。

 

最高幹部である「12人」は、それぞれセクト内における各部門を統括する立場にあるが、アクシスを含む一般構成員はアマクダリ各部門や「12人」の存在を知らされておらず、中には総帥であるラオモト・チバの存在さえ知らない者も大勢いるという。
大半の構成員は「誰が幹部なのか、どこに本拠地があるのか」といった情報すら知らず、アマクダリという巨大機構から匿名的な電子命令を受け、それを達成する形で組織が維持・運営されている。
所属ニンジャが以前どこの組織に所属していたかもあまり問題にはされず、個人の理念やイデオロギーが希薄なのも特徴の一つ。

 

原作者のインタビューによると、結成初期にはアマクダリの命令に従わず残虐行為を行う所属ニンジャも大勢存在していたが、そういった不穏分子はアクシスに粛清させたり、暴虐を嗅ぎ付けたニンジャスレイヤーにあえて殺させることで淘汰。ニンジャスレイヤーさえも利用して邪悪ながらも秩序・命令を守るニンジャのみを選り分け、組織の地盤を強化していったとのこと。

 
  • 「12人」
    アマクダリの各部門を統括する最高幹部陣。
    存在そのものがトップシークレット扱いされており、その存在を把握するセクト構成員の数は非常に限られている。
    ニンジャソウルの有無やワザマエよりも、社会的地位が重要視される側面があり、例え何らかの要因で死んだ場合でも、(ニンジャであるか否かを問わず)新しい後続の者がその地位を引き継ぐ。
    後述の解説項目を参照。
     
  • アクシス隊員
    警官・兵隊の役割を担う、アマクダリにおける精鋭部隊。アマクダリ・アクシスとも。
    後述の解説項目を参照。
    • ハタモト
      アクシスの中でも特に忠実かつ強力な精鋭。
      後述の解説項目を参照。
       
  • アマクダリ・エージェント
    官史・斥候に相当する立ち位置にあり、アクシス隊員とほぼ同等の地位を持つ。
    主に企業や組織に単独で入り込み、恐喝や誘惑などで組織の要人や重役を支配下に置き、アマクダリの支配領域を広げる役割を担う。
     
  • 下部衛星組織所属
    上記の2種類に入らない、その他大勢の所属ニンジャ。
    組織内では一番下位に当たり、ソウカイヤの「アンダーカード」やザイバツにおける「アデプト位階」に相当する立ち位置。
    彼らは属州めいたテリトリを与えられ、そのテリトリを統治し、裏社会の秩序を保ちながらアマクダリに上納金を収めなければならない。
    しかしアマクダリの法を順守している限りは行動の自由が保障されるとのこと。
    各衛星組織は分割管理され、構成員同士のコミュニケーションも稀であるという。

アマクダリ・アクシス

アマクダリ・セクトにおいて、衛星組織を含まない、セクトの中枢部分に位置する実行部隊。
「ソウカイ・シックスゲイツ」や「ザイバツ・グランドマスター」といった組織内の部門名や位階などとは異なり、「アマクダリ・アクシス」はあくまで「アマクダリ衛星組織に所属していない即時対応戦力」であり、セクト中枢部分からの指令に対し常に待機状態にある部隊を示す言葉である。
そのため、アクシスと衛星組織は単純な戦闘力の差で区分されているわけではないようだ。ウィルキンソン氏によると、アクシスと衛星組織の関係は「FBIと自治体警察のようなもの」らしい。
一応アマクダリ内では上位に位置する地位ではあるが特権階級というわけでもなく、アクシスの持つ職権を濫用した者については、アマクダリ内での処罰の対象となる。
それでも中枢部分に据えられるだけあって所属するニンジャには相応の実力者が多い。シックスゲイツやマスター級ニンジャに見られたような実力のバラつきも少なく、構成員のワザマエは実際ニンジャスレイヤーとカラテで拮抗しうるレベルで安定している。
また、情報処理能力に長けた者であれば、早期の内にアクシス編入が期待できるらしい。
書籍版での解説によると、警官・兵隊としての役割を有しており、アマクダリ支配領域内においてニンジャによる戦闘が発生した際の鎮圧や、地上軍の支援を行うため戦場に直接送り出されることもある。

 

複数のニンジャによるチームワークを重点しており、作戦はほぼ必ず複数のニンジャで行う様子。多い場合は5人以上ものニンジャ集団を送り込むこともある。
特に厄介なのは、首脳陣以下アクシス全員がニンジャスレイヤーを「恐るべき脅威」と認識して行動をとっている点である。
このため、ニンジャスレイヤーと遭遇しても敢えて戦闘を回避し遁走したり、手練れのニンジャが複数で連携を取りながら戦うことが多く、これまで類を見ないほど合理的かつ狡猾な方法でニンジャスレイヤーを追いつめてくる。

 

末期のシックスゲイツは質の低下の極みにあったが、アマクダリにはアガメムノンが以前から私兵としているニンジャ集団も合流し、第3部でのディセンション増加も相まってアクシスのニンジャは人材の層が厚くなっている。ワイバーンのように3部エピソードで初登場したニンジャの他、ドラゴンベインのような2部の時点から登場している強力なニンジャも、アクシスに属している場合がある。

だがここまではアガメムノンの管理システムが完成する前の話である

アマクダリの支配が進むにつれ、セクト内の下部組織テリトリーは何一つ増えず減少の一途を辿り、新たな所属ニンジャは皆アクシスの隊員としてリクルートされるようになった。
結果アクシスの規模は格段に大きくなったものの、代償として戦力の質のバラつきは激しくなっていった。
また、アクシス新兵の末端ニンジャ達は、セクトの強大さに酔って思考停止し、組織の全容も把握せず、ただ標的を狩ることしか考えない存在へとなり果ててしまっている。しかし、これこそがアガメムノンが本来目指したアクシスの形らしい。

 

組織としての均一化に伴い、初期からアクシスへ所属していた精鋭たちは「ハタモト」と呼ばれる中枢戦力へ再編入されるようになった。ハタモト級エージェントは真に重要な局面でのみ投入されるべきものであり、突発的なインシデントの初期段階では温存され、一般のアクシス隊員では対応できない状況になって、初めてエスカレーション派遣される。

 

アガメムノンがネオサイタマ知事に就任した後のアマクダリ・ニンジャには、ニンジャスレイヤーと単独遭遇した場合、即時撤退とアクシスへの通報が推奨されるなど、ニンジャスレイヤーに対しての対策は執拗なまでに徹底されている。

「12人」

「とある陰謀」に携わり、名目上チバを補佐する12人の幹部集団。アクシスを束ねる立場であり、アマクダリでも最上位の意思決定に携わる。
「12人」の存在や詳細は秘匿されており、末端ニンジャは勿論のこと、アクシス所属ニンジャも、一部を除きその情報は伝えられていない。

 

ナラク曰く「キンボシ」も含まれるようだが、重点されるのはワザマエではなく「表の顔」であるようで、ネオサイタマの様々な組織のトップに座る面々が顔を揃えており、中には非ニンジャがその名を連ねる場合もある。それ故かめったに会合も開けないらしい。
一筋縄ではいかない面子が揃うものの、今のところは方向性の一致を見ているようだが……?

 

なお、「12人」とは同じ目的のために集まった同志達の通称に過ぎない。
また「常に12人揃った秘密機関」というわけではないため、シックスゲイツなどのように「欠員が出たら後任が補充される」ということはない(ウィルキンソン氏のインタビューより)。
例え外的要因により「12人」の誰かが亡き者となったとしても、アマクダリの心臓であるアガメムノンとアルゴスを除く「12人」は、その地位と役割を受け継ぐ者をニンジャの有無問わず常に用意しており、「12人」を何人かスレイしたとしても、短時間でアマクダリは元の体制を取り戻す。
その構造は、時に「ヒドラ」「エイトヘッズドラゴン」と例えられる。
上記の組織構造も含め、これらはアガメムノンが作り出したシステムであり、アマクダリがニンジャスレイヤーに対して強気なのはこのシステムを恃みとしているが故である。

その一覧
メンバー役職/特徴
アガメムノン執務官
セクトの事実上の支配者だが、表向きは彼も「12人」の一員である。表の顔はネオサイタマ知事サキハシ・ヒロの私設秘書で、彼を傀儡として裏からネオサイタマを政治的に支配。
サキハシ知事の他にも、多くの有能な人間を奴隷にしているとのこと。
アルゴスネットセキュリティ部門担当
古の強大なTELNETプロトコルをハッキングに用いる正体不明のハッカーニンジャ。
「アマクダリ・ネット」の管理者として組織内の全情報・全通信の管理・把握、コミュニケーションの円滑化を担う他、ネオサイタマ全域の電子ネットワーク網を監視下に置き、ハッカーの迎撃も行っている。
キュアバイオ・医療・生体兵器部門担当
表の顔はヨロシサン製薬の系列企業「ヨロシ・バイオサイバネティカ社」のCEO。また、ヨロシサン本社の役員でもある。
ヨロシサン製薬が保有する技術や兵力をアマクダリに持ち込む役割を担うと推測される。
地位・役割の継承者はトランスペアレントクィリン
ジャスティス法務官
新たな治安維持機構「ハイデッカー」の長官を務める女ニンジャ。以前はネオサイタマ市警の重職にも就いていた。
ネオサイタマにおける『法の秩序』=ニンジャがニンジャを裁く行為についても管轄し、略式裁判・略式処刑・冷凍禁固刑などを執行する。
地位・役割の継承者はヴァニティ
スターゲイザー兵器・重工業部門担当/機動部隊司令官
オナタカミ社の特別顧問で、オムラ・インダストリ解体後の技術提供によりオナタカミ社を急成長させた立役者にして実質支配者。
メガトリイ社の関係者でもあり、保有するロストテクノロジーの実地テストも担当している。
スパルタカス威力部門担当
古代ローマカラテ筆頭伝承者。表の顔はネオサイタマの警備会社3社(シェアはこの3社で上位独占)の筆頭株主、及びネオサイタマ格闘技振興連盟の会長。
遠隔地のアマクダリ支配領域や旧ソウカイヤ支配領域の視察・巡遊を担当し、反抗的ニンジャの粛清を行う。
ハーヴェスター軍事部門/アクシス新兵教練担当
元湾岸警備隊高官のニンジャ。国防軍顧問を務め、軍事方面へのコネが深い。
アクシスの新兵に軍隊仕込みの戦闘教練を実施し、規律強化や戦力の底上げを図っている。
湾岸警備隊上がりのニンジャ達を指揮下とする。
ブラックロータス宗教部門/電脳麻薬部門担当
カスミガセキ教区を治めるアークボンズ。忍殺日本の宗教面での長と言える存在。
宗教界のトップとしての威光を利用し、民衆の不安を和らげ、幸福な無思考状態に貶めることが役割。
他にも政財界に対する黒いコネクションの構築や、電脳法で禁止された電脳ドラッグを「デジ・ネンブツ」として流通させ、市民統制・資金獲得のシステム構築を進めている。
マスターマインド政治部門担当
日本政府の内閣官房長官にしてニンジャ。アマクダリに有利な法案を推進し、アマクダリに都合の悪い法案を妨害する。
アマクダリの新たなエージェントとなりうる政財界の人材の発掘も担う。
地位・役割の継承者はニューオーダー
マジェスティマスコミ部門/金融部門担当
カラカミ・ファンド社CEOにしてNSTV社を始めとするメディア各社の筆頭株主。
アマクダリが保有する大量の資金のロンダリングを担当する。
他にもメディアを利用して一般大衆や富裕層にアマクダリにとって都合のいい価値観を植え付ける役目を担う他、市民統制のための洗脳電波発信計画も進めている。
メフィストフェレス宇宙開発部門担当/財務官
世界でも五指に入るほどの資産家・投資家で、金融・銀行方面へのコネが深い。慈善事業に投資を惜しまぬネオサイタマきっての名士という名声を持つ。
その莫大な資産をアマクダリの行う様々な陰謀に供給しバックアップする他、宇宙工学の権威であるタケル・フクトシン博士のパトロンとしてロケット計画を推進させている。
リー・アラキニンジャソウル研究部門担当
ヨロシサン製薬のはみ出し者で、イモータル・ニンジャ・ワークショップの長たる天才科学者。
「常人へのニンジャソウルの人為的憑依技術」を利用し、強大なニンジャソウルをアマクダリ幹部に移植する役割を持つ。Y2Kとニンジャソウル憑依現象の関係についての調査も受け持つ。
彼自身は研究の安全が保障されればそれで良いらしく、セクトにそこまで協力的ではない。「12人」の中で唯一の非ニンジャ。

天下網(アマクダリ・ネット)

アマクダリが運用しているネットワーク・システム。「12人」の一人であるアルゴスが管理を司る。
主にセクト内の作戦行動指示や幹部会議などの秘密通信のために用いられている。
組織内外のニンジャの情報や組織の施設情報などのデータベースが存在し、アマクダリ・ニンジャと交戦した敵の位置情報や戦闘データなども随時蓄積・共有される。
ネオサイタマの電子ネットワークに監視の網を張り巡らせており、アマクダリの秘密に近づく者がいれば瞬時に捕捉する。
天下網の機密サーバの最深部には、アマクダリの支配を根幹から揺るがしかねないような重要な機密情報が隠されているという。
ニンジャスレイヤープラスシャード・オブ・マッポーカリプス(89):VPN空間 にて、アルゴスによって構築・維持されているVPNであることが明かされた。

他組織との同盟・敵対関係など

ネオサイタマの覇権を巡り、ザイバツとは敵対関係にある。
組織の旗揚げの際、すなわちザイバツのネオサイタマ強襲時に両者の間に不可侵条約が結ばれた。しかし発足して間もない新興組織とネオサイタマを電撃的に攻略した秘密結社との力関係は覆しがたく、アマクダリに認められたテリトリーはカスミガセキトコロザワマルノウチのわずかな地域のみ。それ以外のネオサイタマ・中国地方全域はザイバツが支配し、ザイバツ・ニンジャはアマクダリ領内でも自由に行動できるという露骨な不平等条約であった。
アマクダリ領内での作戦行動の際は事前の通達を行ってメンツを立てることになっているが、そもそも拒否権はなく、完全なタテマエである。

 

イモータル・ニンジャ・ワークショップやペケロッパ・カルトとは同盟を結んでおり、重要な作戦では人員を出向させている。
第2部では利害の一致からイッキ・ウチコワシとの取引に応じ、反オムラ連合にエージェントを派遣する場面も見られた。
特に反オムラ連合の中核企業であり、後にオムラと成り代わったオナタカミ社は第3部でも傘下組織として重用しており、多くの兵器・装備品を同社から調達している。

 

他にも、アサノサン・パワーズ社や特別監査法人オメコボシ・アカウンティング社などの構成員を、非合法ニョタイモリ・バーの会員権や暗殺サービス券のような「非合法な報酬」という飴と「ニンジャの暴威」という鞭で抱き込むことで、企業に対しても間接的に影響を及ぼしている。


最終目的

電脳麻薬、洗脳サブリミナル電波、情報統制、ニンジャの暴威などにより市民を奴隷化し、完璧なる統治秩序システムの実現を目指す。
しかし、アマクダリの真の計画はごく一部の首脳陣以外把握しておらず、長らく謎に包まれていた。

ネタバレ注意

マスターマインドエシオ・カタリ曰く、その目的とは、メガトリイ社の月面基地と世界全土に建設されたアマクダリ通信基地を利用して既存のインターネットに代わる新たなネットワークを構築し、Y2K問題の影響で偶然開いてしまったIRC(インターネット)とコトダマ空間オヒガン)とのリンクを閉ざすことで、Y2K問題により一度変貌した世界を再びY2K問題発生以前の状態に戻す「再定義」の実行。

 

言うなれば「Y2K問題の再現」であり、コトダマ空間がもたらしていた不条理も可能性も発生し得ない、完全に制御された「秩序」を「再定義」によって全てがリセットされた世界の上に構築。そしてそのリセットされた世界をアマクダリ・セクトが統治・制御する「世界征服」によって、人類から自由を剥奪して奴隷化し、完全に統制された暗黒管理社会を構築することこそがアマクダリの最終目的であるという。

  • また「再定義」実行の際には、世界を分断している磁気嵐も消滅することが明かされた。アマクダリの湾岸警備隊が過剰な戦力を整え配備しているのも、アマクダリが秘密裏に宇宙開発関連の事業を推し進めていたのも、この磁気嵐消滅後に備えてのことであった。
  • 「再定義」の際は既存のニンジャソウル憑依者が爆発四散するが、アマクダリ構成員はアルゴスが論理的に再現したニンジャソウルを電子手術で脳に植えることで回避できる。しかし、この手術を受けた者はアルゴスに自我を侵食させるバックドアが密かに設けられ、やがて世界支配が成就した暁には個性を一括管理されてしまう手筈になっている。
 

そしてアガメムノンがネオサイタマを支配下に置き、メガトリイ社の遺産を用いたことで思惑通り磁気嵐は喪失。計画最終段階とも言うべき「鷲の翼」が始動する。

最終計画「鷲の翼」について(※第3部終盤ネタバレ注意)

「鷲の翼」の序章は、2038年1月18日から19日にかけて、厖大な電力を蓄えたアガメムノンがスペースシャトルで月面に降り立ち、蓄えた電力を用いて月面のアルゴスを完全な状態で起動させることで「アルゴス・システム」を動かすことにある。

 

アルゴス・システム起動に伴い、月面のアルゴス本体を中心に、地球衛星軌道上に配置された無数のメガトリイ社製無線通信ネットワーク衛星が起動し、自律制御により衛星群が正しき座標へと移動し、各衛星がリンク。
さらにその上で地球の各大陸に設置されているカスミガセキ・ジグラッドのUNIX群と同等の旧世紀システム群が起動し、システム群とアルゴスと衛星をリンクさせてインターネットを再統合させる。
そして2038年1月19日に起こる世界的なUNIXオーバーフローの爆発的なエネルギーをアルゴスの論理タイプ能力によって制御し、Y2Kでオヒガンと重なってしまっていた電子ネットワーク領域を破壊するために用いた後、再統合したIRCネットワークで完全に傷を塞ぐことでオヒガンを切り離す。
こうして再定義されたインターネットを支配するのが「鷲の翼」の全貌である。

 

地球規模に及ぶその壮大な計画は、「地球を包み込む、鋼鉄と電子で作られた巨大な鷲の翼」というイメージ映像で例えられた。

 

この一連の計画最大の問題点は、上記の「再定義」実行の際、UNIXやY2K以降に誕生した全てのオーバーテックが存在の機能不全を起こした後、全てのUNIXが爆発もしくは消滅を引き起こすこと。
Y2Kにも比肩するともされる世界規模の未曾有の大災害を発生させるというとんでもない計画であった。
今の世を生きる人々の存在や都合の一切を顧みない、利己的で無慈悲な計画。それが彼らの陰謀なのだ。


構成員

首脳部

アマクダリ・アクシス

※ここでは、作中の描写等からアクシスであることが確実な人物のみを列記する。
☆は書籍版で初めてアクシス・中枢構成員と明記された人物。

アマクダリ・アクシス(「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」シリーズ以降)

「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」シリーズの時点で、新たにアマクダリ入りしたニンジャは全てアクシス隊員としてリクルートされるようになっており、作中ではまとめて「アクシス」と称されている。
ここでは「ロンゲスト~」以降にアクシスであることが判明した人物を列記する。ただし、この中には元々アクシスであった者も含まれる可能性が高いことに注意されたい。

各派閥・下部衛星組織

親チバ・ラオモト家信奉派

ジャスティス配下

スターゲイザー配下

スパルタカス配下(古代ローマカラテ会)

ハーヴェスター配下・湾岸警備隊関係者

ブラックロータス配下(ブラックロータス純潔聖堂騎士団)

メフィストフェレス配下

ホワイトドラゴン一派(コリ・ニンジャクラン

ウォーヘッド・カンパニー

サーカディアン・スリー

スネイクピット

テツノモン

その他の下部衛星組織所属

※☆は書籍版で初めて下部衛星組織所属と明記された人物(書籍版にのみ登場する人物には付記しない)。

その他の所属ニンジャ

※アクシス・下部衛星組織の構成員が含まれる可能性あり

関係者(非ニンジャ)


第3部終盤以降ネタバレ

第3部最終章「ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ」にて、アガメムノンとアルゴスはニンジャスレイヤーとのイクサに敗れ、「再定義」は未遂に終わった。
時を同じくして、ハーヴェスター、ホワイトドラゴン、トランスペアレントクィリンなどの幹部陣も敗死し、カスミガセキ・ジグラットに控えていたアクシスもザイバツに掃討されたことで、アマクダリは完全に崩壊した。

 

第4部では元アマクダリのニンジャが何人か登場しているが、いずれもアマクダリへの帰属意識はなく、組織を再編しようという動きは見られない。
一方で、アマクダリの思想を信奉する残党も未だ存在している模様。彼らはモータルかニンジャかを問わず、「ノスタルジスト」「絶対秩序主義者」「ダイサン・セクタ」など様々な名前で呼ばれる。
論理聖教会にはアマクダリ残党やペケロッパ・カルトの思想・教義が流入しており、「死せる電子の神」=アルゴスを崇拝している。
さらに詳細な情報については、ニンジャスレイヤープラスのシャード・オブ・マッポーカリプス(56):ダイサン・セクタとアル=マクダリウスの書を参照のこと。

 

一言コメント

コメント欄な
  • 12人はモータルのリー先生が加入しているしグランドマスターと違ってカラテ強者である必要が無い幹部だからなあ…スパルタカス、スターゲイザー、ハーヴェスター、ジャスティス以外はロンゲストの件が無ければ前線に出てカラテする必要がない立場だし、他にホワイトドラゴンや元グランドマスターのトランスペアレントクィリンがいる以上、アマクダリがザイバツより劣っていたとは思えない。 -- 2018-10-26 (金) 18:56:00
  • アマクダリは表社会と一体化した大規模な組織で、ニンジャスレイヤーに対する対策や警戒も万全だった。それなのに原作者インタビューではニンジャスレイヤーに対して"善戦したと言える"と言われる始末。おかしいと思いませんか? -- 2019-05-04 (土) 21:53:25
  • ↑意思持つ災害を打倒できると思いますか?おかしいと思いませんか?あなた -- 2020-03-22 (日) 00:07:25
  • ↑4 むしろ自分は設定上は権力重点な割にやたら強いやつ多いなって印象だった -- 2021-07-14 (水) 18:41:01
  • アマクダリを最初アクダマリと誤認識してました。 -- 2021-12-24 (金) 09:32:38
  • ソウカイヤは是非もなくラオモト・カンが強過ぎた。 -- 2022-01-20 (木) 17:46:23
  • 元ネタの1つは300人委員会ですかね -- 2022-08-25 (木) 12:16:06
  • 結局のところ、ニンジャが世を見守り干渉しない忍ぶ者にでもならない限り、ナラクお爺ちゃんにヌンジャもろとも滅相してもらわなきゃ始まらないんだなって -- 2022-09-02 (金) 15:48:54
  • システムやルールを押し付けてくるけど自分たちもそれに従わざるを得ないのは秩序第一主義の弱点かな。野球回や決闘回では決着後にフジキド達を追撃しなかったけど、これがソウカイヤなら約束を反故にしてでも叩き潰してたと思う。ラオモト=サンならその無慈悲さでむしろシンジケート内でのカリスマが上がるけど、同じことをセクトでやったら小さな綻びが生じかねないというか -- 2024-07-04 (木) 11:51:59
  • 何が恐ろしいって組織を倒したとしても世界支配を止められずに終わる結末も普通にありえるって事だよなあ -- 2025-06-25 (水) 08:18:05