コトダマ:(あ行~か行) (さ行~な行) (は行~わ行・英数記号)
- は行
- バイオ○○
- ハイク
- ハイスクール
- バウンサー
- バカ
- ハカマ・ウェア
- 爆発四散
- 外して保持
- パチンコ
- ハッカー
- ハック&スラッシュ
- ハッケ・プリースト
- 花札タロット
- ハナミ儀式
- ハラキリ
- パラディン
- 遥かに良い
- パワリオワー!
- ハンコ
- パンチシート
- 「ヒートリ、コマキタネー……ミスージノー、イトニー」
- ヒキャク
- ヒサツ・ワザ
- 左に傾く/右に傾く
- ヒャッキ・ヤギョ
- ヒョットコ
- ビヨンボ
- ピンクの象
- ファック&サヨナラ
- フートン
- フーリンカザン
- フクスケ
- フジキド・ケンジ組織
- フスマ
- 「二つで十分ですよ」「わかってくださいよ」
- ブディズム
- ブラインド・タッチ
- ブラムストーカー・エフェクト
- ブルシット
- ブルズアイ
- ブレイコウ
- プロジェクト
- フロッピーディスク
- 平安時代
- ヘイキンテキ
- 平坦
- ペケロッパ・カルト
- ヘンタイ
- ベンハ
- ポイント倍点
- 防火説法モンク
- 豊満
- ポスト磁気嵐時代
- 不如帰
- ホロトリイ
- ボンサイ
- ボンボライト
- ボンボリ
- ま行
- や行
- ら行
- わ行
- 記号・英数字
は行 
バイオ○○ 
劣悪な環境に適応するために変異した自然界の生物、または人の手によりなんらかの生物学的な処置、培養、遺伝子操作などを受けた生物全般を表す。
バイオスモトリ、バイオ水牛、バイオゴリラ、バイオバンブー、バイオしだれ柳など実に様々な生物がバイオ化しており、枚挙に暇がない。
そのためか、非バイオの生物が登場するのは実際稀。高級スシなどで見られる「オーガニック」表記がそれに当たるか。
食用、資源用と思われる生物以外にもイナゴやスズメなどの害虫・害獣までもバイオ化し、野生化している。
(イナゴは食用の可能性もあるが、野に放たれれば実際単なる農業害虫である)
恐らくバイオスモトリの脱走事故のように偶発的に野に放たれたものや、従来の生物が汚染された環境に適応してバイオ生物化したケースも多いと思われる。
従来の生物より強靭・危険な傾向があり、バイオニワトリですら人命を脅かしうる。バイオバンブーは鋼鉄の4~5倍の硬度を誇るという。
バイオテック実験の暴走がチュパカブラのような化け物を生み出したケースもあった。
食文化・薬物・生物も参照重点。
ハイク 
俳句。作品内では特に「辞世の句」としての意味合いで使われる場合が多い。
とどめを刺す直前「ハイクを詠め」と宣告するのはお約束。
また、あまりにも素晴らしい情景を見た時には思わず詠みたくなると言われ、日本人のメンタリティに深く浸透しているのがわかる。
なお「音の数は5・7・5」という定形を意識する事は実際少ないが、「字余り」の概念はあるようだ。
「センテンスが3つ」というルールは忍殺世界においても存在しているらしいが、学のない者がセンテンス数を守らないハイクを詠む事もあり、そうしたルール無視のハイクでも金の力で評価されるという文化的な腐敗も確認されている。
- さらに文化としてのハイクについてはこちらも参照のこと。
一方で、聖四行詩がハイクの起源であると言われたり、パワーハイクを起動キーとして古代のシステムが稼働したなどといった事例や、江戸戦争の折に神秘的なハイクの力によって松尾芭蕉が多くのニンジャを破滅に追いやったという歴史的事実が作中で不意に明かされることも有り、ハイクにはなにか重要な秘密が隠されているのかもしれない。今はただ、備えよう。
関連:カイシャク
ハイスクール 
高校(高等学校)。「高校」表記もないわけではないが、もっぱら「ハイスクール」である。ただし生徒については「高校生」「女子高生」などと表現される。
ニンジャスレイヤーには、「キックアウト・ザ・ニンジャ・マザーファッカー」や「ラスト・ガール・スタンディング」など、高校生を視点人物としたエピソードもある。そこで描かれるのは、われわれにも親しい学園モノの青春群像であったり、やっぱりどうしようもなくマッポーな世の中であったり、一般人目線で絶望的なニンジャの暴威であったりする。
ネオサイタマのハイスクール描写は、現実世界の米国のハイスクールと日本の高校の双方が混淆している。「ジョック」を頂点とするヒエラルキー(いわゆるスクール・カースト)や、卒業ダンスパーティーなどは米国ハイスクール的要素と言える。一方、センタ試験を突破するための予備校通いは日本に似る。
卒業/新学期が日本式に春(3月卒業・4月入学)なのか米国式に夏~秋(8月卒業・9月入学)なのかははっきりしないが、「ハウス・オブ・サファリング」の登場人物の服装から夏卒業ではないかという推測もある。米国のハイスクールの修業年限は4年制が一般的であるが、忍殺世界ではスナリマヤ女学院高等部が3年であったり、ユミトのヤブサメ部が「地区大会三年連続優勝」というところから、3年制であるかもしれない。
中学校については「ジュニアハイスクール」と表記されているのが確認できる。
バウンサー 
"Bouncer"。雇われ用心棒。バーやクラブなどの護衛を任されている事が多い。
スモトリ崩れやヤクザなどが就く事が多いが、稀にニンジャがバウンサーとなっている事もある。
ソニックブームなどバウンサー出身のニンジャも多いが、ニンジャ・モータル問わず実際よく死ぬ。
バカ 
馬鹿。我々の世界では罵倒としてはシンプルすぎていささか弱いように感じるが、「スゴイ・バカ」が「容赦のない罵倒」と作中で評されるように、忍殺世界での「バカ」は最大級の侮蔑であり、上流階級の人間ならば口に上せるのも躊躇うほどの悪罵の言葉である。
関連:バカハドッチダー!
ハカマ・ウェア 
武道家の服装として登場。
「ハカマ・ウェアの襟」との表記もあり、袴だけを指すのではなく道着全体を意味するようだ。
爆発四散 
死亡・殺害されたニンジャの末路。
ニンジャソウル憑依者は多くの場合、致命的なダメージを負うと行き場を失ったニンジャソウルが暴走し、「サヨナラ!」と叫んで爆発四散する。
そのため、一般人が爆弾テロなどの爆発に巻き込まれた時などはこのワードは使われない。
「爆発四散」とあるが、実際に肉片とかなんかが飛び散っている様子はない。なぜか「しめやかに」という形容が付くことがよくある。
死体が残るかどうかもまちまちで、例えばバンディットは黒コゲの死体が残ったが、レオパルドは「十数個の死体と、人型に焼け焦げたタタミだけが残されていた。」という表現からして完全に消滅してしまった模様。
基本的に全身が爆発四散するが、切断された場合は部位全部が爆発四散するわけではない。
例えば首を切断された場合、我らが殺戮者がニンジャの生首を持っている描写が度々あることからも分かるとおり、胴体の方が爆発四散する。
真っ二つにされて上半身の方が爆発四散したボーツカイの例もあることから、ニンジャソウルは胸や腹辺りに宿っていると推測される。
しかしアースクエイクのように首の方が爆発四散する例外もあり、一概には断じにくい。
所持品は消失しないようで、マッチ・ジュンゴーはニンジャからマキモノや万札、大トロ粉末などをゲットしている。
死体から剥ぎ取る描写がないので装備品については不明だが、アルバレストのメンポやテツノオノのように、生きているうちに剥いでおけば消失はしない模様。
ザ・ヴァーティゴ=サンによればこの爆発四散に物理的な威力は無いらしく、君のすぐ隣でニンジャが爆発四散したとしても大丈夫との事。
と同時にテックのちからで自爆する奴も居るので気をつけろ、とも言っている。
ヘッズスラングとしても用いられ、Twitter実況を行うヘッズがしばしば腹筋などを爆発四散させている。
外して保持 
デッカーの使う立ち入り禁止テープに書かれる文言。恐らく"KEEP OUT"の誤訳的表現。
「座を外す」の「外す」だと関連付けて強弁できなくもない。
パチンコ 
「パチンコ・カジノ」とも。我々の知るパチンコである。
パチンコ・カジノ施設を「パーラー」と呼ぶ、「ピンボール台を垂直に立てたような」銀色の遊戯台が数十台並ぶ、右手の射出制御ハンドルで操作する、やるせない欲望や射幸心に動かされた人々が遊戯する、店内を埋め尽くす轟音等、実際実在のパチンコ店がありありと目に浮かぶ描写。甥っ子何送った。
ハッカー 
実際用いられる「ハッカー」(hacker) と大体同じような概念。IRC(コンピュータ)や電気回路についての深い技術的知識を持ち、その内側を覗いたり、システムを(不正に)操ったりする人々。
「スゴイ級」<「テンサイ級」<「ヤバイ級」というランキング表現が用いられる。なお、力量はおおむねタイプ速度で測られる。代表的な登場人物としてはナンシー・リー。
サイバーパンクであるニンジャスレイヤーの世界では大きな存在感を持っており、各種行動における電子的障害の排除から、作品の根幹に関わるコトダマ空間の秘密の探索まで、さまざまな形で関わってくる。
町なかにはハッカー養成の道場もある。
ハック&スラッシュ 
犯罪形式の一つ。集団押し込み強盗のこと。
家の扉などの電子ロックを解除する「ハック」役(ハッカー)と、暴力を担当する「スラッシュ」役(スラッシャー)から成り、他に交渉担当が入るケースもある。
また、サイバネ武装化などで上記のハックとスラッシュの二役を一人でこなす者もおり、それらは剣(スラッシュ)と魔法(ハック)の両方を使いこなすRPGの職業になぞらえてか、「パラディン」と呼ばれる。
民家で一家を殺害して金品を奪うものから、企業の機密情報の窃取を行うものまで、忍殺の物語ではあたかもありふれた犯罪であるかのようにしばしば登場している。
我々の世界では、TRPGの「ダンジョンに踏み込んでモンスターを殺して財宝を奪う」単純明快なシナリオの総称として使われる。
ハッケ・プリースト 
「ハッケ!ハッケ!」のかけ声とともに人々にキアイを送る仕草をしながら集団でストリートを練り歩く集団。
パフォーマンスをしながら街頭を練り歩く様式は、中世欧州の鞭打ち苦行派から昭和期の「死なう団」まで、先鋭化した宗教集団の伝統であり、マッポーめいたアトモスフィアをよく重点している。
キアイを送るというところから相撲のかけ声として有名な「ハッケヨイ!」との関連もありそうだが、仮にそうだとしても「ハッケヨイ」自体が語源として「八卦良い」「発気揚々」「早競へ」等々諸説あるということもあり、「ハッケ!」の確たる解釈は難しい。
花札タロット 
花札。忍殺世界ではタロットカード、トランプとしての役割も備える。
詳細はリンク先参照な。
ハナミ儀式 
リアルニンジャ修行を締めくくる精神的儀式。カラテの鍛錬の後、この儀式を経てメンキョを授かる事でニンジャソウルが生まれるという。
少なくともドラゴン・ニンジャとドラゴン・ゲンドーソーはこの儀式を経てリアルニンジャとなった事が作中で明言されている。
ハナミもせずメンキョも無くリアルニンジャになった者もいるため、それらは何らかの要素によって置換できるもの考えられている。
そもそもハナミやメンキョはアーチニンジャの座へ上り詰めたものだけが得られる、つまりグレーター以下のリアルニンジャはまだハナミをしていないとする説明もある。
現代に行われたハナミ儀式 
第3部「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」において、サキハシ知事から秘書のシバタ・ソウジロウへのネオサイタマ知事の権限譲渡を行うための儀式として、カスミガセキ・ジグラットで執り行われた。選挙を経ずに権力譲渡を行うために持ち出された、特殊なケースであるようだ。
「決して生半に扱ってはならぬ古代儀式」と称されるその内容は過酷を極める。作中の描写では深夜から夕方まで、合わせて19時間は近くかかっている計算になる。厳格に定められた休憩時間までの数時間、中座は勿論のこと、姿勢をいたずらに崩す事すら不作法の誹りを免れない。ハナミの間を出る前に、疲労のあまりうっかりふらついてしまい、四つん這いになるなどしようものならば、その場で即辞任が確定する。
そんな儀式の間の休憩時間は「戦場」と例えられ、休憩時に酸素ボンベやストレッチャーを必要とする者も存在する。
ハラキリ 
セプクとは似て非なる表現。初期には両者の混同も見られるが、こちらは儀式的な意味合いを持つ切腹。
セプクが「ケジメ」の上位語であるのに対し、こちらは「責任を取る」という意味合いでは使われず、自害のニュアンスも薄い。
かつて江戸戦争の末期に行われたという「ハラキリ・リチュアル(儀式)」は本編の設定の根幹に関わる要素の一つ。
関連:セプク
パラディン 
単独でハック&スラッシュを遂行する能力を有した犯罪者の俗称。
その大半がサイバネによって戦闘能力を得たハッカーらしい。
パラディン(Paladin)とは中近世のヨーロッパにおける高位の騎士の呼び名で、特にシャルルマーニュ伝説と呼ばれる英雄譚に登場する十二人の勇士の別称として名高い。
ファンタジー系の創作作品では剣と魔法を使いこなす高位の職業とされる事が多く、日本では「聖騎士」などと訳される事も。
しかしながら、本作におけるパラディンは実際薄汚い犯罪者でしかない。
遥かに良い 
主に薬物がキマっていい気分になってきた時に使われる表現。バリキ、ズバリ、シャカリキ、オハギなど、種類を問わず用いられる。
また体調不良を案じられた際に、自分は大丈夫であると伝える意味もある。
"far better"の直訳表現か?
「アーイイ……遥かに良い……」
関連:オーバードーズ
パワリオワー! 
UNIX電子ファンファーレの音。「不穏」「終末喇叭の如き」などと形容される。
ハンコ 
基本的には我々の知る判子と同じものである。
ただ、忍殺世界においてはハンコによる契約の持つ力が一際強調されており、ハンコ契約は「命よりも重い誓約」とまで言われている。
豪奢な装飾が施され、家名が大変難しい漢字やカタカナによってぐるりと取り囲まれたデザインのハンコは「ダイヒョウシャイン」と呼ばれ、極めてパワーのある人間だけが持つ事を許される神聖なものとされる。
パンチシート 
UNIXが吐き出す、字の代わりにパンチ穴の開いた記録用紙。内容はタクシーの領収書から機密情報まで多様。
我々の世界では「パンチテープ」「パンチカード」と呼ぶ事が多く、古き良きSF映画やスパイ映画ではおなじみの小道具である。
かつてパンチテープが現役だった頃のコンピュータ技師は、テープのパンチ穴を見て直接データを読み取る事もできたという。タツジン!
関連:UNIX
「ヒートリ、コマキタネー……ミスージノー、イトニー」 
しばしば登場する謎の曲。広告マイコ音声として街頭で流れるほか、自我科クリニックや秘密実験施設でも流されており、果てはとある重要人物も歌うシーンがある。ひょっとして何らかの重要な真実に絡むのか?
秘密実験施設で流された若干ノイズ混じりのこの曲は、「ゼンめいたタイコ・ビート」に歌唱を乗せた「安らぎと得体の知れぬ深淵めいたアトモスフィアの入り混じった音楽」と表現されていた。
意味・解釈はヘッズ間でもしばしば取りざたされる。かの「ブレードランナー」でも箏曲「千鳥の曲」や琵琶の弾き語り「扇の的」が背景に流れるシーンがあるため、それめいたものではとの意見も。歌詞中で意味の取れる「三筋の糸」は三味線を指す表現で、実際古い歌の歌詞で使われる日本語である。
ヒキャク 
「飛脚」。コトワザにもその名が引用されており、古くからある職業である事が窺える。
作中のネオサイタマにおいては、パルクール訓練を積んだメッセンジャーがこの名で呼ばれる。複雑に入り組んだ都市の物流を支える重要な職業であるらしい。
ヒサツ・ワザ 
必殺技。
ジツのように形式として決まっているわけではなく、全てのニンジャが格闘ゲームめいて必ず持っているというわけでもない。ゲーム脳になってはいないだろうか?
ベトコンは待ってはくれない。
左に傾く/右に傾く 
ある日ブッダは使徒を集め、ワニで満たされた蓮の泉の上に一本の縄を張らせると、そこを渡るよう使徒たちに命じた。一人目は全くブレずに渡ろうとし、あえなく泉に転落した。二人目は棒を持ち、左右にブレながら歩くことで、見事これを渡り切った。
……という、ブッダと使徒の物語を引用し、右を「シリアス」、左を「リラックス」と例え、どちらに振れすぎても、また小さなブレを恐れてもいけないと説いた。
ヘッズスラングとしての用法はこちら。
ヒャッキ・ヤギョ 
リアルニンジャ達の禍々しきダイミョ行列の一種であり、楽の音とオハヤシに彩られ、狂気と殺戮を地上にもたらす。
ヒャッキ・ヤギョの先頭は常にセンド・ニンジャが担当する。
その姿はモータルにとってまさに百鬼夜行であろう。
ワイルドハントとも呼ばれる。
ヒョットコ 
ヒョットコのオメーンを被ったヨタモノの一派。残忍な殺人嗜好者で構成されたギャングであり、独自の宗教的教義を持つ。
メンバーはセンタ試験をめぐる過酷な受験戦争からドロップアウトして家を追われた若者たち。
規模が大きく、ネオサイタマのいくつかの治安の悪い区画は彼らのテリトリーであるようだ。
理性など持ち合わせない凶悪集団だが、それ以上に理解不能な恐怖に当面するととたんに混乱する打たれ弱さも目立つ。
「テストに出ないよお……」
ビヨンボ 
屏風。屏風が南蛮貿易で輸出され、スペイン・ポルトガル語化した"BIOMBO"が由来と思われる。
ピンクの象 
酩酊状態になると見えるらしい幻覚。実はニンジャスレイヤー発祥ではなく、ラリっている時の幻覚を表す「ピンクの象たちが見える」(see pink elephants) という定型表現がある。
ファック&サヨナラ 
強姦殺人。女性を襲ってファックし、その後殺す。
マッポーの世ではそれなりにありふれた性的嗜好であるらしい。
ごくたまにサヨナラしてからファックする人や、サヨナラしながらファックする人、逆に女性に男性を襲わせようとする人もいるようだ。
フートン 
布団。実際の布団としても、「安らぎ」などを表す心理的モチーフとしても使われる。
あなたの心の中にも……。
フーリンカザン 
風林火山。現実においては武田信玄が軍旗に記した文字である。元来は孫子の兵法からの引用*1で、軍勢を状況に対応させて運用する事を説いたもの。
本作では、ニンジャのイクサの基礎を成す教えであり、地水火風の精霊と常にコネクトし操ることを指す。
ドラゴン・ゲンドーソーから、インストラクションの一つとしてフジキドに伝授された。
より具体的には、イクサの際に周囲の状況すべてを活用して自分が有利になるように仕向ける事であり、自分のジツやカラテが有効活用できる場所を戦場に選んだり誘導する、周囲の人や物を盾に使う、相手のジツを利用するなどの行動こそがフーリンカザンの精神に則っているとされる。
そして、フジキドがチャドー呼吸とフーリンカザンの精神によって辿り着いた真実……それは恐るべきニューロンの同居人、ナラク・ニンジャを己が一部として受け入れる事であった。
古代のニンジャ達は自然界のエレメントと実際にコネクトし、ジツを生み出したりスリケンを生成したとされる。また、ニンジャの祖たるカツ・ワンソーの伝承にも「風林火山」を思わせる一節がある。
「ニンジャは地水火風の精霊と常にコネクトし、操る存在だ。これをフーリンカザンと称す!」(「ジ・アフターマス」#2より)
作中ではほぼ「地の利」を得る、あるいは整えるという意味で使われる。
フクスケ 
「福助(人形)」。正座した頭の大きなチョンマゲ男の人形で、幸福を招くとされる縁起人形のひとつ。
一般家庭の棚の上などに置かれていたり、街頭で立体看板に使われていたりする。
例:「フクスケ良し!花瓶良し!」
関連:マネキネコ
フジキド・ケンジ組織 
ニンジャスレイヤーと協力者たちの総称。
「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」で一行がテロ犯として指弾されたときのアマクダリ側呼称であり、直球なネーミングと次々に対象範囲を拡大する雑さとが相まって奇妙なインパクトを残した。
彼らに詳しいヘッズも一味なのでは?
作中ではほかに FKG(フジキド・ケンジ・グループ)という呼び方・略称も用いられる。
フスマ 
襖(ふすま)。間仕切りとして用いられるスライド式パネルである。
伝統的には紙と木で作られ、浮世絵が描かれる事もある。
テクノロジーの進歩によりカーボンや鋼鉄、剛性強化チタンなどの新素材を採用して防音性や防弾性を備え、自動で閉じたり開いたりするようにはなったが、日本人は今日でもフスマ式ドアーにダルマや鶴、ライオンなどを描く。
「二つで十分ですよ」「わかってくださいよ」 
サイバーパンク的近未来世界を映像で表現して映画史上に残る「ブレードランナー」(1982年)に登場した言葉。
主人公デッカード(ハリソン・フォード)がスシ屋台で何かを「四つくれ (Give me four)」と言い、これに対しスシ屋の大将(ロバート・オカザキ)が返した言葉が「二つで十分ですよ」。デッカードは押し問答の末にあきらめ「二つ」にしてヌードルを追加注文し、大将は「わかってくださいよ」と答える(本当は「まかしてくださいよ」と言っているらしい)。この場面、デッカードは英語を、大将は日本語を話しながら会話が成り立っている。
主人公の初登場シーンでいきなり日本語のセリフが出てきた上、デッカードが「四つ」に固執したそれが「何」であったのか、映画館で上映された映像では不明であったことから、特に日本のファンのなかでは「謎」として話題に上るシーンであった(複数ある映像バージョンの一つによれば丼飯の上に載せる具の数である)。
「ブレードランナー」は本作「ニンジャスレイヤー」にも多大な影響を及ぼしている。「(数量)くれ」→「(数量)で十分」→「わかってくださいよ」のやりとりはリスペクトもしくはパロディめいて、そのままの形や多少の変化を加えた形で、しばしば登場する。
「開けてくれ!はやく!中身を出してくれ畜生!」男は憤怒の形相で浮浪者を睨みつけた。浮浪者は慌ててタッパーの蓋を開いた。中には紫色のまるい塊が六つ、詰まっていた。「一つくれ!一つで十分だ!早く!」「すぐ出すよ!わかってくださいよ!」浮浪者は塊を一つつかむと、男の口に押し込んだ。(「フィスト・フィルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ」#1)
なお、コミカライズ版では、元ネタの元ネタをリスペクトしてか、問題のセリフは「まかしてくださいよ」に変わっている(参考)。
ブディズム 
リンク先を参照な。
仏教関連用語全般もリンク先参照重点。
ブラインド・タッチ 
キーボードの鍵面の文字を見ずにキーをタイピングすること。現実世界においてはそれほど大げさなものでなく、読者諸賢にも習得されている方はおられようが、作中ではハッカーのワザマエを象徴するものとして登場している。
凄腕のハッカーは食事の合間もホームポジションを崩さず、UNIX技術者は、緊張すると無意識のうちに両手がホームポジションになるという。
なお「ブラインド・タッチ」は和製英語であり、英語ではTouch typingなどが一般的な表現である。
作中では失明した人物がタイピングを行うことがあり、そうした肉体的障碍をも乗り越え得る技能というから「ブラインド・タッチ」という表現が選ばれているのであろうか。
「俺のハッキッシュネスは、ブラインドネスに勝る」それは即ち、己のブラインドタッチが正確無比であることを示す、ハッカー・ジャーゴンだった。 ~「ショック・トゥ・ザ・システム」より
ブラムストーカー・エフェクト 
原作者のインタビューに登場する用語。
原作者2人は『ニンジャスレイヤー』の執筆当時、日本を訪れた事がなかったが、それがかえってニンジャスレイヤーの作品世界を豊かにしたというもの。
アイルランドの作家ブラム・ストーカーは、ホラー小説の古典『ドラキュラ』を生んだが、舞台となったルーマニアを描くにあたって用いた資料は全てロンドンで集めたもので、実際にルーマニアを訪れた事はなかったという。
ブルシット 
"bullshit"。牛の糞尿めいて下らない戯言、でたらめな事を指すコトダマ。
「ボーシッ」「ボーシット」と書かれる事も。
ブルズアイ 
"bull's eye"。
1)射撃や弓術などで用いる同心円状の的の中心。
2)当を得た言葉や行為、要点、急所。
3)半球レンズ、目玉レンズ。また、それを用いたランタンの一種。
聖なるマディソンおばあちゃん曰く「そうね!なんかこういう、ブチ当てた時のスラングだよ!」。
ブレイコウ 
無礼講。宴の席で地位の上下を気にせず楽しむ意味。
これ以外にも、高速道路の料金所等を素通りする場合にも用いられる。こちらは「Break out」の意味を掛けているものと思われる。
プロジェクト 
オムラなど暗黒メガコーポの再開発事業によって土地を奪われた人々があてがわれる、高層住宅群と工場などからなる地区。
米国の俗語で(一般に低収入世帯向きの)公営団地を project と言う。「プロジェクト」はこれに由来する名称であろう。
プロジェクト住民に提供される「最低限の衣食住の保障」は、工場での過酷な労働と引き換えである。「カンオケ」と称される窓の無いトラックでの移動や、外部からの出入りの厳しい制限などが描かれており、移住を拒否する人々が語る「強制収容」という言葉がプロジェクトのイメージを端的に物語っているであろう。
「ベイン・オブ・サーペント」ではフルタマ・プロジェクト第一区画の荒涼とした風景が描写されている。また、プロジェクトへの収容を拒否する住民の姿も、「スシ・ナイト・アット・ザ・バリケード」や「オウガ・ザ・コールドスティール」などで描かれる。
ザ・ヴァーティゴ=サンによると、オムラのプロジェクト区画唯一の買い物の場としてスーパーマーケットも存在するそうだが、これもオムラの系列会社の経営で、しかも地域外よりも値段が高いらしい(こちらを参照な)。
フロッピーディスク 
上書き禁止タブなどの厳重なセキュリティ機能を備えた電子記憶媒体。機密保持を重視する企業やハッカーがよく使う。
光学圧縮フロッピーディスクなるものが存在するなど、我々の知るフロッピーから独自の発展を遂げている。
そもそもY2Kによって電子技術が大ダメージを受けたため、UNIX用のCD-ROMやDVDは主流にならなかったようだ。
平安時代 
ニンジャが日本を支配し、キョート平安文明が花開いた神話が終わった時代。古のニンジャ大戦が終結し、平安時代が到来した。後に非ニンジャ(モータル)がニンジャによる支配を打ち破ったことで平安時代は終結した。
「古事記に平安時代の記述がある」「ジュー・ジツが成立している」など、我々の知る平安時代とは多くの点で異なる。
「『平和になったから平安時代』というだけで、実は本当に無関係なんじゃないか」という説も。
実際TOMのページにおける英語版イントロダクションでは、日本語版イントロダクションの「平安時代」に対応する単語が「the age of ninja tranquility(ニンジャ亡き世)」となっている。平安時代を英語で称する際は通常「Heian period(Heian era)」であるため、本当に無関係である可能性が高い。
……と思いきや、英語版「ゼロ・トレラント・サンスイ」においてミヤモト・マサシが生きた時代はHeian eraであるとされている。平安時代の闇は深い。
なお、時代区分自体が現実とは異なり、平安時代の次は江戸時代となる。作中に武田信玄や上杉謙信という武将が登場するが、彼らも平安時代末期の人間ということになる。その平安時代末期は戦国時代とも呼ばれる。
平安時代以前の歴史は世界的に見ても謎が多く、神話時代の他に暗黒時代とも呼ばれる。
ヘイキンテキ 
「平常心」の事と思われる。「ヘイキンテキを保つ」など、名詞として使われる場合も。
また、自らの精神や感情を御し平常心を保つ精神修養を「ヘイキン・テキ」と言い、ドラゴン・ゲンドーソーからユカノに伝えられている。
形容詞的な意味合いの「~的」が名詞として使われるのには日本人の感覚では違和感があるが、"mental" (心の)が日本で名詞的に使われるのと似たようなものであろう。
なお、ヘイキンテキのメソッドには「平常心を保つ」だけでなく、己の気配を殺して周囲に溶け込んだり、己のソウルの気配を隠蔽するものも含まれ、ニンジャがこれを非常に注意深きニンジャ野伏力を活用して行えばセンサー類をも欺く事ができる。
古事記には、ヘイキンテキを極めた結果、自身が石と化した事すら自覚しなかったミスティックの伝説もある。
似た用語:セイシンテキ
平坦 
「貧乳」の奥ゆかしい形容。忍殺に平坦重点のキャラが登場する事は実際少なく、現在までほとんどヤモト・コキへの愛称となっている。
対義語:豊満
ペケロッパ・カルト 
リンク先を参照な。
ヘンタイ 
hentai(変態)。忍殺語というわけではなく、実際欧米圏においては、エロマンガやエロアニメ等いわゆる「二次元」のポルノコンテンツを指す語として「ヘンタイ」が流通している。
作中においても「ポルノ・ヘンタイ」という言葉が登場する(ではポルノでないヘンタイもあるのか?)。
われわれの日本語で俗に言うところの「変態」の意味(「好色な」「性欲の盛んな」「異常な性欲を持った」人物、といった意味)では使われていないようで、「このヘンタイ!」というような形では現れていない。
ベンハ 
デッドムーンのネズミハヤイDIII車内のボタンの一つに書かれた文字。このボタンを押すと、ホイールから鋭利な側面スパイクが飛び出す。
古典的歴史映画『ベン・ハー』(1959年公開*2)が元ネタと見て間違いない。戦車(チャリオット)レースの場面が著名であり、実際車軸に装着した金属製スパイクで競争相手の車輪を破壊する描写がある。
翻訳チームからのアナウンスでも、間に「休憩時間」を挟むような大作映画の代表格として「ベンハ」が言及されている(1959年のベン・ハーの上映時間は約3時間半であった)。
ポイント倍点 
地の文=サンが用いるコトダマ。
吹っ飛ばされたなんか(生首の場合が多い)がゴールめいた場所を通過したり、ゴミ箱などに叩き込まれたりするとしばしば発される。
ラグビーのゴールキックに近い感覚だろうか?
作中で人物やTVのナレーションなどが使うこともあるため、一般的な言い回しのようだ。
防火説法モンク 
夜回りめいて火の用心を説く存在らしいが……
「アーッ!アーッ!火の用心!」奇声をあげてチギリキを連打する防火説法モンクとすれ違った。(「ハウス・オブ・サファリング」#2)
拍子木のはずがチギリキになってるとか、それを連打してるとか、思わず「夜回り曲解してんじゃねぇ!」と言いたくもなろうというものである。
豊満 
「巨乳」の奥ゆかしい形容。ウエスト、ヒップに対して用いられる事はほとんどない。
対義語:平坦
同義語:たわわ
ポスト磁気嵐時代 
第3部終盤で磁気嵐が消失してから、第4部現在までの時代。
磁気嵐消失後間もなくアマクダリ政府も崩壊し、暗黒メガコーポがますます力をつけ、形だけ残っていた国家は完全に消滅してしまった。
なお、「ポスト磁気嵐時代」という言葉がある以上、Y2Kから第3部までを「磁気嵐時代」と呼ぶはずであるが、ネオサイタマの住人は過去を振り返る機会が少ないからか、用いられる事はない。
不如帰 
ホトトギス。実際初見で読むのは難しい*3。
なぜか忍殺世界では数多くショドーされている文字列。部屋に飾ってあるショドーだけでなく、エレベーターの中に飾ってあるショドーや鳥居に貼られているお札など、あらゆるところに存在する。「不如帰」のショドーが不吉な運命を暗示する場合もある。
その年になってから最初に聞くホトトギスの鳴き声を「忍音(しのびね)」と呼ぶ事から、本作のメインテーマであるニンジャとなんかしているのではないか、あるいは「不帰」――「ポイント・オブ・ノーリターン」(もう後戻りできない)である事を暗示しているのではないか、というヘッズの考察もあるが、真相は不明である。
ホトトギスの他の漢字表記に「子規」や「杜鵑」などがある。また、ホトトギスという名の花(ユリ科)があり、こちらの漢字表記のひとつに「杜鵑草」がある。メンタリストのジツにより、これらの漢字がニンジャ名鑑#341として出てきたことがある。ちなみに物理書籍版での挿絵はバンディットだった。
ホロトリイ 
マグロ・ツェッペリン、漢字サーチライトと並んでネオサイタマ上空を彩るホログラフィー。
「旅客機誘導用ホロトリイ・コリドー」なるものが登場する。
ボンサイ 
実際 bonsai で海外に通じる代表的日本文化の一つ・盆栽は、忍殺世界にも存在する。
「ハンディバイオ松」なるコトダマも登場するが、盆栽の一種か。
ボンボライト 
生命エネルギーに反応して光を放つ神秘的な鉱石。
ボンボリ 
忍殺世界では照明器具全般にボンボリが広く使用されている。
LED発光式のLEDボンボリも多数見受けられる。「タングステン・ボンボリ」はおそらく白熱電球式。
ボンデリア(シャンデリア・ボンボリ)なるものも存在するようだ。
ま行 
マ? 
「マジ?」の略語。
現実でもギャル流行語大賞2017に選ばれている。
マイコ 
舞妓。我々の世界では茶屋などで接待を行う芸妓(いわゆる芸者)の見習いを指すが、作中ではオイラン同様に性風俗産業に従事している。風俗街にはマイコセンターなる施設が存在し、マイコデリバリーなるいかがわしいサービスも存在する模様。
ハイスクールには「チアガール」に相当するような「チアマイコ部」なる部活があり、カチグミに属する描写がある。「マイコ」は合衆国における「ダンサー」に相当するイメージなのだろうか。
合成マイコ音声 
施設内のアナウンスなどには「合成マイコ音声(電子マイコ音声)」が幅広く用いられており、奥ゆかしい声色で人をもてなしてくれる。オツカレサマドスエ。
合成マイコ音声は物理書籍7巻購入特典のDLボイスにも選出された。演じるは能登麻美子=サン。奥ゆかしくカワイイヤッターなウィスパーボイスで幸薄系女性やお嬢様役に定評のあるお方である。「ノト・カワイイヨ・ノト」のチャントも有名。
アニメイシヨンでも引き続き担当している。
マキモノ 
文書形態の一種。実際「巻き物」であろう。
われわれの世界では、実用目的ではまず使われない代物であるが
忍殺世界においては、機密情報を記したり、契約内容を記したりして現役である。
マケグミ 
社会的に低い地位を持つサラリマンや下流階級を指す。
センタ試験や就職活動に失敗したり、出世コースから外れた者の末路である。
いわゆる被差別階級として扱われており、新幹線のクラスに「マケグミ・クラス」なるものまである(駅のアナウンスでもそう呼ばれる正式名称)。
カロウシの危険もある劣悪な労働環境のためか、薬物中毒者も多い。
対義語:カチグミ
マジックモンキー 
マッポーの世において広く語られる寓話。
「ブッダの冠を盗んだマジックモンキーが、勝ち誇って荒野をどこまでも飛んでいくが、結局その荒野もブッダの掌の上に過ぎなかった」というもの。我々の知る『西遊記』の孫悟空に実際似ているようだ。
カブキの演目にもなっているらしい*4。破壊の武器ニョイボを持つマジックモンキーが偉大なるボンズ「サンゾ」を主とし、豚人間「ハカイ」と戦うという、やはり『西遊記』めいた筋書が作中にて描写されている。
ちなみに、孫悟空は英語圏では"Monkey King"の名で知られる。
マッポ 
一般警官。警察そのものを指す場合もある。警官を示すスラングが語源。
いわゆる放送禁止用語にあたるためか、アニメイシヨンTV版ではピー音でマスクされて放送された。
関連:デッカー
マッポー 
リンク先を参照な。
マッポーカリプス 
リンク先を参照な。
マネキネコ 
友好的な笑顔の猫の置物。我々の世界にあるものとほぼ同じもののようだ。
モーター駆動で招く手が素早く動き、電子音声で「ミャオーウー」と鳴く。
ドアベルとして使われたりする。
マビノギオン書 
英国の古事記と称される書物。
英国での様々な予言が記されており、エクスカリバーを振るう英国人ニンジャの出現や英国の闇の三神器について記されている。
マブ 
女性の美貌や格好良さの形容に用いられる表現。
日本語の俗語として実際長い歴史を持ち、「マブダチ」といったコトバの一部として、あるいは「マブい」という形容詞形で知られている。「本物の」「本当の」あるいはここから派生した「美しい」といったニュアンスで、いわゆる不良学生たちの間で1980年代頃に流行した。
万札 
おそらく我々の知るそれと大差ないと思われる。素子やトークンに比べて現金の登場回数が少ない中、「万札」だけはこの表記で登場する。
ただし、別の国であるネオサイタマとキョートの「円」は正確にはそれぞれ「新円」「オールド・イェン」という異なる通貨である。
物価が安いキョート・アンダーガイオンではかなりの高額紙幣らしい。また、少なくともキョートの万札にはセイント・ニチレンの肖像があしらわれている。
ミーミー 
ミーム (meme)、文化遺伝子。大雑把に言うと、一つの文化圏において世代を越えて継承される作法や行動パターンである。作中では「ヤクザのミーミー」などの表現が登場する。
- 同名のドラゴンについてはミーミー参照。
ミャオーウー 
猫の鳴き声のようである。
マネキネコから合成音声で流れるほか、ウミネコがこう鳴いている描写(「ミャオーウー!ミャオー!」)がある。
ミンチョ体 
書体の一種で、「明朝体」と思われる。
忍殺世界ではこの書体で書かれた文字は大抵厳かだったり禍々しかったり、とにかく単なる文字以上の意味を持っている事が多い。
バリエーションとして「極太オスモウミンチョ体」など、すでに我々の知る明朝体がどうかわからないものも存在する。
関連:オスモウ・フォント
無軌道大学生 
真面目に勉学に励むでもなく、刹那的享楽を求め遊び歩くマッポー的大学生。
その無思慮・無軌道ぶりは豪快かつ妙にリアル。
無防備股間 
男性が破壊されると実際01ぬなんか。
防備しててもガード崩しで無防備になったところを破壊されて01んだりする。
ムラハチ 
ムラハチとは、陰湿な社会的リンチのことだ。(「キルゾーン・スモトリ」#1より)
忍殺世界においては、さまざまな社会的組織において「ムラハチ」という慣習が行われる。「組織の和」を重んじる上で、目立つこと、相互の関係の均衡を崩すようなことをすればムラハチの対象となるのである。
我々の知る「村八分」と同じならば、集団で「共同絶交(いわゆる仲間はずれ)」を行う社会的制裁の一種と思われる。作中では、地域社会でムラハチされた人々が描かれているが、これは本来の「村八分」に近そうである。
マッポー社会を睥睨する上層民カチグミ・サラリマンですら(それ故にこそ?)会社内やネット上におけるムラハチを恐れる。また、小学生の子供社会、ハイスクールや大学の学校社会、マケグミ労働者の世界や、ハック&スラッシュのような犯罪者の社会においてさえムラハチは脅威であり、人々の行動を縛る。
現代に残る儀礼的チャドーにおいては、至る所に作法を弁えない者へのムラハチ・トラップが仕掛けられている。
名誉を失うようなことをすると、アノヨでアンセスターにムラハチされる、という考えがあるらしい。
○○めいて(○○めいた) 
「○○のような」の意味合いを持つコトダマ。
状況描写の一環として多用されるコトダマであり、実際通常の日本語よりもはるかに頻繁に用いられている。
これに関しては有志の研究も参照されたし(参考①②
)
ちなみに、サイバーパンクの金字塔『ニューロマンサー』の日本語訳にも(忍殺ほどではないが)散見される表現である。
用例:「ジゴクめいた(地獄のような)」「ヒミツめいた(秘密/謎めいた)」「バッファロー殺戮武装鉄道めいた(バッファロー殺戮武装鉄道のような)」
メイド 
忍殺世界ではさまざまな分野での女性の労働者がオイランに置き換わっているが、家事労働者としてはちゃんとメイドもいる。
日本のサブカルチャーにおいては、ロボットだったり武闘派だったり妙なキャラ付けをされたり、青少年のなんか方面に度が過ぎたりすることがよくあるメイドであるが、本作はその方面を「オイラン」や「オイランドロイド」が吸収した格好で、忍殺世界のメイドは実際普通のメイドである。
メガロ妄想 
誇大妄想のことと思われる。一過性の場合はメガロ気分となる。違法薬物の蔓延するネオサイタマには実際少なくない。
メンター 
師匠。特に精神的な面での目標や道しるべとなるような人。
ニンジャの力を手にしたところで、ジツも使いこなせずカラテもままならぬサンシタのままではマッポーの世を生き抜いていけるわけもなく、師弟関係は実際大事。
邪悪なニンジャソウルを制御できずにいたニンジャスレイヤーは、短い間ながらもドラゴン・ゲンドーソーよりインストラクションを授かっており、戦闘技術はもちろん精神面においても現在まで大きな支えとなっている。
また、ソウカイヤではソニックブームとスーサイドのようなヤクザめいた関係性、一方のザイバツではシャドウウィーヴとブラックドラゴンのように互いを信頼する奥ゆかしい関係性と、所属する組織や師匠の性質によって描かれ方は千差万別。
魅力的なメンターは作中にとどまらず、熱心なヘッズからもメンターと崇められる事がある。中には弟子をとっている描写のないニンジャに対しても……。
一部の変態ヘッズにとってのモスキート=サンなんかもソウデスネー。
メンポ 
"mempo"、"menpo"。「面頬(めんぼお、めんぽお)」の意。ニンジャが装備する、頭部と顔面を保護するための防具。
分かりやすい例で言えば、公式アイコンや書籍版表紙でニンジャスレイヤーの口元を覆っている「忍殺」マスクがメンポである。
ボンド「メンポとは金属製のマスクです。ニンジャとは切っても切り離すことのできない存在ですね。厳密に発音するとメンポオーとなるでしょうか。タケダ・シンゲンの甲冑にもメンポが存在します。酸素マスク、ガスマスク、サーモグラフィのような機能を備えたメンポも多く使われています。」(原作者インタビューより)
ニンジャにとって最も重要なアイテムらしく、真の三種の神器の一つでもある。
金属製のものが多いようだが、布製のもの、ガスマスクやオメーンの形をとるものなど多岐に渡る。食事用の開閉機構や各種武器が仕込まれている場合も。
また、鼻から下を覆うものだけでなく、顔全体を覆うもの(フルメンポ/フルフェイスメンポ)、逆に鼻から上だけを覆うもの、カブトやヘルメットと一体化したものなど各種ある。
どうやらニンジャは本能的に顔を隠したい衝動に駆られるものらしく、覚醒時に衣類などで口元を覆ったり、ニンジャソウルの力によってマフラーなどがメンポに変化したりする場合もある。
なお実在の面頬は当世具足(甲冑)の一部品であり、忍者の使うものではなかった。いわゆる忍び装束で口元を隠しているのはあくまで布である。
またデザインも、首を守るため下に覆い(垂)が付いているのが普通である。
ミヤモト・マサシのコトワザに「勝ってメンポを確かめよ」があるが、彼は非ニンジャであったので当世具足の面頬の事であろう。
関連:オメーン
モージョー 
"Mojo"。呪文、魔術、まじない、お守り。
元をたどればブードゥー、細かく言えば南部アメリカの民間魔術「Hoodoo」の言葉で、ブルースの歌詞などにも出てくる。
ヤクザ天狗は独自のモージョーを唱え、実行している。
- 食べ物のモージョー・ガレットについてはこちらを参照。
モータル 
"Mortal"。命に限りのある、死すべき定めの存在。海外のファンタジー小説やゲームなどでは「定命の者」と訳されることが多い言葉。
普通は不老不死である神(イモータル/Immortal)に対して生身の人間を指すが、作品内においては「非ニンジャ」の意味で用いられる事が多い。
半神的存在にして絶対強者たるニンジャに尊厳を踏みにじられたモータルの無念と怒りは忍殺の主要テーマの一つ。
黙秘権 
「裁判において認められている、都合が悪いことは証言しなくていい権利」のこと。それは作中でも現実でも同じ意味で通っているはずなのだが、なぜかネオサイタマ市警49課にかかれば「死人に口なし」の意味になってしまう。「お前には黙秘権がある!」*5と言いながら容疑者を物言わぬ死体に変えていく49課のデッカー達。コワイ!
モタロ(モタロ伝説) 
我々の知るところの「桃太郎」と、彼の登場するおとぎ話を指す。
古事記にその伝説が語られており、マッポーの時代でも子供向け絵本などで広く大衆に知られている。
モタロは猟犬・モンキー・孔雀を下僕とし、それぞれ彼の死後に猟犬は亡骸を、モンキーは財宝を受け継ぎ、孔雀は彼の事績を語り継いだ。
- ……ただし、これは子供が読んでも安心な配慮が施されたもので、「アウェイクニング・イン・ジ・アビス」によると、もうちょっといろんなことがあったようだ。
ニンジャの伝説を暗喩したものらしく、ザ・ヴァーティゴ=サンはモタロの下僕について「実際強いニンジャ達が伝説の継承の中で動物に置き換えられたのではないか」と推測している。
ニンジャスレイヤープラスによる解説はこちら(前編/後編
)。
モチヤッコ 
巷で人気のキャラクター。お餅かもしれないしお餅じゃないかもしれない。モチヤッコすごいねェー!
どんな姿のキャラクターなのかは実際謎だが、書籍版1部2巻の「フジ・サン・ライジング」の扉絵にモチヤッコらしい髪留めとぬいぐるみが描かれている。どうやら浮世絵の町奴めいたキャラらしい。
「モチヤッコはオモチなの?」という質問に対しザ・ヴァーティゴ=サンは「マメシバはマメなの?って自問自答すると答えが導き出せるんじゃないかな」と回答しているので、実際マメシバめいた存在なのかもしれない。
や行 
ヤギ前後 
ラッキー・ジェイクが発する言葉のひとつ。
元々は英語で滅茶苦茶な状況を示す「goat fuck」を脳内UNIXが単語ごとに直訳した結果こうなってしまった模様。
初出エピではヤギ頭のニンジャを前にした発言でヘッズ達を沸かせたが、それ以外のエピソードでも使用しており、聞いた者から獣姦趣味者と誤解される始末である。
ヤキバ・アタッチメント 
急を要する状況下での粗雑なハッキングの形容として登場。「付け焼刃」であろう。
ヤクザ 
リンク先を参照な。
薬物前後 
薬物を用いて対象の判断力を奪った上で前後行為に及ぶ事。
初出時にはまさにアサリがサークルの先輩の無軌道大学生からこの行為を受ける寸前であり、その危機的状況とあまりに退廃的なコトダマ力が相まって、ヘッズ間に大規模な薬物前後リアリティショックを引き起こした。
ヤバイ 
読んで字の如く。本来の意味である「危険」や、現在日本で新しく広がった「恐ろしいほど凄い」などの意味で使われる。
ハッカーのランキングの一つでもあり、「テンサイ級」の上を行く最上位階級として扱われる。
ヤバレカバレ 
我々の知る「やぶれかぶれ」とほぼ同義。追い詰められた者のあとさきを考えない行動を指して使われる。
自暴自棄や居直りといった、いささかネガティブな響きのある現実での用法に比べると、作中では死中に活を求めるようなポジティブな意味合いが多い、かもしれない。
ヤンク 
ヤンクとは、反社会的な高校生が学校単位で組織する危険な武装自警クラン構成員の総称である。日本において、公教育制度の成立とともにその存在はあった。戦後混乱期が生徒に自衛を要請したのである。今となっては、見ての通り、社会秩序を乱すばかりの集団だ……。 (「ラスト・ガール・スタンディング」より)
のっぴきならない社会情勢があったようだが、マッポーの世ではヨタモノの集団と何ら違う所はない不良高校生の総称。「ヤンク座り」「ヤンクバイク」なるコトダマも僅かながら登場しており、語の運用としては我々の知るところの「ヤンキー」に近い。
「公教育制度の成立とともに」という点から、現実の日本における明治期の「バンカラ」にはじまる「硬派」や「不良学生」の系譜に連なるものを想定していいのだろうか(日本の大衆文化に詳しいボンモーであれば、応援団モノ、番長モノの作品にも通暁していよう)。「戦後混乱期」を生み出したのは第二次世界大戦か、はたまた電子戦争か。高校生に武装自衛を要請した社会状況はただならないが、詳細は記されていない。
ユーレイ・ススキ・シンドローム 
「伝説なんてのは、全て誇張された嘘だ……(中略)……恐怖で俺たちを縛り付けておくための嘘だ。ユーレイ・ススキ・シンドロームの罠だ」 (「ソイ・ディヴィジョン」より)
あるいはなんらかの精神作用を有する症候群。元ネタは「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と思われる。
油断ならぬ相手 
地の文=サンの敵ニンジャに対する評価。
実際油断ならない強敵である事も多いのだが、「油断ならぬ相手」と評されながらなぜか登場前に死んでいたり、結末描写を省かれたりするニンジャもいる。
「都合上描写は省いたけど決して相手が弱いニンジャであっさり勝負が決まったからじゃないんだよ」という原作者の奥ゆかしいフォローなのだろうが、ヘッズからは「古代ローマカラテ」「常人の3倍の脚力」と似た弱敵のお約束扱いを受ける事も。
ヨタモノ 
与太者。弱い無法者ニンジャを指す「サンシタ」に対して、通常非ニンジャの無法者を指す。
愚者を体現したかのような行動をとっては痛い目にあったり殺されるのがお約束・インシデント。
また、ネオサイタマにはこの名を冠したライブハウスがある。
ら行 
リアル○○ 
ドロイドやクローン、バイオ生物などの普及により使われるようになった、「生身の人間」を区別するための接頭句。
それぞれについては以下に記す。
リアルオイラン 
オイランドロイドではない生身の人間のオイラン。
オイランドロイドもかなり普及しているが、依然としてオイラン遊びの相手にはリアルオイランの需要が高いようで非常に多く存在している。
オイランドロイド・アイドルであるネコネコカワイイの登場により、数十万人単位の女子が夢を諦め、オイラン専門学校への転校を余儀なくされたとされている。
リアルゲイシャ 
生身の人間のゲイシャの事を指すと思われるが、作中にはオイランドロイドは登場してもゲイシャドロイドが登場するという事がないため、ノット・リアルゲイシャがどういうものかすらよくわからない。
作中ではユリコがリアルゲイシャとして呼ばれていた。
リアルスモトリ 
バイオスモトリではない生身の人間のスモトリ。
古くはリョウゴク・コロシアムで興行に参加していたが、バイオスモトリの導入により下級のスモトリたちはリョウゴクから放逐され、外の世界でめいめい仕事を探す事となった。
一般人よりは遥かに強いがニンジャには及ばないため、割とよく殺される。
ニンジャソウルが憑依してニンジャになる者もおり、特にリアルスモトリのゴッドハンドはニンジャ説が囁かれている。
リアルニンジャ 
ニンジャソウルが憑依してニンジャになった者とは違い、自ら修行によりニンジャになった人間。
作中の時間軸ではドラゴン・ゲンドーソー、サンダーフォージなどがリアルニンジャであると明言されており、ドラゴン・ゲンドーソーが最後のリアルニンジャとされる(ラオモト・カンもリアルニンジャである可能性が示唆されている)。
太古のヌンジャであるカツ・ワンソーとその時代に生きたニンジャは全てリアルニンジャであり、作中で憑依するニンジャソウルはもともとリアルニンジャである。
リアルヤクザ 
クローンヤクザではない生身の人間のヤクザ。
クローンに比べリスクが大きく、減少傾向にある。そのため、ヤクザクランの大半は下級の兵隊をクローンヤクザで補い、重役のみがリアルヤクザという格好にしているヤクザクランが多いようだ。
生身の下級ヤクザは「レッサーヤクザ」、重役ヤクザは「グレーターヤクザ」と呼称する。
リコナー 
第4部シーズン3のネザーキョウにて登場する者達。
Wi-Fi狩りが行われるネザーキョウにおいて、潜伏しながら歴史遺物「プロキシ」を用いてインターネットに接続し、ネザーキョウで放置されているネットワーク・インフラを復活させている。
「DD-022」などの特徴的な認識番号を名乗っている。
(偵察者)との注釈が付いており、"recon"("reconnoiter"=「偵察する」の省略形)+"er"(接尾辞)が名前の由来と思われる。
ルーンカタカナ文字 
ルーン文字めいたカタカナ。平安以前の暗黒時代より、神秘的な力をもつ文字として古代ニンジャ文明で用いられてきた。刀工が武器などに刻む事で特別な力を与える事ができるらしい。
作中ではザ・ヴァーティゴ=サンが自らの武器「テツノオノ」を得るために、鉄塊へ「金属に殺戮の道具としての自覚を与え、パワーをもたらす」ルーンカタカナを刻むことでテツノオノを得た。この際には鉄塊がひとりでに捻じ曲がり斧の形状になった。
ただしザ・ヴァーティゴ=サンの言葉から推測するに、本質と矛盾する使い方では力は発揮されないようだ。参考
「ツーハンデッド・カタナブレードツルギ」や「ツラナイテタオス」が代表的か。
レクフユノキア 
ビホルダーが発したサカイエサン・トーフ工場の開錠パスワード。
逆から読むと「秋の夕暮れ」。「三夕の和歌(さんせきのわか)」で知られる和歌の代表的季題である。
もしくは「枕草子」の「秋は夕暮れ~」が元ネタか。
労働バー 
「ソイ・ディヴィジョン」でショーユ工場の労働者が押している棒。
ショーユの搾りの工程である事が記述されているが、描写的に「映画なんかで過酷な労働を強いられているシーンによくある、奴隷がぐるぐるまわす何か」を強く想起させられる。
あの「ぐるぐる回す奴」のイメージのもとは、船舶で錨を巻き上げる装置「キャプスタン」と思われる。中近世までの風力や人力を船の動力にしていた時代では、これも人力で回していた。当時は航海も命がけで身分の低い船乗りも多くいたために「過酷な光景」のイメージとして今も残っているのだろう。ちなみにこのニンジャは関係ない。
また、古代ローマのオリーブ搾り器(画像)や近世カリブ地域のサトウキビ搾り器(画像
)も似た形状をしており、こちらは正真正銘の奴隷労働に使用されていた。
ローグ・ウィッチ 
コードロジストの内、自らのカバルを飛び出した者たちであり、その多くが一匹狼。
一人前になる前に出奔しているため、知識や能力は不完全であるものの、市井のハッカーとは比べ物にならないほどのウィルス作成能力と旧世紀ハードウェア知識を持つため、引く手数多である。
その能力を己の欲望のまま悪行に用いる者も多く、コードロジストそのものに多大な風評被害をもたらしている。
なお、ザイバツのオッドジョブは元ローグ・ウィッチである。
ニンジャスレイヤープラスによる解説はこちら。
ローニン 
平安時代において荘園領主の扶持にありつけなかったニンジャの総称。
ナラク・ニンジャ曰く、「所詮サンシタの序列争いに過ぎぬ」との事だが、ローニンの中には慢心した名のあるニンジャを襲撃し見事その首を討ち取るなど、油断ならないワザマエの持ち主も存在していたようだ。
わ行 
ワータヌキ 
恐らく"were-tanuki"。狼男=ワーウルフ (werewolf) にならって直訳すれば「タヌキ人間」くらいの意味。
作中に登場するのはもっぱら「ワータヌキの置物」。部屋の片隅で惨劇の現場を直視していたり、温泉で豊満な裸体や屈強な偉丈夫の肉体に目を剥いていたりするシーンが印象的だが、これらは信楽焼の狸の置物のイメージではないかとする説が有力である。
また、ヤクザの刺青や電話のデザインにも使われている。
ワカラナイ!アーッ! 
事象が込み入っていて判断困難な状況に対する困惑を示す接尾句。
任務と個人的趣味の板挟みに遭ったニンジャの魂の叫びであり、ヘッズにもよく用いられている。
ワザマエ 
業前。腕前、技量という意味の普通の日本語だが、あまり使われないこの言葉が用いられる事で奥ゆかしいアトモスフィアが生まれている。
主に感嘆詞として用いられ、作中、素晴らしいテクニックを披露した者には「ワザマエ!」と語り手が叫ぶ。ワザマエ!
関連:タツジン
ワッパッパオー! 
「ニンジャ戦士特に宇宙」で用いられた掛け声もしくはファンファーレ。
「パワリオワー!」と同様、ヘッズによる囃し文句としても用いられる。
ワン・インチ距離 
ごく密接した間合い。ここまで接近した場合、ものを言うのは素手のカラテのワザマエである。
たとえドス・ダガーのような小さな武器であっても、素手の小回りには及ばない。
湾岸警備隊 
ネオサイタマの軍事組織。「湾岸警備軍」「ネオサイタマ湾岸警備隊」「N.S.C.G.」と記載されることもある。
第1部から名前が登場する組織だが、第3部ではアマクダリによる切り崩しが進み、実質傘下組織となっている。湾岸防衛隊元高官のハーヴェスターが国防軍顧問を務めているが、湾岸警備隊は日本国の「国防軍」の一部なのか、「国防軍」と並立する組織なのか、組織系統等は不明。
第3部での描写では、超巨大原子力空母「キョウリョク・カンケイ」を始めとする艦隊や戦闘機を保有し、遠洋までを行動範囲としている。また、保有する陸上戦闘部隊はキョートとの前線にも投入されている。
「おれたちゃドン詰まりで、湾岸警備隊だ」という台詞に見られるように、食い詰めた人々が身を投じる組織のようだ。綱紀もあまりよろしくないらしく、湾岸警備隊上がりの犯罪者や、犯罪を犯して逃げ込もうとする輩もいる。湾岸警備隊出身の傭兵もしばしば登場し、放出品の武器も多く出回っている。第3部には、湾岸警備隊出身のニンジャも少なからず登場する。
「マグロ爆弾に手を持っていかれる」「カニキャッチ装甲漁船に乗ったアナキストに突撃をされる」など、とかくスリルのある職場のようで、ある種の血の気の多い人物にとっては安い賃金(時給にして暗黒メガコーポの警備傭兵以下)にも関わらず懐かしい環境のようだ。
第3部終了後は首脳陣を入れ替える形で暗黒メガコーポ化され、自前で歩兵用のウェアと銃器、海上艦艇を製造している。
アマテラス・アームズ社などの軍需系暗黒メガコーポから戦闘車輌や航空機の供給を受け、それらの暗黒メガコーポに対し、湾岸警備隊員をダース単位からリース派遣している。
詳細はニンジャスレイヤープラスのシャード・オブ・マッポーカリプス(81):ヌーテック社から見た各メガコーポの兵器群を参照のこと。
ン 
セリフ中に現れる、カズオ・コイケ氏めいて特徴的な表記。
主に「……のだ」が縮まった「……んだ」に使われ、バーバヤガ、デスドレイン、タカギ・ガンドー、イグナイトなど、砕けた話し方の登場人物が多用する。
「そう決めたッてンだな?」(タカギ・ガンドー)
「何やってンだい全くもう」(レッドハッグ)
より一般的に、「汚ねぇだろォ!汚ねぇなァー!」(デスドレイン)のようにセリフの一部をカタカナにする手法の一部ともいえる。
当初はいわゆる「iPhoneチーム」翻訳のエピソードの特徴だったが、最近ではどちらのチームでも採用している。
記号・英数字 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
忍殺活劇の始まりの合図。これが現れるとニンジャヘッズは実際釘付け。
◆の個数については9個、10個など決まってはいないが今後の分析が待たれる。
ヘッズの間ではスリケンを表すヒエログリフなのではないかと噂され、通称「スリケンマーク」と呼ばれる。
その後、「スリケンマーク」の呼称は2012年12月1日のほんやくチームの案内においても使用されており、公式にも暗に認められているようだ。
第2部最終章「キョート・ヘル・オン・アース」の開幕にあたっては、直前にマザーコンピュータがばくはつした影響もあってか数えきれぬほどのスリケンが乱舞した。
◆休憩時間◆ 
エピソード連載中に挟まるアナウンスの一種。後述の【NINJASLAYER】よりも歴史は浅い。
このアナウンスが入った場合、リアルタイム連載は1~2時間程度の小休憩を挟み『◆休憩時間終了◆』のアナウンスで連載が再開する。
実際のアナウンスにおいては ◆決断的に休憩◆ や ◆ごはんたべましたか◆ などいくつかのバリエーションがあり、時として実況ヘッズの腹筋や胃袋をアンブッシュめいて襲う。
【NINJASLAYER】 
アイキャッチ。要するにテレビ・アニメイショオーンなどでCM前後に一瞬入るアレ。
翻訳チームのスシ切れなどでエピソード更新が日を跨いで中断する場合に、中断されるタイミングとそれを再開するタイミングで挿入される。
2チームが並行して翻訳するシステム上、カットインでの中断中に別エピソードが挟まるケースもある。
スリケンマーク同様、休眠中のタイムラインに突如現れてはニンジャヘッズの目を釘付けにする、あるいは盛り上がってきたシーンで突如現れてはヘッズをジラシ・ジツで悶えさせる罪なサイン。
変種として「-ninjaslayer-」も用いられる。
AOM 
4部の舞台となる世界「エイジ・オブ・マッポーカリプス」の略。
本編ではなく、公式の紹介文やインタビューなどに登場。
ASAP 
"As Soon As Possible"の略。「至急」「早急に」という意味。
例:「ASAPで殺すべし」
BSCVATM 
作中における伝説のバンド、ブルタル・ショーギ・サイボーグ・ヴァーサス・アングリー・タナカ・メイジンの略称。
DHA 
不飽和脂肪酸の一つであるドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic Acid)のこと。
脳灰白質部、網膜、神経、心臓、精子、母乳中に多く含まれる大切な物質だが、人間はこれを体内で合成できないため外部から摂取する必要があるという。
主に青魚に多く含まれるが、特にアンキモやマグロのトロ部分に豊富に含まれている。マグロを食べると頭が良くなるという通説はここから来ていると思われる。
ニンジャスレイヤー作中では特にその部分が強調されており、天然のテクノウマミ成分DHAは、脳神経系およびシナプス伝達系をブーストする神秘的な化学物質であるとされている。
そのため、ハッカーなどがトロ粉末を鼻から吸引してニューロンを急激に活性化し、覚醒状態に入る描写などがある。
作中ではその作用については未だに謎が多く、人類はその恩恵の10パーセントほどしか引き出せていない、ということになっている。
DIY 
"Do It Yourself"の略。専門業者や他人の力に任せず、「自分の力でやろう」という意味。
手作り感、アナログのあたたかみ重点。ほんやくチームによるヘッズ参加型の企画は、このDIY精神に溢れたものが実際多い。
ニンジャスレイヤーを応援するヘッズの中にも、このDIY精神を持って二次創作など様々な制作活動に勤しむ者が少なくない。奥ゆかしいヘッズの心得の一つである。
後に原作者インタビューにて「その時代のエピソードが無い!読みたい!だから書いた!」という発言もなされた。創作行為全般に通ずる理念とも言えよう。
FKG 
IP(IPアドレス) 
UNIXネットワークに接続する各端末の所在を定義する文字列。現実世界におけるそれと同様の意味を有すると思われる。
忍殺世界においてIPv6は実用化されなかったようで、Y2K問題とそれに伴うIP資源の枯渇とが電子戦争の原因となった。
ナンシー・リーのコトダマ存在においては心臓部に隠されており、暴き立てるには胸元にあるライダースーツのチャックを引き下げる必要がある。青少年のなんかがあぶない。
IRC 
UNIXを通じてアクセス可能な、総合的な通信ネットワーク。
IRCは実在のチャット方式である*6が、忍殺世界のIRCは、現実のIRCよりも遥かに発展を遂げており、音声や映像のリアルタイム通信、対象の座標特定など様々な技術が実用化され、さながら現実世界のWebクライアントのようになっている。
第4部では現実のフェイスブックやTwitterのようなサービスであるIRC-SNSが登場している。
かなりユビキタス化が進んでおり、ネットワークの通じていない空間はほとんど存在しない。
IRCチャット会話文 
作中では、IRCにおけるチャットの会話は以下のように表記される。
#KOKESI:SATOU :イカを発見したので焼きます。 ///
#KOKESI:NAGAMU:はい、焼いてください。 ///
(第1部「キルゾーン・スモトリ」より)
文末の区切り記号(上記の例では「///」だが、「|||」などが用いられたりすることもある)までが「1行」であり、2つのコロン(:)で区切られた3つのパートからなる。
- 最初のパート、#で始まる文字列は、IRCのチャンネル名(チャットルーム名)。チャンネル開設者が任意のものを設定でき、そのチャンネルの性格や話し合いの主題が反映される。上記例はある遊戯場での会話であるが、この施設がコケシマート跡地を利用しているがゆえの名称であろう。暗黒組織の談合には #DANGOU、ニンジャスレイヤーとナンシーの極秘の会話には #NS_GOKUHI が用いられていた。 実際わかりやすい。
文章の上では省略されることもある。 - 2番目のパートは、発言者の名(ハンドルネーム)を示す。上記例のナガム(NAGAMU)とサトウ(SATOU)は本名を用いているが、もちろんニックネームを使うこともできる。たとえばナンシーは "YCNAN"(Nancy の逆読み)、ニンジャスレイヤーは "NJSLYR"(Ninja Slayer の母音抜き)。
- 3番目のパートがメッセージ内容。UNIX上ではメッセージの横にカッコでくくられた入力時間(タイプ速度)が表示される。
ハッカーたちの間ではなるべく手短に済ます文化があり、(現実のネット同様)独特の略語も多く使われる。
メタ的にはIRCチャット会話文の「解読」も面白みの一つで、未知のIDが登場した場合には「このメンバーは誰だ」と考えながら読み進めこととなる。
IRCチャンネル 
IRCでのチャット会場となるルーム。
作中ではニンジャスレイヤー達や敵組織までもが極秘のIRCチャンネルを開き、そこで作戦会議を行っている。
作中世界においては以下のIRCチャンネルがメジャーであるようだ。
- ダークハンザイ・ドットネット
ハック&スラッシュ(武装押し込み強盗)の仲間や依頼を募集するための違法IRCチャンネル。 - ハケン・ジンセイ
メガコーポ傭兵のためのIRCチャンネル。 - エイトナインスリー / 893
フリーランス・ヤクザ・マッチングIRCチャンネル。
IRC中毒 
IRCの普及によるIRC中毒者が作中では度々登場する。
ネットワーク接続の慢性化によってニューロンをやられ自我が薄まり、堅苦しい言葉遣いしかできなくなっている。
ひどい場合はUNIXを抱いたまま昏睡し、目覚めず、最悪死に至る。
急性重度自我希薄化症の特効薬としてはニューログラが存在する。
kick 
実際のIRCのコマンドで、チャンネルオペレータの権限により特定のユーザーをチャンネルから強制的に追放する(部屋から蹴り出す)。
コトダマ空間での戦闘ではこれの応酬が行われることがあり、コミカライズ版では実際にキックを行う姿が描かれる。
LAN 
我々の知るものはLocal Area Network(ローカル・エリア・ネットワーク)という、狭い範囲のネットを意味した単語だが、忍殺世界ではネットワーク回線全般を示す言葉であるらしく、極めて一般的なケーブル規格として流通している模様。
ハッカーやサイバー化した人間は、所謂サイバーパンクにおける「ジャックイン」と同じような感覚でLANケーブルを直結している。
マッポーの世において、無線LAN電波はハッカー教団やテクノギャングやテロ組織やマッポの仕掛けたウィルスや干渉電波によって汚染され尽くしているため、それすらも逆手に取るほどのタイピング速度を有する高位のハッカーか、失うものの無い下層民でもなければ、公共無線LANを敢えて使おうとはしない。
LAN直結 
LAN端子から直接ケーブルを延ばし、機械または武器や兵器と直結させ接続する行為。
生体LAN端子を設けたLAN直結者がUNIXや武器と直結してタイプや物理トリガの操作などの手間を省き、その操作性を圧倒的に向上させたり、機器間でのデータのやりとりや同期の最も素早い手段として使われる。
あらゆる電子機器にLAN端子が共通規格的に設けられていると言っても過言ではないほどにLAN端子が普及している忍殺世界では、ハッカーたちはネットワーク越しの攻撃だけではなく敵の懐に飛び込んで機器にLAN直結し、機能停止ないしは破壊、システムの混乱を引き起こすなどのスパイめいた活動をする時もある。
一方でLAN直結者もメリットばかりではなく、LAN直結者になるために必要な生体LAN端子に関してもインプラントする場所が脳(脊椎)に近い場所である必要があるため、他のサイバネティクスと比べて非常にニューロン損傷のリスクが大きい。敵のサイバー攻撃によってニューロンを焼かれ、失明、精神崩壊、絶命するなどのリスクが存在する。敵に物理的接近を許し、生体LAN端子を物理的にジャックインされファイアウォールを破られた場合はニンジャであろうともまず助からない。
また、LAN直結によるハッキング行為は、カウンターハッキングや防衛プログラムの反撃を脳に受ける可能性があるため命がけであり、脳のリソースの殆どをハッキングに費やす必要がある。
そのため、LAN直結でのハッキング行為中は周囲への警戒が疎かになりがちである。
また、コトダマ空間へ精神を飛翔させている場合は肉体側の意識がなくなるため、まったくの無防備になってしまう。
LAN端子に関してもオムラ社やハヤイ社、闇医者などをたらい回しにされ、多額の金をメンテナンスに使う必要がある。
メンテナンスを怠れば錆が回り、そこからノイズの混入が起こり頭痛や精神的障害、薬物依存を引き起こす可能性があるなど、LAN直結者になるという事は非常に大きなリスクを伴う選択であると作中では語られている。
数年で型落ちし旧型になり、インプラントし直す必要もあるため、ハッカーは実際ハードな職業である。
LAN直結者同士であれば、お互いをLAN直結する事でニューロン情報の共有が可能。
ただし、LAN直結するという事はお互いのニューロンに自由に侵入できるという事で、どちらかが攻撃を仕掛けた場合、相手と自分のハッキングのワザマエの如何によっては一瞬でニューロンを破壊される事もある。
そのため、攻撃目的でないLAN直結が行われるのは、信用の置ける相手との情報共有やごく親しい友人の間でのゲームの対戦などに限られているようだ。
その「心身ともに深くつながった状態(byザ・ヴァーティゴ)」という特性から、「性行為」の形容表現として用いられている節もある。
実際変態めいてナンシーを電子のヨメと呼び、LAN直結を迫るダイダロスなどもいるため、多用すると青少年のなんかがあぶない。
LED傘 
本文で特に説明はないが、発光ダイオード(LED)を組み込んでいるらしい傘。
映画『ブレードランナー』に登場したような、中棒(シャフト)が光る傘を想像すればよいだろうか。
なお、そのようなLED組み込みの「光る傘」は現実でも販売されている。
NRS 
ニンジャリアリティショックの略称。
NSPD 
ネオサイタマ市警(Neo-Saitama Police Department)の略。
ドラマでも有名なニューヨーク市警(NYPD)と同様な。
ほかに、NCPD(Neo-saitama City Police Department か)やNSCC(Neo-Saitama City Cops)が用いられることもある。
PING 
実在する、IPネットワークにおける基本的な試験ツール。
相手側に「エコー」を返すよう指示を送り、到達性を確認する。
その名称は潜水艦のアクティブソナーの発する音波をpingと呼ぶことから来ている。
忍殺世界においては以下のPONGと合わせて運用されたりする。
PONG 
ハッカー同士の決闘にしばしば用いられる、卓球めいたUNIX遊戯。世界で最初にヒットしたビデオゲームである同名作品が元になっている。
詳細はwikipediaの記事を参照重点。
PVC 
我々のよく知るPVC(ポリ塩化ビニル)は、忍殺世界においては衣類やノボリなどに用いられ、ありふれた生地素材とされている。
熱心なヘッズは実際に着用して近未来的アトモスフィアを噛み締める事もできる。
SAKIBURE(サキブレ) 
その日の更新の有無を表すマーク。SAKIBUREを参照のこと。
T1回線 
ネオサイタマの地下に束になって眠っている旧時代のインターネット基幹ケーブル。
T1とはISDN時代に広く使われていた実在の規格で、平たくいえば90年代の高速回線の代名詞であった。
TELNETプロトコル 
実在する通信プロトコルの一種。
手許(ローカル)の端末から遠隔(リモート)のサーバを操作するための仕組み。コンピュータの発展期、1970年代に整えられた。現代ではセキュリティ面などでよりよいプロトコルが登場しており、実務的に使われることは少なくなっている。
ニンジャスレイヤーの世界では「古のTELNETプロトコル」という形で言及される。Y2Kでコンピュータ技術や通信技術に激動があった結果として、Y2K以前のテクノロジーに連なる一握りの人々しか使いこなすことが出来ないもののようだ。
UNIX 
コンピュータのオペレーティングシステム(OS)であるUNIXは、忍殺世界においては現実世界より遥かに普遍的に用いられている。忍殺世界における最先端のOSであり、それを搭載したコンピュータの総称(コンピュータを特に示す場合には「UNIXコンピュータ」とも)。事実上「コンピュータ」と同義で使われており、たとえばマザーコンピューターのようなものに「母なるUNIX」という表現も見られる。
情報フロッピーや、ドラムロールを利用したパンチシートなど、各種先端技術(我々の世界とは異なる発展を遂げている)が惜しげもなく投入されており、一般的な情報端末からアイアンオトメのようなモーターサイクルまで、様々な分野で活用されている。
なお、この世界のUNIXはオーバーフローすると爆発する。殺傷能力さえある。
OSには擬人化されたカエルとウサギがよく登場する。
古いものでは、UNIXを搭載しないコンピュータもあるようだ。
関連:パンチシート
Y2K 
Y2Kカタストロフィとも呼ばれる。
我々の世界においては、コンピュータの年号管理が下二桁を利用したものだった場合に2000年を迎えると00年と認識され、1900年と誤認されることによりデータベースの日付順の並びがおかしくなったり、誤作動を起こす可能性があるとされた2000年問題のこと。
作中においては、西暦2000年を迎えた瞬間に世界各地のUNIXが日付認識バグを起こし、オーバーフローによってIRCネットワークとオヒガンが繋がってしまい、瞬間的に凄まじい量のエテルが物理世界へと異常流入した。これによって世界中のUNIXが爆発し、多くのデータや技術、技術者が失われ、小規模ポールシフト、フジサン噴火、磁気嵐が発生した。
また、この事件に伴ったIP枯渇問題が原因で電子戦争が勃発し、宇宙進出の夢も断たれてしまった。
フジサン上空にオヒガンと物理世界を貫く超自然の穴が生まれ、ディセンション現象が加速化したのもこの事件以降とされる。
Y2K以前と以後とではコンピュータ技術・通信技術は大きな断絶がある。一部の技術は、Y2K以前の知識に連なるわずかな人々のみが使いうるものとなっており、「古のTELNETプロトコル」「忘れ去られし古のBASIC言語」が言及されている
whois 
実際のIRCのコマンドで、ユーザー情報を表示する。
49 
49は日本文化において最も不吉とされる獣の数字である。 (あるニンジャの名鑑)
実際の日本でも死(4)と苦(9)が重なるとして、たとえば自動車のナンバープレートの下二桁には49が原則的には使われないなど、避けられることのある数字である。忍殺世界においてはたいへん不吉な重みのある忌み数のようで、ちょうど実際の欧米における13めいたアトモスフィアを漂わせる。
2600Hzのクラリオン 
しばしばペケロッパ・カルトの礼拝で言及される用語。初出は「バトル・オブ・ザ・ネスト」。
「礼拝の時間なので少し席をはずします」ようやく話がまとまりかけた所でハッカーが言い、部屋の隅でチャントを始めた「……そして天使は2600Hzのクラリオンを高らかに吹き鳴らし……」。他の三人は無表情でスシを食い、広間からはオイランドロイドのプログラムされた歌声が聞こえてきた。 17
元になっているのは、おそらくハッカー雑誌『2600』の名前の由来である実在のヤバイ級ハッカー
の功績であろう。
彼は1970年代、子供向けシリアル『キャプテン・クランチ』のおまけに付いてくる玩具のホイッスルが2600ヘルツの音を出すことに着目し、同じ周波数を用いていたアナログ電話の接続システムを欺いて長距離通話をタダ掛けする裏ワザを編み出したのである。
上記のチャントにある「天使は(楽器)を高らかに吹き鳴らし」は、新約聖書の「ヨハネの黙示録」に登場する、終末を告げるラッパ(トランペット)を吹く天使が元であろう。「終末喇叭」はおそらくこんな感じの音がする。