湾岸マキシシリーズの中では、1~3DX+迄のことを指す。
対義語は、新筐体。
初代湾岸ミッドナイト・湾岸ミッドナイトRは便宜上「旧旧筐体」とする。そうすると、この筐体は2代目筐体ということになる。
部品や用品の供給・サポートに関しては2017年8月をもって終了している。
※ソース:バンダイナムコテクニカサポート バンダイナムコエンターテインメント商品の保守対応終了について
その為、もし今後も稼働させようとした場合部品取り・共食い整備の為の「ドナー」となる筐体を確保する必要がある。
新旧比較
旧旧筐体 | 旧筐体 | 新筐体 (D:ドライブ筐体、T:ターミナル筐体) | |
幅 | 1600mm | 880mm | D:880mm T:750mm |
奥行き | 1630mm | 1630mm | D:1500mm T:565mm |
高さ | 2000mm | 2060mm | D:2050mm T:2150mm |
質量 | 350kg | 260kg | D:205kg T:135kg |
消費電力 | 420W | 480W | D:340W T:250W |
モニター | ブラウン管 (サイズ不明。) | 29インチブラウン管 | 32インチ液晶 (方式不明。TN方式か?) |
アスペクト比 | 4:3 | 4:3 | 16:9 |
ピクセル数 | 不明 | 640×480 | 1280×720 |
イルミネーション | 蛍光灯 | 蛍光灯 | フルカラーLED |
カード方式 | 無し | 磁気・直接記録 | 非接触IC・オンライン保存 |
旧筐体の基板
磁気カードの欠点
旧筐体では個人データの記録方式に磁気カードを用いていた。磁気カードは1枚あたりの単価は現代のICカードと比べ格段に安価であるが、以下の欠点が存在する。
- カードそのものに情報を書き込んでいるため、強力な磁気を受けてしまうとデータが破損する。
よくテレホンカード等で「テレビやスピーカー等に近づけないで下さい」と注意書きがあるが、スピーカーは永久磁石とコイル、振動板を使って音を鳴らす。そこに使われている永久磁石はそれなりに磁力があるため、磁気カードに大きな影響をもたらしてしまう。
最近ではフリップカバー付きのスマホケースの留め金が磁石のもので中に磁気カードを収納しておいたらデータが破損していたという事例が多発しており、銀行やクレジットカード会社等が注意を呼び掛ける事態に発展している。
- 高温環境下でもデータが破損してしまう。摂氏50~70℃程度でデータが破損する。
夏場の直射日光下の車の中は摂氏70℃以上になることも多く、磁気カードを車内の直射日光がモロに当たるところに放っておいたところ、読めなくなった事例が多発するのはそのため。もっとも、バナパスなどのICカードも中のチップが高温に曝されれば破損する可能性はあるが、バンダイナムコIDにさえ登録しておけばデータをいつでも移行できるので問題はない。
- 耐久性が低い。湾岸マキシで60回プレイすると更新料を支払って新しいカードにデータを移行していたのはそのため。
テレホンカードや電車・バスのプリペイド乗車券の場合なら残高のフラグを順次消していけばいいだけなのでそこまで問題ではないが、ゲームの場合はそれなりに大きなデータを順次更新していく必要があり、頻繁にデータを新しいカードに移さなければならない。
- ICカードと比べてエコロジーではない。前述のとおり磁気カードは余程のことがない限り使い捨て前提で使われるのが一般的。一方、ICカードの場合は磁気カードと比べて耐久性が高いため長い目で見ればICカードのほうが最終コストは磁気カードを終始貫き通す場合よりも安くつく。
鉄道会社やバス会社等がICカードの導入を推し進める理由のひとつでもある。そしてアーケードゲーム業界も、磁気カード→ICカードに流れを変えるようになった*4。
- 磁気カードは読み書き速度が遅い。そこに無理やり大容量のデータを入れているため読み書きに時間がかかる。
マキシ4以降のクラウド上でデータを管理する方式では、NTTフレッツ光高速回線を用いているためデータ通信にかかる時間が短く済むようになった。
- カードを取り忘れると他人に容易に盗まれてしまう。しかもカードの取り忘れ警報音が用意されていないという致命的な設計ミスを犯している。
- 磁気カードはデータの偽造・改竄が容易。それが故、コピカや解析テロカ等が蔓延した*5。特に海外版では日本版と異なりCNに使える文字にひらがな・カタカナが存在しない影響で、セーブデータの解析のハードルが日本版よりも低下していたのも一因となった。
中国の湾岸マキシの某車のデータで、分身トロフィー999999個(カンスト状態)なのにC4級という、正規のプレイ手順では絶対に再現不可能なデータが存在する(チートあるいはセーブデータ改竄が必要)。3DX+の時に改竄したデータを4に引き継いだ為このような事態が発生したが、そのような明らかに不正なデータをノーチェックで4に引き継がせたバンナム側にも非がある事は否めない。
- カードの盗難・紛失に対する救済措置が無い。旧筐体ではカード上にプレイデータを記録しており、インターネットへの接続を一切行っていなかった為救済のしようが無かった。
なお、同時期稼働していたアイドルマスターのアーケード版ではオンラインシステムが設けられていた為、磁気カードでありながら非公式ではあるが直近のデータを報告すれば無料で再発行出来た模様。
マキシ4以降ではバナパスを用いて、ネット上にあるバンナムのサーバーに全プレイヤーのデータが中央集約化されたため解決…したはずなのだが、2段階認証(ワンタイムパスワード)を設定せず、なおかつ他サイトと同じパスワードを使い回しているアカウントが「リスト型攻撃」というものに遭うと不正ログインされてデータを抜き取られる可能性がある。ワンタイムパスワード設定時だと、普段使っている端末以外からログインしようとすると設定されているメールアドレスに一定時間有効のパスワードが送られ、それを入力しないとログイン出来ないようになる。もしメールアドレスのアカウントもクラッカーに掌握されているのなら詰み。
旧筐体のメリット
良い点を挙げるとすれば、オンライン環境を必要としないこと、24時間稼働可能なこと、価格の安さなどが挙げられる。
つまり言い換えれば「十分な電源とスペースさえ確保できれば、場所を問わず設置ができる」という事である。
そのため地方や郊外といった場末の小規模なゲーセンをはじめ、ゲーセンではない「門外漢」な場所、たとえばちょっと大きなスーパーやホテルなどの宿泊施設、果ては旅客船内などのゲームコーナーにも旧作がひっそり置かれていたりする。
また中古アーケードゲーム機の販売業者次第では個人に売ってくれたり、ネットオークション上で筐体が流通していた事例もある*6。
これを利用して自宅にゲーセンを作ってしまう猛者が存在する。ただし騒音や電気代や設置スペース、タイトルによっては筐体の重みで床が抜ける事もあるので自宅でゲーセンを再現する時は細心の注意と覚悟が必要。
実際、UUUM所属のYouTuber「のぶなり」氏が3DXを1台、3DX+を2台所有していることを明らかにしている。
旧筐体のある店舗の総評
種別 | 評価・おすすめ度 | 総評 |
レトロゲーム専門店・レトロゲーム博物館 (BTTAや日本ゲーム博物館等) | ◎ | 一番おすすめ。その手の店舗に行く為に旅行するだけの価値がある。まさに「餅は餅屋」。 レトロゲームに対する専門的な知識が豊富なプロ揃いなので最も信頼出来る。カードリーダーも基本生きている。筐体維持の為のコネ・ツテも強い。 "客もプロ"であり店員と客が互いにリスペクトしあっている点も高評価。 店舗の殆どは個人事業主*7によって運営されるところが多いが、近年ではGiGOという超大手様が秋葉原にて「レトロG」というレトロゲーム専門店を出店する例も*8。 |
一般的なゲーセン(レトロゲーム非専門) | ◯~△ | 専門業者なので信頼度はある。ただし店舗によりムラがある為見極めは必要。レトロゲームの設置数が多い店舗なら信頼度は上がる。カードリーダーの生存度は半々程度か。 |
遊園地 | ▲~△ | 非ゲーセンとしては一番マシ。ある程度の規模以上(観覧車や絶叫コースター、メリーゴーランド等がある)の遊園地であれば遊具のメンテナンスを行う専属のエンジニアが常駐している為、レトロゲームのメンテナンスも出来ない事も無いが…。 遊園地の遊具は人命を預かる、すなわち「安全第一主義」での運用を主体とする。その思想はゲーム機に対しても及んでおり、カードリーダー等の故障リスクの高い要素は各種トラブルを抑制する観点上排除されるのが一般的。 |
スーパーマーケットのゲームコーナー | ✕ | 基本ノーメンテか委託業者に丸投げ。他店で酷使されたジャンク寸前の筐体、特にカードリーダーが既に撤去されている筐体が入ってくる事が多い。 コイン詰まり等の致命的な問題でない限り、調子が悪くても「はいはい、業者に伝えておきますね」と言って塩対応をされるのが一般的。期待するだけ無駄。 |
スポッチャ | ✕ | 産業廃棄物の置き場。今や旬ではない、最前線から退いたものをかき集めた「終末期病棟・ホスピス」的存在。 スポッチャの運営方針的にはスポーツ器具や乗り物がメインコンテンツであり、アーケードゲーム機の優先度は最下位。よって基本ノーメンテ。それなのに何故か液晶化改造をする等手を加えることがある。正直手間もコストも無駄遣いではなかろうか? ※なお、現時点で青森県・宮城県・兵庫県・徳島県にはラウンドワンは出店しているがスポッチャが存在しない。 山形県・茨城県・山梨県・富山県・福井県・鳥取県・島根県・山口県・長崎県にはラウンドワン系列の店舗が一切存在しない。 |
公衆浴場・宿泊施設 | ✕ | 左官の垣根。メンテに関して専門的な知識を一切持っていない為、勿論基本ノーメンテ。ここも他店で酷使されたジャンク寸前の筐体、特にカードリーダーが既に撤去されている筐体が入ってくる事が多い。 何の知識も無い場所に期待する事自体がそもそも大間違いであり、やはりこの手の施設では温泉や食事などを楽しむ方が賢明である。 ただしホテルの規模が大きければ大きいほどゲームコーナーのスペースやラインナップも比例して充実する傾向にあり、支配人がレトロゲーム大好きな |
年齢制限の設けられた親子連れ専用施設 (USランド等) | ✕ | 基本ノーメンテ。勿論カードリーダーは死んだまま。一方でボールプールやトランポリンのメンテはしっかりしている。 とはいえ子供、特に小学生低学年や幼稚園児以下の年齢の者であればクソメンテでも不満不平を言う事無く遊んでくれるので問題は無いし、親からしたら手がかからないのでありがたい存在。 |