概要
DQ5から登場した【作戦】で、【AI】に頼らずプレイヤーが自分で行動を選択できる。
DQ3までやDQ4第四章までのマニュアル入力と同じく、コマンド入力方式で具体的な指示をすることになる。
その後、オンラインゲームのDQ10を除くすべてのナンバリングに登場している。
リメイク版DQ4とガラケー版以降のDQ3にも採用され、これらの作品で主人公(勇者)の【性別】を男にした場合は項目名通り「めいれいさせろ」、女にした場合は「めいれいするわよ」になる。
解説
一応作戦の一種なのだが、普段からAIを使わない人にはコマンド入力が当たり前過ぎて、作戦という概念があること自体認知されていないこともある。
だがFC版DQ4ではこれが無かったので全てAI任せにするしかなく、上手く使いこなさないと某神官が暴走したりして非常に困ったことになった。
普段当たり前に感じていたコマンド入力をありがたく思える瞬間である。
ちなみに、ガイドブック等で「マニュアル入力と違って、あくまで『命令』するだけなので、キャラの性格やパラメータなどの条件によっては、これに従わないこともある」と解説されることもあるが、普通のマニュアル入力だったDQ3でも【遊び人】のようにコマンド入力に従わない奴もいたので、結局違いはない。
ただし、あくまでも「命令に従わせる作戦」なので、【主人公の声真似】を受けて作戦そのものを変更されてしまうと、命令を無視して変更後の作戦に応じた行動へと変更される。このことからもわかるように、命令(もっと言うなら作戦そのもの)を発令しているのは主人公という設定なのだが、主人公が死亡しているなどで戦線に出ていない場合でもシステム上のコマンド入力は可能。
DQシリーズのAI戦闘は仲間の人間臭さを出すという開発陣の意図があり、キャラごとに好んで使いたがる技があったり、わざと非効率な行動をするように設定されている作品(いわゆる『おバカAI』)もある。そうでなくても長いダンジョン攻略で「MPは必要最低限の使用に抑えて温存したい」など細かい機微の判断はAIには難しい。なのでコマンド入力を面倒と感じないのであれば、当然ながらこの作戦が最もプレイヤーの意図に沿いやすい。
普段AIを使っている人でもボス戦なんかでは非常に重宝する作戦。【まじんぎり】【パルプンテ】【マダンテ】などのAIが使用しない行動を使わせたい場合にもこれ。
通常の戦闘セオリーが通じないような相手への対処ができるのも長所。
例えば有名な所では【ばくだんいわ】が挙げられる。HPが一定割合以下になるとメガンテで自爆して多大な被害を及ぼすため、通常の戦法でHPを削ると却って危険に晒されることがあるのだが、この作戦ならば「どくばりで刺す」「ニフラムで消す」のような安全策だけを使わせる采配ができたりする。
めいれいさせろ(DQ3以前などのマニュアル入力にも言えるが)の最大の弱点は、ターン開始時に行動を決定するという仕様上、【ターン】の途中の展開次第で臨機応変な対応は当然できないことである。
特に、誰に飛んでくるかわからない、【痛恨の一撃】等による瀕死時の【ベホマ】や死亡時の【ザオリク】をすぐさま使えない。
次のターンを待っての使用では体勢を立て直せず、回復役もやられてそのまま全滅一直線という状況に陥ることもある。
そのため、素早さの低い回復役などはあえてAIに任せて、あるいはめいれいさせろとAIを適宜変えながら戦うのも一つの戦法であると言える。
DQ11(PS4版とその移植)やDQ10オフラインではターン開始時ではなく行動直前にコマンド入力を行うようになったため、この問題は解決。AIに任せるメリットは少なくなった。
DQ3(ガラケー版以降)
個別に作戦が設定できるようになっているため、特定のキャラだけマニュアル操作で他はAI、といった指示が決められるようになる。
DQ4(リメイク版)
リメイク版で満を持してこの作戦が登場するようになった。
それによってFC版ではまともに補助呪文を扱ってくれなかった【クリフト】【ブライ】【ミネア】の扱い易さが格段に上昇し、自軍の戦力は大幅に高まった。
一方で、AIの判断力が「最初から敵の【耐性】を把握している」という点以外ではFC版よりも劣化しているので、結果的に「めいれいさせろ」以外の作戦はあまり使えないものとなっている。
特に、【はじゃのつるぎ】や【こおりのやいば】のような呪文効果のある【道具】を使わせたい場合などは、この作戦で手動で入力する他無い。
ただし、例外的に【しゅくふくのつえ】や【けんじゃのいし】のみ、AIもこれらを道具使用してくれる。
また【トルネコ】はこの作戦を指示していても、無視して【トルネコの特殊行動】をすることがある。
元々4分の1の確率で「作戦」を無視していたのは同じだし、役に立つ行動も多いのでDQ3の【遊び人】よりも少しはマシと言えるが、なまじ「命令」ができる作戦ゆえ、それを無視することが際立つ。
その結果、第五章でのトルネコの評価の低さは相変わらずで、2軍落ち・牢屋行きの常連なのは結局変わらないのだった。
【主人公(DQ4)】(勇者)には作戦を設定できない本作だが、スマホ版では【にげる】に失敗したり【不意打ち】を食らうなど勇者に対するコマンド指定ができないターンにおいて、勇者が【1ターン休み】や【眠り】【麻痺】で行動不能になる場合、食らう直前に勇者の行動欄に「めいれいさせろ」と表示されるバグがある(DS版は未検証)。
DQ5
本作で初登場。
【週刊少年ジャンプ】1992年1-2合併号でのコラムによると、この作戦の導入の経緯は、同じく今作から導入された【仲間モンスター】システムとも関わりがあり、
- 仲間モンスターには特有の特殊攻撃を使えるようにしたい
- →そうなると、プレイヤーは自分でモンスターの行動を指示したくなるだろう。しかし前作のAI戦闘も捨てがたい
- →それなら「めいれいさせろ」の作戦を新設し、これで1匹ごとに命令できるようにする。ただし、かしこくない場合はイマイチ命令を聞かない
- →レベルを上げる楽しみがますます出てくる
といった話し合いのもとで決定された。
他の作戦と同じく、仲間モンスターは【かしこさ】が20未満だと無視することがある。一桁だと全く聞かずに勝手な行動を行い、10~19なら半分程度は命令を聞く。
また、この作戦にしている間のみ【パパス】が2回行動をすることがある。ただし、パパスは作戦自体に従わないため、コマンド入力もできない。
なお説明書には、「NPCでない人間キャラも性格によっては従ってくれないかもしれない」と書かれていた。
恐らくは青年時代前半において、半NPC的な性質を持つ【フローラ】を指しているものだろう。
他のキャラではそのようなことはないので安心してコマンド入力で指示しよう。
リメイク版
かしこさ19以下なら数値に関わらず、半分程度は命令を聞くようになった。
DQ6
仲間モンスターもかしこさに関係なく命令に従ってくれるようになった。
ただし、この作戦に設定している間、【キラーマシン2】と【ランプのまおう】は1ターン2回行動してくれない。
【スライム格闘場】ではこの作戦は使えないため、SFC版ではかなり運が絡む。
リメイク版では【バッチリがんばれ】固定になり、無駄な行動をする可能性が減少した。
DQ7
ナンバリング作品としては初めて個別に作戦が設定できるようになった。
特定のキャラだけコマンド入力で他はAI、といった指示が決められるようになる。
DQ8
本作から【武器】を装備してる時の【こうげき】で、グループ内のどの敵を選べるか選択できるようになった。詳しくは【グループ】を参照。
これにより一層マニュアル色・セルフ色が強まったといえる。
【チーム呼び】で召喚したモンスターにはこの作戦を使わせてくれない。
当然【モンスター・バトルロード】も同じ。DQ6のスライム格闘場と同じく、やきもきした気分を味わうことになる。
スマホ版
戦闘におけるコマンド入力のUIがスマホ向けに変更された関係で、「めいれいさせろ」は登場しない。
この作品で初めてAI対応となった【主人公(DQ8)】を含め、戦闘開始時には各キャラにこれ以外の作戦のいずれかが設定された状態となっており、命令したい場合はそのキャラの作戦欄をタップしてコマンド指定を行う。
3DS版
主人公をAIで動かせる点はスマホ版と同じだが、PS2版と同じ入力方式のため、「めいれいさせろ」も作戦として存在する。したがって主人公にこの作戦を設定できるのはこの作品が初。
なおスマホ版の仕様を継承してのことなのか、この作品では戦闘中のカーソル記憶の対象にコマンド自体も含まれる。
したがって1ターン目で呪文や特技を使って大方ダメージを与え、2ターン目は全員打撃で片付けようと思った場合、他の作品のようにボタンを連打していると、前ターンと同じ呪文や特技・コマンドが繰り返されてMPや手数を無駄にしてしまうこともあるので、面倒でも「こうげき」にカーソルを合わせる必要がある。
DQ10オフライン
3DS版DQ8やDQ11同様、【主人公(DQ10)】にこの作戦を設定可能。
DQ11
3DS版DQ8同様、AI対応となった【主人公(DQ11)】にもこの作戦を設定できる。
主人公はデフォルトの作戦がこれになっているが、仲間は「バッチリがんばれ」がデフォルトになっているので最初からAIを使わない方針であるなら、加入直後の作戦変更を忘れずに。
DQ11S
【異変後】の追加シナリオでは、各キャラがそれぞれ主人公になっているからなのか、各シナリオ開始時のデフォルトの作戦はこれになっている。AI任せにしないのならそのままでもいいが、するのなら作戦変更を忘れずに。また、異変後の本編開始時の主人公の作戦も強制的にこれになっている。
DQM1・DQM2(GB版)
個別に作戦を設定できるようになったが、GB版DQM1・2は単に作戦を「めいれいさせろ」にしておくだけではダメであり、【たたかう】ではなく毎回【さくせん】から「めいれいさせろ」を選ばないと指示ができない。
【格闘場】ではこの作戦が【とくぎつかうな】に差し替えられる。
なお、通常時もめいれいさせろ状態でたたかうを選択した場合はこのパターンとなる。
なお、公式対戦等ではこの作戦の使用は禁止されることが多い。
DQM1・2(PS版)、キャラバンハート
一度「めいれいさせろ」にしておけば、本編のように「たたかう」を選ぶことでコマンド操作になる。
ジョーカー1~
ジョーカー以降のモンスターズでは「作戦」を選んでもAI任せの作戦ばかりが並び、「めいれいさせろ」が存在しない。
代わりに「たたかう」コマンドの下に「命令」コマンドがあり、それを選ぶ事でコマンド操作に移行できる。
DQMJ2P以降は命令しても【AI○回行動】及び【せいしんとういつ】時の2回目以降の行動も行う。
2回目以降はAI任せになるので、スカウト時など敵を倒したくない場合は「作戦」で対処する。
または【ぼうぎょ】など2回目以降の行動をしない命令にする必要がある。
シアトリズム
リズムが主体のゲームであるため、通常と異なる仕様で登場。
具体的には編成画面でこの作戦を設定すると、そのキャラクターが修得済みの呪文と特技が表示され、個別に使用の可否を設定できるというもの。
ミュージックステージ中は、その設定に従いチェックを外した呪文・特技を使用しなくなる。