【作戦】

Last-modified: 2024-12-11 (水) 16:41:28

概要

DQ4から【AI戦闘】と共に導入されたシステムで、文字通り味方に戦略の方針を示すためのもの。
シリーズによってその性質は異なるが、要するにAIにどういった行動を取らせるかを決めるものである。
作戦の変更は移動中・戦闘中とも【さくせん】コマンドにて行うことができる。
DQ6まではパーティ全体に一つの作戦が適用されるが、DQ7以降に導入した作品では各個人単位で指定できるようになった。
 
本編シリーズのみならず、外伝作品でも様々な作戦が登場しており、これらを上手く使いこなせば【戦闘】や冒険をスムーズに進めることもできるようになる。
 
【堀井雄二】の発言によると、この「作戦」の概念はDQ4の開発中に後から作られたものであるという。
DQ4開発当初のAI戦闘には作戦の概念は無く、ただひたすら「ベストな戦い方をする」ような仕様になる予定であった。そして戦闘が単調にならないよう、【馬車】による入れ替えシステムも導入している。
しかしこの「ベストな戦い方」という点でスタッフ間で議論が巻き起こり、そこで「プレイヤーが今どうしたいのかをAIにわからせる」仕組みとして、作戦のシステムが導入されるに至った。
【週刊少年ジャンプ】1989年19号)
 
それぞれの作戦の詳しい内容・行動パターンなどについては、各作戦のページを参照。

DQ3(ガラケー版~Switch版)

【ガンガンいこうぜ】/【ガンガンいくわよ】
【バッチリがんばれ】
【おれにまかせろ】/【わたしにまかせて】
【じゅもんつかうな】/【じゅもんはやめて】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】/【めいれいするわよ】

DQ3ではガラケー版からAI戦闘が導入され、勇者以外の各キャラに個別に作戦を指示できる。ラインナップはリメイク版DQ4と同じで、勇者の【性別】で作戦名の口調が変わる。
デフォルトは「バッチリがんばれ」。

DQ4

初登場。ただしDQ4での登場は第五章になって仲間ができてから。

【ガンガンいこうぜ】
【みんながんばれ】
【いろいろやろうぜ】
【じゅもんをせつやく】
【じゅもんをつかうな】
【いのちをだいじに】

以上6つの作戦が登場した。デフォルト(初期状態)では「みんながんばれ」。
これらの作戦は「【パーティ】【プレイヤーキャラクター】全員」の行動パターンに対して影響を与えるもので、【勇者】お助けキャラを除く全員が、指定された作戦に基づく判断で行動するようになる。
内部的にはもう1つ行動パターンがあり、逃走不可の戦闘で「ガンガンいこうぜ」と「みんながんばれ」を選択した場合はそちらの行動パターンに切り替わる。「ボス戦では『みんながんばれ』でもMPを出し惜しみせず、『ガンガンいこうぜ』でも割と補助を使う」といった行動様式の変化は、この行動パターンに準じているため。
プレイヤー自身が仲間全員に直接指示を出すタイプの作戦が存在しないため、これらの作戦を状況に応じて上手く使い分けながら冒険をする必要がある。
 
作戦名は、移動中にボタンを操作せずに放置しておくと、画面下部のステータスウィンドウと同時に画面上部に横長の【ウィンドウ】で表示される。戦闘中には画面右上のステータスウィンドウ右に、以下のような形で助詞を省略した形で2行に跨って表示される。

ガンガン
いこうぜ
みんな
がんばれ
いろいろ
やろうぜ
じゅもん
せつやく
じゅもん
つかうな
いのち
だいじに

なお4コママンガ劇場シリーズの4コマクラブ傑作集1巻では、【中井一輝】が「究極の作戦」というネタ(勇者が究極の作戦「命を大事にしつつガンガンいろいろがんばって呪文は節約しようぜ」を提唱したが、アリーナに「じゅもんをつかうな」が抜けている事を指摘される)を投稿し、【柴田亜美】賞に選ばれた(P92)。

リメイク版

【ガンガンいこうぜ】/【ガンガンいくわよ】
【バッチリがんばれ】
【おれにまかせろ】/【わたしにまかせて】
【じゅもんつかうな】/【じゅもんはやめて】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】/【めいれいするわよ】

勇者とお助けキャラを除いた各キャラに個別に作戦を指示することが可能となり、「みんながんばれ」が「バッチリがんばれ」に変更。また、待望の「めいれいされろ」が登場し、第五章以降も仲間をマニュアル操作できるようになった。
その他「いろいろやろうぜ」と「じゅもんせつやく」が削除されて「おれにまかせろ」が追加され、DQ7と同様のラインナップになった。
また、勇者の【性別】によって作戦名の口調が変わるようになったのもPS版DQ4が初。
デフォルトは「めいれいさせろ/めいれいするわよ」。
 
個別設定になったため、PS版では戦闘中でもウィンドウに作戦名が常時表示されることはなくなった。DS版では上画面の各ステータスウィンドウの上に、スマホ版ではステータスウィンドウの下に表示される(DQ5・DQ6も同様)。

DQ5

【ガンガンいこうぜ】
【みんながんばれ】
【じゅもんせつやく】
【じゅもんつかうな】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】

前作の「いろいろやろうぜ」が削除され、「めいれいさせろ」が登場。これにより、DQ3以前のようにプレイヤー自身がパーティ全員の行動を直接指示することもできるようになった。
平時はAIに任せた作戦、厄介な敵やボス戦などの時は「めいれいさせろ」で戦うなど、状況に応じて臨機応変に戦略を変えることができるため、「作戦」の利便性が一気に向上した。
 
作戦名は前作で戦闘中に表示されていた、助詞を省略したタイプのものが正式な名称となった。
作戦名の表示位置は前作と同じ。
 
また、敵の中に【主人公の声真似】をしてこちらの作戦行動を妨害するモンスターも登場している。

リメイク版

【ガンガンいこうぜ】
【バッチリがんばれ】
【おれにまかせろ】
【じゅもんつかうな】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】

主人公と非AIキャラクターを除いた各キャラに個別に作戦を指示することが可能になったほか、「じゅもんせつやく」に代わって「おれにまかせろ」が追加され、DQ7と同様のラインナップになった。

DQ6

【ガンガンいこうぜ】
【みんながんばれ】
【おれにまかせろ】
【じゅもんつかうな】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】

「じゅもんせつやく」が削除され、「おれにまかせろ」が登場。
基本的な仕様はDQ5の時から変わっていないのだが、DQ6では【転職】システムによって誰でも様々な【呪文】【特技】が習得可能となっているため、最終的にはAIに任せるとみんな似たような行動しか取らなくなってしまう。
もっとも、やり込みでもしない限りはそこまでのことになることは少なく、本編中にキャラに合った【職業】を中心に選択していれば、クリア前までならその限りではないのだが。
 
立ち止まっていてもウィンドウは表示されなくなったため、移動中に作戦を確認するにはさくせんコマンドを開くしかなくなった。戦闘中での表示位置は画面左上に変更された。
 
なお、「主人公の声真似」をするモンスターも前作に引き続き登場している。

リメイク版

【ガンガンいこうぜ】
【バッチリがんばれ】
【おれにまかせろ】
【じゅもんつかうな】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】

主人公と非AIキャラクターを除いた各キャラに個別に作戦を指示することが可能になり、DQ7と同様のラインナップになった。

DQ7

【ガンガンいこうぜ】
【バッチリがんばれ】
【おれにまかせろ】
【じゅもんつかうな】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】

作戦のラインナップにはほぼ変化はないが、主人公(マニュアル入力)以外に対して「一人一人に個別に作戦を指定」できるようになった。このシステム変更に伴い「みんながんばれ」は「バッチリがんばれ」へと変更された。
これにより作戦の利便性はさらに向上し、戦略の幅が広がることとなった。例えば、【ガボ】は「ガンガンいこうぜ」、【メルビン】は「バッチリがんばれ」、【マリベル】は「いのちだいじに」で戦え、といった具合である。二人にAI行動の作戦を出して、残りの一人だけを「めいれいさせろ」にすることももちろん可能。
デフォルトはこれ以降DQ9まで「めいれいさせろ」になっている。
 
個別設定になったため、これ以降の据置機作品ではスペースの関係で戦闘中にも常時表示されなくなった。
スペースの余裕のある3DS版・スマホ版では、ステータスウィンドウの下に表示される。

DQ8

【ガンガンいこうぜ】
【バッチリがんばれ】
【テンションためろ】
【じゅもんつかうな】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】

主人公以外の各キャラごとに設定できる。
「おれにまかせろ」が削除され、【テンションためろ】が登場。
【テンション】の導入に合わせての登場だが、この作戦は今のところDQ8にしか登場していない。
その他のシステムは従来と大きく変わってはいない。

スマホ版

戦闘におけるコマンド入力のシステムが変更され、各キャラごとに「作戦を指定するか、行動を細かく指示する(めいれいさせろ相当)かのどちらか」を入力する方式になった。
このため、作戦としての「めいれいさせろ」が削除されている。
 
また、シリーズで初めて、【主人公】にも作戦を与えてAI行動させられるようになった。
当時は「【トロデ】が主人公に指示しているのだろう」という考察もできたが、今では他の作品でも主人公をオートで動かせるのが当たり前になったため、そうは言えなくなってしまった。

3DS版

コマンド入力は従来の方式に戻り「めいれいさせろ」も登場したが、スマホ版と同様に主人公にも作戦を与えられる。
作戦名は3DS版DQ7同様、戦闘中のステータスウィンドウの下に表示される。

DQ9

【ガンガンいこうぜ】
【バッチリがんばれ】
【いろいろやろうぜ】
【MPつかうな】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】

主人公以外の各キャラごとに設定できる。
「テンションためろ」が削除され、「いろいろやろうぜ」が復活。
また、「じゅもんつかうな」は「MPつかうな」に名称が変更されている。
それ以外は従来とほぼ同じである。主人公の性別によるアレンジは無い。
 
作戦名は戦闘中のみ、下画面のステータス表示欄の右の枠に表示される。

DQ10オフライン

【ガンガンいこうぜ】
【バッチリがんばれ】
【いろいろやろうぜ】
【MPつかうな】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】

【主人公】を含めたキャラ毎に作戦を設定できる。
DQ9・DQ11と同じ6つの作戦。なお主人公の性別相当である「スタイル1/スタイル2」による作戦名の違いは無い。
デフォルトの作戦はめいれいさせろに統一されている。
また、新機能として【ここだけおまかせ】が追加された。

DQ10オンライン

「めいれいさせろ」が無く、「おれにまかせろ/わたしにまかせて」が搭載。リメイク版DQ4などと同様に主人公の性別によって作戦名が微妙に変わる。
詳しくはこちら、一覧はこちら

DQ11

【ガンガンいこうぜ】
【バッチリがんばれ】
【いろいろやろうぜ】
【MPつかうな】
【いのちだいじに】
【めいれいさせろ】

DQ9と同じ6つの作戦に戻った。
個別に設定でき、スマホ・3DS版DQ8と同じく【主人公】にも作戦を設定できるようになった。
仲間の加入時の作戦はバッチリがんばれに統一されている(主人公のみめいれいさせろ)。

モンスターズシリーズ

基本的には本編のDQ7以降のシステムと同様である。
また、DQM1・DQM2では作戦の指示がモンスターの性格に影響を与える。詳しくは【性格】を参照。
モンスターズシリーズに登場する作戦は以下の通り。

【ガンガンいこうぜ】
【いろいろやろうぜ】
【いのちをだいじに】
【とくぎつかうな】
【めいれいさせろ】

キャラバンハートには上記の5つの作戦に加え、「MPせつやく」という【じゅもんせつやく】を彷彿とさせる作戦が存在する。
 
ジョーカー以降では、全体コマンドの「戦う」の下に「命令」があり、ここから使いたい特技を指定する形になるので、作戦としての【めいれいさせろ】は存在しない。
また、ジョーカー2プロフェッショナル以降では「いろいろやろうぜ」が【サポートたのむぞ】【せんりょくうばえ】の二つの作戦に細分化され、ジョーカー3では本編からテンションためろが輸入された。
更に、戦闘中はメンバー全員の作戦をまとめて変更できるようになった。
 
本シリーズでは作戦変更を封じる特技に【作戦封じの息】【かくらんの叫び】が登場している。
 
【ドラゴンクエストモンスターズ 20thアニバーサリー モンスターマスターメモリーズ】によるとテリワンの初期の企画段階では
「なにやってるんだ」(発憤を促す叱責だが、性格次第で消極的になる)、「すきにやってくれ」(個々の自主性に任せる)、「そのちょうしだ」(モンスターを褒めて気分をよくさせる)、「△☓○*+!(何を言ってるのかわからず突飛な行動に出る)、「さっさとにげるぞ」(戦闘から逃げる)という作戦も考案されていた。

不思議のダンジョンシリーズ

こちらでは、ダンジョン内での【仲間モンスター】の動きを制御するために使用する。
自分に同行しろ」「ここでじっとしていろ」「危なくなったら逃げろ」などといった感じである。
仲間モンスターは独自の判断で勝手に敵とも戦うため、安全に冒険をするならこれらの作戦による制御はほぼ必須となる。
モンスターの特徴をよく理解してそのモンスターに適した作戦を指示すれば、かなり有効な戦略を生み出すことも可能。
【ゆうれい】に壁の中で【ここでまってて】と指示するなどが、その代表と言えるだろう。

スラもりシリーズ

スラもり2の勇車バトル、スラもり3の船バトルの際に用いられる作戦として登場。
ゲームの仕様は異なるが、「どんな戦略で戦うか」を指示するものという点は変わっていない。
なお作戦の数はかなり多く、その全てがスラもり独自の作戦である。
中には特定のキャラクター専用の作戦というものも存在する。

シアトリズム

【ガンガンいこうぜ】
【バッチリがんばれ】
【いのちだいじに】
【ボスまでMPつかうな】?
【めいれいさせろ】

【ボスまでMPつかうな】は、作戦名の通りBMS【ボス級モンスター】が出現するまでは【MPつかうな】という内容。

ライバルズ

第10弾カードパック「破壊と創造のフロンティア」にて新登場した効果。「さくせん」表記で、【さくせんがえ】という特技もある。
全10種類ある効果からランダムに3つが提示され、その中から選択した効果1つ(例外もある)が対象に付与される。
全10種のさくせんは以下の通りで、名前はナンバリング以外にDQM、スラもり、トルネコなど多様な外伝から取られている。

【ガンガンいこうぜ】 攻撃力+2
【いのちだいじに】 HP+2
【バッチリがんばれ】 +1/1
【ここでまってて】 におうだち
【かってにしてね】 特技ダメージを受けない
【とにかくにげて】 攻撃力-1 HP+3
【せんりょくうばえ】 このユニットに戦闘ダメージを与えられたユニットは死亡する
【テンションためろ】 死亡時:テンション+1
【サポートたのむぞ】 死亡時:カードを1枚引く
【リーダーを かいふく!】 死亡時:味方リーダーを3回復

幅広い効果を状況に応じて選択できる便利な効果。結局はランダムなのでこのためだけに採用するのは難しいことが多いが、運良く刺さる効果を引ければ非常に強力。
といってもステータスを強化できる4つが出なくてがっかりする場面も多い。
【武闘家】はさくせんとシナジーを持つ効果が多く、サービス終盤では【物質系】さくせんをメインに戦うデッキも活躍した。

ウォーク

【ガンガンいこうぜ】
【バッチリがんばれ】
【MPつかうな】
【いのちだいじに】

戦闘中に「オートバトル」を選ぶ、あるいは「WALKモード」を選んで接敵・戦闘を自動化した場合に作戦が反映される。
オートを選ばない状態が「めいれいさせろ」だと考えれば、DQ9・DQ11から「いろいろやろうぜ」だけ抜いたパターンと言える。
オンライン前提のゲームだけに、後からの調整(【メタル系】に有効な特技を選択するようになるなど)も行われている。

余談

2016年3月には任天堂のWii U用オンラインTPS『Splatoon(スプラトゥーン)』で「ガンガンいこうぜ」と「いのちだいじに」の2チームに分かれて戦うコラボフェスが行われた。結果は「いのちだいじに」チームの勝利。
詳しくはこちらを参照。