【デバッグルーム】

Last-modified: 2024-04-14 (日) 10:15:55

概要

ゲーム開発者がデバッグ作業(イベントチェック、バグ探しやその他諸々)を行いやすくするために意図的に用意したゲーム内の領域のこと。
各種イベントを自由に見る、ステータスや所持金を最大にする、全職種マスターにするなど様々な事が実行できる。
作品によっては【没モンスター】などの没データやモンスターの没モーション、【ダミーデータ】を閲覧できる場合もある。
 
デバッグのための機能を用意する事自体はほぼどんなゲームにおいても行われているが、
それ用のアイテムだったり、外部から入力する特殊コマンドだったりと、その形態は様々。
DQにおいては、一部のシリーズでマップとしてデバッグ用の「部屋」を用意して機能を受け持ったNPCを配置し、それに話しかける事でデバッグ機能を利用する形式になっている。
 
大抵のゲームは作品完成段階でデバッグルームが削除されているが、デバッグルームそのものがプログラムとして組み込まれている都合上、削除が原因でバグが生まれる可能性もあるため、通常の方法では到達できないように処置を施した上で、あえて残すケースもある。
基本的にPARなどの外部ツールを使わなければ絶対に行けない場所だが、GBC版DQ3やPS2版DQ5など、バグ技を利用することで行けるゲームもある。
 
また、作品によってはデバッグルームとはまた別にデバッグコマンドが残されているものもあり、そちらも同様に各種設定等を変更・実行することが可能。
 
ゲーム内容そのものを好きに操作できるなんて面白そうと思う人も居るかもしれないが、業務としてのデバッグは不具合の洗い出しや動作確認のため特定の動作(例えば65535ターン経過させる、5スライムを揃える等)を延々と繰り返したり、想定されうるプレイヤーの操作パターンを虱潰しのごとく確認していったりするなど、単調さをはらんだ気の遠くなるような作業の繰り返しであり、製品の品質管理として膨大な時間と人的コストがかかる物。あくまで製品のチェックを行うための工程であって、自由に好き勝手に遊べるわけではないのである。

DQ3(GBC版)

【キメラバグ】によって入手出来る一部のバグアイテムを使用すると極低確率で行ける(行けなかった場合は真っ白な画面やバグった画面などが出てフリーズする)。
サウンドテストやモンスターのモーションの鑑賞などが行える。

DQ4(PS版、DS版)

NPCに話しかけるとカジノコインや小さなメダルを増やしたり出来る。
DS版ではNPCに話しかけても反応が無いため詳細不明(何らかのフラグが立つ?)。

DQ5(PS2版、DS版)

基本的にはDS版も含めて4と出来ることは同じである。
時期は限定されているが、PS2版では【オープントレイ技】で以下の手順を踏むと行ける。
 
1.【スティックバグ】を起こす。詳細は当該項目参照。
2.そのまま幼年期のストーリーを進め、【古代の遺跡】脱出イベントを起こす。
3.【ゲマ】をスティックバグで無視してそのまま外に出る。
4.そのまま戦闘を開始し、主人公だけを気絶させる。
5.復活地点が2で消滅した関係か、主人公気絶後でもなぜかその場で移動が可能になる。
6.付近の毒沼を踏むと、「○○○○は きぜつした!」と再び表示され、暗転してデバッグルームに。
 
もし4で仲間キャラも含めて全員のHPが0になってしまったら、移動しようとしても「動けない!!」という謎のデバッグメッセージが表示されるだけになって動けなくなるので注意。
 
オープントレイ技で馬車を手に入れて【ドラキー】もしくは【おばけキャンドル】を仲間にし、LVを上げて【ラナルータ】を古代の遺跡で使わせることで、スティックバグを使わずともゲマを無視することができる。その場合も4~6の手順を踏むとデバッグルームに行ける。
 
デバッグルーム内には様々な施設が並んでいるが、この中には【ルイーダの酒場】があり、覗いてみると幼年時代の時点で【男の子】【女の子】【サンチョ】が待機メンバーとして既に登録されている。
この3名については、システム上はゲーム開始時点で正式加入済になっているようだ。
なお子供たちの名前については、命名イベントを済ませていない場合は【デフォルトネーム】の「レックス」と「タバサ」になっている。
ちなみにストーリー上でこの3名とほぼ同時期に加入する【ピピン】は、青年時代後半で本人に話しかけないと加入しないので注意。
 
また並んだNPCの中にはなんと裏ボスもいる。
しかしその姿は何故か【犬】。何があった地獄の帝王。
 
PS2版にはデバッグルームとは別にデバッグコマンドも残っており、
そちらを利用するとデバッグルーム以上にフリーダムなプレイを楽しむことができる。

DQ6

DQでは恐らく本作で初登場した。
専用のフロアを用意してあったり遊び心があるが…ここでは非常に過激な会話をするNPCがいる。スタッフ何考えてやがる。
一部のマップでは通路を塞いでいるNPCがいるがこのNPCをチートで撤去しても何も無い。
モンスターのアニメーションを観賞出来るが、【みぎて】【ひだりて】の一部のモーションを再生しようとすると画面が激しくバグり、「Aボタンを押すとバグった文字の塊が右から左に流れるものの、他のボタンの操作を一切受け付けない状態」になる。実質【フリーズ】に近い。
ここでセーブすると地名が「テスト」になる。
DS版は4と同じ。

DQ7

PS版では【チート】で出せるようにしたデバッグコマンドを使えば行ける。
ディスク1からディスク2、ディスク2からディスク1のシナリオを参照できる上に、作中のムービー【オープニング】【プロローグ】【炎の山】の噴火・【ライラ】のダンス・【ティラノス】復活・【アイラ】のダンス)はディスク1枚1枚に全部収録されている。
そのため、なぜディスクを分割して発売したのかよくわからないことになってしまっている。なお、ハーメリア編のフラグを扱うコーナーに「そしてだれもかこ・ヌーザをたおしたあと」という【グラコス】を差し置いて謎のモンスターの名前がある。このヌーザというのはおそらくグラコスの代わりに登場させる予定だったキャラなのだろう。
 
3DS版ではデバッグフロアというフロアが全部で84か所設定されており、DS版でのほかのデバッグルームと似たような機能をもつ部屋もある。(しかし大半は配置物、建物が異なるだけで特に変化のないフロアである)
ここで84か所全部を列挙するわけにもいかないので、特に面白いものをあげると
【主人公(DQ7)】がもう一人真ん中に立っているフロア
【ナスビナーラ】が2匹走るフロア
・船がひたすら回転するフロア
・各種移動、ギミック、アニメーション、壁角度テストフロア
…などがある。
おそらく3DS版にもPS版と同じようなデバッグコマンドがあって【どこでもルーラ】などを使用してデバッグしたのだろうが、デバッグコマンドは削除されている。

DQM1

チートを使えば行ける。サウンドテスト、モンスターのグラフィックや特技エフェクトの鑑賞、特定のマップからのテストプレイなどが行える。
特定のマップからのテストプレイを行うモードでは連れ歩くモンスターの系統を指定する項目があるが、何故かこの項目が正常に機能しておらず、指定した系統にならない場合が多い。
 
以下の没データが入っているのが確認されている。

  • 未使用のBGMが1曲ある。
    このBGMは本作の後にNINTENDO64用ソフトとして発売された『ダービースタリオン64』で使用されていることが後に発覚した。
  • 「さかもとのじいさん」という土佐弁を話す謎のキャラ(グラフィックは【ワイトキング】。色はデフォルトでは灰色だが、直前に戦ったモンスターによって変わる模様)が戦闘画面の解説をする内容の没データが入っている。
    恐らくチュートリアルに使う予定だったと思われる。
    この他に、システムメッセージによって淡々と解説するバージョンも入っている。このバージョンもさかもとのじいさんが表示されるが、台詞はない。また、このバージョンは何故か所々激しく文字化けしている(「たたかう」が「つつかう」、「にげる」が「にげい」など。酷いものだと「どうぐ」が「ぜうろ」、「いろいろやろうぜ」が「とげとげやげうに」と表示されている)。
    海外版にもわざわざ翻訳されて入っており、英語版ではGrandpa Sakamoto、ドイツ版ではGroßvater Sakamoto(どちらも血縁上の祖父を示す単語)という名前になっている。
    なお、スタッフロールには「SAKAMOTO」の文字は確認できないため、スタッフの名前などでは無く坂本龍馬を意識している可能性もある。
  • DQ6における【お楽しみダンジョン】の最奥部(【ダークドレアム】を召喚する場所)に酷似した未使用マップが存在している(データ名は「かくしマップ」で、DQ6のフィールドBGMである【さすらいのテーマ】が流れる)。
    また、倒すと確実に仲間になるダークドレアムのデータも存在している。

DQM2

前作同様チートを使えば行ける。【配合】のテスト、特技や敵モンスターの詳細データの閲覧の項目が追加されたが、特技エフェクトの観賞が出来なくなってしまった。
 
特定のマップからのテストプレイを行うモードで【ほしふりのほこら】の奥(配合や孵化の演出に使われているマップで、「はいご」という名称が付けられている)に行くと、激しく文字化けしたり、メニュー画面を開くとカーソルが暴走したり、道具を使おうとすると「つかう」コマンドが「そなえる」になっていたり、メニュー画面の項目を選ぼうとすると時々フリーズする等の怪現象が起こる。
 
戦闘テストを実行すると、担当スタッフのものと思われるデータが上書きされてしまう。主人公の名前は「あづしくん」(担当スタッフのあだ名だろうか?)で、所持金は99999G、所持モンスター・アイテムはランダムで決定され、何故か鍵が全て無くなっている(【マルタのかぎ】すら持っていない)。
戦闘テストでは自身の使うモンスターの種族とレベルを設定する項目があるが、前作の系統指定同様まともに機能していないようで、設定した通りになることはほぼ無い。また、戦闘終了後に【マルタの国】の牧場のマップの海上に投げ出されてしまい、海を渡る能力を持っていない場合は操作不能になる。海を渡って上陸出来たとしても、前述の通り鍵が無くなっているのでそれ以上ストーリー進行は出来ず、どちらにしろ(チートで鍵を再入手しない限りは)詰みである。

ジョーカー1

フロアデータの中に、同じ台詞を喋る荒くれのNPCが大量に配置されているGピットのマップが存在する。
何やら他の島へ移動した後に再び戻ってくるように促されるが、特定のコマンドを使用しない限り何も起きない模様。
余談だがNPCの配置が壁を向いていたりテーブルの上に立っていたりと少し不気味。

イルルカ

大半は削除されているが一部デバッグモードが機能するデバッグフロアが存在する。
港町のような場所で灰色のテクスチャで無機質な建物・ヤシの木などが配置してあり、機能するデバッグとしては
【上やくそう】が手に入る宝箱があり、上やくそうを取得した後に再度調べると『「アイテム』というメッセージが表示される。
・スタッフロール再生(アロハなお姉さんに話しかける)
・よくわからない画面と戦闘開始BGMが流れる(ヒジャブを被った女性に話しかけるあるいは中央の噴水らしきものを選択する)
・精霊のしるし入手エフェクト(女の子)
・『「○○です。』と自分の名前を言うモントナー
などがある。
なお落ちているアイテム(葉っぱ)に触れると吸い込まれて動けなくなるため要注意。

ジョーカー3・3プロ

仕掛けやキャラクターの動作が正常か確認する為のテストマップが内部データ上に残っており、チートを使えば行ける。

  • 【マスターズロード】の仕掛けのテスト用マップ
    未使用の基地のような建物がある。スタートに戻される仕掛けに引っ掛かってしまうとそれ以上移動出来なくなり、メニューも開けなくなる(実質フリーズに近い)。
  • 【だいおうクジラ】【シーデーモン】がいる草原のマップ
    だいおうクジラはシーデーモンを捕食する。恐らく【モンスターシンボルの特殊行動】のテスト用と思われる。
    水棲のモンスターが出現するにも関わらず陸地しかない。シーデーモンはだいおうクジラの真上に浮かんで整列しており、かなりシュールである。食べられたシーデーモンは【ピッグマリオン】に変化するが、こちらは空中を自由に浮遊する。
  • イルルカの青の洞窟の一部分に酷似したマップ
    敵は出ない。恐らく水中の操作のテスト用と思われる。
  • 数字の書かれた箱が幾つも置かれたマップ
    箱の他には【ダメージ床】【氷の床】扱いのパネル、アンデッドガーデンの石像がある。
  • 真っ白な床のマップ(プロ版のみ)
    プロ版で追加されたモンスターシンボルの特殊行動のテスト用マップ。【ポンポコだぬき】が4体に分身するという没行動の存在を確認出来る。
    【ワンダーエッグ】は何故か【キングスライム】(1枠)に変化する。
    【ばくだんいわ】は本編同様主人公を見つけると自爆し、しばらくすると再出現するが、再出現の際に魔界のモンスターが出現する時のエフェクトと共に出現する(恐らく、このエフェクトの表示テストも兼ねていると思われる)。
    どういう訳か、特殊行動を行わないモンスターも何体か配置されている。

など、複数のデバッグ用マップが存在する。
マップ名は「テスト○(○には数字が入る)」「NOW_PRINTING」等になっている。
あくまで挙動をテストする部屋なので、フラグ操作やステータス変更などのデバッグメニューが使用出来る訳ではない。また、いずれのマップでも下画面に地図が表示されない。
一部のマップには敵が出るが、戦闘背景は直前に訪れていたマップのものになる。また、だいおうクジラをスカウトすると何故かぬしさまをスカウトした事になる。