【ちきゅうのへそ】

Last-modified: 2024-03-12 (火) 18:09:02

DQ3

地球のへそ。
【ランシール】の西の岩山に囲まれた砂漠に存在する【洞窟】6つのオーブの一つ【ブルーオーブ】が眠る。
「地球のヘソ」の名の由来は、現実の地球上で同じ位置にあるオーストラリア大陸の巨大な一枚岩「ウルル(エアーズロック)」であろう。オーストラリア原住民であるアボリジニにとっては聖地であり、観光は制限されている。
 
岩山に囲まれており、その切れ目の部分にランシールがあるため、この洞窟に入るにはランシールを経由しなくてはならない。
村には神殿があり、そこを通過することで洞窟側に出られるが、神殿に入るには【さいごのかぎ】の扉を開けなくてはならない。さらに、その中に立っている神父に話しかけて「たとえ ひとりでも たたかう ゆうきが おまえには あるか?」という質問に「はい」を選ばないと、洞窟へは行けない。つまり洞窟に入れるのはパーティーの先頭にいる1人だけとなる。
なお【ラーミア】を入手しても、この洞窟の周辺の砂漠に着陸しようとすると「ここでは おりられない。」と表示され着陸を拒否される。
【ランシールバグ】なる裏技のタネにもなっている。
 
このダンジョンには1人しか入れず、その1人のみで攻略しなければならない。前作序盤以来久々の、必然的な【一人旅】となる。出現する敵はそこまで強くはないが、「たった一人で攻略しなければいけない」という不安を逆撫でするようなトラップが多数仕掛けられている。
最深階にある仮面の前を通るたびに【ひきかえせ!】と言われる。4コママンガ劇場では、これがネタにされていた。台詞の内容やキャラクター性等を考えると、元ネタは特撮映画「ラビリンス 魔王の迷宮」に登場する喋る岩かもしれない。
浅部エリアは時期にしては出現する敵のレベルが低いので比較的安全だが、深部に行くほど敵の強さが上がっていくので油断は禁物。
この洞窟内(あるいは洞窟の周辺)で全滅した場合はランシールの神殿に戻される。
 
攻守両面の能力や呪文に秀でた【勇者】【賢者】で行くのがセオリー。なおシリーズ史上初めて、【主人公】無しで戦闘を含めた攻略を行うことができる。
このダンジョンに潜るメンバーには【いかずちのつえ】【ほしふるうでわ】を持たせるのはもちろん、他のメンバーが装備している強い武器や防具を一時的に貸してもらい、万全の状態で挑もう。
 
…と言いたいところだが、ここで一つ大きな問題がある。
一人が持てるアイテムは、装備品を含めて最大で8つまで。フル装備しているなら(ここまでくれば【武闘家】【魔法使い】でもない限り普通はしているだろう)空きは4、そして意地の悪いことに、入ってすぐに【とうぞくのかぎ】の扉があり、鍵も持ち込まねばならない(【アバカム】の呪文を覚えているならともかく、よほどレベルを上げているのでない限りその可能性は低いだろう。また、これゆえに【はんにゃのめん】は使えない)。つまり、最低限整えるだけで空きは3、星降る腕輪や他の道具も持って挑む場合はさらに減る。
そして、地球のへそで手に入るアイテムは【かしこさのたね】【だいちのよろい】【やくそう】【ブルーオーブ】の4つ。薬草はすぐに使えばいいとしても、全てを同時入手しようとすると持ちきれない可能性は高い。
アイテム集めのために洞窟内をうろつくとそこそこ長丁場になるので、アイテムが一杯になったら無理をせずに一度脱出してもいいだろう。
 
ちなみに大地の鎧はなぜか重要アイテム扱いとなっており、売ることも捨てることもできない。
守備力こそ高いものの耐性が皆無の防具だが、【ドラゴンメイル】商人の町が最大に発展するまで買えないので、意図的にちきゅうのへそをスルーしていない限りは、この時点で持っているケースはあまりなく、【まほうのよろい】も後衛に優先されやすいので、結局は金銭事情から一時的にこの鎧のお世話になることも多いだろう。
預かり所のある今作では不要になったら預ければ済む話なので、よほど極端なアイテム集めをしていない限り、捨てられないことはそれほど致命的ではない。
一応、本作では【ドーピング】【転職】後に行ったほうが良い関係上、預かり所に種を貯め込む人もいるので、やり込みで種を集めまくる場合には鬱陶しいかもしれないが。
ともかく、ちきゅうのへそ攻略中は1人だけなので、アイテム欄の空きと相談しながら宝箱を開けることに変わりはない。実用性よりもとにかく宝箱は開けられるだけ開けたいという人は、2つ並んだ宝箱は左から開けること。そちらに薬草が入っている。
 
1人で戦うゆえに戦闘後の獲得経験値は多く、かつ【まひこうげき】をしてくるモンスターも出現しないため、特に転職して間もない賢者の【レベル上げ】に最適。
世界中を回ってまほうのよろい+【みかがみのたて】+【てつかぶと】を重ねれば賢者なら通常ダメージや呪文ダメージで死ぬことはそうそうない。
むしろ【痛恨の一撃】の方が脅威で、【さまようよろい】【キャットフライ】【マミー】【さつじんき】【じごくのよろい】となんと5種類のモンスターが痛恨持ち。
特にマホトーンの上から痛恨してくるキャットフライや転職直後のステータスではたやすく命を刈り取れる上に痛恨率の高いじごくのよろいは注意。
この2体は最深部にしかいないので低レベルのうちは最初の2フロアで経験値稼ぎをしよう。
痛恨持ちへの攻略法としては、実はこの5体ともヒャド系への耐性を一切持っていないという点をついてヒャダルコでまとめて片付けよう。
魔法使いから転職した賢者なら覚えているはず。
マミーとじごくのよろいは残る可能性があるが。
 
洞窟に入って進んでいくうちに4つある小部屋には宝箱が1つずつあるが、その内2つに【ミミック】が潜んでいる。こいつの使う【ザラキ】を食らうと一発アウトなので対策を練る必要がある。
本来なら勇者の【アストロン】が有効だが、一対一であるためにザラキが絶対来ないターンに1回しか攻撃ができず、そうなると何度もアストロンを使う必要がある上に【マホトラ】も食らう羽目になり、適正レベルではそれだけでMPの大部分を使ってしまうので、ここに限っては得策ではない。
【マホカンタ】を習得しているキャラなら、先制でザラキを使われるのを先読みして使えば安全。ただし本作のミミックの【すばやさ】は100とかなり俊敏なので、すばやさが足りないと早撃ちに負ける危険がある。
そもそもマホカンタは最短でもLv24以上必要なので、賢者でこの条件をクリアするにはかなりのレベル上げが必要。
もっとも、【インパス】の呪文を覚えていてトラップモンスターの存在を警戒する慎重なプレイヤーであれば、宝箱を目にしてもミミックと戦うことはないだろう。
知っていることが前提ではあるが、最良の手は「無視」すること。
 
洞窟を出てランシールに戻ると仲間が待っており、いきなり声をかけられる。
(男の場合)「しんぱい したぜっ! でも ぶじで よかった!
(女の場合)「かえってきてくれたのね? おかえりなさい!
次に神父から「これこれ なかまうちで さわがぬように。 ともかく……
と言われて以下の台詞に続く。

*「よくぞ ぶじで もどった!
*「おまえが ゆうかんだったか?
  それは おまえが
  いちばん しっているだろう。
*「さあ ゆくがよい。

ただし元から仲間のいない【一人旅】だった場合は「ともかく…」以前のやり取りは省略され、いきなり神父が声をかけてくる。
また、仲間が男魔法使いの場合、上の台詞はやや不自然になる。

リメイク版

仮面がセリフを喋る際に、目が光るという演出が追加された。
 
【ふくろ】を持ち込めるようになったことでアイテム欄圧迫の心配は無くなり、大量の薬草を詰め込めるようにもなった。
そのうえ【複数攻撃武器】の登場などによって攻略はかなり楽になったと言える。一方、【おおごえ】は無効となるので、回復に利用することはできない。
魔法使い1人で乗り込む選択肢もありうるだろう。
地下1階のミミックが1つ【ちいさなメダル】に差し換わっているので、FC版からのプレイヤーは取り逃しに注意。
 
洞窟を出てランシールに戻ると、神父から「1人で寂しくはなかったか?」→【はい/いいえ】と尋ねられるようになった。この際、挑戦者の【性格】によっては神父の受け答えが追加される。その後の台詞でも「ではお前は勇敢だったか?」と尋ねられる。そのうえで、「それはお前自身が一番よく分かっていることだろう」と続く。なお、このときの返答次第で性格が【さびしがりや】に変わったりはしないのでご安心を。
 
スタッフロールにも登場するようになったが、ランシールの町は丁度見切れていて、この洞窟だけが映っている。

ゲームブック

「勇者よ、お前に勇気があったかどうかはおまえ自身が一番よく知っているだろう」
本作では、最深部において引き返せば二度と神殿の扉が開かない状況で、外に残してきた仲間たちが絶体絶命の危機に陥っている様子を見せられ、進むか引き返すかを選択しなければならない。
いかに勇者といえど使命を遂行するか仲間を守るかを決断しなければならないというのっぴきならない事態に追い込まれることで、傍に立つ仲間もいない身一つの状況がいかに危うく、心細く、できることが限られるものであるかが表現されていると言えよう。
結果的にはどちらを選択しても致命的な事態にはならないのだが、選択肢の性質上、どちらを選んだとしても勇気とも臆病とも解釈できるため、試練後の神父の台詞には原作以上の重みを感じることになるだろう。
 
また、このゲームブックでは、ルート次第では最後の最後に同質の選択を迫られる可能性もある。この時点でそのルートからは既に逸れているかもしれないが、覚悟はしておこう。