アレ

Last-modified: 2024-04-27 (土) 15:48:33
  1. 「優勝」のこと。現阪神タイガース監督・岡田彰布が生み出したおーんと並ぶ「どん語」の代表例。2023年のものが特に有名。ちなみに当時の阪神のチームスローガンも「A.R.E.」だった。
  2. 名前を出してはいけないもの扱いされるようになってしまったものへの呼称。お粗末な行為を繰り返したりその舞台となったりしたために名前を呼ぶ気すら無くなってしまった場合、犯罪に手を染めたが故に存在そのものが抹消されてしまった場合などがある(稀にいずれにも該当しないこともある)。
  3. 特定の選手に関する有名なプレーの総称。「江尻のアレ」「長野のアレ」など。

ここでは1.と2.について解説する。


1.の「アレ」

2010年オリックス監督時代の「アレ」

2010年のオリックス・バファローズはセ・パ交流戦で優勝争いを繰り広げており、この際に岡田は優勝争いを経験していない選手が緊張しないように「優勝」をアレと置き換えて表現*1。岡田の配慮が功を奏して、この年にオリックスは球団史上初のセ・パ交流戦優勝を果たした*2
これがきっかけとなり、岡田退任以降もオリックスの選手間で優勝のことをアレと言う慣習が残った*3

なんJで開幕直後に好調なチームのファンが「アカン、アレしてまう!!」とポジる際の「アレ」はこの出来事に由来する。

2023年阪神監督時代の「A.R.E.」

岡田は2022年に退任した矢野燿大に代わり、2008年以来15年ぶりに阪神タイガースの監督に復帰。
その際の就任会見にて早速優勝をアレと表現。以降先代の矢野の方針とは打って変わって秋季キャンプでも選手たちに「優勝」というワードを口にしないように徹底させて「アレ」と言い換えさせた結果、阪神の選手の間でもアレが浸透していく。
さらに12月には2023年の球団スローガンとして「A.R.E.Aim! Respect! Empower!)*4」が採用された。

この年の阪神は5月半ば頃にDeNAから首位を奪取、以降独走態勢に入る。そのような中でも岡田監督・阪神の選手・阪神ファンたちは気を緩めないように「アレ」という言葉を使い続けた。岡田監督は2008年に悲劇的なV逸を経験していたこともあり、監督・選手やファンたちが優勝に対して非常に気を引き締めていたことがうかがえる。また2021年のV逸の戦犯の一つともされるABCテレビなどの)在阪メディアにおいても報道規制が敷かれたのか「優勝」という言葉が禁句とされ、「アレ」というワードに置き換えられる流れができた。

阪神は幾度か首位陥落の危機に瀕したものの9月からは11連勝するなど無双状態に入り、その勢いのまま9月14日に18年ぶりのセ・リーグ優勝を成し遂げた*5*6。リーグ優勝後の監督インタビューにて、岡田は「優勝」という言葉を解禁した*7

その後、セ・リーグ2位・広島との対戦となったCSファイナルも無敗で突破。
日本シリーズではパ・リーグ3連覇中のオリックスとの対戦となり、最終戦までもつれる死闘を繰り広げた末に4勝3敗で勝利。阪神は1985年以来38年ぶり2回目の日本一に輝いた。優勝インタビューの際に岡田は「何とか達成できたんでね、この…、アレのアレ」と発言している。

その後、遂に「ユーキャン 新語・流行語大賞2023」にて「アレ(A.R.E.)」がノミネートののち年間大賞に選ばれる*8にまで至った。

2023年の阪神タイガースの戦いぶりを表すワードとして、「アレ(A.R.E.)」は選手やファン、更には在阪メディアの間でも大きな定着を見せた。

2024年、2年目の「A.R.E.」

こうして阪神ファンや野球ファンにすっかり馴染んだ「A.R.E.」のフレーズだが、2024年シーズンも引き続きこのスローガンが使われることが決まった。前年の「A.R.E.」に「日本一を勝ち取った先でも挑戦をやめず、『アレ』に向かって挑み続ける」という意味が込められた「GOES ON*9」というフレーズを加えた「A.R.E. GOES ON」というスローガンのもと、第二次岡田政権は2年目を迎えることとなった。なお佐

また、アレという名前の競走馬がデビューし、二戦目で初勝利を飾っている


2.の「アレ」

斎藤隆(アレ様)

横浜ベイスターズ時代は先発投手として1998年の日本一に貢献するが、2001年にリリーフへ転向すると救援失敗を繰り返し、いつしか「あんなのはアレで十分だ」などと言われるようになり、次第に定着していった。
しかし調整法を掴んでからは投球内容が安定・向上しクローザーに定着。前任者である「佐々木(主浩)様」*10にあやかって「アレ様」という愛称・尊称に昇格した。

2003年は山下大輔監督の意向で先発へ再転向するも度重なる故障に悩まされ成績は下降。以降は佐々木*11・鈴木尚典*12・若田部健一*13と並ぶ四大不良債権としてファンからのヘイトを集め再びアレ扱いされた。

しかし、2006年に36歳でドジャースとのマイナー契約を結んで以降、7シーズン5球団に渡って安定した活躍を見せ、最終的にはMLB屈指のクローザーに定着。2013年に地元であり復帰時に入団を望んでいた楽天で日本球界へ復帰すると、同年の球団初となる日本一に貢献、2015年に引退するまでブルペンの中心として活躍した。

渡米後の横浜晩年とは同一人物と思えないほどの活躍もあって蔑称としての「アレ」は殆ど使われなくなり、現在では尊称として「アレ様」と呼ばれることが多い。

金本知憲

右肩の負傷で満足に守れない状態にも関わらず連続フルイニング出場記録更新のために強行出場を続け拙守を連発、2010年に様々な蔑称をつけられたが、名前を出したくないファンが増えるにつれ「アレ」も多用されるようになっていった。ただし、現役引退、監督退任後は「ヤニキ」同様に単なるあだ名として定着しており、蔑称としての意味合いは薄くなっている。

時が過ぎ2020年10月4日の阪神対巨人戦(甲子園)でMBSの解説を務めた新井貴浩に「名前は忘れましたけど*14」と言われてしまった*15

西岡剛

メジャー移籍前は日本人トップクラスの野手と認識されていたが、2010年オフに移籍すると故障や不振により置物化。不倫問題なども発覚したことで「ミネソタのアレthe kid from Minnesota、訳すと『ミネソタからのガキ』といったところか)」という蔑称が定着した。

初出

【悲報or朗報】MLB球団が日本からスカウト引き揚げ

1 :風吹けば名無し:2012/06/18(月) 16:36:27.54 ID:yqmO8Nk5

http://www.mlbtraderumors.com/2012/06/cafardo-on-youkilis-lowrie-manny-red-sox-dodgers.html

http://articles.boston.com/2012-06-17/sports/32270984_1_bryce-harper-mike-trout-ben-cherington/3

> One GM said, “Is all the money spent and devoted to scouting really yielding any great player?

> You’ve had Kei Igawa, Daisuke Matsuzaka, the kid from Minnesota [Tsuyoshi Nishioka], and really,

> is the money spent worth it?"

訳:あるGMが言うには「スカウトに費やしてきた金に見合うほど偉大な選手は獲得できたのか?

井川とか松坂とか、あるいはミネソタのアレとか、本当に大金を投じる価値があったのか?」とのこと

2012年オフに帰国して阪神入りするが、ほぼ毎年のように故障して長期離脱グラティ、果ては史上初の守備妨害で日本シリーズを決着させる大ポカなどコンスタントにネタを提供。しかし蔑称が増えすぎた結果、相対的に「アレ」の使用頻度は激減した。

長野久義

2015年から攻守ともに精彩を欠くプレイが目立ち始め、2017年には金本ばりの拙守を見せたことで「アレ」と呼ばれ始めたが、広島移籍以降はファンからの印象も良好なこともありほとんど使われず、2023年に巨人に復帰して以降も移籍前ほどは使われていない。

余談

どの選手がアレ扱いされるかは当該球団のファンの気分次第で変わる。またTwitter上ではやたら選手をアレ扱いするケースも悪目立ちするため、ちょっとのやらかしで即座にアレ認定したがるお客さんは、なんJでは逆に批判されることもある。


関連項目



Tag: オリックス 阪神 横浜 楽天 広島 巨人 MLB ヤニキ どん語 蔑称


*1 2000年からこの年までのオリックスは低迷期真っ只中であり、2008年に西武との優勝争いに敗れ2位になったとき以外は優勝争いはおろかAクラスにも全くかすらなかったという状態だった。このため、当時のオリックスの殆どの選手が優勝争いをする機会が極めて少なかったとも言える。2010年代も2014年の2位以外は全くAクラス入りしておらず、2021年から中嶋聡政権で3連覇を果たすまで長期にわたって辛酸をなめ続けていた。
*2 なおこの年の交流戦は上位6チームがパ・リーグ、下位6チームがセ・リーグとはっきり分かれており、セ球団たちが凄まじいセカンドリーグっぷりを見せつけている。
*3 リンク先はオリックス対ヤクルトとの対戦となった2022年日本シリーズ第6戦で円陣声出しを担った杉本裕太郎の発言である。
*4 読みは「エー・アール・イー」。なお、このバクロニムを考案したのは岡田陽子夫人であり、「Respect」という文言を入れたことで阪神OBから歓迎されたという逸話もある。
*5 岡田は18年前の2005年にも監督を務めていた。日本シリーズについては触れてはいけない。
*6 奇遇にも、リーグ優勝した日は岡田監督就任からちょうど334日目であった。
*7 ただし、口癖となっていたのか1分後には「アレ」と発言している。
*8 2021年「リアル二刀流 / ショータイム(当時LAA・大谷翔平)」、2022年「村神様(ヤクルト・村上宗隆)」に続いて3年連続で野球発祥のワードから年間大賞が選ばれた。
*9 英語で「進み続ける、邁進する」といった意味を持つ。
*10 漫画家・俳優のみずしな(水科)孝之による野球四コマ漫画「ササキ様に願いを」が元ネタで佐々木の別称になった。なお斎藤にとって佐々木は兄の同級生に当たり、高校、大学、プロで同じチームに所属するという縁がある。
*11 2004年に古巣に復帰するも高年俸に見合う成績は残せず、2005年をもって現役引退。幾度も救援失敗を繰り返した上にその高給がタイロン・ウッズ流出の遠因となり、実績十分の功労者にもかかわらずファンから多大なヘイトを集めた。現在は解説者を務めているが、そもそもの解説がお粗末なうえ古巣に否定的・冷笑的な言動が目立つため、現役時代を知らないファンからは名誉外様認定されている。
*12 森祇晶監督時代から成績が徐々に下降。2008年に戦力外通告を受け引退。
*13 ダイエーからFAで加入。先発投手陣再建の要として期待されるも故障や不振続きでろくに投げられず、わずか1勝止まりで現役引退。
*14 近本光司が左肘に死球を受けた時のやりとり。
*15 実は、前日の読売テレビの中継でゲスト解説だった金本が新井に対して同じことをしている。