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登場人物
あらすじ
「ネコ!ネコ!カワイイ!」「ネコ!ネコ!カワイイ!」「ネコ!ネコ!カワイイ!」
ナンシー・リーの下でハッカーの修業をする傍ら彼女の仕事を手伝う、人の心を持つオイランドロイド、ユンコ・スズキ。
今回の彼女らのミッションは、人気オイランドロイドアイドルデュオ「ネコネコカワイイ」のライブに潜入し、「オイランドロイド人権法案」成立に向けてメガロ・キモチ社がネコネコカワイイに行わせた秘密セッタイ情報の証拠データを掴むことである。
ネコネコカワイイの記憶データはピグマリオン製高性能AI搭載型オイランドロイドを並列直結することでしかアクセス不能。
すなわち、ネコネコカワイイに偽装し、ライブ中にLAN直結してデータを盗む他なく、それが可能なのはユンコただ一人というわけだ。だが……。
『JUNKO:それにアイドルの真似なんて嫌。媚びてて、ダサいし』
「ファック、ノー!」
自分にそぐわないスタイルの強制、あるいは自分をオイランドロイドと同一視されたことへの憤りか、ナンシーに反抗してしまうユンコ。
怒りに任せて飛び出した先で、彼女はネコネコカワイイを保守する元オムラ・メディテック社の主任エンジニアと出会う。
一方その頃スタジアムでは、このライブを我が物にしようと目論む赤い影が動き始めていた。
「打倒!破壊!進歩!革命!」「打倒!破壊!進歩!革命!」
混沌と熱狂の坩堝と化すスタジアム。爆発四散するネコネコカワイイ。
ステージに集うロボットのような人間と、人間のようなロボット。
テックと人間、洗脳と自己、闘争と戦争、夢と犠牲、父と子。絡み合う幾重の思惑、果たされる過去からの因縁。そして……。
『YCNAN:NJSLYR INC 1』
今こそ全てに決着をつけるため、GO!JUNKO!GO!
解説
『ニンジャスレイヤー』はサイバーパンクである。
ニンジャが出て殺す。起承忍殺のマッポーの理であろうと、それは実際欺瞞ではない。
このエピソードでは、SFの永遠のテーマの一つである「アンドロイドと人間の関係」、その両者の境界を忍殺ならではの切れ味鋭い味付けで抉っていく。
そして勿論、それだけでは終わらないのもまた忍殺。二転三転するストーリーでは昨今の技術者の悲哀、アイドルや社会情勢、流し流される自己に至るまで、ともすればハードな幾つものテーマを五月雨めいて取り込みつつ、それでも最後はニンジャが出て殺す。ごあんしんください。
ストーリーライン上としては「ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ」、「モータードリヴン・ブルース」から続く一連のオムラ関連作品の系譜に属する一編であり、同時に開戦後の社会情勢、戦時下のネオサイタマやイッキ・ウチコワシの活動など、これまで描写されていなかった情景が数多く描かれている。
このように下敷きになるエピソードは複数存在するが、中でも間接的な前日譚となる「レプリカ・ミッシング・リンク」は、もし未読であれば押さえてから読み始めることが推奨される。
2014年度エピソード人気投票第4位の傑作!
ロボットのような人間と人間のようなロボットが紡ぐ、サイバーパンク・アイドル・計画X・SF。
深読みしたいヘッズも、何も考えずに踊りたいヘッズも、「オイランドロイドとアンドロイド」に同期して怒涛のクライマックスまでなだれ込もう。
ネコネコカワイイといっしょにダンス!ユンコといっしょにカワイイだ!
- 最近のほんやくチームはマインドセットって言葉好きよな -- 2014-01-07 (火) 10:39:25
- 革命闘士の久々の登場か -- 2014-01-17 (金) 01:11:26
- まあ今度もアマクダリが何か企んでるんだろと思ったらイッキ・ウチコワシかぁ……まあプロミネンスみたいに途中からからんでくるかもしれないけど。 -- 2014-01-17 (金) 09:54:22
- アマクダリの増援もすぐには来そうにないし、フジキド以外で事態の収拾を期待できるのは49課ぐらいしか思いつかないが、さて -- 2014-01-26 (日) 17:01:57
- そこでユンコが「革命なんて下らないわ!あたしの歌を聴け~!」ですよ -- 2014-01-26 (日) 21:11:18
- ↑何故かユンコがジャイアン=サンめいた歌声で暴徒を爆発四散させる様が浮かんだ。これも古事記に記されしマッポーの一側面か -- 2014-01-28 (火) 22:47:09
- 長くとも#6で終わるかな? 出オチスレイヤーの歴史がまた1ページ… -- 2014-02-04 (火) 11:44:52
- 珍しくクローンヤクザが味方なエピソード、…味方というのもちょっと違うが、敵の敵は実際味方とかそういうポジションな -- 2014-02-05 (水) 11:13:19
- そういやよく考えれば間接的にアマクダリを助けてるのか・・・・・・ちょっと違う気もするが -- 2014-02-05 (水) 12:28:25
- オムラ社員の気持ちは毎日愛機を眺めスクリーンショットに撮影しヴィジュアル重点をし続けるロボゲーぷれいやー諸氏には解りやすいセンチメントだろう -- 2014-02-05 (水) 12:41:59
- 面白いけど、同時期に色々とインパクトの強いインガオホーが連載されてるからちょっと影の薄いエピソードンだなぁ。面白いんだけど。 -- 2014-02-19 (水) 08:06:52
- ↑2 ヨロイ・コア、正面作戦、境界破壊、壊れ宇宙に海21……アーイイ…たまりません -- 2014-02-19 (水) 12:09:14
- ↑2「トゥー・レイト~」も興味深いが、ロボットアニメ大好きな私はスゴイオモシロイと感じている。要は趣味嗜好の問題かと -- 2014-02-19 (水) 12:40:26
- アイノ・モノガタリとか好きな身としてはインガオホーもこっちも両方好きだ。 -- 2014-02-19 (水) 22:10:06
- アラスジオツカレサマドスエ -- 2014-02-20 (木) 00:36:35
- まさか間接的にとはいえオムラが味方になるとは思わなかった… -- 2014-02-22 (土) 10:32:50
- 最近オンラインの文字がオイランに見えるのですがそれは -- 2014-02-22 (土) 11:20:24
- ↑ニンジャ・アトモスフィア中毒症状ですがなにももんだいはありません。わかりましたね? -- 2014-02-22 (土) 11:25:30
- アッハイ -- 2014-02-23 (日) 12:37:40
- 「偶然ここに来て戦闘しています」を見た時に感じたアッハイは今までで一番気持ちのいいアッハイだった -- 2014-02-23 (日) 12:41:27
- 改めて最初から読むと、根本はテクノロジーへの狂信と共産主義への狂信が対立する物語だったわけか。そしてそこに介在するユンコの近代哲学的自己認識への軌跡と終焉を導くデウスエクスマキナたるニンジャスレイヤー=サン。ゼン的としか言いようのないアトモスフィアを感じる -- 2014-02-23 (日) 20:03:59
- 一連のナンシー・ユンコ重点のシナリオは、背景を知らなくても単純に共感して盛り上がれるし、SFニュービーの頃読んでから色々な作品にふれて、戻ってきて読むときっと更に深読みができて奥ゆかしいと思う。 -- 2014-02-24 (月) 00:30:44
- チームツキヨシにはプロジェクトXに出てた技術者へのシンパシーを感じる。元社長、マノキノ、マグロ、タイサetcとは何かが違った -- 2014-03-01 (土) 03:43:19
- ↑同時に無理に美化せず、ちゃんと「狂気」として描いているのが忍殺の良い所な -- 2014-03-01 (土) 06:28:56
- ↑カラテはエゴだ、復讐を通すために必要なものはエゴだ、と。裏エピソードのインガオホーも含め、忍殺がマッポーめいた捻りからの人間賛歌である証な。 -- 2014-03-02 (日) 13:46:35
- そこへニンジャスレイヤーが高速垂直リフト射出され……のコトダマパワ -- 2014-03-02 (日) 18:13:40
- エンジニア魂に不覚にもほろっと来てしまった。やはりオムラは偉大だ。 -- 2014-03-21 (金) 21:39:03
- アンサラーの発言に対して激昂するニンジャスレイヤーを見て、やっぱりユカノは彼にとって特別な存在なのだと思った -- 2014-03-25 (火) 16:40:19
- どこのどいつだ変な改行をしたのは…… 自分の閲覧環境に合わせるエゴイズム行為はじゃあくなんだぞ! 文章の途中でくぎるな! -- 2014-03-26 (水) 00:36:33
- 非人間であるネコネコカワイイに人間が誘導されていく展開は、実際ビートレスやプロジェクトイトーアトモスフィアがあることですね? -- 2014-04-09 (水) 10:45:38
- メーカーに勤めている人間としてはオムラの技術者の姿に感ずるものがあった -- 2014-04-21 (月) 06:25:39
- ロード「クローンヤクザ・・・変われ!場所をカワレー!」 -- 2014-04-22 (火) 15:55:51
- 3部の中でもかなり好きなエピソード、同門とのチョップ対決も燃えた -- 2014-05-23 (金) 22:29:19
- 最初見たときはマッポーの歪みを示すシュールギャグとしか思えなかった欺瞞プロトコル、スシ・フィード、モーター理念、ネコネコカワイイ、そしてオムラの技術陣。それが本エピソードン読破後には親しみを感じるそんざいとなっている。素晴らしいと思いませんか?あなた -- 2014-06-18 (水) 10:00:54
- 実際泣けた。 -- 2014-06-22 (日) 02:01:25
- オームーラ!オームーラ!オームーラ! -- 2014-07-02 (水) 18:42:07
- カワイイコのほうには一度も接続してないのがキニナリマスネー -- 2014-07-13 (日) 16:15:08
- これがオムラのモーター理念!モーターヤッター! -- 2014-07-18 (金) 12:31:40
- 欺瞞プロトコルもイッキ・ウチコワシも、個人の尊厳を否定している点ではムジナ・イン・ザ・セイム・ホールであることだなぁ。そして勝者であるニンジャスレイヤー=サンもまた自己無き革命闘士から「人外」と恐怖される。エゴと人間性を考えさせられるセイシンテキなエピソードーオーであったことだなぁ(よくわかってない) -- 2014-07-22 (火) 13:31:55
- ただの機械として見ないが、人間とも思わない。テックだ! オムラの株爆上げ -- 2014-09-09 (火) 08:59:15
- クローンヤクザが頼もしく思える実際珍しい展開である事ですね -- 2014-10-29 (水) 19:42:06
- 読了、いろいろ感じるものがあるが、狂気や理性についてケンドーソーセンセイのラスト・インストラクションに通ずるものを感じたことだなあ。後は既に触れられているけど、クローンヤクザとの共闘が新鮮で体温上がるゥー! -- 2015-01-10 (土) 22:38:51
- しかし原作者=サンも第一部くらいの頃に自分たちがまさかネコネコカワイイやオムラをここまで肯定的に書く日が来るとは思っていなかっただろうな。 -- 2015-01-10 (土) 23:44:23
- ユンコのオムラ欺瞞プロトコルに思わず感動した。忍殺は「系譜」の描き方が本当にうまいなぁ。 -- 2015-04-06 (月) 20:49:14
- 人間めいた機械のネコネコカワイイと、機械めいた人間のオムラ残党の対比がいいねぇ -- 2015-04-07 (火) 23:02:25
- このエピソードを読んだあと、「カタナ・オイラン・アンド・ソーサリー」を見たらなんだか泣きそうになった。 -- 2015-05-16 (土) 18:22:14
- しかし無思考ドローンめいて破滅的右往左往する観客の描写は実際コワイな。これはシャロン・リンゴ=サンのケジメ案件では? -- 2015-06-13 (土) 03:55:18
- 地味にニンジャスレイヤー=サンブチギレ回な。そしてイッキ・ウチコワシの株価は下がる一方ですな -- 2015-06-25 (木) 23:47:40
- オムラ残党のテックな熱さに漢を見た 信念に生きる技師ってのはやっぱかっこいいよね -- 2015-07-14 (火) 12:09:04
- 今回の法案が流れたのはこの手のクラックからドロイドを守るのが面倒だと腐敗上流層が思ったからかな。とすればイッキ・ウチコワシは結果的にデモクラシーを守ったことになる。サイオー・ホースな? -- 2015-07-15 (水) 23:33:42
- 全エピソードで見ても最も好きなエピソード。アイドルですら戦争の道具にするマッポーの世も好きだけど、ツキヨシ主任の台詞がエンジニアとしてぐっとくる。都市伝説となったオーバーテックが目の前に現れ、自分たちの成果を証明した彼らの台詞が涙を誘う。ロボットの哀しさも書いていてロボものSF好きには堪らない -- 2015-07-16 (木) 00:02:35
- たとえエンターテインメント用の機体だとしてもやはりオムラはオムラ。技術者たちの会話の一部が実際不穏である。 -- 2015-07-31 (金) 13:16:31
- 実況ログを見ると前半~中盤までは結構オムラに否定的なコメントが多くてびっくりする。ドリヴンがオムラの影ならこちらはオムラの光みたいなエピなので、勢いに任せてモーターヤッター、カワイイヤッターするのが吉だと思う -- 2015-09-19 (土) 02:58:41
- オムラはとんでもない思想の持ち主も多いけど、みんな自分の技術に誇りをもってて常に全力なところは大好きだ。だからオムラは憎めない。 -- 2015-10-17 (土) 12:07:16
- 早く映像化されたものが見たい -- 2015-10-24 (土) 01:52:58
- 技術者たちの奮闘が熱い話だったが、こっちの技術者とモーター三天使に入れ込んでた技術者とは情熱をかける対象以外は一緒なんだろうなと思うとちょっと複雑になる -- 2016-03-03 (木) 15:17:23
- 「君は、何者なんだ」とユンコ本人に訪ねてくれたツキヨシ主任は、ユンコが自分で自分を定義することを任せてくれたのだと思う。本当に名エピソード!! -- 2016-07-23 (土) 12:02:20
- 「君は、何者なんだ」は実際落涙インシデント……からの「貴様は、何者なのだ」 ワザマエ……! -- 2016-09-22 (木) 03:41:32
- マッポーすぎるライブ風景描写も大きな見どころの一つな。華々しさとディストピア感がトモエめいて一体化しているケオス。 -- 2017-01-14 (土) 10:35:48
- 普通は生活のために技術があるが一部の人は技術のために生活する。技術で稼げるなら仕事にするが稼げなければ自分のガレージで食い扶持削ってDIYする。本質的に趣味。趣味だから自分の生活を顧みない潔さと情熱を生み、技術が人の役に立てば間接的に身を削り他者に奉仕する形になる。立場の弱さが支持してくれる顧客や社会への感謝、理解されず虐げられる経験が他者の痛みへの想像力になれば、ドウグ社めいた朴訥さを生む。しかし本来他者への感謝は粗末にできない程度の副産物。技術や本人が社会から隔絶し、他者への想像力を失えば、犠牲にする物は自分の手持ちじゃ収まらなくなる。この断絶のシステムこそがオムラの創設者が残した歪みじゃないかと思う。 -- 2017-02-09 (木) 03:34:49
- 都筑道夫センセ作「銀河盗賊ビリイ・アレグロ」中の一篇「アンドロイド&ロイド」を思わせるタイトルだなぁ。関連性の有無はともかく、そういう連想が働くのもまた楽し。そして確認にググったら「暗殺心」とセット再販だと!こっちもある意味、忍殺風味があってオススメの一篇である故に嬉しい。 -- 2017-02-09 (木) 07:01:42
- 早く書籍化してくれ・・・ -- 2018-01-09 (火) 01:49:03
- 暴徒が迫るカチグミ席にムギコらしい少女を配することで読者の不安感をぐっと高めるのは上手いと思った。ただの名も無きカチグミがひどい目に遭うのはこの作品だとチャメシ・インシデントだから -- 2018-08-08 (水) 14:33:30
- 「今だけはモーターカワイイと呼ぶことを許す」ってとこいつもすごい感動してしまう -- 2018-08-15 (水) 12:42:50
- 事実上ユンコ主役エピソードでありオイランドロイドとはなにか人とはなにかを問うた名作、またこのエピソードは何気に3部終盤に影響を与えた内容でもある、それだけになぜ書籍化しなかったのか無念でならない。 -- 2019-05-03 (金) 10:59:08
- 3部の買い漏らしがあったかと思ってAmazonの購入履歴確認してしまったが、やっぱり物理書籍化まだされてなかったのね。 -- 2019-05-11 (土) 04:06:13
- 1部ではシュールめいた一ガジェットに過ぎずキワモノ印象のあったネコネコカワイイが、精緻な筆致で重点描かれるとリアル・トップ・アイドルに見える。忍殺はオムラ理念といい一揆打毀といい、いかに歪んで愚かであろうとしっかり正面から捉えることだなぁ。だからアンサラーとの決戦も格好いい -- 2021-05-14 (金) 06:10:09
- ↑×オムラ理念 ○モーター理念 ケジメします -- 2021-05-14 (金) 06:15:30
- 唐突に発射された欺瞞プロトコルにより腹筋が爆発四散、モータードクロの罪は重い… -- 2021-06-10 (木) 21:38:24