イヴリー・コウノ

CV:伊藤彩沙

2019年12月4日に実装されたSR陣旗の政霊。
さらっと「村、砦を開放時に支援効果が発生」とだけ書かれて登場したため目立たなかったが、その実態はTA・殲滅・通常その他ありとあらゆる戦挙における出撃枠を一つ強引に専有しやがるとんでもない女である。

彼女の基本的なスペックであるが、「コスト相応に火力と射程＆範囲を丸めた槍」といった風情である。
まずこれが大嘘で、MAPの半分も攻略が終わった時点で「射程＆範囲を妥協して、コストを踏み倒した槍」あるいは「範囲攻撃能力と対岩や対ビリーバー性能を手に入れた剣」ぐらいに成長する。
原因は、武器特性の支援効果にあり、村や砦を開放するたびに「永続」の3%火力バフが発生。
結果、適当に村の解放をさせていると、またたく間にムキムキに育つ。
具体的な数値としては、元のDPSが槍の20%減程度、一方で5,6個村や砦を開放すれば火力が20%ほど伸びるため、この時点で同レアの槍に追いつく。
彼女のコストはSRの初期で600、下限で500。覚醒SSRでも初期730の下限が580という軽量組に属するわけだが、移動速度は覚醒済近接ユニットの中でも３番手という俊足である。
ここまでの要素が揃っていては当然弱いわけもなく、結果、一部の近接とかなりの数の重装にごめんなさいしないといけない暴れん坊として多くの戦挙を荒らすことになる。
一点補足しておくと、彼女の最大の特徴である村＆砦開放時のバフはレアリティに依存しない。
またこの効果は彼女を出撃さえさせれば発揮されるので、操作の難易度も変わらない。
総理は操作の集中力を主力の精霊に注いでいるだけで、勝手に前線組が成長していく。
極論、イヴリーは待機しているだけでも前線で戦う精鋭の火力を目に見えて伸ばしてくれるのだから、まぁ、使いやすいったらない政霊である。

次に役割であるが、ほぼすべての選挙で活躍を見込める。
最初にTA。
こちらでは、まず支援役としての起用が考えられる。
TAで威力を発揮する政霊には、シャーロットやタルアといった低火力、高攻速のユニットも多い。
だが、そんな彼女らを使う上で常に問題になるのが火力不足で、敵の防御によっては与ダメージが火力の半分以下になってしまうことも珍しくない。
しかしイヴリーを入れればあら不思議、基礎火力が向上するため、低火力ユニットほど恩恵を受けやすい。
結果、TAで活躍する面子の火力がガンガン上昇するため、優れた補完関係を発揮する。
一方で彼女自身も足が早い上、それなりの高火力。
レベル相応の砦であれば問題なく破壊してくれる。
攻撃も範囲攻撃であるため、目玉や貝がわき続ける砦も苦にしない。
そして攻撃も単発の威力が高いため、岩程度の防御ならさっくり貫通して粉砕するとあっては、剣あたりの役割を完全に食べてしまう。

続いて殲滅であるが、こちらはなにより永続の火力支援効果が大きい。
特に何も考えずに雑に出撃させるだけで、ダメージディーラーである重量級ユニットの火力を10～20%上乗せできるのはだいぶひどい。
加えてスキルも優秀で、味方がMAP全域に散らばっていても、拠点からの距離にさえ気をつければ全員に支援をかけられる。
そして繰り返しになるが、本人の攻撃は範囲であるため、敵が大量に湧く穴も一人で封鎖してしまう。
間違いなく枠一つ分、コスト比１．５倍分ぐらいの仕事はしてくれる。

次に迎撃選挙であるが、これについては武器特性はあまり仕事をしない。
オフェーリアの覚醒スキルを使わない限り、全政霊の火力を3%～6%上げてくれるだけである。
では、いまいち噛み合わないかというと、そんなこともなく今度はスキルが火を吹く。
なにしろ出撃位置がすべて村であるため、スキルの効果を全ユニットが享受できるのだ。
スキルレベルを上げれば効果時間も優秀であり、効果を平たくして維持率を上げた軍配のような運用が可能とあっては、当然弱いということもない。

通常選挙でもこれらの優秀さは損なわれない。
本人のコストの軽さもあって起用機会に困ることはないだろう。
移動速度とコストの観点から、素晴らしい活躍をしてくれる。

唯一、支援効果が時間経過の退却で消えてしまう自律戦挙だが、今度は彼女の俊足が活きてくる。
自立戦挙では一回の出撃制限時間は５０秒。
鈍足なユニットは前線への移動に大量の活動時間を消費してしまうのだが、彼女の場合はその問題がない。
範囲攻撃を担当する重装のことごとくが鈍足であることも手伝って、育成済みイヴリーの活躍機会は多い。

以上、ほぼほぼ褒めるばかりとなってしまい恐縮だが、実際に使っていて隙がない政霊である。
強いて弱点を上げるなら、低コストゆえの爆発力は乏しさであろうか。
特に特攻も持たないため、一人でMAP上の敵をすべて葬るがごとき活躍は望みえない。
ただその他の特攻持ちユニットの性能はといえば、イヴリーの出撃如何により大きく上下するため、結局彼女の出番は多くなる。
あるいは、イベントボーナスをできるだけ得るのに、イヴリーが専有する出撃枠が邪魔になることも考えられる。
しかし、そのイベントボーナスを持つ政霊を活躍させるにも彼女は役に立つため、結局使える使えないで言えばとても使えてしまうというのが結論となる。

最後にキャラクターについての雑感であるが、声優さんの演技もあってなかなかに可愛らしい子である。
ややアホだが、使えば使うほどに愛着が湧いてくる。
一度起用をしたら最後、以降の出撃枠が一つ専有され続けてしまう危険性がある以外は、非常に気持ちがいい子なので、彼女が手持ちにいるのであれば、ぜひ一度組閣を検討してみてもらいたい。

支援に優れた陣旗のSRクラス。
最大の特徴はなんといっても村や砦を開放するたびに発動する火力支援効果。
細かい部分は下記「陣旗の仕様」を参照してもらうとして、この娘を出撃させるだけでどんどん火力が上がる。

その反面本人の能力は控えめで同じ矩形範囲攻撃であるジェニファーと比べると、移動と攻速では勝っているものの攻撃範囲が狭いうえにスタンの効果時間が短い。
また火力もコスト相応であり、最高レベルの火力を持つ槍のように火力で薙ぎ払うという使い方もできない。
このため推奨レベルのSRだと目玉が相手ですらスタンを維持できず、かなり近くまで接近を許すことになる。
・・・・・・とはいえそれは陣旗の火力支援効果を無視した話。
陣旗の効果はイヴリーが出撃さえしていれば他のキャラが村を開放しても発動するため、まずはとにかく初手で出撃させるのが定石となる。
そして出撃しさえしたらモチベウェーブ連結用に一人村の開放に走るなり他キャラと一緒に進軍しながら村や砦を開放するなりで、特に意識しなくとも火力は上昇する。
火力が上がればスタン時間はそのままでも近寄られる前に倒すことができ、戦力として充分期待できるようになる。

スキルは解放済みの村、砦、議事堂を起点にする火力・攻速支援スキル。
範囲は160とやや小さいため、範囲外となる場所も多いが、それでもかなりの広範囲に支援を撒くことができる。
大きな特徴として別の村を起点としたスキル効果は重複する。　範囲外の場所も多いが重複する場所も多いので探してみるのも一興だろう。
効果は村1つでは火力・攻速ともに110％と並程度ではあるが、2つなら121％、3つなら133％と強化スキル並みかあるいは上回る程の倍率を得ることができる。

またこのスキルは全画面の解放済みの村、砦、議事堂を対象に、そこから160の範囲に支援効果を"発動させる"という効果なので、
支援共鳴を盛ったオフェーリアを出撃させていた場合、オフェーリアのスキル範囲内の村、砦、議事堂から160の範囲の支援を発動させるという効果になる。
このためうまく使えば効果のある村の数を2倍にしてくれる反面、イヴリーのスキル範囲外の場合はオフェーリアの隣にいても効果がないことになる。