Nur

Last-modified: 2024-01-19 (金) 00:09:45
  1. BNR34型 SKYLINE GT-Rで登場した、生産終了を記念して全2000台限定で販売されたグレード。*1
  2. ドイツ・ラインラント=プファルツ州アイフェル地方のニュルブルクにあるニュルブルクリンクサーキット(独:Nürburgring)のこと。
 

1927年に建設・オープンし、90年という長い歴史を持つサーキット。原作およびストーリーの「FDマスター編」では荻島が新環状をこのコースに見立てている描写がある。
ニュルブルクリンクには北コースとGPコースの2つのサーキットが存在するが、一般的には北コース(Nordschleife)を指すことが多い。*2
ここでは北コースについて説明する。

 

コースの特徴としては、

  • コース全体で約300mの高低差があり、全長は約20.9kmと長い
  • コーナーの数が172もあり、超高速から超低速までバリエーションに富んでいる*3
  • バンクが付いているすり鉢状のヘアピンがある
  • ウイングによるダウンフォースがない車両だとジャンプする箇所がある。ダウンフォースがあっても一瞬ジャンプする。
  • コース全体の平均スピードが高い
  • 路面が荒れて波打ち滑りやすく、コースの幅も狭い*4

などの過酷な条件が揃っていることである。そのため世界最長、世界有数の超難関コースとして知られ、車両の総合的な性能がタイムに反映されやすいことからスポーツカー等の高性能乗用車の開発を行うテストコースとして利用されている。
先述のとおり日産でNurグレードの発売があった例にならい、トヨタ自動車でも「GRMN」(GAZOO Racing tuned by Meister of Nürburgring)の名称で86やマークX、ヤリス等をメーカーチューンドで限定発売したり、現代(ヒョンデ)自動車*5でも主力車種であるi20、i30、エラントラ、IONIQ5*6等にて「N」グレードを展開する。ヒョンデのNはニュルブルクリンクと、韓国の南陽(Namyang)郡 (現京畿道華城市)が由来で、韓独2国に研究開発拠点があるのもNブランドの由来となっている。
原作およびストーリー(96話)においても、荻島が新環状をこのコースに見立てている描写がある。

日本の自動車メーカーでもトヨタ日産ホンダ、マツダ、スバル、三菱、スズキ*7が利用しており、著名な自動車メーカーのほとんどはここでテスト走行を行っている。
ただ、超高速からのビッグブレーキを要求される区間だけは無く、ブレーキに一番負担が掛かるのは富士スピードウェイの1コーナーという意見もある。

 

また、車を走らせるドライバーから見た場合でも、

  • コースの全長が長く、前述の通り様々なバリエーションのコーナーを持つためコースを覚えることが難しい
  • 車を高速域で、幅の狭い荒れた滑りやすい路面で長時間走らせなければならない

ため運転技術のほかに、経験や集中力、さらには勇気と体力も必要とされるため、非常に過酷である。

このことから「グリーン・ヘル(緑の地獄)」という愛称がある。

 

前述の通り車両の総合的な性能がタイムに反映されやすいことから、好タイムを記録した・最速レコードを更新したといった情報は車両、いわゆるスポーツカーのマーケティングにうってつけである。そのため、昔から現在に至るまで、各自動車メーカーが最速タイムを更新すべくしのぎを削りあっている。
2015年3月にドイツの国内選手権ニュルブルクリンク耐久シリーズ(VLN)第1戦決勝レースにて、日産・GT-R NISMO GT3が北コースのフルークプラッツ付近で宙に舞い上がってしまい、そのままガードレールに激突、観客席に飛び込み観戦客1名が死亡する事故が発生してしまったことで、全面的ではないものの速度制限区間が設けられたため、一時は最速タイムを競い合うことができなくなった時期もある。
その後サーキット側が一部改修された上で、2016年4月に速度制限は解除された。
 

 

一応扱いとしては「高速道路」で、開放日に規定の料金を支払えば一般人でも運転可能。
ただしそのコースの特性から、一般のレンタカーでは規約で「ニュル走行不可」となっていて、走ると整備代として相当な金額を徴収される。ナンバーをカメラで読み取っているため、ごまかすのは不可能。
ニュルの近くには「レンタカー代金+ニュル数周分チケットのセット」で貸し出しているレンタカー屋があるので、横着せずに乗り換えるべき。
お値段は小型車の4周プランで約5万円から、安くは無いが思い出づくりに乗ってみてはどうだろう。

また自分では怖くて乗れない人や、免許を持ってない人向けに「サーキットタクシー」と呼ばれる、セミプロの人々が運転、助手席でそのテクニックを体験出来るサービスが存在する。こちらは1周で4万ぐらい。
以前トップギアにも出演した1996/97年ニュル24優勝者、サビーネ・シュミッツ女史が有名だったが、2021年に惜しくも鬼籍入りしてしまった。
 
レースで使われる時はGPコースの一部を連結させた24hレイアウトやVレイアウトと言われる物が使われる。
これは北コース単体だとピットが使えないための処置。


*1 VSpecⅡNur、MSpecNurの2つのグレードが存在し、各1000台限定。
*2 かつては北コースと南コースが存在していたが、1970-71年の間整備が行われず、安全対策が北コースと比べて大きく遅れたことから数年後に放棄され、1984年に現在のGPコース建設に伴い大半が壊され無くなっている。また、一部は一般道に改修されてしまった。
*3 先が見えないいわゆるブラインドコーナーも多い。
*4 ちなみにエスケープゾーンも狭い。
*5 かつてはHYUNDAIのアルファベット読みで「ヒュンダイ」と称していたが、2020年の日本市場再参入の際に韓国語の原音であるヒョンデを日本国内での公式発音に制定した。
*6 2020年の日本市場再参入時には電気自動車・燃料電池自動車等の低公害車のみを販売する方針の為、もしIONIQ5Nが日本国内でも発売となった場合はこれが日本国内初のNグレード車となる。
*7 スズキ・キザシの1車種のみ。