【僧侶一強問題】

Last-modified: 2021-11-23 (火) 10:16:29

概要

【僧侶】にヒーラー系の能力、特に状態異常や即死を防ぐ特技が集中し過ぎていることにより、強敵とのバトルにおいて、ヒーラー役は僧侶以外の職業に席がなくなっている問題。
 
なお、DQ10の職業において純ヒーラーは僧侶のみであり、他の回復役(旅芸人や賢者)は攻撃や支援もできる兼業ヒーラーとして設計されている。
旅芸人は対強敵というよりは対雑魚敵という立ち位置の性能になっており、賢者は【零の洗礼】【きせきの雨】といった強力な補助特技がある。
よって僧侶の純粋なヒーラーとしての能力が「一強」なのは当然のことで、それを問題というのはおかしいとの声もある。
 
ちなみに、オンライン最初期のVer.1.0の頃は僧侶のみ使用可能な即死呪文である【ザキ】の通常モンスターに対する成功率が高かったため、ボス戦を除けば回復だけでなく攻撃面でも強職業と言えた。
だがVer.1.1以降に成功率が極めて低くなったため、攻撃面に関してはVer.5.0でのスキルポイントシステムの大幅改修までは最低レベルに落ち着くこととなった。

問題の所在

僧侶は全職中最高の回復魔力から繰り出される【ベホイム】【ベホマラー】に加え、【スクルト】【ズッシード】【天使の守り】【聖女の守り】【キラキラポーン】といった多彩な補助呪文・特技を持つ。
また、スティック+盾が基本のスタイルであるため【会心ガード】などの盾技もあり、自身の生存能力も高い。
それゆえ、強敵との対戦でヒーラーを一人入れるならまず僧侶となり、有用職に偏りが出ている状態である。
 
最近のボスは僧侶を用いても簡単に勝てないよう、大ダメージや範囲攻撃に加え、聖女の盲点を突いた多段攻撃やキラキラポーンを貫通する状態異常(ムッチーノ化やミイラ化)などを多用するようになっている。
しかし、そうなると他の職のサポート能力では追い付かなくなるためますます僧侶が必須になるという悪循環に陥り、次第にこの問題は顕在化していった。
Ver.3期間のエンドコンテンツであった【常闇の聖戦】でも、タイムアタックや職縛りのような特殊な構成でない限り僧侶はほぼ必須となっている。
それ以外でも、【輪王ザルトラ】【封魔フォーゲル】のような僧侶の役目を根本から否定するものを相手にしない限りは必須といえる。

転機

Ver.3.5中期に追加されたコインボスの【死神スライダーク】は僧侶より【賢者】の方が回復役として優れるという異例のボスであった。
攻撃の大半が一撃でHPの半分以上を奪う2段攻撃で、聖女の守りが役に立たず逆に【きせきの雨】が有効となり、また【打撃完全ガード】への唯一の対抗手段である【零の洗礼】、連続ドルマドンに対する【マホステ】など賢者の技能を最大限生かせる調整となっていたためである。
このスライダークで賢者の回復役としての強みがクローズアップされ始める。
またVer.3.5後期でもレベルキャップ解放クエストの【試練のケモノたち】にてきせきの雨が乱戦時にとても有効であることが発見された。
重い一撃への聖女の守りと多段や乱戦へのきせきの雨の住み分けにより、ようやく僧侶と賢者のヒーラーとしての差別化に成功し、僧侶一強の流れに綻びが見えたと言えるだろう。
 
Ver.4.0以降のチャンスとくぎをはじめとした様々な部分の仕様変更が悉く僧侶にとっては逆風となり始めており、回復役としての立ち位置が徐々に賢者に奪われつつあるというそれまでの状況からは考えられない事態になりつつある。
しかし、【聖守護者の闘戦記】第一弾の【冥骸魔レギルラッゾ&獣魔ローガスト】の実装で規格外の火力を持つ相手は僧侶が有利となることが再認識された。
これ以降回復役は敵やプレイヤーの練度によって僧侶と賢者が使い分けがされるようになり、そしてVer.5.0以降は回復量自体は僧侶にも匹敵し、範囲火力に優れる【旅芸人】や蘇生時バフや死霊による強さをもつ【デスマスター】の登場もあって現在は僧侶一強問題はほぼ解消されている。
 
さらに昨今では、見かける事こそ少ないものの「槍僧侶」や「棍僧侶」、総じて「ガンガンいく僧侶」なる概念までもが登場してきている。加えてVer.5.0のスキルシステム改修により、おおよそレベル80以上になると、ある程度ならソロでも敵を倒せるほどの高火力スキルを覚えることができるように。そこに僧侶持ち前の回復やら即死回避やらが入ると攻撃も回復も補助もできる万能ファイターに変貌する。後衛職であるため攻撃力、守備力が共に低いという弱点はあるものの、最近の僧侶は型に囚われないプレイスタイルを選ぶこともできるようになっている。
 
しかし、その後のレベルキャップ上昇による【HP】の増加に【ホイミ系】のスペックが追い付かなくなり、回復役としての席も賢者や旅芸人、デスマスターだけでなく、大きく強化された【ホイミスライム】【モーモン】にまで取られる場面が見受けられるようになった。
Ver.5.3で実施された【棍スキル】の独自仕様化も回復面の強化には繋がらなかったこともあり、上記のホイミ系のスペック不足もあって最大の強みである回復能力が現在の環境に適応できなくなってきており、現在の僧侶はむしろ不遇ともいえる立場に置かれつつある。
 
Ver.5.4では【エイルのスティック】【ローズロッド】と言った回復量を強化する武器が実装されたが、これでもまだ回復力は不足気味である。
なぜなら、回復呪文は元々聖なる祈り(+100%)と奇跡宝珠で(+12%)で割合強化して使うのがほぼ前提となっているため、これらの武器の+10~30%を足しても実際は212%が222~242%に増えるだけなのだ。
回復魔力キャップや基礎回復量計算式といった呪文側の性能が改善されない限り、単に割合強化の部分を増やしても完全な解決にはならないと言えるだろう。
 
そしてVer.5.5前期において遂に【ベホイム】【ベホマラー】の回復魔力キャップの上方修正が入り、【スティックスキル】も独自仕様となって新特技の【シャインステッキ】を習得。
回復魔力900以降は上昇の伸びが緩やかになるが堅実に回復力が伸びるようになり、状態異常への対抗手段も増えたことで確実に強化されつつある。
 
Ver.5.5後期ではラスボスが賢者のきせきの雨でも防げない即死級の連続攻撃や呪文を連発して来るために【ゾンビ戦法】となりがちな事もあり、連続攻撃は聖女の守りも同様に効果があまり生かせないが、それでも一回は即死を防ぐことができるため、賢者と僧侶がいればパーティーの生存率はかなり上がるので必ずパーティーに加えておきたい。
 
Ver.6.0では【せかいじゅのしずく】(および【せかいじゅの葉】)が発動時間延長という弱体化を受けた。
修正前は【どうぐ使い】が職業パッシブ込みでしずくを使うと、薬代さえ惜しまなければ1秒詠唱かつバフに依存しない【ベホマズン】を連射でき、突き詰めればHP回復力だけなら僧侶がどうぐ使いに大敗していると言わざるを得ない状態であった。
特にベホマラー修正前の【邪蒼鎧デルメゼ】高レベルでは僧侶以外も含めた各ヒーラー職の回復力と要求回復力の差が顕著に目立ち、実装直後やTAといった目的に限らずにどうぐ使いがメインヒーラーとしてテンプレ入りしてしまい、バトルバランスとして問題視されていた。
この変更はストーリー攻略や同盟バトルといった非ハイエンドコンテンツにも強い影響を与え物議を醸したが、その一方で各ヒーラー職がどうぐ使いやしずくに脅かされることは無くなり、祈りさえあれば回復力最強という僧侶の地位は不動になったとも言える。

余談

なお、他ゲームでメインヒーラーを張れる職が複数ある場合も、往々にして

  • 直接回復(Instant Heal)→ホイミ系、ハッスルダンス系
  • 時間回復(Heal over Time、HoTと呼ばれることもある)→リホイミ系(【少しずつHP回復】
  • 被ダメージ時回復(Reactive Heal)→いやしの雨系
  • バリア回復(Barrier Recovery)→該当なし、一定量のダメージを防ぐバリアを張るもの(【ボディーガード呼び】か、使い捨ての【活命の杖】を他のキャラにかけるような行為)

といった回復の質ごとに得手不得手を振り分けることが多い模様。
回復のトレンドが被ダメージ時回復に移ったと考えると、上記のような帰結も納得がいくだろう。
 
ただしDQ10はメインでヒーラーを張れる職が少なく、また各コンテンツもヒーラー職を必ず入れる必要があるわけでもないというやや特殊なバランスになっていることを留意されたし。

関連項目

【格差問題】
【不遇】