概要
DQ7、DQ9に登場するモンスター。
英語版での名前はcumulus vexだが、PS版DQ7ではHellCloudである。
名前の元ネタはDQ6のヘルクラウドだろう。
DQ7には過去作のモンスターを捩ったモンスターが多数登場するが、ボスでは珍しい。
風を自在に操る魔人で黄金に輝く体をしており、黒雲に乗って現れる。
ボスとして初登場したDQ7での凄まじい強さで多くのプレイヤーにトラウマを植えつけたが、モンスターズへの出演権はくもの大王に持っていかれた。
グラフィックは【くもの大王】、【ヘルミラージュ】、【くらやみにゅうどう】の色違いでもある。
DQ7
過去の【聖風の谷】シナリオに登場する。
【黒雲の迷路】と【リファ族の神殿】を黒雲で包み、「風の精霊像」をも黒雲で覆うことで聖風の谷に吹く風を止め、リファ族を滅ぼそうとしていた元凶である。
前座の【やみのまじん】が言っていた「真の恐怖」とはこのヘルクラウダーのこと。
聖風の谷を救うにあたっての最後の関門として主人公たちの前に立ちはだかる。
武人らしい堂々とした態度、風格漂う威容。これぞまさしく神だと言っても違和感がないだろう。
戦闘開始直後にガボと会話すると、まだ刃を交える前にも関わらず「こいつは強い」と断言してくる。
1~2回行動で、通常攻撃、【かまいたち】、【しんくうは】、【ベビークラウド】召喚を行う。
かまいたちとしんくうはのダメージがかなり大きく、無耐性の場合かまいたちは単体に100前後、しんくうはに至っては全体に90前後のダメージを与えてくる。
これらの攻撃を連発されると非常に厳しく、HPが低い仲間はしんくうは+αで1ターンキルされてしまうことも。
しかしそれでも前2体とは一線を画す強さの理由は攻撃の属性と呼び出されるベビークラウドだろう。
ベビークラウドも曲者で、【バギマ】と【ラリホー】を使用してくる。
最大4匹まで現れ、バギマはともかくラリホーで回復役を潰されると危険。
バギ系以外の属性攻撃は有効なものの、こちらもHPが200もあり、全体攻撃で即掃討するのは難しい。
仮に瞬殺しようとも頻繁に呼ばれるため、回復で手一杯の間でいつの間にか4匹揃い、そこからのラリホー連発で全滅に追い込まれることも珍しくない。
ある意味ヘルクラウダー本体よりも厄介な存在である。
その上本人のHPは3080と高く、【バギ系】と全ての状態異常、挙げ句に【軍隊系】にまで完全耐性を持ち、【ルカニ系】や行動封じはもちろん、PS版では主力となりがちな【とおぼえ】や【どとうのひつじ】も一切通用しない。
おまけに【回避率】にも優れるうえ、手下召喚によってこちらの攻撃照準が分散させられるため、【つるぎのまい】も火力が安定しない事態となっている。
力押しで短期決戦を狙う戦法も取りにくい。
総じて攻守共に優れた本作屈指の難敵であるが、対処法はいくつかある。
まず聖風の谷の防具屋にはバギ耐性を持った【せいれいのよろい】や【マジカルスカート】が販売されているので、優先して購入しておくこと。
ガボのみこれらを装備することができないので、【まほうのほうい】があるならそれを装備させておこう。
注意点として黒雲の迷路の【神の石】を回収すると聖風の谷の防具屋が使えなくなるため、必ずそれ以前に購入しておくこと。
魔法職を担当しているであろう【マリベル】がよりによって聖風の谷直前で離脱してしまい、人によっては補助・回復役を失ってしまう場合もあるだろう。
そういった場合でも、急遽パーティーの誰かにホイミスライムを極めさせて【ベホマラー】を覚えさせるなどの手段が存在する。
特にメルビンはザオラルを自力で覚えられるので適役である。
また【マジックバリア】を使用すればラリホーの被弾率を下げつつかまいたちやしんくうはによるダメージを軽減できる。
ベビークラウドは眠り・混乱・麻痺・休み・ザキが強耐性止まりなので、状態変化を発生させて時間を稼ぐことが有効となる。特に眠りはラリホーマやひつじかぞえうたが耐性貫通強であるので、75%ほどで効く為非常に有効。
加入したばかりで技不足の【アイラ】であっても、【メダパニダンス】で戦況を大きく変えられる。
【ふうじんのたて】で吹き飛ばすのもありだが、ザキ系に強耐性があり50%ほどしか通らないためあえて倒さずに無力化だけしておけば5体目以降を新たに呼ばれることもない。
強敵であるがゆえに搦め手の有用さを知ることもできる好例である。
実は【まんげつそう】も表記にはないが眠りを回復できるため、万一に備えて所持しておくとよい。
幸いバギ系と軍隊系以外の攻撃系への耐性は【吹雪系】に強めの耐性があるだけで他は無耐性なので、回復・補助役も手が空いたらメラミなどで加勢するとよい。
せいけんつきは素の回避率でしか回避できないし、とびひざげりで特効ダメージが出る。
苛烈な猛攻に耐えつつ、とにかく地道にダメージを重ねていくことが大切となる。
一度戦えば忘れることのできないその実力から「先生」や「ヘルクラウダーさん」と敬称を付けられたり、この後戦うことになる【ボトク】や【バリクナジャ】が弱いボスと認識されたりとプレイヤーに多大な影響を残した。
まあ、彼らは実際ステータスの絶対値で見てもヘルクラウダーさんより低いわけだが。
また、DISC1の最後で戦う【オルゴ・デミーラ】第2形態のしんくうははたった50ダメージであり、ヘルクラウダーのしんくうはを下回っている。
あちらに関しては【肩を怒らせ突進】とのコンボを考慮したバランス調整の結果であろうが、やはり型落ち感は否めない。
3DS版
諸々の要素が重なり、体感的な難易度は更に上昇している。
●しんくうはの基礎威力が+20された。
●マジックバリアの仕様変更で呪文にしか効き目がなくなり、かまいたちとしんくうはを軽減できなくなった。
●キャラ固有の耐性が消滅・一律化したため、ガボとメルビンがバギ系に無耐性となった。
●せいれいのよろいや【シルバーメイル】などの耐性からバギ耐性が消滅した。
特に一部鎧からの耐性消滅は非常に手痛いものとなった。かまいたちやしんくうははバギ系軽減装備やバギ耐性以外、で軽減する方法がないため、モンスター職に転職していない限りは最低でも80ほどのダメージは覚悟しなければならない。
ここまでで入手可能かつこの時点のメンバーで装備可能なバギ耐性付き装備はまほうのほうい・マジカルスカート・【プラチナメイル】・【じごくのよろい】の4種のみ。
普通に店で買える法衣とスカートはともかく、プラチナメイルだけはマリベルの一時離脱前に意識して取っておかないと入手がかなり遅れてしまう。
手に入れられなかった場合、主人公をHPが下がらない職業に就けておこう。
また、まほうのほういはこの時点では大分守備力が物足りないので、スカラやスクルトをきっちり重ね掛けしておくべし。
じごくのよろいにもバギ耐性はあるが、このボス相手に行動不能を晒すのは厳しいものがある。
また、3DS版では職業で習得する呪文特技の見直しにより、新たに取れるようになった対策もある。
まず回復面では、ベホマラーを【パラディン】★4で覚えるようになり、【ゴッドハンド】よりもはるかに早く使うことができるようになったため、前衛として育てているキャラでも回復役を兼任させられる。
攻撃面では、【バトルマスター】で【さみだれけん】を、【魔物ハンター】で【はげしい炎】や【しゃくねつ】を覚えるようになり、他には【岩石おとし】の習得がPS版より早くなった。これらの特技はヘルクラウダーとベビークラウドの両方に有効であるため、お供を呼ばれても即ダメージを与えることを狙って積極的に繰り出そう。
そして【なつかしき友の記憶】でもボスとして再登場し、【キーファ】をボッコボコに痛めつけている。
強いボスと言ったらヘルクラウダーということなのかもしれないが、セリフは「グフ グフ…。」と本編中の威厳ある話し方をしない。さすがに別個体だろう。
DQ9
再登場を果たすも今回はごく普通のザコモンスターに格下げされてしまい、更なる上位種のヘルミラージュも新登場。DQ7のトラウマを経験済みの人はこいつのシンボルを見たとたん身がまえた事だろう。
格下げを食らったとはいえ【絶望と憎悪の魔宮】に出現し、HPや守備力が高く、その上DQ7ほどではないが補助系呪文にも強い。
通常攻撃の他には【はげしいいなずま】と【つきのはどう】を使用する。
元々のステータスに攻撃力を下げるつきのはどうが相まってかなりしぶとい敵となっているが、光属性にかなり弱いのでこれらを用いた攻撃を主にして戦うこと。
落とすアイテムは【いかずちのたま】か【まりょくのたね】。
ちなみにこのモンスター、【フロストギズモ】が突然変異して誕生したものらしい。
一方、【ヒートギズモ】は下位種のくもの大王が乗っている雲から生成されるようだ。
ここまで来ると上位種のヘルミラージュもギズモ系の更なる上位種との関連が怪しまれるが、残念ながらそのギズモの上位種にあたる【ダースギズモ】・【ましょうぐも】とは共演できていない。
DQ10オンライン
敵としては今のところ一切出てきてはいないが、魔法の迷宮で【ミネア】に出会った時に引けるタロットカードの絵柄の1つとしてヘルクラウダーが使用されている。
トレジャーズ
お宝に【ヘルクラウダーの像】が登場。
ウォーク
DQ7イベント期間中の2021年4月5日より登場。
クエスト4章5話でボスとして登場するほか、同日よりほこらのボスとして登場する。推奨レベルは上級職レベル60。
最も有効なのはヒャド系だがドルマ系もそこそこ効く。他はメラ、ギラ系以外は効きにくく、バギ系にいたっては無効化される。
ほこらでは【くものきょじん】を伴って出現し、更に仲間呼びでもくものきょじんが登場。
ベビークラウドから随分立派な巨人に変わったが、これはやみのまじんの代わりだろうか。
全体攻撃の【バギクロス】が250程度のダメージとかなりの威力があり、更にDQ9で使ったいなずまや、攻撃と防御を下げるつきのはどうも使用する。通常攻撃は行わない。
くものきょじんもかまいたちやバギマを使うほか、確率は高くはないがベビークラウドよろしくラリホーも使う。
くものきょじんは倒しても先述の通り仲間呼びで補充されるため、こいつから先に倒したほうが良いだろう。
HPが50%を切るとたまに3回行動するようになり、バギクロスの頻度が高いため3連続バギクロスなどもありえる。こうなると対策してない限りほぼ壊滅する。
ただ、ダメージがバギクロスより低いいなずまはほぼサービス行動。一応体技扱いのため、すてみを使うとダメージがバギクロスと同等まで跳ね上がる。
こころは緑色でコストは102。
回復魔力がかなり高く、グレードSでは110にもなる。これにスキルHP回復効果7%と魔力の暴走率3%増加なども付くため、ベホマラーの強化にうってつけ。
ただ、欠点としてMPは20しか伸びず、素早さもわずか12と低水準なことが挙げられる。
仲間モンスターとしても登場。13000歩族。
「いきなりつきのはどう」で1ターン目から敵全員の攻撃力と防御力を下げることがある。確率は高くはないものの、決まれば戦況を有利に進められる。
加えてギガデインやバギクロスなどを習得していることがあり、攻撃魔力も高いので呪文アタッカーとしても優秀。
ただしシャドーサタンやりゅうおうと同じく弱体とくぎを必ず習得しているという欠点がある。コイツの場合はまぶしいひかりで、他2匹よりも発動してしまった時のリターンが少ない。
タクト
2021年4月26日開催の「ドラゴンクエストVIIイベント」にて、
イベント限定Aランクドロップモンスターとして登場。
物質系Aランク、ほじょタイプ。
リーダー特性「物質系体技威力+10%」
とくぎは「練気」/「真空衝」/「いやしのはどう」
覚醒スキル 10Pで「いどう力+1」を習得できる。
ドラけし!
DQ7イベント「時を超える戦士たち」のラスボス。
ドラ消しは強敵版の初回報酬。星4の黄属性で、スキルは横長六角形の範囲を呪文で攻撃する「しんくうは」。
強敵は呪文が有効だが特攻ドラ消しはというと紫属性はスキルがブレスの【エビルエスターク】、呪文持ちは赤属性の天地雷鳴士【マリベル】。