概要 
DQ6で初登場した【呪文】。特技のような名前だが、れっきとした呪文である。
ロト三部作及び天空三部作では、これ以外の呪文はすべて5文字以下なので、これだけ2文字分も長い。
後述するが、メラやホイミと言った造語ではなく、英語の「magic barrier」をそのまま名前に用いており、かなり珍しい呪文でもある。
この呪文の登場以後、名前が6文字以上の呪文や、実在の言語を用いた呪文も登場するようになった。
下位呪文に単体版の【マホバリア】、逆の呪文に【ディバインスペル】【マジックハック】が存在する。
DQ7以前では、使用時のメッセージが存在せず、「マジックバリアを唱えた!」としか表示されないせいで、何が起こったのかわかりにくかったが、
DQ8以降では使用時のメッセージが表示されるようになった。その際のメッセージは、
◯◯◯◯たちを不思議な魔法のバリアが包み込んだ!
となっている。
基本的には、敵側の魔法攻撃に対してダメージを軽減する呪文である。
この呪文は作品ごとに軽減の原理や仕様が違っており、軽減不能な攻撃も存在するため注意が必要。
現在、ナンバリングやモンスターズ作品では以下の3パターンのマジックバリアが登場している。
- A. 耐性貫通力を変化させるタイプ
- 防御側の耐性を変化させるのではなく、攻撃側の耐性貫通力を劣化させて計算するという処理を行う。
呪文・特技による属性ダメージや状態異常付着率の軽減は、貫通力変化の結果として起こる。
詳しくは【耐性貫通力】を参照。 - ナンバリングではDQ6~DQ8までこのタイプが採用されたが、DQ6・DQ7とDQ8では仕様が微妙に違う。
DQ6・DQ7の仕様では、貫通力と元の耐性によっては軽減できない攻撃も存在した。
- 防御側の耐性を変化させるのではなく、攻撃側の耐性貫通力を劣化させて計算するという処理を行う。
- B. 攻撃呪文の被ダメージを直接変化させるタイプ
- ブレス攻撃に対する【フバーハ】と同じ原理で、属性耐性とは別に、呪文によるダメージを割合で軽減する。
詳しくは【攻撃呪文軽減・弱体】と【属性ダメージ倍率】を参照。 - 軽減可能なのは攻撃呪文のみ。状態異常の付着率や、呪文以外の属性ダメージは軽減できない。
- DQ9~DQ11でこのタイプが採用されている。
- ブレス攻撃に対する【フバーハ】と同じ原理で、属性耐性とは別に、呪文によるダメージを割合で軽減する。
- C. 耐性を変化させるタイプ
- 対象の耐性そのものを変化させることで攻撃を軽減する。
- 属性さえ持っていれば、あらゆる呪文・特技に対して効果がある。
- テリワン3D以降のモンスターズでこのタイプが採用されている。
魔法に対する防御効果のある呪文としては【マホカンタ】・【マホステ】と言う先輩がいる。
敵の攻撃に対する防御効果の点からは、呪文を全く受け付けなくなるマホカンタ・マホステと比べ、軽減するのみで通してしまうマジックバリアは劣っている。
他方、両呪文は味方の回復呪文まで届かなくしてしまう他、人的な効果範囲も一人だけなど、その癖もかなり強い呪文である。
味方全体に効果を持つ上、回復呪文などの有利な呪文は素通ししてくれるマジックバリアは両呪文と比べて癖のない強みを持っていると言える。
DQ6 
【パラディン】★5か、【賢者】★7で習得可能。
効果範囲は意外なほど広く、ほとんどの攻撃呪文によるダメージを軽減できるうえに、補助系の呪文・特技に対しても大きな効果を発揮する。
【ラリホー】や【メダパニ】はもちろん、呪文ではない【あまいいき】も効きにくくできる。
さらには、【せいけんづき】、【さみだれけん】、【がんせきおとし】といった【岩石系】の攻撃によるダメージや、【じひびき】のダメージも軽減できる。
ただし、炎や吹雪系の息攻撃や、ザキ系呪文のように、貫通力と元の耐性によっては軽減できない場合もあるので、効き目は過信しないように。
【公式ガイドブック】には、【バーバラ】がこれを使っている挿絵がある。
リメイク版 
軽減効果は「呪文に対してのみ」となった。
他の補助呪文はDQ7以降のターン経過で効果が切れる仕様となっているが、なぜかこの呪文はターンが経過しても効果は続く。
弱体化こそしたものの、呪文に対しては相変わらず強力である。
DQ7 
習得が【賢者】のみ★4に変更され、早く覚えられるようになっただけでなく、【プロトキラー(職業)】★2でも習得可能になった。
効果は前作から据え置きだが、本作からの仕様によりターン経過で効果が切れるようになってしまった。
しかし、他の補助呪文効果が軒並み6~9ターンなのに対して11~14ターンも持続するので余程の強敵戦以外でかけなおす機会は稀かもしれない。
リメイク版 
リメイク版DQ6同様に呪文にしか効果が無くなったが、被弾率の増したザキ系をマジックバリアで軽減できるようになった。
仕様によりプロトキラー職を★2まで鍛えていない場合は、上級職では【パラディン】★5か、賢者・【魔物ハンター】★4以上でないと使えなくなってしまった。
なぜ魔物ハンターが使えて、武器と魔法のエキスパートである【魔法戦士】が使えないのか?という点がよくツッこまれる。
最上級職では全職業使用できる、それぞれ【ゴッドハンド】★4、【天地雷鳴士】★1、【勇者】★1で習得。
特技耐性が強化されなくなったため、【神さま】戦では【ステテコダンス】や【ジゴスパーク】を軽減する手段がなくなったのが痛い。
DQ8 
【ゼシカ】が【杖スキル】31で習得する。消費MPは3で、効果は6~9ターン継続する。
前作までは対応範囲外だった炎・吹雪ブレスやザキ系も軽減できるようになり、汎用性が上がっている。
ただし、確率系の呪文・特技に対する効果は抑え目になった。
【ラジカルストーム】の効果の一つでもある。
だが、"マジック"バリア=呪文を軽減という認識が強く、人によっては全く使われないことも。
今作で呪文主体のボスは【トラップボックス】と【呪われしゼシカ】しかおらず、ゼシカの序盤のスキル振りで鞭を優先していると前者との戦いまでに習得するのは難しく、後者はゼシカ本人が敵に回っているので使いようがない。
しかし、【おたけび】や【かまいたち】も軽減できることを知っておくと便利である。
耐性貫通力の都合上、相手の呪文のために使用しても雀の涙ほどしかダメージを減らせない。ブレス系等は2割ほど軽減しフバーハや炎の盾、氷の盾の道具使用とも重複するため貢献度が高い。上述の通り、状態異常対策としての効果も大きい。
しかし、肝心の「マジック」には大してバリアしてくれないだなんて…。
敵では、【マジックリップス】のみがこれを使用する。
3DS版 
【追憶のアルゴン】と【追憶のドルマゲス】が使用するおたけびが、マジックバリアの効果が効かない特殊な仕様になっている。
DQ9 
仕様は概要の項目で書いた通り。
習得時期は【パラディン】がLv28、【賢者】がLv38とかなり遅め。
呪文ダメージを一度使用で25%、二度使用で50%軽減する。
これに頼るよりは1ターンで済む全体がけフォースで50%耐性を得たり、【ミラーシールド(特技)】+【におうだち】で反射ダメージまで狙った方がいいだろう。
補助による耐性・パラメータの上げ幅が二段階制になったり、属性の概念が変わったりと本作では多くの仕様変更がなされたが、その煽りをモロにうけた不遇な呪文である。
また、【りんねの盾】系統を使用してもこの効果が発生する。
DQ10オフライン 
習得条件は【フウラ】Lv17(初期習得済み)。
消費MPは4で、味方全員の呪文耐性を1段階上げる。
DQ10オンライン 
どうぐ使いがLv48で、天地雷鳴士がLv75で習得。消費MPは4。
DQ9とほぼ同じ仕様(1回で20%、2回で40%軽減)で続投している。
詳しくはこちらを参照。
DQ11 
【ベロニカ】と【グレイグ】が初期習得している呪文。
消費MP4で、味方全体の呪文耐性を1段階上げる。
ベロニカが覚えているものは本作では数少ない「素早いキャラが使える防御呪文」なので重宝するかと思いきや、ベロニカ加入以降は物理・特技主体のボスが多いため、さほど活躍はしない。
雑魚敵では強力な攻撃呪文(特に【ヒャダルコ】)を唱えてくる者がいるが、ベロニカ自身が強力なアタッカーなので攻撃呪文で一刻も早く数を減らした方が安定する場合が多い。【ごくらくちょう】、【リーズレット】と戦う場合に余裕があれば使う程度だろう。
しいて言えば、耐性装備が限られた【ホメロス】戦の【ドルマ】対策に使うくらいか。
世界に異変が起きた後でグレイグがマジックバリア役になった後も、大体は物理主体のボスが多いため【スクルト】を唱えてもらった方が安心できるうえ、呪文を多用してくる【フールフール】戦では開幕マホトーン状態を強いられるため、この時期でも活躍は微妙なところ。
この呪文が真価を発揮するのは過ぎ去りし時を求めた後からと言っても過言ではない。
【魔道士ウルノーガ】や【キングマーマン・邪】といった呪文主体のボスや【ギラグレイド】を連発してくるボスが増えてくるため、【セーニャ】の【たてごと】スキルと併用しての防御手段として出番が回ってくる。
なお、DQ9同様にりんねの盾系統を道具使用した際の効果になっている他、3DS版・DQ11Sでは【星のオーラ】を道具使用した際もこの効果が現れる。
ただりんねの盾系統の場合、PS4版・DQ11S3Dモードでは使用者のみ、3DS版(両モード)・DQ11S2Dモードでは味方全体と、ハードやモードごとで対象範囲が違っているため地味にややこしい。
DQM・DQM2・DQMCH 
消費MPは3。
敵からの呪文ダメージのみならず、【マダンテ】も軽減できる。
【ダーククラブ】、【アイアンタートル】、【コハクそう】、【たまてがい】がLv19(キャラバンハートではLv13)で習得する。
ジョーカーシリーズ 
味方全体の耐性を1段階上げる呪文。攻撃呪文の属性だけでなく状態異常の耐性も上がる。
イルルカではほとんど全てのボスに【全ガードブレイク】が付いているため、ストーリーに於けるこの呪文の重要性が高くなっている。
DQMJ3では【フバーハ】の効果がブレス抵抗力アップから全属性耐性アップに変更され、この呪文は削除。
実質的に、ブレスを防ぐ旧フバーハが廃止され、マジックバリアがフバーハに名称変更されたと言える。
なお、J3では他にも【ダウン】を【ヘナトス】に改めたり、【グレイトハック】を【バハック】に改めたりとドラクエらしからぬ英語呪文を減らそうという動きがみられている。
代替呪文を考え付かなかったのか【インテ】【フール】【チェンジ】【チェイン】あたりは続投しているが。
トルネコ2 
魔法使いの呪文として登場。
消費HPは3で、10ターンの間ときどきモンスターからの魔法攻撃を無効化できるようになる。
しかし魔法使いは魔法攻撃を受けると覚えている呪文を忘れるので、確率ではなく絶対に食らってはいけない。
こんな曖昧な効果よりは、確実に跳ね返して回避する【マホカンタ】か、【メダパニ】で暫く黙らせる方が良い。
DQMB 
SPカードとして第一章から登場。使用者は【ゼシカ】。
そのターンのSPカードを含むあらゆる呪文攻撃を無効にする。相手が呪文パーティの時はかなり役に立つ。
DQMB2 
同じ効果の【マホステ】が登場するが、このカードは【レジェンドクエストVIII】を満点でクリアするのに必須なので両方持っておいて損はない。
DQMSL 
サービス開始時から登場。
消費MP16で、味方全員の呪文耐性を1段階上昇させる(1段階目で50%、2段階目で75%)。
ごく基礎的な特技で上位互換も多数登場するが、超マスターエッグで誰にでも覚えさせられる点が長所。
高難易度のクエストではそのまま受けると即死級の威力となっている呪文が珍しくないため、
それらに対抗できるように覚えさせよう。
星ドラ 
魔法戦士の職業スキルのほか、補助呪文のBランクとしても存在する。最大レベルでのCTは30秒。
マホステや魔法無効化のスキルと比べると、ダメージを0にできない反面、一度に全員にかけられるのが強み。
魔法戦士の輝石にはマジックバリアを2連続で発動させる「こだまするマジックバリア」というものもある。
DQタクト 
Cランクとくぎとして登場。自分を含む射程1~2・消費MP16
「なかま1体の呪文耐性を大幅に上げる 効果3ターン」
最大強化で 消費MP6 まで強化可能。
【デビルプリンス】【レジェンドホーン】などが使用可能。
ロトの紋章 
【ポロン】が使用する。
【アルス】と【ジャガン】の最後の戦いの際、ジャガンの【エビルデイン】から仲間たちを守るため使用した。
基本的にDQ3やDQ4の呪文体系が基となるロトの紋章において、DQ6の呪文が使われたのは珍しい。
【フバーハ】で雷は防げず、【マホステ】は勇者だけが使える呪文であり、【マホカンタ】では反射して勝負に横槍を入れることになるため、これしか状況に即した呪文が無かったのだろう。
ネーミング 
【ドラゴンクエストマスターズクラブ】内の質問コーナー「堀井雄二の DRAGON QUEST III Q&A」によると、従来、呪文のネーミングについては大きく2つのパターンがあったようで、次のような例が示されている。
- そのものズバリ
- 頭が混乱して目玉がパニック → メダパニ
- カウンターマジック → マホカンタ
- 消えたけど「でも居る」 → レムオル
- 模写する → モシャス
- その呪文を使った時の擬音を想像
- ギラ系呪文
- バギ系呪文
しかし、このマジックバリアはこういう語感や擬音からのネーミングではなく、英単語をそのまま並べただけであり、これまでのネーミングのパターンからは外れているため、DQ5以前からのプレイヤーにはどうしても違和感が拭えない。
さらに、DQ8以降では、これとは対になる弱体呪文に「【ディバインスペル】」が登場し、こちらも英語の「divine spell」(日本語にするなら「神聖な魔法」か。「spell」には「言葉を綴る」以外に「魔法、魔力、魅力」の意味もある)から採っている。