MHF-G8で登場した新スキル。
抜刀時と納刀時では別々のスキル効果が発動するという、少々特殊な複合スキルである。
発動スキル名もそのまま「抜納術」で、+1と+2の2段階が存在する。
目次
概要 
- 多くの人はこのスキル名から、抜刀術と納刀術の複合スキルを想像するだろうが、
実際は全く異なる*1。
その効果は、抜納術+1/+2で、
抜刀時にランナー/絶倫と回避性能+1/+2、
納刀時にダメージ回復速度+1/+2とスタミナ急速回復【小】/【大】が発動するというもの。
同じスキルが発動している場合は効果の高い方が優先される。
MHF-Zからはこれに「武器捌き(他シリーズで言うところの納刀術)」スキルの効果が付与された。
- 実装~MHF-G10.1までは、抜納術+1が10P、+2の発動には20Pが必要だった。
MHF-Zでリファインされ、15Pで抜納術+2が発動可能になった。
- この抜納術はG8のガスラバズラをモチーフとしたスキルである事がうかがえる。
ガスラバズラは平常時と怒り時とではまるで別物のような動きになるモンスターであり、
公式でも何かと「二面性」というワードがフィーチャーされている。
抜納術はまさに抜刀時と納刀時で全く異なる効果を発揮するスキルであり、
ガスラバズラの二面性をうまく体現したスキルであると言えよう。
- 発動対象防具は件のガスラバズラ防具の他、ウラガンキンのガンキンGシリーズが代表的。
部位単位で有しているものも含めるとかなり幅広い。
後述の運用ニーズからか、剣士は「溜め短縮」や「溜め威力」、
ガンナーは弓用スキルとセットになっているケースが割と多く見られる。
GX防具のスキルポイントは基本的に6で統一されている。
MHF-Zでのリファイン以降人気がさらに高まったこともあって、
MHF-ZZアップデート時点でも(一式で備えているものこそないが)多数の最新防具に本スキルが備わる。
- 装飾品はガスラバズラ防具を精錬したものの他、MHF-Zよりクエスト報酬で入手可能になった、
「G級・閃抜珠」「G級・剛抜珠」辺りが代表的。
スキルポイントは2~4で、多くは3Pである。
こちらも、MHF-Z以後も装飾品が追加され続けている。
運用法、他スキルとの関係 
- このスキルは抜刀時にランナーと回避性能が発動するため、
原則武器を出しっぱなしで立ち回り、メイン攻撃でスタミナを消費するハンマーや弓、
回避を多用する双剣と相性が良い。
武器捌き効果があるため、ガンランスやヘビィボウガンのように、
武器を仕舞うのが遅い武器種との相性も中々のもの。
- また、このスキルは「闘覇」スキルとの相性が非常に良い。
闘覇は「抜刀時に攻撃力が1.2倍になるが、その間スタミナが減り続ける」というスキルであるが、
抜刀時はランナーでスタミナ消費を抑え、消費したスタミナは納刀することで即座に回復、
という二つの芸当が抜納術ひとつで可能となる。
もちろんランナーとスタミナ急速回復を両方発動させる手もあるのだが、
MHFではスキル枠上限数という悩みを常に抱えており、
闘覇のためだけにこれらのスキルを投入するのは厳しく、こちらで賄った方がいい。
- そして、MHF-Zから実装された「極ノ型」では、全武器種で抜刀ダッシュが可能になる。
スラッシュアックスF(抜刀ダッシュにスタミナを消費しない)を除く全武器種で、
スタミナを消費するが抜刀状態を維持しつつ従来の常識を覆す機動力を手にすることになったため、
相対的に抜納術スキルの恩恵も大きく向上することになった。
スラッシュアックスFについても、回避性能・ランナー・武器捌きいずれも恩恵が強いものである。
- 回避性能スキルそのものについては、NPCハンターが「激励」を搭載している、
もしくは同スキルを持つ狩猟笛とのPTを組んだ場合は意味がなくなってしまう。
だが抜納術はスタミナ系スキルも一緒に備えているため、
激励スキルが他のハンターにあったとしてもスキル効果が完全に無意味になることは少ない。
回避性能スキルの記事にもあるが、自前で回避性能効果を持たせる動機付けの一つになるため、
MHF-Z以後も高い人気があるスキルだと言える。- スタミナ系スキルが無意味になる可能性としては、
「支援」スキルを発動させている他ハンターが近くに居る場合、
そして辿異スキル<<鼓舞強化>>で激励+2を超える段階を発動させた場合が挙げられる。
特に「激励+2を超える段階」は抜刀状態でもスタミナ急速回復効果が得られる、
抜納術の実質的な上位互換に相当している。
ただし前者は一定距離以内に当該スキル持ちハンターが居ないといけないため確実性に欠け、
後者はNPCハンターは搭載不可能であり、
プレイヤーハンターの場合もサービス末期にはサポート系スキルと同時発動可能な防具が多かったものの、
「20P+辿異スキル1枠」或いは「10P+辿異スキル2枠」が必要となり、決して軽いスキルではない。
というわけで総合的に見て、普段使いにおいてはスキルがデッドウエイトになりにくいと言える。
- スタミナ系スキルが無意味になる可能性としては、
- このスキルに近い体系を有するものとしては、G級スキル「要塞」がある。
こちらは常にランナー、ガード性能、武器捌き効果を有する。
回避性能、ガード性能効果、他の防具との兼ね合いでチョイスしていく事になるだろう。
変遷 
- 元々このスキルの効果が発表された時から、スキル「闘覇」との相性の良さに期待されていた。
闘覇は「抜刀時に攻撃力が1.2倍になるが、その間スタミナが減り続ける」というスキルであり、
少なくともこの当時は、闘覇は武器種にもよるがペナルティを抱えても十分すぎるほど強力な、
汎用的火力スキルとしての地位を強く有していた。
ペナルティを軽減するにはランナーやスタミナ急速回復と併用できれば理想であるのだが、
スキル枠の問題でそれは難しく、当スキルの効果に期待が持たれていた。
- そんな中登場した抜納術は、まさに闘覇との相性抜群なスキルであった。
MHF公式でも闘覇との組み合わせを意識して実装したという発言があり、
狙い通り闘覇との併用で運用するハンターが増えることになる。
- ただ、この当時は抜納術+2にするためのスキルポイントが20も必要であり、
組めないとまでは言えないが、構築はやや難しいものがあった。
闘覇とセットで使う分には+1でもとりあえずは機能するため、そういう運用も目立った。
- 他方、普通に使用するには少々微妙である…という声も多かった。
通常時にも有効なスキルが組まれてはいるものの、ランナーにせよスタミナ急速回復にせよ、
MHFでは闘覇の実装で再び日の目を見たスキルという印象が強く、
闘覇と併用しないなら無理に発動させるほどのものではないという見識が一般的だったのである。
回避性能についても、プレイヤーハンターが自発的に発動させるものという見識がまだ薄い
(理由は鼓舞スキル、代償を参照)時代で、
更にこのスキルの実装時点では始種(烈種)防具を用いた構成が一般的であり、
仮に発動させるにしても、20Pという重い負荷をかけるぐらいなら、
より簡単に発動できる回避性能+1を+2にアップグレードするというのが普通だった。
従って、実装直後時点では「あくまでも闘覇との併用が前提」といった評価が下されることになる。
- その後、G8.1のG級遷悠種ブラキディオス、G9のラヴィエンテ猛狂期、
G9.1の極み吼えるジンオウガの登場や、他の有力火力スキルが多数出現した事に伴い、
「闘覇スキルを汎用的な火力スキル」と見做さない傾向が強まる事になった。
それによって闘覇を発動させるハンターは大剣使いなど一部に限られるようになり、
抜納術も発動者が減ることになった。
G10では回避性能+2を自動発動できる遷悠防具のナルガシリーズが登場し、
回避性能の代用としての運用も厳しくなっていった。
- MHF-Zアップデートでは、以下のリファインが実施された。
- 抜納術+2の発動SPを15に緩和
- 武器捌きスキル効果の追加
辿異種モンスターの属性やられ【特大】によって遷悠防具の極端な属性耐性も意識されるようになり、
抜納術は「条件付きの回避性能スキルとして、発動する価値がある」スキルに評価が改まった。
上述のリファイン、及び冒頭で述べた抜刀ダッシュという大きな変化もそれを後押しし、
後にテコ入れが成された鼓舞スキルとは「特性が違う」として競合せず、棲み分けが成されている。- なお、同アップデートで超回避スキルが追加され「こちらも選択肢として挙がるのでは?」と言われていたが、
必要Pに対して発動手段に貧しいことが判明してからは一気に評を落としている。
抜納術も最新防具を交えた発動手段という点ではそこまで極端には変わらない
(辿異狩護防具を除くとスキルポイント持ち辿異防具は非常に少ない)が、
こちらはG8時代、しかも抜納術+2発動に20SPが必要だった事もあって高ポイントの防具・装飾品に恵まれており、
辿異狩護防具も含めれば発動対象防具はかなりの数に上るなど、
全体的に見れば「発動しやすい」事も抜納術スキルの再評価に貢献した、と言える。