MHF-G2で実装された複合スキルの一種。
10Pで同名スキルが発動し、マイナススキルはない。
多数の実用的なスキルを複合しているが、その「代償」はあまりにも重いという異質なスキルである。
目次
概要
- スキルの存在自体はMHF感謝祭 2012(フォワード.4時代)にて発表され、
MHF-Gにて実装予定のG級スキルとして明らかになっていたが、
実際にハンターが使用できるようになったのはMHF-G2以降である*1。
- 本スキルはスキルポイント10で、以下のスキルが発動しているのと同じ効果を得られる。
恩寵と違い、発動に特殊な条件は無いため、極めて強力なスキルに見える。
しかし、1/8の確率でどんな些細な攻撃でも確実に即死する死神の抱擁が全てぶち壊しにしている。
まさに、強力なスキルが10ポイントで、
かつスキル枠をたった1つ使うだけで発動するが故の「代償」と言えるだろう。
なお斬れ味レベル+1がついてはいるが、ガンナーでも発動可能。
- MHFにおける複合スキルは、その大半が
「単体で発動している上位スキルがあった場合、そちらの効果が優先される」
という仕様になっており、この代償も例外ではない。
例えば攻撃力UP【絶大】は剛撃+4以上を、見切り+4は見切り+5を発動させれば
それらの効果が優先される仕様となっている。
ところが、肝心の死神の抱擁だけは、単体スキルを完全に無視する仕様となっている。
スキル「女神の赦し・抱擁」を発動させても、それは無かったことにされてしまう。
当たり前だがプラススキルが通用しないなら一段階緩いだけの「死神の裁き」が上書きできようはずもない。- ちなみにMHFではスキル以外でも女神の赦し効果を得られる要素が存在するが、
代償で発動される死神の抱擁は、それらの効果すらも悉く無効化する。
唯一効果が発揮されるのは消費アイテムの「乙女シリーズ」*2を所持していた場合。
ただしこれも、被弾時に死神の抱擁による即死判定が発生しなかった場合に限り、
一定確率で機能するようになっているため、死神の抱擁効果そのものを防ぐことはできない。
- ちなみにMHFではスキル以外でも女神の赦し効果を得られる要素が存在するが、
- 代償のスキルポイント自体を持つ「G級防具」はかなり多い。
スキルポイントは3または4が付与されている。
ただし、一式でSPを有している防具は極端に限られており、
常時入手可能なのは黒影/黒陰Gシリーズの一種類のみとなっている。
過去にはいわゆる特典防具として、一式でSPを持つ防具が何種類か存在しているが、
いずれも現在は入手不可となっている。
特に有名なのはコラボ防具のラモール/リュバンシリーズのガンナー用だと思われるが、
こちらは再販された際に追加された辿異狩護防具ZPシリーズへの派生強化でスキルが刷新され、
結果、代償スキルが完全に消滅してしまっている。
先述の通りパーツ単位で見ればスキルを持つG級防具が多いため、装飾品もかなりの数が存在する。
一方で辿異防具には本当にごくわずかの部位にしかスキルポイントが備わっていないので、
もし、本スキルを発動したければ装飾品のみで発動させることを念頭に置いた方がよいだろう。- スキルカフも課金・非課金共に+5のものや、最大2個搭載可能な+2のSC(PC)カフもある。
現在では入手不可(アニバーサリー2015プレミアムグッズの早期購入特典)だが、
+7ものスキルポイントを持つスキルカフも存在する。
- なお、一発で発動する防具としてはコレが挙げられる。
こちらも現在は入手できない。
- スキルカフも課金・非課金共に+5のものや、最大2個搭載可能な+2のSC(PC)カフもある。
- 一応ペナルティとして存在するスキルという概念もあるためなのか、
マイナスのポイントを持つ防具・装飾品・スキルカフは存在しない。
また、発動優先度も28位と非常に高い。
代償よりも優先度が高いスキルの内、14種類は同時に2種類以上は活用しない秘伝スキルであるため、
スキル枠外へ弾き出しての無効化も非現実的である。
運用方法
- 本スキルは、サービス終盤であるMHF-Z以降のMHFプレイヤーの装備環境においては、
重い「代償」を背負うほどのメリットがない状態になっている。
以下、理由について解説する。- なお、誤解を招かないよう付しておくと、あくまでもMHF-Z以降は需要がなくなったというだけで
G3~G6においては火事場力+2の発動など特殊な条件下で有効活用されていた時代があった
(次の「変遷」の節を参照してほしい)。
- なお、誤解を招かないよう付しておくと、あくまでもMHF-Z以降は需要がなくなったというだけで
- まず、プラス側のスキルに目を向けると、
攻撃力UP【絶大】、見切り+4、回避性能+2、斬れ味レベル+1と、
一見すると非常に強力そうなスキル構成になってはいる。
一方、先述の通り攻撃力UP【絶大】はG級スキル「剛撃」と重複しないため、
この構成は言い換えると、剛撃+3、見切り+4、回避性能+2、斬れ味レベル+1と同等であると言える。
そしてこのスキルは、G級昇級直後のプレイヤーが最初に作ることになる防具「エントラシリーズ」一式に、
同じくチュートリアルで作成する「グレン剣珠GF 10個」を装着した時とほぼ同じものとなるのである。*3
従って、プラス側のスキルを見ても「G級」のスキル構成としては最低限の水域であり、
ましてや本スキルが一般的なG級の火力スキルを超えるものではない事は明らかである。- 先述の通り剛撃+3と攻撃力UP【絶大】は同じ攻撃力UP値になるのだが、剛撃には更に上の段階が存在し、
ある程度のランク以降はそれを目指すのが半ば当たり前になっている現状がある。
つまり攻撃力UP【絶大】がG級における基本ラインと言い換えてもよく、
それ以上にならない代償はそのままでは火力スキルとしては陳腐と言わざるを得ないのである。
- エントラシリーズは「一閃+1」というスキルを防具側で備えているが、
これを攻撃力UP【絶大】段階を維持しつつ一閃+3まで上げてG級火力スキルのスタートラインとする、
俗に言う「剛閃6」構成は手間がかかりすぎて現実的ではない。
一方の代償にはそもそも一閃スキル自体複合されていないが、こちらは10Pで発動し、
「代償」と「一閃」のSPを持つ装飾品や装備は多数あることから、
一閃+3と代償の併用は比較的簡単なものとなっている。
逆にいうと、代償を火力スキルとして扱う場合、
G級火力スキルのスタートラインと同等の水準までもっていくには一閃+3スキルの発動が必須となっている。
- 唯一見切り+4は、実装当時と現在とで発動難度が変化しており、
1部位以上装備することで見切り+5が自動発動するレギオスシリーズを除けば、
高ランクのG級ハンターは却って見切り+4以上が発動し辛いという状況になっている。
もしこれで代償スキルにペナルティが存在しなかったら、
手軽な見切り+4の発動手段として使われていた、かもしれない。
- 先述の通り剛撃+3と攻撃力UP【絶大】は同じ攻撃力UP値になるのだが、剛撃には更に上の段階が存在し、
- 次に本スキルの利点である「スキル枠の圧縮」についてだが、
正直これも、今となっては微妙と言わざるを得ない。
斬れ味レベル+1は上位互換となるG級スキル「剣神+2」があり、
こちらはG級の剣士にとって必要不可欠な業物+2と剣術+2が複合されている。
つまり、代償で斬れ味レベル+1を賄う場合は業物+2と剣術+2が別に必要となり、スキル枠の圧縮に繋がらない。
攻撃力UPについては先述したので省くとして、回避性能についても、
G級では他のスキル(要素)との複合スキルがあったり、或いは防具1部位で自動発動する手段がある。
- 最後に決して目を背けられない要素として、
本スキルに内包される「死神の抱擁」の問題がある。
これは根性スキルでは予防できない*4ため、
何も考えずに使うと即死によるクエスト失敗のリスクが跳ね上がってしまう。
「被弾=確実に即死という前提でも戦える」のであればいいが、
この被弾は足踏み削りなども総じて含まれるため、純粋に火事場力スキルを発動させるより運用難度が上がる。
- 以上の事から、本スキルを「活かせる」状況は、剛撃+4以上が発動できない、
或いは上記4スキルを単体発動できるほどのスキル枠の余裕すらもない装備構成であり、
尚且つ被弾=即死という状況を自ら意図的に作る常時火事場状態での戦闘をする、
という恐ろしく限定されたものになっている。
少なくとも現在のMHFにおいては、常時火事場状態でのTAや腕試しを行えるほどの上級者が、
そもそも前者2要件を満たした装備のまま戦うこと自体がありえないものとなっており、
代償を選択肢に入れることはまずない。
そして火事場しないのであれば、被弾=即死の危険があるものを態々発動する必要がない。
よって、現在では重い「代償」を背負うほどのメリットがないと言えるのである。
- メリット云々は別にして、本スキルと相性の良いスキルが一つ存在する。
それは「絶対防御態勢」である。
本スキルで形成される攻撃遮断効果(通称アーマー)は、
被弾自体を無かったことにするため代償の「死神の抱擁」も発動しない。
アーマーは一度被弾すると剥がれて再装填までは時間がかかるが、
この特性上代償のペナルティを緩和することができるようにはなっている。
ただ、現在の絶対防御スキルは再装填までの時間に攻撃力が0.8倍となるため、
絶対防御があるからと頻繁にアーマーをはがしていると、結局は火力ダウンにつながってしまう。
- このように、現在では初心者用としてはおろか、
超上級者用としても使い道がないスキルになってしまっている代償スキルであるが、
前述した前提条件の「剛撃+4以上が発動できない」
「上記4スキルを単体発動できるほどのスキル枠の余裕すらもない」という時代が過去に存在したため、
本スキルが上級者の間で脚光を浴び、それが影響して一部のプレイヤーに
「唯一無二の火力スキル」と誤解されていた時代が確かに存在したのである。
詳しくは後述。
変遷
- 実装当初(MHF-G2)は剛撃スキルこそ+3段階は比較的発動しやすくなってはいたが、
それも含めた4スキルを1枠でまとめられるという利点そのものには着目されていた。
が、それ以上に死神の抱擁が全てぶち壊しにしてしまい、
当時は装備環境の関係で即死しやすいプレイヤーが多かったものの、
それがイコール火事場での狩猟が常識という風潮にはほぼ*5結び付かず、代償を使うハンターは殆ど居なかった。
また実装当初は発現する装備が黒影/黒陰Gしかなく、発動難度自体も高かった。- 本スキルが発表されたフォワード.5当初のプレイヤーの予測として、
"ガンナーで発動すれば、麻痺拘束からの遠距離攻撃で即死リスクを減らせる故に強力すぎるのではないか?"
という懸念が上がっていたが、実際は麻痺弾での拘束狩猟自体が廃れてしまい、
そのような状況は起こらなかった。
- 本スキルが発表されたフォワード.5当初のプレイヤーの予測として、
- MHF-G3では、主にソロでのタイムアタックを行うハンターの間でこのスキルが運用されるようになる。
これはG2後半~G3にかけて「一閃」を発動できるようになってきた一方で剛撃との両立が難しい、
秘伝防具がTAでは多用されていたのだが、秘伝防具はG級防具と違ってスキル枠の増加がなく、
TA用の火力スキルを満載するとスキル枠不足に悩まされていた。
そこでということで代償が採用されたのである。
だがこの動きはMHF-GGにて実装された「秘伝防具の装飾品精錬」と、
剣士はそれに加え「真打」スキルの発動難度が改善されたことによってスキル枠問題が一旦は解消された事で、
すぐに消える事になった。
TA用途を別にしても、攻撃力UP【絶大】と斬れ味レベル+1を複合する真打+3が人気となったMHF-G5では、
代償については殆ど触れられることがなかった。
一方、剛撃はGG以降発動防具の追加ペースが鈍り続けたことで、剛撃+4以上の段階を発動するのが困難になった。
これが代償スキルにとって大きな追い風となる。
- 本スキルが最大の脚光を浴びたのはMHF-G6であると言える。
本アップデートで登場した「天廊の番人」ことドゥレムディラは、
クエストの仕様上3回力尽きても即クエスト失敗にはならないが、
圧倒的な攻撃力と手数を持ってプレイヤーを蹂躙していた。
このため、当時のプレイヤーの判断として「火事場+2」を発動させての戦闘が人気となり、
その相方として多く選ばれたのが「代償」スキルであった。- 前述の通り、G6の時点では剛撃の発動が難しくなっており、
しかも剣士は「秘伝防具の装飾品(秘伝珠)」が上級者の間で普及してきた事で、
再びスキル枠の問題に直面するようになっていた。
先述の「剛撃+4以上が発動できない」
「上記4スキルを単体発動できるほどのスキル枠の余裕すらもない」「常時火事場で戦う」
という3要件が見事に成立していたのである。
- ガンナーについては、上級者の間ではHR(もしくはG級)秘伝防具からの脱却が未だできない状態にあったが、
こちらも結論から言えば上記3要件が満たされた状態であり、
しかもこちらは天廊の番人戦に限らず普通のクエストでも火事場しないと火力が足りない、
という誤った認識が根付いており、代償を発動する人はそれなりに見受けられた。
- 前述の通り、G6の時点では剛撃の発動が難しくなっており、
- また、代償と相性が良いと述べた絶対防御態勢スキルは、
当時は「アーマー解除~再装填」までのペナルティが火力ダウンではなく防御力ダウンだったため、
そもそも被弾=即死のリスクを背負う火事場発動状態の代償にとってはペナルティにならず、
この組み合わせも高い人気を博することになった。- MHF-G8ではプレミアムキットの「ダスクキット」にて全部位代償スキル持ちの装備が登場しているが、
この装備は絶対防御態勢と紅焔の威光+2(火事場+2)がセットになっており、
更に一閃のSPも高く、上記の運用にうってつけとなっている。
- MHF-G8ではプレミアムキットの「ダスクキット」にて全部位代償スキル持ちの装備が登場しているが、
- 一方、あまりにも脚光を浴びすぎた弊害はすぐに表れるようになり、
上述したように大きなリスクを背負う前提の上にあるスキルという事実は変わらないにもかかわらず、
番人戦に限らず通常のクエストで、
しかも非火事場で運用して即死するようなプレイヤーが問題視されるようになった。
またその一方で、代償がG級における前提(≒必須スキル)であるかのような主張*6や、
G級の重要要素である「防御力」が一部のプレイヤーの間で軽んじられるようになるなど、
賛否両論様々な意見が噴出するようになった。- また、代償が直接の原因ではないが、
この件もあって「MHFでは上級者は皆あらゆるクエストで火事場するのが主流」
という誤った見解がネット上等を中心に広まり、
それが代償スキルの普及に良くも悪くも寄与することになった。
- ちなみにこの時期であっても「代償指定募集」は確認されていない。
これは、代償を使わずに同レベルの火力スキルが構築できるならそれにこしたことはないので、
態々指定して参加の選択肢を狭める意味はなかったためと思われる。
- また、代償が直接の原因ではないが、
- MHF-G7以降は「剛撃」のテコ入れ、正確には「固定化してしまったスキル構成からの脱却」
に繋がる様々なスキル、要素が追加されていった。
G7を初めとする2015年のアップデートでは結実せず、
根本的な脱却は2016年に実施されたMHF-Zアップデートの辿異スキル実装まで待たなければならなかったが、
G10.1の頃になると、プレイヤーの間でも代償を積極的には用いなくなり、
Z直後からは一部コンテンツを除き代償は使われなくなった。
その後2017年中盤頃には最早代償については話題に上らなくなり、概ね現在の立ち位置が確立したと言える。
- なお、ラヴィエンテ猛狂期戦では、
代償スキルが事実上の必須スキルと見られていた時代が僅かながら存在した。
これはエンドコンテンツ同コンテンツで入手できる「不退」スキルが、
当初の認識としては「重大なペナルティを背負って発動する、多種の火力スキルの複合体」であり、
言うなれば代償の上位互換であると思われていたためである。
そのため、不退を入手するためには同様のリスクを持つ、いわば下位互換である代償を使うのが最適、
という認識が参加者の間で広まったという訳である
(無論、構築次第では代償よりも高火力の構成が実現できたため、唯一の選択肢だったわけではないが)。
そのためZ直後でも代償スキルの存在は重視されていたと思われるが、
時期を同じくして「不退」と「代償」のペナルティは似て非なるものであり、
運用自体も大きく異なっていることが周知され、不退のステップアップとしての立ち位置が失われた。
このため、2017年以後はラヴィエンテ猛狂期の参加者でも代償がどうのという動きはなくなっている。
余談
- パートナーもこのスキルを習得させることができる。
ただしパートナーでは回避性能+2を必ずしも有効活用できない上に、
真打+3も習得可能(ただし発動難度は代償に比べると少々高い)なため、
よほど特殊なケースでないと有効性を引き出せない。- 少々変わったところでは、パートナーの即死リスクを増やすことで、
激励による回避性能などの効果を得つつソロプレイに近い状況にすることが可能。
一時的ではあるが一匹狼の効果を利用できるほか、
モンスターのターゲットが集中し戦い易くなることもある。
- 少々変わったところでは、パートナーの即死リスクを増やすことで、
- MHR:Sでは、重ね着装備として追加されたダスクシリーズの生産用として
「代償の異国製図」という名のイベントクエストの報酬素材が登場している。
本スキルそのものは現時点ではメインシリーズには登場していないため、MHF未経験者は
「何であの可愛い装備の素材がこんな物物しい名前なの…?」と疑問に思うだろうが、
このスキルの変遷を知る人であれば、このネーミングにもニヤリとくることだろう。
関連項目
スキル/審判 - このスキルは審判系スキルを完全に無視してしまうという特性がある。
モンスター/ミ・ル - 防具「黒影/黒陰シリーズ」でこのスキルを発動させられる。
防具/まどかシリーズ - 先述の通り一部防具に本スキルがある。「代償」が非常に似合うシリーズ。
防具/ダスクシリーズ - MHF-G8で登場した、代償の運用に特化した防具。
スキル/恩寵 - 代償同様複数の効果が発動するG級スキル。こちらは発動難易度の高さが問題視されている。
スキル/黒ノ命脈 - 同上。こちらは一度死なないと効果が発動しない。
スキル/不退 - 当時、代償の更に上を行くと思われていた複合スキル。