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CVT

Last-modified: 2017-07-28 (金) 22:55:24

Continuously Variable Transmission(コンティニュオースリー・バリアブル・トランスミッション)の頭文字を略したもので、無段変速機、または連続可変トランスミッションの意味を持つ。自動車やバイクへの使用が一般的だが、回転系の工業用機械にも用いられることがある。

 

CVTの最大の特徴といえばギアが存在しないこと。金属製のベルト(またはチェーン)とふたつのプーリーを組み合わせる構成を基本とし、プーリー間の幅を調整することでベルトの幅を増減し、無限に変速比を作り出すことができる。昔はバック(=後退動作)が出来なかったが、日本でCVTの黎明期が始まる頃には遊星歯車を組み合わせて解決。
厳密に言えばオートマティック・トランスミッションのジャンルには明確に入らないが、クラッチ操作が不要ということからAT限定免許でも乗れる。
CVTのメリット・デメリットは複数個あるが、最大のメリットは「変速ショックがなくスムーズに加減速できる」「エンジンの効率をうまく引き出すことができる」となるだろう。特に排気量が限られている軽自動車やコンパクトカーにとっては変速比を無限に作り出せる構造はこの上なく有利なもので、採用が進んでいる実情もうなずける。
一方でデメリットは「コストが高くつく」「ラバーバンドフィーリング(=エンジン回転数と自分の感覚がリンクしない違和感)がぬぐえない」「全開加速時に回転上昇のタイムラグがある」など。

 

CVTの歴史は古く、20世紀初頭にまでさかのぼる。2枚の円盤を直角に組み合わせて、そこから生まれる摩擦力によって駆動を伝えるフリクションドライブ方式によってそのルーツが誕生した。当初から工作用の機械に始まり自動車や機関車への採用がすでに進んでいたが、体積の大きさから来るエネルギーロスの大きさが解決できなかったことから第二次世界大戦の前に廃れ、そこからは一般的なマニュアル車やオートマ車が普及した。
CVTが見直されるきっかけになったのがゴムベルト式の開発・生産である。現在もっとも普及しているベルト式の原型ともいえる存在で、戦後はゴムベルトの耐久性が上がったことから欧州の各メーカーが積極的に採用を始めた。中でも有名なのがオランダのDAFが発売したコンパクトカー・DAF 600。ヴァリオマチックと呼ばれるそれは左右の駆動輪それぞれに一組ずつのプーリー+ベルトを備える凝った内容であった。
そこから次に日の目を見たのがおなじみのスチールベルト式である。DAF出身のヨーゼフ・ファン・ドールネがゴムベルトより耐久性に優れるスチールベルトを開発し、CVT自体の寿命が劇的に向上したことから採用するメーカーが急増。ちなみに丁寧に呼称するとファン・ドールネ式CVTになる。日本車や欧州車のコンパクトカーを中心に搭載車両が増え、CVT普及のターニングポイントになった。
ドールネの特許が切れたのち、CVTは各メーカーのアレンジで独自路線を開拓していった。特に日産のエクストロニックCVTはトルコン式のクラッチが内臓されておりクリープ現象が発生、微低速域での走行や車庫入れ、坂道発進が容易になった。また日産はジヤトコとの共同開発で副変速機構を盛り込んだCVTも開発している。LO側とHI側のプーリーをそれぞれ設け、キックダウンを可能にしたことで発進や追い越しのダッシュ力を強化。一方でスバルはリニアトロニックとしてチェーン式を編み出す。伝達効率が大幅に向上し、ターボ過給によるトルク向上にも対応している。
実は自動車競技の最高峰・F1グランプリへの採用も一時期検討されていたほどCVTは高性能であった。ストップアンドゴーが多いコースであればあるほどエンジンの効率的な回転数をキープできることが理由とされ、事実テスト走行でも一般的なギアボックスより数秒のアップを実現した。しかし逆にエンジンを酷使することにつながりかねないとして敬遠するメーカーも少なくなく、時を同じくしてFIAがレギュレーションで規制したことで「幻のトランスミッション」とも呼ばれた。

 

湾岸マキシでは5へのアップデートで追加されたレヴォーグが唯一のCVT採用車種となっている。

ギアが存在せず金属製のベルトが円錐形のプーリーを移動(ベルトの太さが変わる)しギアと同じ仕事をする
AT免許で乗れるがATではない
パワーとトルクのもっとも出るとこ、いわゆるエンジンの一番オイシイ回転を常に使うことができるため燃費や加速性能に優れ、ATやMT、DCTのように"変速"という動作がないため伝達ロスがほとんど無いという特徴を持つ。通常クリープ現象は起きないが最近のCVTはコンパクトカー等の大衆車に搭載されることが非常に多いためクリープ現象のようにアクセルを踏まなくてもソロソロと進むように設計されている。
ただし、トルクが掛かりすぎるとベルトが滑ってしまうという欠点があるため高性能車には使われていない。かつては大トルクでも伝達ができるCVT(ベルトではなく別のもので伝達)が開発されたがコストや信頼性の面から普及しなかった。大トルクの伝達が可能になればDCTよりも効率がいいため高性能車のトランスミッションの主流になるだろう。
上記の、エンジンのオイシイ回転を使い続けるといった点から速度は上がるが同じ回転数でずっといるということがあり、そこに不自然さを抱く人も多い。
CVTの分解はメーカーしか出来ない方が多い