Top > 公式サイトのShort Story


公式サイトのShort Story

Last-modified: 2012-05-30 (水) 04:04:41

※Demon HunterのSSです。全11ページあります
原文:http://us.battle.net/d3/en/game/lore/short-story/demon-hunter/1#read

 

Page 12345678?9?10?11?12?

 

Hatred and Discipline
by Micky Neilson

 

遠く離れていても、Vallaは腐敗した死を嗅ぎ取った。

 

今では廃墟と化したHolbrook ―かつては、小さくとも活力に溢れていた田園だった― に辿り付いた時には、
カンデュラスはどんよりと曇に覆われていた。
大気は生暖かい。
…ふむ、腐敗の匂いから判断すると、ここにはまだ残された者がいるようだ。
最も、生きているモノだけではないだろうけど。

 

村の中央、何かの残骸の前で師匠のJosenが思案している。砕かれた石材、ひっくり返った岩だろうか。

 

師匠はデーモン・ハンターの正装に身を包んでいる。
身体の半分近くを覆う、鈍く光るプレート・メイル。
すぐに使えるよう、足にぶら下げている2丁クロスボウ。
下げたフード。クロークは風にはためく。

 

Vallaも同じような衣装を纏っている。
違うのは、顔の下半分を隠す、長くて黒いスカーフを身に着けていること。
Vallaは馬の歩みを止めて降り、しばし考え込んだ。

 

かろうじて物音が聞こえる。
生きているモノが経てる音は、Josenとその他2人のハンターのものだけだ。
一人は廃屋でガサゴソと、もう一人は荒れ果てた店の近くに立っている。
ここで何が起きたにせよ、食い止めるには手遅れだった。
今やるべきは、生存者を探すこと。
そして、次にやるべきこと。筆舌に尽くしがたい災厄から残された彼らに、食料を確保し、仮住まいを探してやること。
彼らを導き、励まし、癒し、教え込み、仕込み…
そう、全てはこのために。彼らがその道を選ぶように。
その道とは、デーモン・ハンターとなり、地獄の悪鬼を殺し尽くすこと。

 

「急いで来たのだけどね」
Vallaはスカーフを降ろしながら言った。Josenは何かの残骸を前に考え込んでいる。

 

かすかな物音が響いた。Josenの眼差しは動かない。

 

「ここに居るべきでは無い」
彼は呟いた。
「Deliosは任務を果たしたのだとすれば、我々はここに留まっても仕方が無い」
JosenとVallaの目が合った。
「お前はどう見る」

 

Vallaは瓦礫を見つめている。石材と木材、見慣れたものだ…黒い液体の斑点がある。
しかし、そこらじゅうにある黒い物体は何だろうか。タールにも見えるが、よく分からない。

 

「町の井戸」
Vallaは答えた。
「悪魔はそこから這い出した。悪魔の血を与えられて。
Deliosはやるべきことを果たしたのだろう。彼がハンターとしての最後を迎えられたことを祈るだけね」

 

Josenが地面を蹴ると、表面の少し下は、まだ濡れていた。
「まだ一日も経っていないか」

 

VallaはJosenが続けるのを待った。
…彼が話さないので、促した。
「この後は?」

 

師匠の表情からは何も読み取れない。
「付いて来い」
彼は返した。

 

2人が荒れ果てた店に近づくと、物音が大きくなった。ぶーんという音が聞こえる。
物音が大きくなるにつれ、腐臭もきつくなってくる。
ぶらぶら揺れているドアの前に、ハンターの一人が立っている。

 

不快なハエの一団が逃げていった。腐敗した肉の臭いは慣れているはずだが、それでもきついものがある。
Vallaはスカーフを締め、胃液にむせた。

 

納屋程度の部屋に、人間が無造作に積み上がっている。
男性も、女性も…皆膨れ上がった死体。
破裂し、中身をぶちまけたものも。ウジが臓物を食んでいる。
眼から、鼻から、口から液体が流れ出ている。
紛れも無い糞尿の臭いも嗅いで取れる。無数のハエが屍体に群がる。

 

Vallaの表情が険しくなった。死体の傷、確かにおぞましいものだが…悪魔の付けた傷とは違う。
ここにあるのは、正確に突き、刺し殺された頭蓋骨だ。
砕き、切り殺す悪魔の殺戮ではない。

 

Josenが口を開いた。
「1日前、Bramwellの外近郊でDeliosが目撃されている。
彼は娼館に押し入り、皆殺しにして…姿を消した。
昨夜、またも虐殺が行われた。阿片窟で15人だ。
クロスボウと刃物で殺されてな」

 

信じられない、と言うようにVallaの眼が見開かれた。
Josenは無言の問いに答える。

 

「奴は堕落の道に陥ったか。今や、我々の知っているDeliosではない。只の悪魔だ」

 

それは恐ろしいことだが、善と悪の間を行き来する、全てのデーモン・ハンター一人一人は向き合うことになる。
ちょっとしたことで、恐怖と憎しみを制御する術は容易に失われる。
しかし…しかし、これはDeliosの仕業では無い。何かがおかしい。
Vallaは自らの不安を隠すように言った。
「多分その通りなんでしょう。でも、これはハンターがやったことかは分からない。悪魔がやったことかも分からないけど」

 

「ふん、その意見には賛成しよう」

 

「ハンターと悪魔が、お互いに殺しあったとは考えられない?」

 

「恐らくな」
短く言い放ち、Josenはその場を離れた。
もう一度死体の山を調べたVallaは、奇妙なことに気が付いた。
―死体は数あれど、子供の死体が無い。

 

店の外では、Josenが馬に乗っていた。
駆け寄ったVallaが尋ねた。
「私は最後の修行を終えている。次は、何をすればいい?」

 

「我々は生存者を探す。夜が明けたら、私はBramwellに行ってDeliosを探す。
多分…奴のために、遅すぎるということはないだろう」
Josenはそう言ったが、躊躇いも見て取れる。

 

Vallaは肩を張った。
「それなら、私も発つ。悪魔を探し出す」

 

「いかん」
師匠が鋭く返す。
「お前にはまだ無理だ」

 

「どういうこと?」
Vallaが詰め寄る。

 

Josenは彼女に向き直り、冷静な口調で答える。
「お前にはまだ無理だと言った。我々は、立ち向かうべきものについて殆ど知るところが無い。どんな手段で、ということもだ。
恐怖を糧にするのは悪魔ども、と信じている…だが、Deliosは更に多くを知っている。
ヤツに対する備えは不十分だ。ヤツのような悪魔にはな…」

 

Josenはゆっくりと眼を閉じた。
「お前の心の奥底の、恐怖や疑惑、後悔を掘り起こしてくる。どれほど心の奥底に仕舞い込んでいたとしてもだ。
お前は自分自身に、奈落に落とされることになるだろう」
そして、眼を開き、Vallaを見据えた。

 

「あの遺跡での、お前の失態を忘れたか」

 

「あれは違う。怒りの悪魔の…」
Vallaが反論する。

 

「怒りに憎しみ、恐怖。お互いを糧としている。デーモン・ハンターは、憎しみの矛先を向ける術を学ぶ。
だが、そのバランスは危うい。一旦崩れてしまえば、連鎖が始まる。
憎しみが破壊を呼び、破壊が恐怖を呼び、恐怖が憎しみを―」

 

「もう何回も聞いた!」
Vallaが叫ぶ。

 

「ならば、心に刻め。お前はまだ未熟、学ぶことが多い。
デーモン・ハンターならば、常に憎しみを規律で制御しろ。心を平静に保て。これが私の教えられることだ。
件の悪魔は手負いのはずだ、今は動けんだろう。そいつには別のハンターを送り込む」

 

Josenは立ち去りかけたが、Vallaは動かない。
「なら、私はDeliosを追う」

 

Josenが振り返る。
「お前はここで生存者を探す手助けをしろ。Deliosは私が片付ける。指示は以上だ」
師匠は立ち去ったが、Vallaは更に怒りに震えていた。師匠に訴え、感情をぶちまけたかった。

 

まだ未熟? 私はまだ未熟? 私は全てやり遂げたはず…
「師匠、なぜ、私が未熟…?」
Vallaは呟いた。

 

少しして、彼女は馬に跨っていた。

 

―さて、どこへ? 
例の悪魔はどこに行った?
Vallaは残骸に残された血の跡を見つめた。
血の跡は、残骸の外には無い。手がかりにはならないだろう。

 

東には山脈があるだけだ。西にはWestmarch湾。はるか南には、新しいTristramだ。
しかし、悪魔は手負いだ、延々と南に行くか?
そうでなければ北西か…ここのような、小さい農村が見つかるか?

 

楽な「餌場」があった。

 

Havenwood、一番近い村で、ここから1日も掛からない。

 

彼女の選択は決まった。

 
  • とりあえず訳してみた。…が、怪しいところが沢山。 -- ページ作者? 2012-05-16 (水) 14:05:27
  • おつ -- 2012-05-16 (水) 17:18:13
  • 原文リンク付けたが、直リンOKかね? -- 2012-05-17 (木) 01:18:04
  • 直接でも大丈夫だと思います。 -- 管理人 2012-05-17 (木) 10:33:43

URL B I U SIZE Black Maroon Green Olive Navy Purple Teal Gray Silver Red Lime Yellow Blue Fuchsia Aqua White