DQ8
重要キャラクターの1人。英語版での表記はMarcello。
ちなみにマルチェロ(「マルチェッロ」とも)はイタリア語圏に実際に存在する人名及び姓の1つで、「マル↓チェ↑ッロ↓」と発音する。
現実世界のローマ・カトリック【教会】を意識したネーミングだろうか。
人物
【ククール】の異母兄にして、【聖堂騎士団】の騎士団長を務める男。
跡取りを求める【ドニの領主】が手を出した【メイド】を母に持つが、領主と正妻の間にククールが産まれると母子共々用無しとなり、無一文で家を追い出された。
結果、彼の母親は心労の末に病死、天涯孤独となったマルチェロは孤児としてマイエラ修道院に身を寄せたという、中々に重い過去を持つ。
その出自ゆえに兄弟愛などというものは毛頭存在せず、それどころか身勝手な行いの末に母子共々捨てた父はもちろんのこと、自身の居場所を奪った元凶ともいえるククールも激しく憎んでいた。
その一方、家を失くして【マイエラ修道院】にたどり着いた孤児のククールが自分の異母弟だと知るまでの非常に僅かな間だけではあるが、マルチェロは他の誰も気に留めなかったククールを見つけた際に声を掛け、居場所をなくした同じ境遇であるとして非常に優しく接していた。
今の自らを忌み嫌う姿と、初めて出会った際の優しさを知るククールからは複雑な印象を抱かれている。
なお作中のククールの発言によると、きつい拷問を行うらしいが、それを劇中で実際に披露することは無い。
だがマイエラ修道院の地下にかの有名な拷問器具「アイアン・メイデン」が置いてあるなど、ククールの発言に嘘偽りがないことには察しがつく。
ククールの頼みを受けてオディロに接近した【主人公】達にあらぬ疑いをかけて拘束する。
ここで何故か不敵な笑みを浮かべているのは「不審者のおかげでククールに疑いをかける口実ができた」という胸中だった模様。
オディロが【ドルマゲス】に殺害された後は修道院長も兼任する様になる。
疑いが晴れた主人公達の実力を認め、正式に【ドルマゲス】討伐を依頼。お供としてククールを付け、同時に詫びとしてPS2版では【地図】をプレゼントしてくれる。
この場面を一見すると、真面目で融通が利かないだけで根は悪くないヤツのように思えるかもしれないが、ククールは「院長の敵討ちを名目に自分を追放できるし、さらに旅先で野垂れ死んでくれれば自ら手を汚す必要もなく好都合」といったところと推測しており、実際に夜に院長室を訪れると「ククールにドルマゲスを探させてそこで目障りなやつらをまとめて…」と、それ以上に黒い独り言が聞ける。表向きは生真面目そうに振る舞っているものの、本性は狡猾な策謀家であることが窺える。
その後はストーリー上必須でないイベントに幾度か登場するが、出会う度に嫌味を飛ばし、鼻持ちならない本性を露にする。
まず、【月影のハープ】を探す際にマルチェロの元を訪ねるとそのありかを教えてくれるのだが、余計な嫌味を付け加えてくるので不愉快になること請け合い。
また、冒険の途中で【聖地ゴルド】や【サヴェッラ大聖堂】に寄り道すると、大司教の【ニノ】の側近に出世しているが、そのために収賄や弾圧などのドロドロした悪事に手を染めてきたことも発覚するなど、マルチェロの出世街道とそれに伴う堕落っぷりを目撃できる。
【魔犬レオパルド】襲撃前に【法皇の館】を訪れた際にも、彼を心から気にかける【法皇】の説得にすら耳を貸さず、法皇を嘆かせるイベントを見ることができる(ただし、やり方はどうあれ手腕については法皇やニノにも高く評価されている)。
まっすぐストーリーを追っていたプレイヤーは、マイエラ修道院以降は1度も会うこともなく、道中で噂話すら聞かないまま、急に大出世、ドス黒くなった彼と再会することになる。そのため、修道院イベントのラストではさほど印象の悪くなかった彼が別人のような悪党になっている事に面食らうだろう。ストーリーと関係のない場所への寄り道を前提とした、珍しい演出である。
レオパルド討伐後は邪魔者のニノと主人公らに法皇暗殺未遂の罪を着せて【煉獄島】に流し、その隙に【神鳥の杖】を手にして法皇を暗殺。こうして政敵も彼の悪事を糾弾できる者もすべて片付け、教会のナンバーワンまで上り詰めたマルチェロは、何食わぬ顔で新法皇に就任する。
終いには聖地ゴルドで行われた就任式において、大衆の目の前で自らの過激な思想をブチ撒け、主人公らを公然と抹殺しようとするなど、救いようのないほど悪に染まってしまった。
なお、神鳥の杖を手にした際は例によって【暗黒神ラプソーン】の支配を受けかけるが、彼のみ他の人物と違って強大な精神力で支配を跳ね除け、己を保ったまま杖の力を得ることに成功している。【ドルマゲス】にあっさりやられる程度であった騎士団長時代から比べれば、彼も心身ともにパワーアップしていたのだろう。
当時のドルマゲスは杖の魔力で大きく強化されていたので太刀打ちできなかったのはある程度は仕方がないが、後にそのドルマゲスを打倒したメンバーの1人である【ゼシカ】があっさりと操られたのに比べると彼の精神力の強さが窺える。
しかし聖地ゴルドで主人公たちに敗北した直後、ついにラプソーンに支配される。
そして【暗黒魔城都市】と共にラプソーンは復活を遂げ、聖地ゴルドは破壊される。
なお、マルチェロはもともと頂点に立つ上で、邪魔となる法皇の暗殺を元から目論んでおり、その点ではラプソーンと偶然にも利害が一致していた。だが、完全に操られていれば法皇殺害後、ゴルドで悠長に演説などせず即座に体を取り戻していたと思われる。
ゴルドで倒されるまでは肌の色は普通で、倒された後にかつてのドルマゲスやゼシカと同様に肌の色が変わっている他、ラプソーン自身も「ようやくこの肉体を自由に操ることができる」「この男が法皇…最後の賢者を亡き者にしてくれた」と話していた。
これらの描写からして、ゴルドで倒されるまではマルチェロ自身の意思で行動していたのだろう。つまりこの描写は、法皇殺害というとんでもない悪事を完全に自分の意思で行ったこと、そしてそれほどまでに彼の心が邪悪に歪みきっていたという証左に他ならない。
マルチェロはククールを「疫病神」「お前さえ生まれてこなければ誰も不幸にならなかった」と罵っていたが、そんな彼が世界を脅かすラプソーンを復活させて多くの人々を不幸にした疫病神となってしまったのに対し、自分が散々貶したククールはそのラプソーンを倒して世界を救う存在となったことは、この上ない皮肉だろう。
ゴルド崩壊の際に転落死しそうになるも、最も憎んでいた相手であるククールに助けられる。
この際、ククールのこのセリフから始まる2人のやり取りは必見。
その後は「もう私には無縁のものだ」と【騎士団長の指輪】を投げ捨て、行方不明となる。
PS2版・スマホ版ではその後は一切語られておらず完全に消息不明になる。
もっとも、聖地ゴルドでの演説&戦闘直後に、大衆に向けてマルチェロが法皇を暗殺したことが暴露されている。
直後に聖地ゴルドは崩壊したが、生き残りもいるため、そこから噂が広まる可能性は極めて高い。そのため、世間からは「法皇を殺害し、法皇就任式において数々の問題発言を残した上に、聖地を崩壊させ暗黒神を復活させた邪悪な危険人物」と見られることになる。
その後の世界は暗黒世界の魔物の流出などで情勢が大荒れだったこともあり、ゴルドが滅びた程度しか情報は伝わっていなかったが、エンディングにて法皇暗殺の冤罪を受けたニノが煉獄島から復帰し法皇に就任していることや、主人公一行も流刑されたことを無関係の一般人である【ラグサット】が知っていることから、エンディングの段階では法皇暗殺の真相やそれ以外の悪事のほとんどが内部告発か何かでバレて正式に認められている可能性も高い。
法皇暗殺だけでもあまりに罪が重すぎるため、もはや彼が表社会で生きていくのは無理だろう。
ただ、落ちぶれた者がよく流れ着くパルミドに行ってもククールに「いくら落ちぶれてもプライドが高いからさすがに来ないだろう」と言われる。
トロデーン王族やアルバート家の権力で保護しようにも、行方が全く掴めないのであればどうしようもない。
彼は自害したのか、暗殺されたか、煉獄島送りか、遠い空の下でアテもなく放浪しているのか…。
それはプレイヤー1人1人の想像の中にある。もし生きているのなら、いつかどこかで姿を現すのだろうか。
評価
紛れもない悪人ではあるが、不幸な過去、権力に対する考え方、強い意志と行動力、ククールとのやり取りなどを見ても、従来のドラクエで登場した「邪悪な絶対悪」「目先の欲に呑まれた俗物」とは全く違うタイプの悪役。
また、孤児の身から実力で聖堂騎士団長にまで上り詰めた実績があり、最終的には汚い手を使いつつも法皇にまで就任したりと、相当の器量の持ち主かつ野心家でもある。
王族や魔族ではなく一般人クラスから巨悪に上り詰めたという点もDQでは珍しく、これらの点を評価する声もある。
一部のプレイヤーからは斎藤道三やロベスピエールのような梟雄に例えられている模様で、成り上がるために手段を選ばないがあくまでも一般人枠というシリーズにいそうでいなかった男。
ただし、騎士団の改革においては実力以外を軽視した人選と指導の不十分のためにモラルを崩壊させてしまったり、【法皇就任演説】では自ら信仰心皆無の独裁主義者であることを露呈してしまったりと、詰めの甘い部分もある。
身分というものに振り回されてすべてを失い、力を得て成り上がる野心を抱きながら育ったマルチェロにとって、親代わりとなってくれた【オディロ】はストッパー的存在だったと思われる。
実際、オディロが生きている間は露骨な悪事に手を出しておらず、殺されてさえいなければなんだかんだまだマシなところで踏みとどまれていたのかもしれない。
オディロ院長にドルマゲスの魔手が迫った際、思わず「兄貴!」と呼びながら駆け寄るククールを制し、「命令だ、聖堂騎士団員ククール。院長を連れて逃げろ!」と、私情抜きで一介の上司・部下の関係として接している様が伺えるこのやりとりが、それを端的にあらわしているといえよう。
戦闘
聖地ゴルドで演説をぶちあげていたところに主人公らが立ちはだかり、そのままボスとして戦う。
周囲に数人の部下がいるが、所詮は腰抜けなのか戦闘中に加勢してくることはない。ただしこいつらはヤンガスの腹パン一発で気絶するような奴なので、加勢したところで精々弾除けくらいにしかならなかったことだろう。
右手に剣、左手に杖の二刀流という非常に珍しいスタイルの構えを取っているが、通常攻撃はおろか呪文のモーションでも杖ではなく剣を振りかざす。
さらに、かまいたちや凍てつく波動は一旦剣を収めてから右手で放つため、杖はほとんど持っているだけである。
なおこいつは通常のボスBGM【難関を突破せよ】が流れる最後の中ボスとなる(3DS版以外)。
完全2回行動で、以下のパターンを繰り返す移行型。HPは3120。
A:通常攻撃、かまいたち、メラゾーマ、凍てつく波動、Bへ移行 からランダム
B:通常攻撃→メラゾーマ→グランドクロス→かまいたち→ベホイミ→Aへ移行
本作では唯一の敵サイドの【グランドクロス】使い。
ラスボスすら倒していないこの段階で、200以上のダメージを受けるあのグランドクロスが!…と前作や前々作をプレイしたプレイヤーをビビらせたが、実際受けるダメージは130~150程度と、味方が使う場合よりもダメージは小さい。
しかも行動パターンを見てもわかるとおり、そんな頻繁に来るものでもない。
一撃で100近いダメージを受ける打撃や、頻繁に飛んでくる波動も鬱陶しいが、回復は十分に追いつくはず。
しかも【判断力】が最低で、こちらに補助呪文がかかっていなくても凍てつく波動を使ったりマホカンタがかかったメンバーに対してメラゾーマを撃ってきたりもする。
DQ8屈指の強ボスとして双璧を成すドルマゲスとレティス、痛恨連発のレオパルドなどと比べれば全体攻撃に乏しく、突出した特徴もないため戦いやすい。
回復呪文が焼け石に水のベホイミなのもショボい(こっちもローテーションの都合上、頻繁に使えない)。せめて瞑想かテンションを上げてから使えよ。
まぁ、前作DQ7でも終盤に【ボトク】や【バリクナジャ】といった同じような奴らはいたのだが。
なおグランドクロスは神聖な呪文・特技として扱われることが多く、信仰心が薄くラプソーンの手まで借りているマルチェロが使う姿はやや疑問に見えるという人もいるだろう。
だが、この技は過去作において破壊と殺戮の神が使ったり、闇の司教が習得可能だったりすることから、いわゆる「善の神」以外の神の力を利用して行使することも可能と取ることができる。
一方、ラプソーンはグランドクロスを使わないことや、杖ではなく剣でグランドクロスを放っている所を見るに、ラプソーン由来の力ではなく自力で使っているのだとも取れる。
さらに、3DS版では共闘時もグランドクロスを放っているので、彼本人の力であることは確実となった。
あまり気にしない人がほとんどだろうが、ボスとしては珍しく、呪文使用時のモーションでは彼の表情が一瞬険しくなっている。
因みに、この時のマルチェロの服にはルーン文字に似た文字で何かが書かれているが内容は不明。
余談
ビジュアルはM字型に後退している髪が特徴的。
アスカンタ城に向かう途中にある川沿いの教会では初回宿泊時にククールの過去を見られるが、そこでコイツの前髪に注目。10歳~13歳の頃から後退しているのだ。
目元のあたりはククールと若干似ているにしても、前髪と髪色は似ても似つかない。
2人とも目元以外は各々の母親に似たんだろうか?
あるいは片方が父親似でもう片方が母親似なのかもしれない。
2chなどではよく「○チェロ」と言われる。
しかしいかんせん、髪型のせいで2323だのM字ハゲだのMチェロだのネタキャラ扱いを受けることも多い。
戦闘時の表記が「マルチェロ 1匹」だったり討伐モンスターリストに載ってしまったりする点もネタにされやすい。
ただし、これはモンスター図鑑に類するものを持つRPG作品において人間キャラと敵対した時のお約束で、ドルマゲスやゼシカ、後発作品の【ホメロス】などにも同じことは言える。
ちなみに、当初の予定ではコイツが仲間になり、性格ももっとまともだったのだが、目付きが悪すぎて没になったらしい。
…というより、ククールの初期イラストに描かれたのが彼だが悪人顔だったので没になり、ククールのイラストが新しく描かれた後にマルチェロに初期イラストが流用された。
こんなところでも異母弟との複雑な関係が…。
ある意味主人公とよく似た境遇、決して許されることではない蛮行を働いたもののリメイク版では主人公と共闘することで名誉挽回の機会を与えられている辺り【ピサロ】辺りの系譜とも言える。
また、戦闘能力においては、初登場直後は、慕っていて道連れにする理由のないオディロ院長を救えなかったことから、主人公たちと同じく物語が進むにつれてレベルアップしていると思われ、それも出世欲と重なる。下記の3DS版では終盤、ラプソーンの杖を持っている状態と持っていない状態のステータス比較もでき、法皇となった状態で暗黒神の力を逆に自らのものにした件では、少なくとも物理の攻撃力を100増幅させることには成功している(杖を持っていても攻撃に使うのは剣なので、杖そのものの物理威力ではなく暗黒神の力で攻撃力がプラスされたと考えられる)。
DQ8(3DS版)
キャラ設定の変更点
CV:諏訪部順一
「妾腹の子供」がさすがにマズかったのか、生い立ちの設定が次のように変更されている。当然ながら不幸な点は相変わらずだが……
「妾腹の子供」も「貴族と平民の混血児」も、「あまり表に出し辛い生まれ」という意味合い的には同じだが。
3DS版のマルチェロは、ドニの領主がかつて付き合っていた、平民の恋人との間に産まれた子供だが、領主に貴族の娘との縁談が持ち上がったときに母子ともども捨てられた。
しかし、領主夫婦にすぐ子供が出来なかったため、一時は後継ぎとして迎え入れられかけたが、ククールが生まれたことでその話はなかったことにされた。
なお、母親は捨てられたショックで死亡している。
わざわざ変更する必要はなかったという声と、2度も父親に見放されたという変更によってマルチェロの境遇がさらに浮き彫りになり、「お前はこの場所まで僕から奪うのか」などの言葉がより響くようになったという声がある。
また、ラプソーンの支配から逃れる為腕にナイフを突き刺すシーンも少し変更され、ナイフでイバラを刈り取る所はそのままだが最後にはナイフを投げ捨て光の魔法で浄化するというシーンとなっている(ナイフを腕に突き刺す、というのは自殺・自殺未遂を連想させるため改変されたのだろう)。
最後に床に突き刺さったままのナイフがクール。
また、リメイク前では聖地ゴルド崩壊の際にククールに助けられ、傷ついた体を引きずって姿を消してそれっきり行方不明だったが、3DS版ではその後のストーリーが追加された。
追加ダンジョンである【奈落の祭壇】最深部にて、【ジャハガロス】のやられたフリによってパーティー全員が動きを束縛する結界に囚われてしまった時、颯爽と現れて結界を破壊してくれる。
そしてそのままNPCとしてパーティーに加わり、5人で本気形態のジャハガロスと戦うことになる。
何気にオリジナルでは存在しなかった「まともに闘ってくれるNPC」である。しかもなかなか強い。
それまでの出来事からか騎士団長の服を脱ぎ捨て、上下とも黒とブラウンを基調とした無機質な服装になっている。
どうやら完全に聖堂騎士団とは縁を切っており、どこにも行くところが無いのであちこちを放浪している様だ。
敵の時のように杖を持っていないため、当然構えも違う。呪文のモーションも違う。
ついでに首から下げていたあの特徴的な首飾りも身に着けていない。敵モーションの流用等にあまり頼らない中々な力の入りようである。
戦う際には「私の足だけは 引っ張るなよ。」と言ってくる。
奈落の祭壇に現れた理由についても自分で語っている。
イベント後に宿に泊まった時に【ミーティア】が教えてくれるところによると、マルチェロは奈落の祭壇がある荒野に来た時から既に後ろをついて来ていたという。
というか竜骨の迷宮に立ち寄る時点で既について来ている。
また、奈落の祭壇の中ではまるでそんな素振りは見せなかったが、とても辛そうな顔で度々うずくまることがあったようで、聖地ゴルドでの傷がまだ癒えていないのに無理をして追いかけて来ていたと言うことも分かる。
【バウムレンのすず】等を利用して高速で荒野を駆け回っていたプレイヤー達からは手負いの状態でキラーパンサーについて来られていることを突っ込まれている。
前科が前科だからか、戦いの後も正式なパーティーメンバーには加わらなかった。恐らく法皇を殺害したり聖地を破壊した彼と同行していると、主人公達があらぬ疑いを掛けられるからだと思われる。
ごく一部でマルチェロ戦時にククールが不在だとイベントでそのまま聖地ゴルドの奈落に落ちてしまい行方不明になる展開があるとまことしやかに囁かれたがこれはデマであり、実際にはパーティーにククールがいなくてもしっかり駆けつけてくる。
戦闘(敵対時)
PS2版から大幅強化。
HPが4520とPS2版より1000以上増えた他、無駄行動に近かったベホイミを使わなくなり、聖職者だけあってかなんと【ザラキ】を使ってくる。ナンバリング作品でザラキを使うボスはDQ9の宝の地図の魔王達を除けばDQ2の【バズズ】以来。
その為【まよけの聖印】などの耐性持ち装備を装備して行かなければ危険。
攻撃力も100上昇して420になり、痛恨こそ無いが通常攻撃も十分に強い。
攻撃パターンも若干の変更がある。
A:通常攻撃、かまいたち、メラゾーマ、凍てつく波動、グランドクロス、Bへ移行 からランダム
B:通常攻撃→メラゾーマ→グランドクロス→かまいたち→ザラキ→Aへ移行
Aパターンにもグランドクロスが入り、使用頻度が上がった。
ベホマズンが無い場合はベホマラーだけに頼り切らず、回復アイテムも準備しておきたい。
グランドクロスが来ただけでは断定できないが、「グランドクロス+かまいたち」なら次ターンにはザラキが来る可能性が高い。
この時はマホカンタを使用して凌ぐのも有効。使うなら先制できるよう、素早さはある程度鍛えておきたい。
また、回復呪文が使えるククールはともかく、ゼシカはマホカンタが切れるまでベホマやベホマズンの効果を受けられなくなるので要注意。
さっさと波動で解除してくれる場合もあるが、中々使ってくれないこともあるので【超万能ぐすり】辺りを持たせて自己回復できるようにしておくとより安全。
総じてかなりスキが無く攻撃的になっているので、PS2版などをプレイした人は油断せず装備や人員を見直し、防御面も戦略に入れて慎重に戦おう。
ククールのグランドクロスが北米版から逆輸入した「天国への階段」に変更されたにも関わらず、彼だけは何故か相変わらずグランドクロスを使う。
何故かここだけはスマホ版のまま変わっていないので、何か理由があるのだろうか。
余談だが、この戦闘では【馬車】での入れ替えが可能。神鳥のたましいで飛んだ時には馬車は映っていなかったのだが…
また、かまいたち使用時はPS2版と違いモデルの処理が簡略化されたせいか、目線は普段の構えの時のままなので視線を横に向けたまま正面を向いてかまいたちを放つのでちょっと怖い。
ちょっと聞きづらいが、倒したときに「うッ…」と言っている。
戦闘(共闘時)
共闘時の能力は以下の通り(ステータスは公式ガイドブックより)。
HP | MP | 攻撃力 | 素早さ | 守備力 | 行動 |
---|---|---|---|---|---|
∞ | ∞ | 320 | 108 | 178 | 通常攻撃 メラゾーマ グランドクロス かまいたち ベホイミ |
いてつくはどうを使わない点を除けば、ステータスや呪文・特技はリメイク前の敵対時とほぼ同じ。
彼の戦闘力はラプソーンの力には頼らない本来の実力だったようだ。
一戦限定のNPCとは言え、ボスキャラが敵対時ほぼそのままの能力で仲間として戦ってくれる例はシリーズでもなかなか珍しい。
打撃・グランドクロス・メラゾーマいずれも100前後のダメージを出すので弱くはない。
通常攻撃は110程度、グランドクロスは150~170程度、かまいたちは70~90程度だが、特筆すべきは【メラゾーマ】の破壊力(ジャハガロスが【メラ系】に弱いことも追い風)。
使用頻度が低くばらつきが大きいものの、平均で250程度と専用技のグランドクロスが霞んでしまうほどのダメージを叩き出す。また、メラゾーマのみ敵対時とモーションが違う。
ただし、テンションを溜めることはしないし、【ふしぎなタンバリン】の効果も得られないため、装備などにもよるが、流石にこの時期のパーティーメンバーには火力で見劣りする。
とはいえ、総合的には頼りになるNPCであることには変わらない。戦況が厳しいようなら、自分たちは回復・防御に徹してマルチェロに攻撃を任せるのもあり。
なお、マルチェロ本人は「こいつらの仲間扱いされるのは不本意」等と言っているが、相手の【バギクロス】等のグループ攻撃やこちらの【ベホマラー】の対象にはしっかり含まれており、こちらに傷ついたメンバーがいるとちゃんとベホイミをかけてくれる(ククール相手でも)。
ただ、この時期ではベホイミの回復量など気休めにしかならないのはお約束。
また、このときのマルチェロはHP・MPについては公式ガイド曰く『無限』『減らない』と表記されているが、
実際のところはHPが脅威の50000、MPが255(=無限)。更にHPについては、3DS版の【チャゴス】同様『現在HPが最大HPの半分以下の場合、ターンの最後に999【自動回復】』という隠し処理も入っているため、1ターンで1000ダメージも出せないジャハガロスが彼を倒せる事は絶対に無いようになっている。
また、【せかいじゅのしずく】の回復上限である12800を唯一確認できるキャラクターでもある。
ただし、【パワーこぶし】の麻痺効果だけは食らってしまうので、そうなったら治療してあげよう。麻痺の専用モーションもちゃんと存在する。
もちろんマルチェロ以外が死亡すると全滅になる。
ちなみに、(PS2版における味方用の)グランドクロスはダメージが賢さに依存しないため、術者の力量次第では他の呪文に威力で抜かれる。
(NPCに賢さは設定されておらず、単なる基礎威力の調整だと思われるが)メラゾーマでグランドクロス以上のダメージが出せるということは、相応の賢さもあるという描写とも取れる。
トレジャーズ
お宝に【マルチェロの像】が登場。
いたストシリーズ
ポータブルにのみ登場。
ラプソーンには操られていない模様。ランクはAで全キャラ中1位~2位を争う最強キャラである。
相変わらず嫌味ばかり飛ばし、ククールとの関係も険悪。空き地には当然神殿を建てる。
相乗りを好み相乗りされることを嫌うプレイスタイルで、彼のエリアに相乗りしても利益を出しづらい。
相乗りされている相手が増資する自分より多くの株を持っていると増資したがらない。
Sランクモードでも同様のプレイスタイルだが、自分の店の増資を後回しにして出遅れる結果になることも。
同エリアに2件でも店があれば早めに相乗りし、長期戦になるとほぼ全エリアの株を持つので相乗り・10株売りされやすい厄介なキャラ。
もちろん、自分が増資できる場合は株持ち増資もしてくる。3件以上揃えたら爆発増資を狙ってくる。
他人の独占を極端に嫌い独占崩しの5倍買いをしてくるが総資産の半分近い値でもすることがあり、株を手放し直後に高額店に止まり資金源の店を売りそのまま破産という前作の竜王様のようなお茶目な一面も。
ククールの高額店舗に止まってしまった場合の「ククール、お前は私から何もかも奪いつくそうというのか」というセリフからは哀愁が漂う。
このゲームでは「おやおや」「これはこれは」が口癖であり、某掲示板でネタにされた。
「おやおや」で始まる台詞が20、「これはこれは」が15もある。以下はその一例。
- …これはこれは。あなたの 欲望とエゴがその店に よく にじみ出ている。
- …これはこれは。どうあっても この私には勝たせない…と?
- …これはこれは。手荒い歓迎 いたみいるばかりだ。
- おやおや ○○の ふてぶてしさには 頭が 下がる思いだな。
- おやおや。賞金を手にした ○○のなんとも うれしそうな顔。
広場ではククール・ゼシカからのツッコミも。
- マルチェロ「おやおや こわいこわい。教養のない者はすぐにチカラで 決着をつけたがる。」
ククール「……チカラで決着を つけたがるのはあんたも 同じだろ……。」 - マルチェロ「……おやおや。あの連中はあいかわらず おヒマなことだな。」
ゼシカ「それをずっと見てる あんたもじゅうぶん ヒマ人だわ……。」
ちなみにゼシカから「イヤミ」と言われる台詞は19もある。
ライバルズ
第7弾カードパック「光と闇の異聞録」にて実装。弟のククールに合わせて、僧侶専用レジェンドレアとして実装。
CVは3DS版8と同じ諏訪部順一。
7/4/4 におうだち
召喚時:敵の後列中央を中心に十字型に4ダメージを与える
3DS版では一時的に共闘するものの正式に仲間になった訳ではなく、本編の彼はあくまで自分の野望の為に法皇を暗殺する・収賄を行う等の悪事を犯し、最終的には主人公に倒されるという役割を持った悪役であるためか、冒険者ではない。
原作での得意技、【グランドクロス】を再現した強力なダメージ効果を持ち、上手く刺されば大逆転が可能。
配置でケアされることもあるが、リーダーへのダメージもあるので最低限トドメには使える。広く採用して損は無いだろう。
関連項目
【ククール】
【追憶のマルチェロ】(3DS版)