【ラゴス】

Last-modified: 2024-02-11 (日) 03:21:00

概要

DQ2、DQ4、DQ10オンラインに登場する人物。
DQ2では重要アイテムを握る町の人物、DQ4以降では敵キャラとして登場する。

DQ2

文字通り、本作の鍵を握る重要NPCのひとり。
英語版での名前はRoge Fastfinger(GB版のみLagos)。「Fastfinger」=素早い指捌き、という意味なのでこれは名字というより二つ名のようなものだろうか。
 
【テパ】の村から【すいもんのカギ】を盗んだ盗人
【ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書】や後述の関連書籍などでは【盗賊】とされているが、ゲーム中ではただの単独の窃盗犯であり、盗賊と呼ばれることはない。
水門のカギは【満月の塔】に行くのに必須、さらに言えば敵地【ロンダルキア】へ乗り込むために必要なアイテムの中の一つであるため、このラゴスを探すことが【5つの紋章】探しと並ぶ中盤の大きな目的となる。
 
捕まって【ペルポイ】の町の【牢屋】にブチこまれた、という所まではあちこちの人の話で足取りを掴むことができる。
やたらと強い【バピラス】や、やたらと弱い【サマルトリアの王子】との格闘の末、ようやくペルポイに辿りついた【ローレシアの王子】たちに向かって看守が言い放つのは、

「わたしは ラゴスというぬすっとを ろうごくに いれておいた。
「しかし ラゴスは にげだしてしまったのだ!

という絶望的な発言。町の中でいくら聞きこみをしても、その後の足取りはさっぱり掴めない。
FC版ではここで詰んでしまった人や、ここの謎解きだけに数週間を要した人も少なくないという。
フェイクな情報もいくつかあり、謎に拍車を掛けていた。
ラゴスを追って【ザハン】へ来た男がいることからザハン内を探し回ったプレイヤーもいるだろう。しかもこの町の隅にいる男、わかりにくいところにいるうえ「オレはラゴス…」の出だしで話し始めるため、一瞬喜んだプレーヤーもいるかもしれない。
【ベラヌール】の看守も、特定の囚人を厳重に匿っていながら意味深な台詞を吐くので、【ろうやのカギ】入手後はこちらを探したプレイヤーもいるかもしれない。
 
本当のラゴスの居場所、それは「ペルポイの牢屋の壁の中」である。
右側の牢屋の中に入り、上から2マス目の黒い壁に向かって右に進むと突如画面が【屋根】の外に切り替わり、そこにラゴスがいる。また、その上のマスで右を向いて【はなす】を実行することでも話しかけられる。
ラゴスの脱走したマスだけなにか壁に目印があるなどの配慮は一切なく、まるでノーヒント。真っ黒な壁のうち1マスだけ壁の中へ進入できるなどと、誰が思っただろうか?
同じ仕掛けはダンジョンなら山ほどあるが、通路の構造がまったく違う町中で同じようにこの仕掛けに気付くのは、ほとんどの人にとって意外に、そして相当難しい。場所にとらわれることなく分け隔てせず判断する視野の広さと、疑り深さが問われる。
前作では攻略必須の【ガライの町】で同じ仕掛けがあったが、DQ2が初プレイの場合かなり難解な謎解きとなる。見張りの【兵士】の台詞を鵜呑みにして牢屋の中を自分で調べず、ここにラゴスはもういないと頭から信じ込んでしまえば詰みである。逆に、「脱走?一体どこから…」と疑問を抱ければ解決は目前。
一応、間接的なヒントとしては各地のほこらの構造がある。【旅の扉】でワープした先の扉を開けてみたら、外からは見えない黒い壁の中だった、という例がある。また、牢屋のカギ自体も同じペルポイで購入できるというのも配慮された結果かもしれない。
しかし厄介なことに、牢屋は屋根の下にあって、近付くとマップ切り替えが起こるのだが、このときラゴスのいる部屋の一部がぎりぎり見えていて、そこは何もない壁。つまり無意識に、ラゴスの部屋の向こうは押しても何もないと誤認してしまうのである。実際にはもう少しだけ上のほうにラゴスが隠れているわけだが。
方眼紙にきっちりマッピングする几帳面なプレイスタイルであれば町の範囲内なのに画面に映らない未踏空間の存在に気付くかもしれない。しかしその場合でも思い込みで壁を書き込んでしまう可能性もあるし、そもそも何もない壁には記入しないようなメモ方式だと気付きにくい。
 
上述の通り発見が非常に難しいためか、ラゴスの居場所については当時様々なファミコン雑誌や少年誌にヒントが掲載されていた。
あるラジオでもラゴスに関わる話をしているが、攻略をヒントにしたラジオドラマではダンジョンのBGMを流すことでダンジョンにいるものだと引っ掛けている。
【完全攻略本】には手描きによる町のマップが掲載されたものの、恐らくネタバレ配慮のためかラゴスがいるはずの場所は普通に壁として描かれているため、このマップを見ても仕掛けはわからない。別ページには彼の写真が掲載されているが、具体的な居場所は伏せられている。
 
見事見つけて話しかければ、

「あは みつかっちゃった! ぼくが うわさの ラゴスだよ。
「すいもんのカギを かえすから もう ゆるしてね。ごめんね。

と潔く観念してカギを渡してくれる。
しかし、看守に逃げられたと思われている状態で食事やトイレはどうしていたのだろうか?
また、看守にカギを没収されずに済んでいた理由も不明のままである。
投獄される直前に飲み込むなどして体内に隠したか、他人の目からは価値があるように見えないカギだったせいで看守にも見逃されたのだろうか。
 
彼の犯行についても不明点が多い。
というのも、水門のカギはテパの村民から見れば非常に重要な品だが、ラゴスが持っていても何の役にも立たない代物。
それは他の商人たちにとっても同様で、売却しようとしてもFC版の頃から値段はつかない
鍵を盾にとって村を恐喝するという手法も考えられるが、ラゴスが村を脅した様子は特になく、犯行動機が全く見えてこないのである。
本人は見つけられたときに子供じみた軽い台詞を吐くので、ただの悪戯や愉快犯的に盗んだのだろうか。
あるいは、「本来のお目当てである金品をごっそり盗んだら結果的に水門のカギも一緒に盗んでしまった」など、ラゴスにとってもある種の事故だったのかもしれない。
返してもらった後の台詞もまるで無垢な少年そのものの口調で話す。
アイテム欄が満タンで持てない場合でも、そのスキに逃げようともせずその場で待ってくれている。余談だがその時の台詞が、よりにもよってそれに似つかわしくない人物に使い回されており、ちょっとしたネタになっている。

リメイク版

さすがに意地悪すぎると思われたのか、リメイク版ではラゴスがハマっている壁の前の床にヒビが入っており、ノーヒントでも割とわかるようになっている。
ただし居場所が牢屋の右上から右奥に変わっているため、画面を切り替えずに「はなす」だけで見つけることはできなくなった。
 
SFC版の【公式ガイドブック】には「人々の耳目を驚かすためだけに盗みを働く」と紹介されている。つまり、ただ単純にテパの人々を困らせたかっただけの愉快犯という設定になった。
ガラケー版以降では優遇され、SFC版公式ガイドブックのイラストに準じた専用グラフィックになっている。
 
そして縦長画面であるスマホ版や、横方向に画面が広くなったSwitch版では、FCやSFCで想定されていた視界限界よりも広範囲を見渡せるようになっているため、なんと彼の居場所が建物の外から丸見え。そもそも謎解きですらなくなった。FC版と比べると異常なまでのヌルゲー仕様である…。

ゲームブック(双葉社)

牢屋の暗闇の中に潜んでおり、見破られるとそこから手だけをニュッと突き出し、水門のカギを手渡してくれる。

ゲームブック(エニックス)

水門の鍵だけでなく、テパの村の住民が魔物から取り返した【月の紋章】まで奪っている。
隠れている場所は原作準拠だが、何と戦うことができる。物理攻撃した場合HPを半分減らすと勝利になる。【ラリホー】を使用しても勝利になる。その後テパの村出身のレオンによってロープで逮捕される。

小説版

ペルポイの町にて「スコラ」という偽名で【道具屋】として暮らしていた。現在60歳で、妻や孫もいるらしい。
左腕の二の腕に、ドクロ模様の刺青がある。
 
王子たちの同行者である【船乗り】ガナルは過去に(当時は「ニコル」と名乗っていた)ラゴスに騙されているため面識があり、彼のおかげで道具屋の主人がラゴスであると判明する。
数十年前、テパ産の武具を狙う悪徳貿易商の依頼で水門のカギを盗んだが、カギを渡すと用済みとばかりに叩き出され、仕返しに金貨と共に再度カギを盗んで逃走。その前後、海賊や船乗りをカモに「仲間に入れてくれ」と言ってはその夜に金品を盗んで逃げる手口を繰り返していたが、しばらくすると右腕が不自由になり、カギを盗んだ罰が当たったと考えて盗賊稼業から足を洗っていた。
正体を暴かれたラゴスは王子たちの話を聞くと「いずれテパの村へ行く人がいれば託そうと思っていた」とカギを渡してくれる。

DQ4

第二章の【武術大会】2回戦の対戦相手。
英語版での名前はRoric。
 
装備する武器として【ブーメラン】を使うのが特徴。
攻撃時に「ラゴスは ブーメランを なげた!」と表示されるが【強化攻撃】ではなく、メッセージが異なるだけで中身は通常攻撃そのもの。プレイヤー側がブーメランを道具使用した際の挙動と同じである。
たまに【防御】をすることもあるが、1対1の状況ではこちらが一方的に攻撃できるため、与ダメージこそ減るがむしろサービス行動に近い。
1回戦の【ミスター ハン】と比べてかなり【素早さ】が高いため、【やくそう】を使う際には早めの回復を心がける必要がある。
とはいえ後に控えている【サイモン】【ベロリンマン】といった強敵のことを考えると、浪費は控えたいところ。
また、勝つと必ず薬草を落としていくので、下記のいずれの場合にしても勝利寸前に1個だけ使っておくのがベスト。
適正レベル以下で挑む場合は会心の一撃が出ない限り薬草を使わずに勝つのは困難だが、それでも戦闘中の使用は効率が悪いので1個で済ますことが目標となる。
一方で、充分なレベルで挑む場合はここまで薬草を全く使わずに勝てるので、勝利寸前に消費して道具欄を空けておく必要がある。
 
彼との戦闘後、やくそうを使用するかの確認を挟み【ビビアン】との戦闘に移行する。
 
ちなみに、彼の色違いとして設定された没モンスターに【しじん】がいる(ただし、ブーメランは持っていない)。
余談だが、前々作では上述の通りラゴスは盗賊だった。本作に登場する盗賊【バコタ】はフィールドグラが【詩人】であり、戦闘時は攻撃と補助呪文を駆使するという頭脳派でありながら、戦闘でのグラフィックはなぜか武闘家であるハンの色違い。
どう考えてもラゴスの色違いのほうが相応しいのではなかろうか。
 
DQ11の【仮面武闘会】では武術大会のメンバーを下敷きにしたキャラたちが登場するが、こいつの名前と特徴を明確に模したキャラだけは登場しない。
しいて言えば、ブーメラン使い(3DS版では短剣使い)として登場する【マスク・ザ・ハンサム】が代役ポジションといったあたりだろうか。

リメイク版

若干美形になった。英語版での名前はQuick Draw McGore。
「Quick Draw」=素早い装填、つまりクロスボウの連射を得意としているのだろう。
DQ6に出てくる「はやてのイリア」的なネーミングセンスか。
 
FC版のブーメランが【クロスボウ】に置き換わったのに伴い、彼の武器もクロスボウに変わった。
別に【アリーナ】とは一対一なのでブーメランでも無問題だったような……。
使用時のメッセージは「ラゴスは クロスボウを はなった!」。
 
PS版ではのちに【移民】としても登場する。アリーナがパーティにいるときのみ出現。
出会ったときは「剣士ラゴス」を名乗っているが、上記の通り彼が剣を扱ったことはないし、なぜか移民カテゴリも【戦士】ではなく【船乗り】で全く一貫していない。
そもそもリメイク版ではアリーナと戦った際の彼のマップグラフィックは剣士だったはずなのだが……。
移民の町のことを教えなかった場合、「【モニカ】姫は僕ら船乗りの憧れだったのに…」とこぼす為、本業は船乗りだったということなのだろう。
 
アリーナが戦った相手の中でも特にモニカに心酔していたらしく、未だに失恋の傷を引きずっている。
そして、その件で自分を負かしたアリーナのことを恨んでいたりする。
運命の人に会い新しい恋をして胸の傷を癒すために、【移民の町】へ行くことを決意する。
が、実際にはモニカ以上に美しい女性は見つからなかったらしく、落ち込んでいる。そして【リック】を妬んでいる。
 
ところが【ビビアン】が移民の町にいるとセリフが変化する。
彼……もとい彼女のことを運命の人だと言い、その出会いに感謝し、人生を謳歌している。
同じ武術大会に出場していたということに運命を感じたらしく、寝言でも「愛してる」というくらいのゾッコンっぷり。
ビビアンの真実を知ったときの反応がとても気になる。
DS版ではオカマ発言がなくなったのでビビアンと付き合っても問題ないかもしれないが、そちらでは移民の町のシステムが変わったためビビアンと再会できたのか不明。
ビビアンは元より、モニカもかつてはアリーナにときめいたような描写があり、彼が愛した人はどうも同性愛者(疑惑)が多い。
 
なお【バコタ】の日記に【カンダタ】と並ぶ大盗賊としてラゴスの名前が挙げられている。
恐らくはDQ2のラゴスを意識したファンサービスと思われるのだが、本作には元々武術大会の方のラゴスが存在していたためややこしいことになってしまっている。
クロスボウ使いのラゴスの正体が大盗賊ラゴスなのか、それとも単なる同名の別人なのかは不明。

小説版・CDシアター版

ビビアン・サイモンらと一緒に纏めて「敵ではなかった」の一言で瞬殺される。

DQ10オンライン

外伝クエスト【大盗賊の伝説】【カンダタ】の昔のライバルとして登場。地味にシリーズ初共演である。
【戦闘】のBGMは初登場作であるDQ2の【戦い】が使用されている。
薄暗い場所が好きらしいこと、ブーメランを使うことから、DQ2とDQ4のラゴスを合体させたようなキャラとなっている。
詳しくは【盗賊ラゴス】を参照。